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ブルドーザーの能力を引き出す!【リッパー・ブレードの活用法やメーカー】について解説

ブルドーザー

2024/05/13

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ブルドーザーの能力を引き出す!【リッパー・ブレードの活用法やメーカー】について解説

ブルドーザーのリッパー・ブレードを活用するには?中古品は使える?

ブルドーザーは土木工事を代表する建設機械です。車体前部にあるブレード(排土板)で掘削、運搬、盛土、排土までを行います。ブレードはアタッチメント式になっており、作業用途によって別のブレードへ変えることも可能です。

近年では、GNSS(衛星測位システム)を使ってあらかじめ設定された位置を走行しているかどうかを測定したり、ブレードを自動で動かしたりするICT化も進んでいます。

また、ブルドーザーの車体後部には、リッパーと呼ばれるアタッチメントが備わっていることも特徴でしょう。

大馬力で大量の土砂や岩を動かすブルドーザーは、鉱山や土木現場には欠かせない存在です。このように1台多役で活躍するブルドーザーですが、いくら機体性能が良くてもリッパー・ブレードに不具合が見つかったり、特性を理解していないと本来の作業性能は発揮できません。

また、リッパーやブレードは正規品以外にも中古品が出回っているので、修理できない破損や摩耗があっても別のものに交換して使用し続けることができます。

ただし、中古品を購入する際はいくつかのポイントをおさえておくことが大切です。

この記事では、リッパー・ブレードの活用法やメーカー、中古品選びのポイントについて解説します。

ブルドーザーのリッパー・ブレードを活用するためには

ブルドーザーの作業効率や機体能力を最大限に引き上げるのがリッパーとブレードです。ここからは、リッパー・ブレードを活用するために押さえておきたい知識をご紹介します。

ブルドーザーのリッパーとは

リッパーを装備したブルドーザーはリッパー装置付きブルドーザー、またはリッピングドーザーとも呼ばれます。リッパーはブルドーザーの後部に装着する掘削刃でアタッチメントのひとつです。 これは、トラクターの牽引力を利用して、ブレードでは作業できない岩盤を掘削する役割があります。シャンク(爪)先端のリッパーチップ(またはリッパーポイント)に角度をつけて地面に突き立て、牽引して掘削を行いますが、このチップは交換式です。

また、コンクリート地面の解体や岩の破砕、作業前の地面を掘りこしなどにも幅広く使用されており、大型ブルドーザーの強大な牽引力はシャンクにもさらに大きな掘削力を与えます。

特に、リッパー装置付きブルドーザーは、鉱山や採石場、山の切り崩しなどの現場で使われることが多く、21トン級以上のブルドーザーに搭載されています。

このリッパーですが、小型のブルドーザーには備わっていません。道路工事で路盤を均す作業では小型ブルドーザーが活躍しますが、そのような現場には大きな石が少なく硬い地面を掘削するようなこともないため、リッパーを装着する必要性はないのです。

ブレードとエッジ

ブレードの先端には「エッジ」という板が装着されています。エッジのサイズや構成枚数などはブルドーザーの規格や機種によって異なりますが、ブルドーザー用エッジのサイズは以下の3種類が代表的です。
機種 サイズ
コマツD20用 12mm×160mm×1540mm 10穴
コマツD30用 16mm×165mm×2000mm 13穴
コマツD60用 19mm×204mm×1660mm 11穴
エッジの材質や形状はさまざまですが、「ボルトオンカッティングエッジ」と総称されています。一般的なエッジではボルト穴が空いていますが、モーターグレーダーなどブルドーザー以外の重機でも使用できるようにボルト穴を開けていない「万能ブレード」を販売しているメーカーもあります。

便利な万能ブレード(エッジ)

万能ブレードは、さまざまな場面で使用できる溶接取付け用ブレードです。エッジにはブルドーザーをはじめ、ホイールローダーやモーターグレーダー用など多種に渡ります。

「ピッチサイズがよくわからない」「今使っているエッジが溶接で取り付けられている」などの場合は、万能ブレードが便利です。また、万能ブレードはガス切断が容易なため必要サイズ、形状にカットすることもできます。

万能ブレードには、耐摩耗性に優れたボロン鋼が使用されることが多く、一度取り付ければエッジの交換頻度を減らすこともできるので経済的です。

ブレードを加工して効率化することも

ドーザーブレードの表面に「高分子樹脂板」を貼り付けた加工事例もあります。

標準的なブレードは、大量の土砂や岩石を押すために鉄製のものが一般的です。しかし、圃場や湿地などの軟弱地盤で鉄製ブレードを使用すると、ブレードに泥が多く付着してしまい作業効率が低下してしまいます。

そこで、ブレード表面に泥が付着しにくい高分子樹脂板をブレード表面に貼り付ける加工を行う活用例もあります。

軟弱地盤での作業性悪化の問題を改善する方法として参考にしてみるのも良いでしょう。

リッパー・ブレードが活躍する掘削工法

押土や掘削、地ならしに必要な機能が備わったブルドーザーですが、現場ではどのような場面で活用されているのでしょうか?

