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【ブームとジブの違いを紹介】ブームの構造とは? トラッククレーンなどに搭載されているブームの知識を身につけよう

クレーン

2022/08/02

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【ブームとジブの違いを紹介】ブームの構造とは? トラッククレーンなどに搭載されているブームの知識を身につけよう

クレーンのブームがどのような構造になっているのかご存じですか?

構造以外にも、

●「クレーンのブームってそもそも何のことを言っているんだろう」
●「ブームとジブって言葉をよく聞くけど、何が違うの?」

など、さまざまな疑問があると思います。

そこで、この記事では、建設業界には欠かせない頼もしい味方である、クレーンのブームに関する疑問や悩みを、解説していきます。

クレーンのブームの構造は、1度正しく理解してしまえば、それほど難しいものではありません。
現場で「ブームの構造はどうなっているのか分かる?」と聞かれたときに、さっと答えられたらかっこいいですよね。

また、ブームとジブは現場によって呼び方が変わっているのが現状です。自分の働いている現場と違いはあるかもしれませんが一般的なものを紹介します。

クレーンの知識を身につけたい方やクレーンについて勉強が必要な方は、ぜひ最後まで読んでください。

この記事のポイント
1.ブームとは、そもそも何かが分かる!
2.ブームとジブの違いが分かる!
3.ブームの構造がどのようになっているのか分かる!

クレーンのブームとは、そもそも何か?

まずは、クレーンのブームとは、そもそも何を指している言葉なのかを紹介します。
すでに「ブームが何かなんて、分かっているよ!」という方も、ぜひ、ご一読ください。

結論、ブームとはクレーンそのものです。ブームが無いと、クレーンの仕事である荷を吊り上げて運搬するということができません。

ブームが無いクレーンは、バケットの無いユンボのようなものです。無くてはならない存在です。

ブームは、クレーンの腕の部分

クレーンの上部本体に取り付けられている、長い棒状のものをブームと呼びます。

クレーンの上部本体には、ブーム以外にも、

●エンジン
●運転室
●駆動装置

などが、設置されています。

これらの中でも、ひと際目立っているのがブームです。「クレーンの絵を書いてください」と言われたときに、ブームの部分を書かない人はいないでしょう。
それほど、クレーンの象徴的部分になります。

ブームは、上部旋回体の一端を支点として動いており、そのことから、ブームはクレーンの腕の部分と言われています。

クレーンのブームは、人間の腕と同じ役割

クレーンのブームは、人間の腕と同じ役割があります。

たとえば、何か近くの物を取る場合をイメージしてください。
その場合、以下のような動きになると思います。

1.物を認識して、腕を伸ばす
2.物を手のひらで、掴む
3.腕を折り曲げて、自分の元に持ってくる

イメージできましたか?今のイメージが、そのままクレーンのブームの役割になります。

クレーンに置き換えて考えると、このようになります。

1.吊り荷を認識して、ブームを伸縮する
2.ブーム先端に付いているフックで、荷を吊る
3.ブームを操作し、自分の元や別の場所に移動する

クレーンのブームは、「起伏」や「伸縮」と呼ばれる動きをすることにより、人間の腕のような動きを可能にしています。

ブームが無ければクレーンは本来の仕事ができません。それほど、大切な部分です。

ブームの役割は、「作業半径」と「高さ」の調整

画像引用元:GR-250N-1 性能表

クレーンにおいてブームは非常に重要な役割を果たします。

具体的に紹介するとブームは、

●作業半径
●高さ

この2点の調節を行い、作業をしています。

作業半径とは、作業箇所までの距離を言います。
クレーンにとって、作業半径は「何tまでの荷を吊ることができるのか?」ということに関わってくるため、非常に大切です。

人間に例えると、肩から手のひらまでの距離とイメージして頂ければ分かりやすいと思います。

高さはそのままの意味であり、ブームの先端から荷までの高さを言います。

何か障害物があり、その障害物をかわして荷を吊りたいときや遠くの荷を吊りたい場合に、高さを調節します。

クレーン作業において、高さも非常に重要な役割です。

ブームとは?ジブとは? ブームとジブの違いを紹介

次に「ブーム」と「ジブ」の違いを紹介していきます。

建設現場で働いていると、ブームという言葉とジブという言葉をよく耳にすると思います。

この2つの違いが分からず、そのままにしている方も多いのではないでしょうか?

