【中古相場・価格】中古建設機械|中古ブルドーザーについて解説
目次
中古ブルドーザーの在庫一覧、販売価格、全国でも珍しい機種を紹介
ブルドーザーの特徴
全国でも希少な特殊ブルドーザー「水陸両用ブルドーザー D155」
ブルドーザーを製造しているメーカーの一覧
中古ブルドーザーの平均価格
中古ブルドーザーの条件
ブルドーザーを運搬するには運搬車が必要
ブルドーザーを中古購入する魅力
中古ブルドーザーを購入する際の注意点
まとめ|中古ブルドーザーについて
中古ブルドーザーの在庫一覧、販売価格、全国でも珍しい機種を紹介
ブルドーザーは土木工事や建設工事のほか、地震や土砂災害時の救助活動、復興活動の際にも使用されます。このように、ブルドーザーは整地の作業でなくてはならない重機ですが、新車で購入すると1台につき1000万円以上のコストがかかってしまいます。
そのため、建設会社では重機を新車でそろえず、中古車、またはレンタルで用意していることが一般的です。
本記事では中古ブルドーザーについて紹介していきます。
ブルドーザーの特徴
ブルドーザーは、整地・土木作業に使用される建設機械です。
ブルドーザーの大きな特徴は、前方に備え付けられたブレード(排土板)が挙げられます。ブルドーザーは先端を加重させることで、ブレードを使って土砂のかき起こしを行い、車体を前進させて土砂を運搬することなどを主な仕事としています。
また、車輪ではなく「クローラー(履帯)」と言われる足回りを装備しています。「シュー」と呼ばれる鉄の板を帯状に繋いだもので、一般的には「キャタピラ」とも言われます。これは戦車などにも使用されており、接地面積が大きいため地面をしっかりホールドして、不整地や荒地でも安定した走行ができます。
不整地走行に特化したブルドーザーですが、「乾地用」と「湿地用」の2タイプがあります。乾地用は乾燥した硬い地面で使われ、湿地用は、雨量の多い国や湿地化している地域で重宝されるなど、環境によって適合した機種があるのも特徴です。
ブルドーザーの種類
一口にブルドーザーと言っても、その作業目的や使用環境によってもさまざまタイプがあります。
ドーザーショベル
「トラクタショベル」「ショベルドーザー」などとも良い、ブレードの代わりに強靭かつ大型のバケットを装備していることが特徴です。このバケットを使用して、土盛を作ったりトラックに積み込む作業ができます。
ブレードを動かす仕組みと同様に、シリンダーに作動油を出し入れすることでピストンを収縮させる仕組みである、油圧式リフトシリンダーでバケットを動かします。
トリミングドーザー
前面と裏面を使用することができるブレードを装備したブルドーザーです。そのため、進行方向に土砂を押すだけではなく、バッグしながら土砂を引き寄せることも可能です。土砂のかき寄せ作業ができるため、土木現場では重宝されます。
全国でも希少な特殊ブルドーザー「水陸両用ブルドーザー D155」
1956年にコマツが開発した「水陸両用ブルドーザー」は、遠隔操作する重機の最初の例とも言われました。水陸両用ブルドーザーとは文字通り、浅水域を作業領域とおする水中掘削機です。操縦は車体上部に組んだやぐらの上か、陸地から無線で行います。
この水陸両用ブルドーザーは生産中止となりますが、2011年に発生した東日本大震災により、コマツは採算度外視で、老朽化した旧モデルD155の改修を買って出ました。全パーツをオーバーホールし、改修を受けた幅約4000mm、奥行き約93000mm、高さ約9700mm、重量約43500kgに及ぶ大型の水陸両用ブルドーザーは長い眠りから復活し、大津波で破壊された被災地へ赴きます。
その後、宮城県閖上大橋橋梁復旧工事において多大な活躍を成し遂げ「スイブル」の愛称で親しまれ、偕成社「はたらくくるまの絵本」から「スイブル」を主人公にした物語も刊行されました。
スイブルは「青木あすなろ建設」で5台保有されており、現役で稼働中とされています。
ブルドーザーを製造しているメーカーの一覧
現在国内でブルドーザーを製造しているメーカーは主に「コマツ」や「キャタピラージャパン」となっています。
ブルドーザーの各製造メーカー詳細ついては以下のとおりです。
会社名
製造製品
状況
コマツ
小型から世界最大級のモデルまでラインナップあり。
水陸両用ブルドーザーや水中ブルドーザーなども製造済み
キャタピラージャパン
小型・中型機の一部のクラスは日本国内で生産
大型機は海外から輸入。ハイブリッドタイプも製造
三菱重工業
小型から30t超えまで製造
合弁会社「キャタピラー三菱」を経て順次生産終了
日立建機
通常のブルドーザーに加え、水中ブルドーザーの代表とされる
製造終了
日特金属工業(古河機械金属)
4t級のブルドーザーを製造。
日立やクボタへのOEM供給を行っていたが終了
ヤンマーディーゼル
小型のブルドーザーを製造
ジョンディア代理店から撤退し、日立建機に引き継がれた