ここからは、ブルドーザーが用いられる主な掘削工法についてご紹介します。

ダウンヒルカット工法

ダウンヒルカット工法は、傾斜面の下り勾配を利用して、上から下へと掘削する方法です。

スクレーパー系の掘削機械や登坂能力のあるブルドーザーに適した工法で、トンネル工事や山全体を削って造成するような大規模掘削の工事によく用いられます。

広い範囲を効率よく掘削できますが、雨天時は傾斜面の土砂が洗い流されて低地へ大量に流出してしまう可能性もあるため、降雨に対する処置が必要です。

ダウンヒルカット工法と似た工法に、ベンチカット工法がありますが、こちらはドラグショベルを使って段階的に傾斜面を掘削していく工法になります。

リッパー工法

岩盤掘削の工法には、発破によるものと機械力による工法とに大別できます。このうち、機械力による工法としてごく一般的なものがリッパー工法です。

リッパーは、岩石や岩盤を粉砕する役割を持つブルドーザーアタッチメントで、主に岩盤が比較的柔らかく、亀裂が発生しているなどの軟岩掘削に用いられます。

超大型ブルドーザーの場合は、硬岩領域の一部範囲まで掘削可能です。そして、リッパーを取り付けて行う作業はリッパー工法、またはリッピング工法とも呼ばれます。

逆に、岩盤が硬く、亀裂が少ないなど、リッピングによる破砕が困難である場合は、発破工法が経済性や破砕効率に優れます。

リッパビリティについて

リッピングで覚えておきたいのがリッパビリティについてです。

リッパビリティとは、リッパー作業による掘削性(岩盤掘削、破砕のしやすさ)のことを指す言葉です。リッパビリティは岩盤強度が指標となるため、この尺度を示す弾性波速度で表されます。

地山弾性波速度1.0km/sec程度までは、バックホーで掘削できますが、1.0km/sec以上になると掘削にはリッパー付きブルドーザーが必要です。地山弾性波速度が1.5km/sec以上の場合は発破工法での掘削も選択肢に入ってくるでしょう。

また、地山弾性波速度は、リッパー装置付きブルドーザーの規格(サイズ)・爪(シャンク)の本数とも関係が示されています。

【地山弾性波速度とリッパー装置付きブルドーザーの規格・リッパーの爪数】
地山弾性波速度(km/sec) 爪(シャンク)本数
軟岩
(黒色片岩、凝灰岩、粘板岩など)
硬岩
(砂岩、花崗岩、安山岩など)
21トン級 32トン級
0.6未満 0.9未満 3本 3本
0.6以上〜1.0未満 0.9以上〜0.4未満 2本 3本
1.0以上〜1.4未 1.0.以上〜1.8未満 1本 2本
1.4以上〜1.7未満 1.8以上〜2.1未満 - 1本

ブルドーザーのリッパー・ブレード各種

ブルドーザーを現場で活用するには、リッパー・ブレードの種類と特徴を理解しておく必要があります。

ブレードは数種類のタイプがあり、作業目的に応じて使い分けられます。

ストレートブレード(Sブレード)

ストレートブレードは、もっとも標準的なタイプのブレードです。Sブレードとも呼ばれ、主に整地や掘削、押土作業に使用されます。

機種によっては油圧制御によって運転席からブレードを傾けて掘削ものもあります。現代ではこのチルト、アングル機能が備わったブルドーザーが主流ですが、深い穴を掘る作業には向いていません。

Uブレード

Uブレードは、大型サイズのブルドーザーに標準装備されているブレードです。

ストレートブレードよりもブレードの縦幅が高く、ブレードが緩やかなU字にカーブしています。土砂を抱えられる容量が多いため、長時間かつ大量の押土や運土作業に最適です。

セミUブレード(SUブレード)

セミUブレードは、SブレードとUブレードの設計・機能を組み合わせたブレードで、双方の特性を生かして幅広い作業に活用できます。セミUブレードは、大量押土に加えて、ある程度の掘削も可能です。

また、発展型としてギリシャ文字である「Σ(シグマ)」の形を採用した「シグマドーザー」がコマツから開発されています。

トリミングブレード

トリミングブレードは、通常のブレードとは異なり、ブレード下部の形状がV字形になっています。排土板は基本的に進行方向に土砂を押して使用しますが、トリミングブレードはブレード両面が使用可能です。

よって、進行方向の押土だけではなくバックによる土砂の引き寄せることもでき、トリミングブレードを装備したブルドーザーはトリミングドーザーと呼ばれます。

また、整地だけでなく、貨物船内でバラ積みの物を押したり小麦や砂糖を仕分ける作業にも使われています。

リッパーの種類

ブルドーザーのリッパーはアタッチメント式交換式になっており、種類はシングルシャンクとマルチシャンクに大きく分けられます。

シングルシャンクリッパー

シャンク(爪)が1本備わった標準的なリッパーです。中型サイズのブルドーザーに装備されていることが多く、伐根や岩の掘り起こし、掘削前の下処理などに活躍します。

マルチシャンクリッパー

スタンダートなリッパーで、リッピングする岩盤の硬さによってシャンクの本数が変えられます。3本付けのシャンクが標準的ですが、2本仕様の場合は掘削した岩盤が大割れになりやすく、重量が片荷になるため通常は行いません。

4本のシリンダーで掘削角度を調整できるリンク機構のアジャスタブルリンクが一般的です。

ジャイアントリッパー

大型サイズのシングルシャンクリッパーで、40トン級ブルドーザーに搭載されていることが多いです。シャンクが長いためリッピングによる深堀で活躍します。

ブルドーザーのリッパー・ブレード、部品を製造しているメーカー

ブルドーザーのリッパー・ブレード、各部品は、正規品以外にもさまざまなメーカーで製造されています。代表的なものとして以下のようなメーカーがあります。

小松シヤリング株式会社

小松シヤリング株式会社は、国内の大手建設機械メーカーであるコマツと富士製鉄(現日本製鉄)を中心に設立された北陸地区最大の厚板加工センターです。

コマツの建設機械部品を製造してきた経験とノウハウを生かして、ショベルやホイールローダー、ブルドーザー等の部品・製品を製造しています。製品としてブルドーザーブレードやシグマブレードも製造しています。