1つ注意点として、「ブーム」と「ジブ」の使い分けは、現場によってさまざまです。
この記事では、一般的な使い分けを紹介していきます。

ブームとジブは、基本的に同じものを指す言葉

結論、「ブーム」と「ジブ」という言葉に違いはありません。どちらも基本的には同じ部分を指す言葉になります。

一般的な違いを明確にするのであれば、以下のようになります。

●ジブ:正式名称
●ブーム:現場で使われる用語

しかし、現状では、職人の方によってジブと言ったりブームと言ったりさまざまです。

それでは納得できない方もいると思います。メーカーが使用しているブームという言葉の具体例を詳しく紹介します。

ブームとは、箱型構造ジブのことを指す

基本的にメーカーでは、ジブの中に含まれる「箱型構造ジブ」をブームとしています。

ジブの種類には、以下のようなものがあります。

●箱型構造ジブ
●トラス構造ジブ
●補助ジブ

この中の、箱型構造ジブをブームと呼んでいるということです。

ブーム(箱型構造ジブ)が、流行している理由

ブーム(箱型構造ジブ)には、3段階ブームや4段型ブームなどさまざまな種類があります。

これらのブームは、以下の利点から、今では多くの現場で活躍しています。

●組み立て不要で作業をすぐに始められる
●スペースをあまりとらずに作業できる
●ブームを任意の長さに変えることができ、臨機応変に対応できる

非常に使い勝手が良く、どこの現場でも重宝されています。

ブーム(箱型構造ジブ)を搭載している主な2つのクレーン

ブーム(箱型構造ジブ)は、どのクレーンにも搭載されているというわけではありません。

そこで、ブーム(箱型構造ジブ)を搭載している主なクレーンを構造に少し触れながら、2つ紹介します。

1.トラッククレーン
2.クローラークレーン

トラッククレーン

ブームを搭載しているクレーンの中で、代表的なのがトラッククレーンになります。

そんなトラッククレーンには、3段ブームや4段ブームといったブームが搭載されています。
トラッククレーンのブームは、油圧シリンダとワイヤーロープを用いて「起伏」や「伸縮」をするタイプのブームです。

ラフタークレーン

ラフタークレーンも、ブームを搭載した代表的なクレーンの一種です。街中でみかけたことがあるのではないでしょうか?

70tほどの大型ラフタークレーンもあるため、ブームを「起伏」や「伸縮」する姿は、トラッククレーンには無い迫力があります。

ラフタークレーンは、ワイヤーロープを使わずに、油圧シリンダのみで「起伏」や「伸縮」をする方式が一般的になっています。

ラフタークレーンのブーム構造に関しても、この後詳しく解説していきます。

クレーンのブームの構造は、どのようになっている?

ブームの構造を詳しく解説します。
どのようにして、ブームが「起伏」や「伸縮」をしているのかが分かるようになります。

今回は、トラッククレーンとラフタークレーンの2パターンに分けて解説をしていきますが、その前に「油圧式」という言葉を聞いたことはありますか?

ブームの構造を理解する前に、油圧式とはどのようなものなのかを解説します。

油圧式の解説と、3つの利点

ブームの構造を理解するうえで、油圧式とはどのようなものなのかを知る必要があります。今現在、ブームは油圧式がほとんどです。

油圧式とは、「油の圧力」と「油の流量」の油圧装置を用いることにより、任意の仕事に変換させること。この仕組みを、搭載したクレーンのことを油圧式クレーンと言います。

簡単に言うと、油に圧力を加えて、機械を動かしているということです。

油圧式のメリットを3つ紹介します。

●単純構造で小型のクレーンにできる
●揺れが少なく、動作がスムーズにできる
●小さな力を大きな力に変換できる

これらのメリットから、近年では油圧式のクレーンが多く見られます。

トラッククレーンに用いられるブームの構造を解説

トラッククレーンに用いられる基本的なブームの構造について解説します。

トラッククレーンに用いられるブームは主に「3段ブーム」や「4段ブーム」になります。
「3段ブーム」や「4段ブーム」の特徴は、油圧シリンダとワイヤーロープによってブームを操作するという所です。