久保田鉄鋼(クボタ)
小型のブルドーザーを製造
中古ブルドーザーの平均価格
ブルドーザーは、荒地や不整地での作業に多く使用されています。しかし、車体サイズに幅があるため活躍する工事が異なります。一般的には、小型から中型クラスのブルドーザーは土木工事や建設工事で活躍し、大型クラスのブルドーザーは、ダムの建設工事に導入れています。
ですが、利用頻度や幅広い用途で活躍しているのは、小回りが利き、トラックに積載もできる小型サイズとなっているため需要も高くなっています。流通量の多い機体総重量4トンの小型クラスで約¥1,00,000~¥3,000,000程度が中古相場です。
また、20トン〜50トンの中大型クラスは、新車価格ですと¥3,000,000~¥7,000,000ほどしますが、中古車両の場合、およそ¥1,600,000~¥5,000,000程度ほどで購入できるものもあるようです。
主要メーカーの中古価格の相場一覧
ここからは、主要メーカーの中古価格の相場を一覧でご紹介します。以下の価格相場は、あくまでも目安であるため参考程度にご覧ください。(2023年7月現在)
コマツ
機種名
中古相場
155AX-6
¥7,000,000~¥10,700,000
D-20P-6
¥800,000
D20P-7
¥1,100,000
D20P-8E0
¥2,000,000~¥3,000,000
D20PLL-7E
¥1,100,000~¥1,400,000
D21A-5
¥400,000~¥500,000
D21-6
¥350,000~¥800,000
D21P-8E0
¥1,500,000~¥3,000,000
D275AX-5E0
¥10,300,000~¥10,400,000
D30S-12
¥100,000~¥300,000
D50A-18
¥1,000,000~¥3,300,000
D53A-18
¥2,900,000~¥3,200,000
D53P-18A
¥1,500,000~¥3,200,000
D61PX-15
¥4,500,000~¥7,200,000
D65EX-15E0
¥4,200,000~¥9,300,000
D65PX-15E0
¥4,200,000~¥9,300,000
D65PX-16
¥6,600,000~¥9,500,000
D85-18
¥3,000,000~¥4,100,000
D85A-21
¥4,700,000~¥8,500,000
D155-1
¥4,000,000~¥5,700,000
D155A-1
¥2,850,000~¥7,500,000
D155A-2
¥10,300,000~¥10,180,000
D155AX-5
¥6,800,000~¥20,000,000
D155AX-5EO
¥10,500,000~¥10,700,000
機種名
中古相場
D20PL-7E
¥1,100,000~¥1,200,000
D21A-7E
¥1,000,000~¥1,400,000
D21A-8
¥1,200,000~¥2,200,000
D21A-8E0
¥1,300,000~¥2,800,000
D21P-8
¥1,100,000~¥2,000,000
D31EX-21
¥2,300,000~¥3,500,000
D31EX-22
¥3,100,000~¥4,000,000
D31P-18
¥1,600,000~¥1,900,000
D31P-20E
¥2,600,000~¥3,100,000
D31PX-21
¥3,100,000~¥3,500,000
D31PX-22
¥3,800,000
D39PX-22
¥4,900,000~¥5,200,000
D40P-1
¥1,100,000~¥1,300,000
D41P-6E0
¥4,600,000~¥5,200,000
D51PX-22
¥6,700,000~¥8,600,000
D53P-18E
¥3,800,000~¥4,300,000
D60P-8
¥2,900,000~¥3,000,000
D61EX-12
¥3,000,000~¥5,000,000
D61PX-23
¥1,430,000~¥1,580,000
D65P-12
¥4,600,000~¥7,400,000
D65P-12E
¥3,400,000~¥9,100,000
D65PX-12E
¥5,700,000~¥7,200,000
D65PX-17
¥6,2o0,000~¥1,740,000
D85EX-15E0
¥6,400,000~¥1,220,000
D85PX-15E0
¥8,200,000~¥10,000,000
キャタピラー
機種名
中古相場
D3B
¥790,000~¥1,100,000
D4H
¥1,900,000~¥3,100,000
D5CB
¥1,600,000~¥2,000,000
D5C
¥2,100,000~¥2,800,000