上鉄工業株式会社

上鉄工業株式会社は大阪府に本社工場、第二、第三工場があり、福井県に北陸工場を持つ機械加工会社です。

主な事業内容としてブルドーザーのブレードやリッパー部分、本体に使われるピンを製造しています。

日鉄神鋼シャーリング株式会社

日鉄神鋼シャーリング株式会社は大阪府に本社・大阪工場を構える厚板加工会社です。

アンカーフレームやマンホール蓋などの製品のほか、熱処理ラインやプラズマ切断機などの設備も有しており、耐摩耗鋼板の分野にも適用されています。

耐摩耗鋼板は一般的な鋼板と比べて数倍の耐摩耗性を有する素材で、ブルドーザーのブレード製造にも使用されています。

リッパー・ブレードの価格は?

リッパーやブレードの値段は、メーカーや種類、大きさなどにとっても異なります。例えば、中型ブルドーザーに使用されるノーマルブレードの場合、約¥300,000~¥500,000、Uブレードの場合は¥500,000〜¥600,000が相場です。

リッパーの値段は、シングルリッパーで約¥200,000ですが、質量760キロになりますと¥600,000以上することもあります。

(2024年5月現在の参考価格)

費用を安く済ませるなら中古品やリビルド部品がおすすめ

ブレードやリッパーは新品で購入すると、中古の軽自動車が1台買えるほどの費用がかかってしまいます。コストを少しでも安く済ませたいのであれば、中古品やリビルド部品を探すのがおすすめです。

リビルド品とは、損傷や摩耗した中古ブレードやリッパーを修理して、再び使える状態にしたもののことです。

リッパー・ブレードは消耗品

ブルドーザー部品の中でリッパーやブレードはもっとも損傷しやすい部品です。

ブレード下部やエッジは大きな負荷がかかる部分であるため、使用しているうちにすり減っていきます。摩耗具合が大きくなると、ブレード先端が地面に食い込む力が弱くなり作業効率が低下します。

摩耗したエッジを定期的に交換すればブレードは長く使えます。しかし、それを怠ったまま使用し続け、エッジを取り付けるベース部まで摩耗してしまうと大変です。

ひどく摩耗したブレード本体や広がってしまったピン穴は肉盛り溶接で復活する場合もあります。交換用のブレードを探す前に修理できないか検討してみましょう。

リッパーチップについても同様に、摩耗したものは掘削力が低下するため、作業に支障がでてきます。貫徹力や破砕能力が低くなってきた場合にはチップを交換してください。

また、リッパーはアタッチメント式なので、リッパーの破損が認められたりした場合に交換することができます。

主な消耗パーツは下記の通りです。
品名 説明
リッパーチップ
(リッパーポイント)
止めピンによってリッパーに取り付けられています。
エッジ ブレードに取り付ける交換式の刃です。
除雪用エッジ 除雪時に使うエッジです。
プロボルト ブレードにエッジを取り付けるための特殊なボルトです。

ブルドーザーのリッパー・ブレードを中古で選ぶときのポイント

中古品は経済的で、早く手元に届きすぐに使えるというメリットもありますが、中には粗悪品も存在するので注意が必要です。

ここからは、中古品のリッパー・ブレードを選ぶ際にチェックするべきポイントについてご紹介します。

摩耗具合をチェック

中古品のブレードやリッパーは、役目が無くなったものや廃車になったブルドーザーからまだ使える部分を取り外した後に中古市場へ流れてくる場合がほとんどです。

過去には現場で使用されていたため、当然ながら使用感があります。それぞれすり減り具合は異なりますが、極端に摩耗や損傷個所、肉盛り溶接跡がないかなどを確認しましょう。

亀裂がないかをチェック

雨ざらしでの保管や海岸付近、湿地での作業に使われていたブレードにはサビが発生していることがあります。

軽度の錆付きがある程度なら問題はありませんが、ひどくなると鉄が脆くなり亀裂が生じていたりすることも。

これらは使用中の損傷も考えられるのでしっかりチェックしておきましょう。

ボルトやピンの固定箇所をチェック

ブレードのエッジ取り付け部分やボルトが摩耗していると、エッジの交換ができないことがあります。

また、リッパーの取り付け部分のピンで固定されている箇所は、大きな負荷がかかる部分です。このピンやピン穴が摩耗していると、リッパーを取り付けたときにガタつきが出てしまうことがあります。

ピンがすり減っている場合は、ピンを交換することでガタつきが改善しますが、ピン穴までも摩耗して穴が大きくなってしまっている場合は、肉盛り溶接でガタガタのピン穴の再生をしなければなりません。

フレーム自体が歪んでしまっている場合にもガタつきが発生する可能性があるので、固定箇所だけでなく外観もチェックしましょう。

まとめ

パワフルな性能で大量の押土や広範囲の整地を行ったり、ブレードでは作業できない岩盤を掘削できるブルドーザーは非常に魅力的な建設機械です。

運転方法や操作のコツをマスターするだけではなく、リッパーやブレードに関する知識を持っていることで、その能力を最大限に活用できるでしょう。
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    ブルドーザーの除雪利用について解説!除雪機械やホイールローダーとの違いについても紹介