それを踏まえて「起伏」や「伸縮」をしているときの、トラッククレーンのブーム構造を覗いていきましょう。

起伏は、ブーム起伏シリンダを使用する

起伏は、ブーム起伏シリンダに作動油が入ることによって操作できるようになります。

両サイドにあるブーム起伏シリンダのどちらに作動油が入るかによって、ブームの上下方向が変わってきます。

具体的には、以下のようになります。
【1】ブームを上昇させる クレーンのヘッド側に作動油が入る
【2】ブームを下降させる クレーンのロッド側に作動油が入る
トラッククレーンは、これらの作業を1日に何度も行い、クレーンの高さを調整しています。

伸縮は、油圧シリンダとワイヤーロープを使用する

伸縮は、油圧シリンダとワイヤーロープを使用して行っています。
今回は、4段ブームを例にします。
【STEP1】 ブーム伸縮シリンダのヘッド側に作動油が入る
【STEP2】 2段ブーム伸縮シリンダが伸びて、2段ブームが伸びる
【STEP3】 3段ブーム伸縮シリンダが伸びて、3段ブームが伸びる
【STEP4】 3段ブームが伸びると、4段ブーム伸縮ワイヤーロープが引っ張られる
【STEP5】 4段ブームが引っ張り出されて伸びる
ブーム伸縮シリンダが伸びる方で解説しました。ロッド側に作動油が入ると、ブームは逆の順序で縮んでいきます。

1番先端のブームのみ、1つ前のブームの伸縮力を用いて、ワイヤーロープで伸縮させます。

ラフタークレーンに用いられるブームの構造を解説

次に、ラフタークレーンに用いられている一般的なブームの構造を、解説します。

ラフタークレーンに用いられているブームは主に、1本の油圧シリンダのみで伸縮をするタイプのブームになります。

前述したトラッククレーンのブームとの違いは、ワイヤーロープを使用していない点です。

伸縮をしているときの、ラフタークレーンのブーム構造は以下のようになっています。
【STEP1】 油圧シリンダが伸びて、ブームが伸びる
【STEP2】 ブームが伸びきると、油圧シリンダは停止する。ブームは、ピンで固定される
【STEP3】 油圧シリンダのみが縮み、次のブームと固定される
【STEP4】 油圧シリンダが伸びて、ブームが伸びる
この流れを繰り返すことによって、必要なブームの長さに調整しています。