D5G
¥3,000,000~¥4,400,000
D5K2
¥5,700,000~¥8,500,000
D5M
¥3,200,000~¥4,000,000
D6N
¥4,600,000~¥10,000,000
D7E
¥500,000~¥10,400,000
D7H
¥5,700,000~¥6,200,000
D7R
¥8,500,000~¥,10,190,000
機種名
中古相場
D8R-2
¥800,000~¥40,490,000
D8T
¥2,900,000~¥3,680,000
D3G
¥2,900,000~¥3,300,000
D5H
¥1,800,000~¥3,500,000
D5HLGP
¥1,200,000~¥3,900,000
D5N
¥2,900,000~¥7,800,000
D6C
¥2,000,000
D6K
¥5,700,000~¥6,500,000
D6M
¥5,300,000~¥8,600,000
D6R
¥530,000,000~¥8,600,000
BD2J
¥760,000~¥1,500,000
中古ブルドーザーの条件
ブルドーザーを中古購入する際、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
特に、機体状態、稼働時間、年式は重要とされており、中古建設機械を購入するときには必ず確認しておきたい項目です。
ここでは、中古ブルドーザーを購入する際に押さえておきたいポイントを解説します。
機体の状態をチェック
中古ブルドーザーを購入する際は、しっかり隅々まで状態をチェックするようにしてください。過酷な環境下、作業下で長時間使用されていたものや、潮風を浴びる海辺の現場で稼働していたものなどは、車体の劣化が激しいことがあります。
見た目がきれいでも再塗装されただけなので、内部までしっかりチェックしなければ劣化具合を正確に判断することはできません。
また、ブルドーザーの足回りは一般的にゴムキャタと呼ばれるゴム製のキャタピラ(クローラー)が使われているため、足回りに大きな傷がないか、切断部分や裂け目はないか十分に確認しておきましょう。
稼働時間はアワーメーターを確認
ブルドーザーを中古購入する際は、稼働時間の確認も忘れないようにしてください。機体の稼働時間を確認するにはアワーメーターを見ることで判断することができます。
アワーメーターは稼働時間を表すメーターですが、重機はこの稼働時間が機体の状態や劣化具合に大きく関わってきます。
また、アワーメータだけでなく、その機体がどこで使用されていたのか、という点も非常に重要なポイントです。
例えば、一般的な工事現場で使用されていた高アワーなブルドーザーと、海の近くで使用されていたローアワーのブルドーザーとでは、ダメージの受け方がまったく違います。
安くブルドーザーを購入したとしても、すぐに腐食が見つかったりさまざまなパーツが壊れてしまうのでは、結局購入後に膨大な修理費用がかかってしまいます。
良い状態のブルドーザーを購入するためにも、以前の持ち主がどのような用途で使用していたかもできる限りチェックしておいた方が良いでしょう。
ブルドーザーの年式をチェック
ブルドーザーを中古で購入した場合、新車よりもかなり安い金額で導入することができますが、年式が古いモデルですと購入を後悔してしまうこともあります。
例えば、年式が10年越えの場合には、電気系統はもちろん、ポンプやパイプといったものがひどく劣化していきます。また油圧計などの計器類も目立ってくるでしょう。
これは使用していた期間だけでなく、金属やゴム製の部品は、実際にブルドーザーが稼働していなくても自然と劣化していきます。
また、ポンプやオイル系統に異常が出ている場合は、オイル漏れなどのさまざまな不具合が発生するようになります。
そのため、ブルドーザーを購入する際には、実際に試乗してみて稼働状態や異音の有無などを確認することが必要です。
ブルドーザーを運搬するには運搬車が必要
ブルドーザーの足回りは、クローラー式であるため、公道の走行ができません。そのため、ブルドーザーを運搬するには、重機運搬車の用意も必要です。また、運送業者に依頼する場合は輸送費などの費用がかかります。
クローラーで行動は原則として走行できません
車両制限令では以下のように明記されています。
(カタピラを有する自動車の制限)
第八条 舗装道を通行する自動車は、次の各号の一に該当する場合を除き、カタピラを有しないものでなければならない。
一 その自動車のカタピラの構造が路面を損傷するおそれのないものである場合
二 その自動車が当該道路の除雪のために使用される場合
三 その自動車のカタピラが路面を損傷しないように当該道路について必要な措置がとられている場合
引用:道路制限令|G-GOV 法令検索 より