    目次 ブルドーザーは除雪にも利用できる建設機械 ブルドーザー以外の除雪機械 ブルドーザーが除雪で使用される場面とは? ブルドーザーとホイールローダーの違い ブルドーザーなどに装備されるスノープラウとはどのような仕組み? まとめ|ブルドーザーの除雪利用について解説! ブルドーザーは、車体前方にブレードと呼ばれる排土板が備わっており、進行方向に土砂を押し出す能力を持っています。また、不整地や軟弱地盤に対応するためクローラー走行を採用している点も特徴です。 このブレードやクローラーは雪上でも効果を発揮し、雪国や豪雪地では除雪用途でも導入されています。この記事では、ブルドーザーの除雪利用についてご紹介します。 ブルドーザーは除雪にも利用できる建設機械 ブルドーザーは土砂を押し出したり整地をおこなう重機ですが、除雪作業も可能です。しかし、街中での除雪作業はホイールローダーが主力であり、クローラーで走行するブルドーザーを見かけることはありません。 では、ブルドーザーはどのような場面で活用されているのでしょうか? ブルドーザー以外の除雪機械 公共事業で行われる県や市の除雪では、それぞれ役割の異なった機械を組み合わせて効率的な作業を行います。市街地や住宅街の道路除雪で使われる除雪機械は以下の通りです。 あらゆる場所で活躍!【除雪ドーザー(ホイールローダー)】 トラクターやホイールローダーにプラウやスノーブレードなどの除雪アタッチメントを装着したものを除雪ドーザーと呼びます。除雪ドーザーは、新雪や圧雪、凍結などあらゆる路面状況の除雪が可能で幅広道路や駐車場除雪で見かけることが多いです。バケットを装備した除雪ドーザーは、集めた雪をダンプトラックへ積込む作業でも活躍します。 凹凸路面を平らに均す【除雪グレーダー(モーターグレーダー)】 幹線道路や高速道路といった幅の広い道路除雪で使用される建設機械です。 主にホイールローダーなどで除雪したあとの道路を走行し、車体中央に装着されたブレードで圧雪や氷を削り取って側面に排出します。また、平坦整能力や除雪速度が高く、作業後は圧雪で凹凸になった路面が平らになります。 幅の広い道路で長距離除雪【除雪トラック】 除雪トラックは、全輪駆動性能(四駆など)を持ったトラックに除雪装置を装着した車両です。車両前部にプラウを装備したものが一般的ですが、圧雪整生用の路面整生装置や車体中央にブレードを併せ持つタイプなどもあり、装置・アタッチメントを併用して使用することもあります。主に幅広の道路で使用され、長距離を走行しながら除雪を行います。 排雪作業で重宝される【大型ロータリー除雪車】 ロータリー除雪車は、雪堤で狭くなった道路の幅を広げる作業や運搬排雪に用いられます。前面で高速回転するオーガという装置でゆっくり走行しながら雪を粉砕し、ブロワによって雪を巻き上げてシュートから投雪します。トラックの荷台に投雪することで排雪作業を効率的に行うことが可能です。 歩道や小道で大活躍【小型ロータリー除雪車】 小型ロータリー除雪車は、主に歩道除雪や住宅街の狭路除雪に使用されます。車体重量が3トン未満の小型のロータリー除雪車は小型特殊車両に分類されるため普通免許で運転することが可能です。その他、私有地や春山除雪、太陽光パネル同士の狭い間を除雪する作業にも活用されています。 ブルドーザーが除雪で使用される場面とは? 街中でブルドーザーの除雪を見かけることはありませんが、どのようなケースでブルドーザーが使用されているのでしょうか? ここからは、ブルドーザーが除雪で使用される場面についてご紹介します。 北海道はブルドーザーによる除雪先進地 日本で初めてブルドーザーによる市内除雪が行われたのは昭和21年の札幌市です。 明治当初は、屯田兵が当番制で雪踏みや除雪をして道を作っていました。明治9年(1876年)には「除雪当番心得」が屯田兵に定められ、雪踏みのルールが明確化されます。屯田兵は5戸ごとに組みをつくり、三尺(約90センチ)の道幅で踏むように指示されました。 その後、明治19年(1886年)に、ロシアから馬そりが輸入され、これを三角に工夫した三角ぞりが除雪に使用されます。明治21年(1888年)には、除雪を市民に呼びかける「雪踏取締りと搬出方規則」が制定され、大通りが雪捨て場に指定されました。 昭和に入ってからはトラクターでの除雪も行われるようになります。昭和4年(1929年)には米国製トラクターを購入して、除雪15cmになるとてん圧用ローラーを引いたトラクターが幹線道路の除雪作業を開始しました。 しかし、強力な除雪専用の機械は存在せず、一年の半分近くを覆う雪には能力不足でした。そして終戦後、北海道の除雪事情は戦後直後に一変します。 昭和20年(1945年)に札幌市は、進駐していたアメリカ軍から軍施設周辺の除雪の指令を受けました。しかし、当時の札幌市は除雪機械をほとんど保有していなかったため、翌年の昭和21年に、進駐軍からブルドーザーなどの除雪機械を借りて作業することになります。これが日本における除雪機械のはじまりとなりました。 一般の道路除雪には適していない まず、ブルドーザーはクローラー走行という特性上、クローラー路面を傷つけてしまうことや走行速度が遅いというデメリットがあります。また、雪を押し出すことしかできないため、使用されるシーンは限定的です。 除雪機械や車両には、ブルドーザーのようなブレード(排土板)を備えた装備したものもありますが、一般的な除雪作業の機械はホイール式の機械が多いです。 北海道などの豪雪地帯では、例外としてブルドーザーでの道路除雪も行われますが、川への排雪作業がメインで運用されています。 林道やスキー場などで活躍 ブルドーザーは土木現場で使用される建設機械で、主に押土や均し作業に使用される重機です。先ほど紹介した通り、ブルドーザーは一般道路や住宅地での使用に不向きですが、クローラー走行式重機の威力は斜面や不整地での機動性が求められる山間部で特に発揮されます。 不整地や軟弱地盤での走行を前提としているブルドーザーは、雪解けで泥濘化した地面や滑りやすい斜面でも、クローラーの安定性と高馬力を得て走破することができます。 走行速度と旋回性能には劣りますそのため、豪雪地での大量除雪、切換しが少ない林道、スキー場除雪で導入されているケースが多いです。 