まとめ

クレーンのブームに関する疑問|まとめ
クレーンのブームに関する疑問を解説していきました。
改めて要点をまとめると、以下のようになります。
  • クレーンのブームは、人間の腕と同じ役割を持った大切な部分
  • 箱型構造ジブのことをブームと呼ぶ
  • ブームは、油圧シリンダやワイヤーロープによって起伏や伸縮が行われている
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    目次 種類別に紹介! 操作に必要な資格や免許とは? クレーン運転士になる為に、必要な資格・免許とは? 移動式クレーン運転士になる為に、必要な資格・免許とは? 種類別!実際に資格・免許を取得するのに費用はどのくらいかかるの? 実際どんなことを勉強するの? 試験・講習の内容とは? まとめ 大きくて、力持ちでカッコイイ! クレーンは、そんな男のロマンを詰め込んだ夢のような建設機械です。 クレーンを自分の手足のように操作したいと思っている人もたくさんいることでしょう。 しかし、クレーンの資格や免許は種類によって分けられているので、理解するのも一苦労です。 費用もある程度理解していないと、いざという時にすぐ行動できない、なんてことになりかねません。 また、講習の内容を全く知らずに参加して、不合格になってしまってはお金と時間がもったいないです。 そこでこの記事では、 ・「クレーンの資格や免許を取得したいけど、複雑でどれか必要か分からない!」 ・「資格や免許を取得するときの、費用が知りたい!」 ・「試験内容や講習の内容が、全く分からない!」 という悩みをお持ちの方に向けて ・クレーンの種類別 必要な資格や免許とは? ・実際に、クレーンを運転できるようになるまでにかかる費用はどのくらい? ・どういった内容の試験なの? 講習の内容は? これらについて、解説していきます。 クレーンは、人力で運べない物を運搬できるパワフルで頼りがいのある味方ですが、それ故に事故や災害を絶対に起こさないように、気を付けなければいけません。 ぜひ、この記事を最後まで読んでいただき、適切な資格や免許取得を行い安全第一で操作してください。 それでは、解説していきます。 種類別に紹介! 操作に必要な資格や免許とは? クレーンを操作するには.、資格や免許が必要になります。 基本的にクレーンの資格は、吊り上げ荷重によって変ります。 自分が運転したいクレーンの吊り上げ荷重をイメージしつつ、この記事を読んでいただければ、より理解が深まる思います。 クレーンと移動式クレーンに分け、そこから種類別に細かく解説していきます。参考にしてください。 クレーン運転士になる為に、必要な資格・免許とは? 資格の一覧になります。 ・吊り上げ荷重が5t以上:クレーン・デリック運転士免許(限定なし)クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定) ・吊り上げ荷重が5t以上の床上運転式:クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定) ・吊り上げ荷重が5t以上の床上操作式:床上操作式クレーン技能講習 ・吊り上げ荷重が5t未満:クレーンの運転の業務特別教育 これを見て、デリックって何?と感じた方のために簡単に解説します。 デリックとは、クレーンと同様に荷を動力を用いて吊り上げることを目的とした機械装置ですが、違いは荷の水平移動が必須ではありません。 荷を水平に移動できるものもあれば、できないものもあります。 また、エンジン等を別で取り付け、ワイヤーロープやウインチによって操作を行うことも特徴の1つです。 昔はクレーン運転士免許とデリック運転士免許は分かれていたのですが、平成18年4月1日に、労働安全衛生法関係法令の改正がありクレーン運転士免許とデリック運転士免許が統合されました。 改正前のデリック運転士免許ではクレーンを操作できません。 それでは、クレーンの運転に必要な資格を1つずつ解説します。 クレーン・デリック運転士免許(限定なし) この免許を取得すると5t以上を含む、全てのクレーンを運転・操作することができます。 クレーン運転士が必要な場面で、活躍することができます。 このことから、非常に人気の資格になっています。 試験は、学科試験と実技試験があり、合格率は学科試験が約60%。実技試験が約50%にです。 しっかりと対策を行えば、決して難しくありません。 この資格は ・デリックも運転する必要がある方 ・全てのクレーン・デリックを運転できるようになりたい方 におすすめです。 クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定) この免許を取得すると、5t以上を含む全てのクレーンを運転・操作することができます。 クレーン・デリック運転士免許(限定なし)と違い、デリックは運転できません。 デリックを運転しなければいけない方は注意してください。 こちらも合格率は学科試験が約60%。実技試験が約50%です。 この資格は ・デリックを運転する必要の無い方 ・全てのクレーンを運転できるようになりたい方 におすすめです。 クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定) この免許を取得すると ・床上運転式クレーン ・床上操作式クレーン ・跨線テルハ ・5t未満のクレーン これらを運転・操作することが出来ます。 床上運転式クレーンとは、 ・無線ではなく、押しボタンスイッチなどを使い、床上で操作する ・荷の移動に関係なく、一定の位置で操作ができるbr> ・運転士がクレーンの走行とともに、移動する になります。 床上操作式クレーンと似ていますが、荷の移動に関係なく操作が可能かというところが違います。 床上運転式クレーン:運転士が荷とともに移動しないクレーン 床上操作式クレーン:運転士が荷とともに移動するクレーン この違いは覚えておいて損はないです。 こちらの合格率も、学科試験約60%。実技試験約50%となっています。 この資格は ・自分の用途に合ったクレーンのみ運転することを考えている方 ・5t未満のクレーンを運転できる免許を取得したい方 におすすめです。 床上操作式クレーン運転技能講習 この資格を取得すると ・床上操作式クレーン ・跨線テルハ ・5t未満のクレーン これらを運転・操作できるようになります。 技能講習となるため、約20時間の学科・実技講習を受講すれば、資格を取得することができます。 なるべく早くクレーンを運転したいという方におすすめです。 クレーンの運転の業務特別教育 この資格を取得すれば ・跨線テルハ ・5t未満のクレーン これらを運転・操作できるようになります。 特別教育となっていますので、約13時間の学科・実技講習を受ければ資格を取得することができます。 5t未満のクレーンを運転できるようになりたいという方におすすめです。 最後に現場や工場でクレーン運転士として活躍したいと考えている方は、玉掛け作業の資格も取得することをおすすめします。 玉掛け作業とは、フックに荷を掛けたり、外したりする作業のことです。 玉掛作業が出来ないとなると、活躍できる場所は限られてしまいますので注意するようにしてください。 移動式クレーン運転士になる為に、必要な資格・免許とは? 資格の一覧になります。 ・吊り上げ荷重が5t以上:移動式クレーン運転士免許 ・吊り上げ荷重が1t以上5t未満:小型移動式クレーン運転技能講習 ・吊り上げ荷重が1t未満:移動式クレーンの運転の業務特別教育 それでは、1つずつ解説します。 移動式クレーン運転士免許 こちらの免許を取得すると、5t以上を含む全ての移動式クレーンを運転・操作することができます。 大規模な現場でパワフルに働きたいという方は、この資格に挑戦して免許取得を目指してください。 合格率は、学科試験が約65%。実技試験が約60%になっています。 クレーンの資格に比べると、少し取得しやすいようです。 この資格は ・移動式クレーンを全て運転できるようになりたい方 ・大規模な現場で活躍したい方 におすすめです。 小型移動式クレーン運転技能講習 こちらの資格を取得すると、1t以上から5t未満の全ての移動式クレーンを運転・操作することができます。 技能講習となっていますので、約20時間の学科・実技講習を受講すれば、資格を取得できます。 最短で小型移動式クレーンを運転ができるようになります。 この資格は ・小型移動式クレーンを運転できるようになりたい方 ・移動式クレーンの用途が明確にわかっており、5t以上は必要ない方 におすすめです。 移動式クレーンの運転の業務特別教育 こちらの資格を取得すると、1t未満の移動式クレーンを運転・操作することができます。 特別教育となっていますので、約13時間の学科・実技試験を受講すれば、資格を取得できます。 1t未満となると、活躍できる場所が限定されますので、自分の用途に合っているか確認が必要です。 この資格をおすすめする方は、小型移動式クレーン運転技能講習と同じになります。 