つまり、現場などで公道を走行する必要がある際は、クローラーで道路が傷つかないようゴム製マットなどの敷物路面を保護すること。または、ゴム製クローラーを履いていること。除雪のために使用される場合を除いては、原則として公道をクローラー式の重機で走行することはできない決まりになっています。
ブルドーザーを中古購入する魅力
中古ブルドーザーの魅力は大きく3つあります。
コスト削減建設業界では、新品のブルドーザーは高価であり、予算や受注価格に余裕がない場合があります。その場合、無理に新品を購入するよりも、まだ十分に使える中古品を購入するという選択もあるでしょう。
中古ブルドーザーは、新品に比べておおよそ半額以下の価格で購入できます。予算の制限がある場合や、複数の機材を購入する場合には、中古品を選ぶことでコスト削減が実現できます。
即納車、直ぐに現場で使える
ブルドーザーを新車で購入すると、納品までにかなり時間がかかります。その反面、中古品は購入してから間もない時間で使用できます。急いでいる場合には特に中古品が有効です。
品質の確認ができる
中古品は使用状況がわかるため、購入前に細かくチェックすることができます。大きな問題がなければ、中古品でも品質の良いブルドーザーを選ぶことができます。
4. 節税対策になる
中古建設機械は、減価償却資産を有効に取得する節税対策にもなります。「減価償却資産」とは、税法上、時間の経過とともに価値が減少していく資産のことです。
これは、新品の重機を購入した場合だけでなく、中古重機を購入した場合にも適用されます。取得価格の低い減価償却資産は少額減価償却資産に適用され、特例には「一括償却資産の損金算入」もあります。
【少額減価償却資産の対象になる企業】
青色申告法人であること。
資本金または、出資金の額が1億円以下であること。
常勤の従業員が500人以下であること(2020年3月31日以前取得の減価償却資産は従業員数1000人以下)
連結法人でないこと。
【上記の条件を満たしていても、対象外となる法人】
大規模法人、(資本金または出資金の額が1億円超の法人)、大法人、(資本金5億円以上の法人など)と完全支配関係にある法人)に発行済株式の総数または出資金総額の2分の1以上を所有されている法人
複数の法人に発行済株式の総数または出資総額の3分の2以上を所有されている法人
マネーフォワードより:(https://biz.moneyforward.com/accounting/basic/63113/)引用
中古ブルドーザーを購入する際の注意点
中古で建設機械を購入することは、一見経済的に思えますが注意も必要です。中古建設機には、新品にはないリスクがあります。
以下に、中古建設機械を購入する際の注意点を詳しく紹介します。
保証やアフターサービスがない
中古建設機械には、製造元や販売元からの保証やアフターサービスがない場合もあります。故障した場合には、修理の費用が予想以上に高額になることもあるため、維持費の面でも慎重に検討する必要があります。
部品の入手が難しい場合がある
中古建設機械は、機械によって稼働時間が長いものもあります。この場合は、消耗品や部品がすでに劣化していることもあるため、購入後は早い段階で機械に不調が現れることが予想されます。
テクノロジーが旧式
中古建設機械は新品に比べて安価なことは確かですが、安全機能や作業性能は時代遅れの機能しか持っていません。そのため、作業効率や仕上がりの性能などに差が出てくることも考えられます。より高度なタスクを実行するためには、中古機械では補えないこともあるでしょう。特に、昨今の建設業界ではI C T機械の導入などが進み、最新テクノロジーを搭載した機械が登場しています。
将来的な維持費の予測が困難
中古建設機械を購入する場合、将来的にかかってくるコストを予測することが難しいです。中古建設機械の場合、消耗具合によっては部品交換が必要になります。新品の市場から部品が入手できない場合は、部品を探すために時間をかけたり、高額な修理費が発生する可能性もあります。
また、新しい機種に比べ、燃費が悪かったり、騒音や環境問題への対策が不十分である場合が多いです。さらに、古い機種の中古建設機械は、部品の入手が困難な場合もあるので注意が必要です。
まとめ|中古ブルドーザーについて
ブルドーザーは、整地作業でとても重宝される重機です。ブルドーザーにはさまざまなクラスや乾地式、湿地式などの種類があるため、購入前に使用用途をしっかり確認した方がいいでしょう。
また、水陸両用ブルドーザーや遠隔操作可能な機種も存在し、ブルドーザーにはかなり多彩なバリエーションが存在します。
ブルドーザーは新車で購入するとかなりの費用がかかってしまいますが、中古車両の場合はそれ以下の価格で購入できます。中古価格の相場は、中古建設機械の販売店や機体の状態などによって異なるので正確な数字は出せませんが、おおよその目安は想定できます。本記事で紹介した相場を参考してくだされば幸いです。