スノーシューを履いている除雪仕様のブルドーザーは、雪上でも横滑りが少なく新雪や斜面でも安定して除雪することができます。 豪雪地帯では道路除雪にも導入される 積雪が多い豪雪地帯では、ブルドーザーのパワフルな馬力が活躍します。例えば、山形県西川町の月山スキー場につながる県道では、スキー場のオープンを前にブルドーザーなどの大型除雪車を投入した除雪作業が盛んに行われています。 この県道は、積雪の多さから冬季は道路が閉鎖されていますが、除雪後はおよそ9メートルの大きな雪の壁が道路を挟みます。 このように、深く積もった雪は下の層が圧雪されるため固く重い雪になります。大量の圧雪を処理して道路を除雪するにはブルドーザーの馬力が必要です。 道路・駐車場の除雪はホイールローダーが使用される クローラーで走行する建設車両や戦車などの車両は、原則として道路を走行することが禁止されています。そのため、一般道路や駐車場の除雪は除雪ドーザーと呼ばれるホイールローダーが主力として使われています。 ホイールローダーは、四輪駆動と丈夫なタイヤを履いていますが、足回りがホイール式である利点は、ナンバープレートを取得すれば公道走行が可能なほか、高い機動性にあります。 そして、前輪と後輪の間が屈折する構造であり、「中折れ式」の操舵が可能です。このため、前後のホイールが連動して動くので内輪差が発生しないというメリットもあります。 つまり、曲がり角が多い住宅街の道路や小さい駐車場など狭い場所での作業性に優れているのです。 このため、ホイールローダーは冬季になると、除雪用アタッチメントを装着した除雪ドーザーとして使用されます。 一般的な除雪作業での使い勝手は良くないため、大型ブルドーザーが除雪で導入するケースは限定的です。しかし、先ほどもご説明した通り、豪雪地帯や雪害で生じる大量積雪は安定性や馬力がある機械が必要になるためブルドーザーの能力が生かされる場面です。 ブルドーザーとホイールローダーの違い ホイールローダーとブルドーザーの主な違いは、「足回り」と「作業装置」です。ホイールローダーの足回りはゴム製タイヤであるため、公道走行が可能で高い機動性を誇ります。 一方、ブルドーザの足回りはクローラ(履帯)を採用しているため、公道走行はできません。しかし、不整地や泥地での走行が可能であり、ホイールローダーよりも高い馬力を持っています。 作業装置も異なり、ホイールローダーは大型のバケットを備え、土砂などをすくって高く持ち上げることができます。ブルドーザーは可動式のブレードを前面に備え、土砂などを押し出す能力があります。 ブルドーザーなどに装備されるスノープラウとはどのような仕組み? 除雪ドーザーをはじめとした除雪機械のフロントにはスノープラウと呼ばれる脱着可能な除雪板が装備されていることが多いです。これは、除雪板を上げたり下げたり傾けたりという動きで道路上の雪を押して除雪します。 日本は左側通行であるため、通常は除雪板をやや左に傾けて走ることによって、路肩に雪を押し避けるようにして除雪を行います。 スノープラウのメリットは、大型の除雪車が侵入できないような細い道路でも作業ができるところです。そのため、入り組んだ区画や住宅街の除雪では重宝されます。 しかし、大量の雪を一度に運搬する作業には適していないため、豪雪地帯よりも甲信地方などの積雪量の少ない地域での利用が多いです。また、空港の滑走路でも活躍しており、空港内でコンテナを運搬するイートングトラクターという空港専用の小型車両にスノープラウを取り付けて降雪時に除雪を行います。 スノープラウの種類 機械で除雪をする際は、雪質や除雪環境によって最適なアタッチメントを選択する必要があります。以下で除雪アタッチメントである代表的なプラウについてご紹介します。 スピーディーな除雪作業が可能【アングリングプラウ】 油圧操作で、左右のアングル角度や前傾、後傾角度の調整が可能なプラウです。路肩の左右どちらへでも自由に除雪可能で、拡幅作業、市街地除雪、狭い道路の除雪、圧雪除雪などあらゆる場所で威力を発揮し、スピーディーな除雪を行えます。 路面の障害物に接触した際の衝撃を吸収【ショックキャンセルプラウ】 除雪時は路面が雪で覆われているため、マンホールなどの障害物の位置をあらかじめ把握しておく必要があります。ショックキャンセルプラウは、路面と触れるブレードのエッジ面が、マンホールに接触した際の衝撃を吸収し、オペレーターのショックを軽減させます。また、作業機や車体の損傷も防ぐので、市街地での除雪を快適に行えます。 ブレードから雪がこぼれない【サイドシャッター付きプラウ】 ブレードの両側面に、運転室内で左右独立して操作可能なシャッターが付いていることが特徴です。雪を抱え込むようにして運搬するため、ブレードからの雪こぼれがありません。主に交差点内や民家の玄関先、駐車場の入り口などの除雪におすすめです。 傾斜のある路面に最適【パワーチルトプラウ】 油圧駆動によってアングル角度、前傾、後傾角度加え、チルト角度の調整が可能です。チルト角度を調整することで、傾きや雪質に合わせた除雪が可能になります。 深い新雪の除雪に使用【Vプラウ】 大型船舶の先端のようなV字型をした形状のプラウです。雪を左右に押し除ける能力が大きく、少ない出力でも押し除け除雪には十分な威力を発揮します。主に深い新雪の除雪、前進や吹き溜まりの突破、拡幅作業などに使用されます。最近は使用される機会が減っている傾向にあり、豪雪地や山間部での投入ケースがほとんどです。 まとめ|ブルドーザーの除雪利用について解説! ここまで、ブルドーザーの除雪利用について解説しました。前述したように、市街地や一般道での除雪作業は除雪ドーザー(ホイールローダー)やロータリー除雪車、モーターグレーダーなどの建設機械が主力となっており、クローラー走行で機動性が低いブルドーザーは使用される場面が限定的と言えます。 しかし、ある程度の深雪や斜面でも安定した除雪が可能なことから、山間部や豪雪地帯では導入ケースも多く、スキー場経営者からは必要とされる重機です。また、ダンプトラックで運ばれてくる大量の雪を押し出して川などに排雪する作業では、馬力のあるブルドーザーが適材です。 除雪用重機をお探しの際は、機械ごとの特性やメリット・デメリットをよく検討、考慮したうえで購入を検討しましょう。 ←除雪で活躍できる【中古ブルドーザー】を探すならトクワールド!