移動式クレーンでも同様に玉掛作業の資格を取得することをおすすめします。 移動式クレーンで公道を走行して現場に入り、移動式クレーンを運転して帰るには、クレーンに適した運転免許が必要になります。 運転免許はセットと考えて、計画的に取得するようにしてください。 種類別!実際に資格・免許を取得するのに費用はどのくらいかかるの? 早速資格を取得しようと考えている人もいると思います。 次にクレーン運転士になるにはどのくらい費用が掛かるのかを解説します。 結論から言うと、教習所によって多少の違いはありますが、おおよそ下記の費用になります。 ・免許取得→10万~15万 ・技能講習→3万~5万 ・特別教育→1万5千円~2万 前述した通り玉掛け作業・運転免許の資格も必要になってきます。 玉掛け作業の場合は、 ・技能講習→2万~4万 ・特別教育→約2万 運転免許の場合は、 ・大型特殊車→約10万~20万(取得している免許により変動) ・大型自動車→約20万~35万(取得している免許により変動) ・中型自動車→約10万~27万(取得している免許により変動) それでは、詳しく解説します。 クレーン・デリック運転士免許 こちらの免許取得にかかる費用は、約14万円です。 床上操作式クレーン運転技能講習 こちらの資格取得にかかる費用は、約3万5千円になります。 教習所によって金額も多少変わりますので、必ずホームページを確認してください。 クレーンの運転の業務特別教育 こちらの資格取得にかかる費用は、約1万5千円になります。 クレーンの吊り上げ荷重が小さくなれば比例して、費用も安くなります。 移動式クレーン運転士免許 こちらの免許取得にかかる費用は、約14万円になります。 クレーンと移動式クレーンに大きな違いはありません。 しかし、移動式クレーンの場合は運転免許も取得の必要があります。 小型移動式クレーン運転技能講習 こちらの資格取得にかかる費用は、約4万円になります。 移動式クレーンの運転の業務特別教育 こちらの資格取得にかかる費用は、約1万5千円になります。 全ての資格に言えますが、この金額にプラスして諸費用が掛かりますので注意してください。 免許取得から技能講習、特別教育と段階的に費用は安くなります。 実際どんなことを勉強するの? 試験・講習の内容とは? 実際にどんなことを勉強するの?と思っている方のために、試験・講習の内容を解説します。 運転士免許の試験内容とは? 学科試験科目は以下の通りです。 ・クレーン及びデリックに関する知識 ・原動機及び電気に関する知識 ・クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 ・関係法令 学科試験の試験時間は全科目を通して、2時間30分です。 実技試験科目は以下の通りです。 ・クレーンの運転 ・クレーンの運転のための合図 移動式クレーンの場合は、 ・移動式クレーンの運転 ・移動式クレーンの運転のための合図 クレーンの学科試験は、過去問と似た内容が出題される傾向があります。 しっかりと、対策して勉強すれば難しくありません。 技能講習の講習内容とは? 技能講習科目は以下の通りです。 ・床上操作式クレーンに関する知識と原動機及び電気に関する知識 ・小型移動式クレーンに関する知識と原動機及び電気に関する知識 ・床上操作式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 ・小型移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 ・関係法令 これらの中で、必要なものを受講する形になります。 その後、実技講習を計7時間ほど受講して、完了です。 特別教育の講習内容とは? 特別教育の科目は以下の通りです。 ・クレーンに関する知識 ・原動機及び電気に関する知識 ・クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 ・関係法令 これらを勉強し、その後実技講習を計4時間受講すると無事完了です。 ユンボの操作|まとめ 今回は、クレーンの資格・免許について解説しました。 クレーンの種類によって、取得しなければならい資格も変わってきます。 資格により費用も変わります。この金額にプラスして諸費用が掛かりますので注意してください。 そして、忘れてならないのはクレーンで公道を走るための運転免許も必要になります。 取得まで日数がかかるのもあるため、計画的に取得することをおすすめします。 ←トクワールドには、いろいろなクレーンが多数あります!