    #ブルドーザー#ホイールローダー#除雪

    2023/12/22

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  • ブルドーザーやホイールローダーなどの重機を運転するには?
    ブルドーザー

    ブルドーザーやホイールローダーなどの重機を運転するには?

    ブルドーザーやホイールローダーの運転や操縦に必要な免許・資格を紹介 ブルドーザーやホイールローダーなどの重機を運転して作業をするためには、労働安全衛生法で定められた資格や自動車免許を取得する必要があります。 もし、無免許無資格で建設機械を運転し、業務をおこなった場合、事業主には「6か月以下の懲役、または50m万円以下の罰金」が科せられ、作業者にも「50万円以下の罰金」といった罰則があります。 また、交付された修了証を作業の際に携帯していない場合は、罰則の対象になるので注意が必要です。 建設機械の資格は、土木や建設現場などではもちろん、倉庫や工場、農業、畜産業でも活躍するので幅広いニーズがあります。 また、操縦方法は機械ごとにそれぞれ異なるため、知識と操縦技術が必要になります。そのため、重機を操縦する仕事は専門性の高い仕事のひとつといえるでしょう。 また、建設業界では建設機械を操縦するオペレーターの高齢化や人手不足も問題となっているので、重機免許を取得していれば、仕事の幅が広がるだけでなく、年収アップにもつながるでしょう。 本記事では、ブルドーザーやホイールローダーなどの重機を操縦するため必要な資格、免許や講習内容、費用について詳しくご紹介します。 ブルドーザーやホイールローダーの操作に必要な資格 ブルドーザーやホイールローダーなどの建設機械を業務で使用する場合、労働安全衛生法上では、「車両系建設機械運転者」に定められた作業者である必要があります。 車両系建設機械運転者とは、労働安全衛生法の定めにより就業制限の課されている一定の車両系建設機械について、各種の技能講習または特別教育を修了するなどにより、それらの運転または操作をおこなうことを認められた作業者のことを指します。 ここからは、車両系建設機械運転者に必要な資格について詳しくご紹介してまいります。 車両系建設機械とは? ブルドーザーやホイールローダーなどの「動力を用い、かつ不特定の場所に自走可能な重機」は、労働安全衛生法施行令別表第7にて車両系建設機械として定められています。 重車両系建設機械は全部で6種類に分類されており、それぞれ用途や能力が異なります。 車両系建設機械の分類は以下の通りです。 1.整地・運搬・積込み用機械 ブルドーザー モーターグレーダー トラクターショベル ずり積機 スクレーパー スクレープ・ドーザー 2.掘削用機械 パワーショベル ドラグショベル ラグライン クラムシェル バケット掘削機 トレンチャー 基礎工事用機械 くい打機 くい抜機 アースドリル リバースサーキュレーションドリル せん孔機(チュービングマシンを有する物に限る) アースオーガー ペーパードレーンマシン 締固め用機械 ローラー コンクリート打設用機械 コンクリートポンプ車 解体用機械 ブレーカー ショベル系建設機械での作業で必要な免許 ブルドーザーやホイールローダーの他、バックホウなどのショベル系建設機械での作業には、以下で紹介する資格、免許が必要です。 小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み及び掘削用)の運転の業務に係る特別教育 「小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み及び掘削用)の運転の業務に係る特別教育」は、機械質量3トン未満の小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み及び掘削用)の運転作業に従事する方に必要な資格で、特別教育は事業者が従業員に対して行われる教育です。 労働安全衛生法第59条第3項の規定では以下のように規定されています。 労働安全衛生法 (安全衛生教育) 第59条 事業者は、労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行わなければならない。 2 前項の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用する。 3 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。 このように、事業者は、機械質量3トン未満の車両系建設機械(整地・運搬・積込み及び掘削用)で雇用関係のあるものに就業させるには、「小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み及び掘削用)の運転の業務に係る特別教育」を受講させる必要があります。 講習では、「小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識」といった学科講習が7時間、実技講習が6時間の計13時間(2日間)があり、これらの講習を修了することで取得可能です。 科目 教育時間 【学科】 走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識 3時間 作業に関する装置の構造、取扱い及び作業方法に関する知識 2時間 運転に必要な一般事項に関する知識 1時間 関係法令 1時間 【実技】 走行の操作 4時間 作業のための装置の操作 2時間 主な対象機会は車両系建設機械(整地用等)のうち、機械質量3トン未満のホイールローダー・ブルドーザー・トラクターショベル及びドラグショベルなどです。 3トン以下の車両系建設機械を操作できる特別教育は、主に全国にあるコマツなどの重機メーカーの教習所や都道府県にある労働局長登録機関などで実施しています。 教育を実施する時期などは各県や機関により異なるので、お住まいの地域の情報を調べてみましょう。 車両系建設機械運転技能講習(整地・運搬・積込み及び掘削用) 「車両系建設機械運転技能講習(整地・運搬・積込み及び掘削用)」は、機械質量3トン以上の車両系建設機械(整地等)の運転作業に従事する方に必要な資格です。 労働安全衛生法第61条(施行令第20条 第12号)では以下のように規定されています。 労働安全衛生法(就業制限) 第六十一条 事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。 2 前項の規定により当該業務につくことができる者以外の者は、当該業務を行なってはならない。 3 第一項の規定により当該業務につくことができる者は、当該業務に従事するときは、これに係る免許証その他その資格を証する書面を携帯していなければならない。 4 職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第二十四条第一項(同法第二十七条の二第二項において準用する場合を含む。)の認定に係る職業訓練を受ける労働者について必要がある場合においては、その必要の限度で、前三項の規定について、厚生労働省令で別段の定めをすることができる。 施行令第20条 第12号 機体重量が三トン以上の別表第七第一号、第二号、第三号又は第六号に掲げる建設機械で、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走することができるものの運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務 上記の内容(労働安全衛生法第61条)では、特定の危険業務については、都道府県労働局長の免許を受けた者のほか、技能講習を修了した資格を有する者でなければ、その業務に就いてはならないと規定されています。 そのため、事業者は従業員を機械質量3トン以上の車両系建設機械(整地等)の運転作業に就ける際は、「車両系建設機械運転技能講習(整地・運搬・積込み及び掘削用)」を受講させる必要があります。 また、その業務に従事する際は、従業員も免状(免許証)など、その資格を証する書面を携行することが義務付けられています。 技能講習の内容は、「走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識」など、最大で計38時間(6日間)の講習を受講した後、修了試験に合格することで資格取得となります。 また、特定の資格を取得していることで、一部の科目受講が免除されます。 時間 該当条件 18時間 自動車運転免許を保有せず、機械質量3トン未満の小型車両系建設機械(整地等)運転特別教育終了後に6ヵ月以上の運転経験を有する方(事業者証明が必要) 14時間 次のいずれかに該当する方 ・大型特殊自動車運転免許を保有している方。 ・普通自動車免許、大型自動車免許または中型、準中型自動車免許を有し、かつ機械の運転業務に3カ月以上従事した経験を有する方。 1.機械質量3トン未満の車両系建設機械(整地等)(または特別教育を修了した後の運転経験に限る) 2.車両系建設機械(解体用) ・不整地運搬車運転技能講習を修了している方。 38時間 いずれにも該当しない方 科目 教育時間 【学科】 走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識 4時間 作業に関する装置の構造、取扱い及び作業方法に関する知識 5時間 運転に必要な一般事項に関する知識 3時間 関係法令 1時間 【実技】 走行の操作 20時間 作業のための装置の操作 5時間 機械質量が3トンを超える車両系建設機械の場合、基本的には合計38時間の学科講習と実技講習が必要です。また、技能講習の講習項目、時間数は講習規則によって定められています。 ブルドーザーやホイールローダーの運転に必要な免許 車両系建設機械を運転するために必要な免許は、小型特殊自動車免許と大型特殊自動車免許があり、重機の重さなどによって必要な免許が異なります。 特殊自動車の免許の受講条件は以下の通りです。 【受講条件】 【視力】 ・両眼:0.7以上 ・片眼:0.3以上 ・視野:150以上 【聴力】 日常会話レベル 【年齢】 大型特殊免許:満18歳以上 小型特殊免許:満16歳以上 以上の条件を満たしている者 大型特殊自動車とは? 大型特殊自動車の定義は、ブルドーザーやホイールローダーのように、足回りがクローラー(キャタピラ)式、またはホール(装輪)式など特殊な構造をもち、特殊な作業に使用され、最高速度や車体の大きさが小型特殊自動車に当てはまらない自動車です。 大型特殊自動車免許 大型特殊免許は、ホイールローダーやクレーン車などの特殊な大型自動車を運転するために必要な免許です。第一種と第二種の2つの区分がありますが、通常は第一種の方が取得されます。 第二種免許では、キャタピラー付車両などを運転し、旅客営業を行うことができます。しかし、現在国内では第二種免許が適用されている車両は存在しません。第二種免許を取得している人々は、通常はフルビット免許証と呼ばれる、すべての免許区分が記載された免許証の取得を目指しています。 大型自動車免許を取得すると、以下の免許区分の車両を運転することができます。 1.大型特殊自動車 2.小型特殊自動車 3.原動機付自転車(原付) 上記の車両に該当するのは、以下の条件を満たす特殊自動車です。 •全長が12.0m以下 •全幅が2.5m以下 •全高が3.8m以下 •総排気量に制限はなく、最高速度も制限はありません。 •ただし、時速49km/h以下の自主規制がある場合もあります。 これらの条件を満たす特殊自動車は、大型特殊免許を保有する運転者によって運転されます。大型特殊免許の取得には、教育や実技試験などが必要とされ、各国や地域において運転に関する法律や規制が存在し、安全な運転が求められています。 小型特殊自動車免許 小型特殊自動車とは運転免許の区分のひとつで、フォークリフトや除雪車、農耕トラクター、コンバインなど特殊な装備を持つ自動車のことを言います。そして、それらの特殊小型自動車を運転するための免許が小型特殊自動車免許です。 小型特殊免許を取得することで特殊な装備を持つ自動車を運転することができます。また、普通二輪免許以上の免許を所有している場合でも小型特殊自動車を運転することが可能です。 小型特殊自動車は、工場・作業所で使用される特殊な構造を持つ車両や農耕作業用の車両に分類されます。 【工場・作業所で使用される小型特殊自動車】 車両の長さが4.7m以下、幅が1.7m以下、高さが2.8m以下、最高速度が時速15km以下 【農耕作業用の小型特殊自動車】 農耕トラクターや農業用薬剤散布車などで乗車装置があり、最高速度が時速35km未満のもの 【小型特殊自動車を運転できる免許の種類】 小型特殊免許 大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許、大型特殊免許、大型二輪免許、普通二輪免許 【小型特殊自動車の定義と種類】 工場・作業所で使用する小型特殊自動車 車両の長さ4.7m以下、車両の幅1.7m以下、車両の高さ2.8m以下、最高速度時速15km以下の条件を超える車両は大型特殊自動車に分類 農耕作業用の小型特殊自動車 農耕トラクター、農業用薬剤散布車、刈取脱穀作業車、田植機など乗車装置があり、最高速度が時速35km未満の車両が該当 特殊な構造を有する車両には、フォークリフト、除雪車、農耕トラクター、コンバインなどの特殊な装備を持つ車両のほか、タイヤローラーやロードローラー、ホイールクレーン、モーターグレーダー、アスファルトフィニッシャー、キャリアダンプといったおなじみの建設機械が該当します。 また、最高時速が時速35km以上の農耕作業用自動車は、大型特殊自動車に分類されます。 小型特殊自動車の免許の交付には実技は必要なく、適正検査と学科試験に合格すれば交付されます。学科の試験問題は一般的な交通ルールを含む48問出題され、うち文章問題が46問(1問1点)、イラスト問題が2問(1問2点)出題されます。50点満点で45点以上合格取れば合格です。 各免許・資格にかかる費用 免許の取得にかかる費用は、一般的な目安として以下のようになります。 【車両系建設機械運転者(整地・運搬・積込み用及び掘削用)】 •特別教育: 約1万5千円 •技能講習: 約4万円~10万円(免除の程度による) 【特殊自動車免許】 •大型特殊免許: 約8万円~13万円(教習料金) •小型特殊免許: 約4千円(試験手数料など) ただし、これは一般的な参考価格であり、実際の費用は地域や教習所によって異なる場合があります。また、教習料金や試験手数料以外にも、書類申請費用や事務手数料などの追加費用がかかる場合もあります。 免許取得に関しては、正確な費用については教習所や関連機関にお問い合わせいただくことをおすすめします。 クローラー(キャタピラ)車両は回送車での運搬が必要 ブルドーザーやバックホウなどの公道走行が不可能な建設機械は、セミトレーラーなどの回送車を用意するか、運送業者に依頼して輸送してもらうことが一般的でしょう。 ブルドーザーなどの重機を運搬する際には、道路運送車両法の保安基準や道路交通法に適合するために、建設機械は分解して輸送することが基本です。 使用するセミトレーラー車両については、搭載する建設機械により変化するので、ケース毎に検討が必要になります。 また、セミトレーラーの運転には大型特殊免許とけん引免許が必要です。大型特殊免許と大型免許はそれぞれ異なるため、すでに大型特殊免許をお持ちの方が大型免許を取得する場合には、あらためて大型免許を取得しなければなりません。 そして、セミトレーラーは運転席と荷台が分離するけん引自動車に分類されているため、運転をするには大型免許のほかにけん引免許が必要となります。 まとめ ここまで、ブルドーザーやホイールローダーでの業務に必要な資格、免許について紹介しました。 作業用の資格と移動のために免許は異なるため、講習を受けただけでは一般道路を走行(移動)させることはできません。「小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育」や「車両系建設機械運転技能講習」などは、あくまで建機で作業するために必要な講習です。 まず、ブルドーザーなどのクローラー(キャタピラー)式の走行方式である建設機械は、一般道路を走行できないため、重機を載せて運べるサイズのトラックやトレーラーを運転する免許が必要です。 ブルドーザーを別の現場へ移動させる場合に備えて、別途で大型特殊免許とけん引免許を取得するか、事前に運送業者を手配しておくなりしておきましょう。 ←ブルドーザー、ホイールローダの中古はトクワールドに!在庫一覧はこちらから

    #ホイールローダー#ブルドーザー#資格#免許

    2024/04/05

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