    2022/06/15

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  • カニクレーンナックルブームは最先端の建設機械!その特徴を徹底解説!
    クレーン

    カニクレーンナックルブームは最先端の建設機械!その特徴を徹底解説!

    目次 カニクレーンナックルブーム(電動併用仕様)を解説 カニクレーンナックルブーム導入のメリット カニクレーンナックルブームの運転に必要な資格 移動式クレーンの種類と特徴 まとめ|カニクレーンナックルブームは最先端の建設機械! カニクレーンは、コンパクトな設計と4本のアウトリガーが特徴です。 下部走行体はゴムクローターで、走行中の全幅は590ミリ~1,390ミリ、一般的な重機が進入していけない現場へ到着すると4本のアウトリガーを張り出して接地します。 狭く不安定な場所での墓石や庭石の据え付け、周りに電線が張り巡らされた変電所、スペースが限られたトンネルや地下鉄の管工事で荷を吊って揚げて運搬します。 さらに今後は、都市中心部の建築物密集地や高層ビルでの維持・修繕工事などでの活躍が期待されています。 一方、ナックルブームクレーン(屈曲式クレーン)は、クレーン分野で非常に注目を集めています。 ナックルブームクレーンは、ウインチを持たずブームの先端にフックをつけて荷を吊り上げます。ブームを高く立ち上げ、フックを吊り降ろす作業が必要ありません。 最短距離で、すばやく荷へアプローチできるのが特徴です。吊り上げ後も荷を大きく揺らすことなく移動させることができます。 また油圧アタッチメントのパレットフォークやグラップルを装着させれば玉掛け作業も必要ないです。 以上のような特徴をもつカニクレーンとナックルブームクレーンを組み合わせた、カニクレーンナックルブームは、最先端の建設機械として期待されています。 この記事では、カニクレーンナックルブームについて解説します。 カニクレーンナックルブーム(電動併用仕様)を解説 カニクレーンナックルブームを製造しているのは、国内メーカーでは前田製作所のみとなっています。商品の型式番号は、「MK1033CW-1」です。 MK1033CW-1について、構成、機能、特徴、能力、標準装備・オプションのポイントで解説します。 【ナックルブームクレーン】MK1033CW-1の構成 MK1033CW-1は、おもに3つのパーツで構成されています。走行台車部、クレーン部、安全装置の3つです。 走行台車部 走行台車部は、走行装置(ゴムクローラー)、エンジン装置、走行とクレーンの操作装置などで構成されています。 クレーン部 クレーン部は、メインブームの起伏装置、ジブの伸縮・起伏装置、旋回装置、フックブロック(1本掛フック)、ウインチおよびアウトリガーの装置などで構成されています。 安全装置 MK1033CW-1の安全装置は、クレーンの安全作業はもちろん、作業の効率化にも有効な装置です。 フック巻過警報・過巻下警報・自動停止装置、非常停止ボタン、角度指示計、油圧安全弁、油圧自動ロック装置、玉掛けロープ外れ止め、三色灯、警報ブザー、水準器が装備されています。 また横転警報装置、アウトリガー安全装置、ブーム変位検出装置、旋回規制装置などが装備されている安全性の高い機械です。 【ナックルブームクレーン】MK1033CW-1の機能 MK1033CW-1の機能について、走行台車部とクレーン部で説明します。 走行台車部 走行台車部は、走行姿勢状態(クレーンとアウトリガーを格納した状態)での全幅750ミリで、非常にコンパクトな設計になっています。そのため一般的な建設機械が入り込めないような狭い場所への進入が可能です。 2本の走行レバーの操作だけで、クローラーの前進、後進、左右への進路変更ができます。 クレーン部 クレーン部は、不陸や勾配のあるような不整地や狭所でのクレーン作業を可能にする屈折式アウトリガーを採用しています。 ブームの伸縮・起伏・旋回動作と、ウインチ装置の作動によりフックを上下移動させて吊り荷を移動させることができます。(定格総荷重内及び作業範囲内) メインブームとジブの角度や長さを変えることで、多様なポジションをつくることが可能で、付属の固定式フックとなるフィックスドフックと付け替えて使用することもできます。 【ナックルブームクレーン】MK1033CW-1の特徴 ナックルブーム(屈折式ブーム)で的確なリーチが可能なMK1033CW-1の特徴をまとめました。 効率よく奥まで水平にリーチできる ジブを水平に伸ばすことができるため、工場や倉庫などで効率よく荷台の奥まで荷を移動させることができます。 屈折式ブームだから効率的にリーチできる 屈折式ブームであるため、必要以上にブームを立ち上げたり、長くフックを吊り下ろしたりする作業の必要がなく効率的な作業が可能です。 オプションで脱着式電動ユニットが搭載可能 オプションとなりますが、コンパクト(全幅547ミリ)で脱着式の電動ユニットが搭載可能です。屋内や住宅地の現場で、排ガスの規制や静粛性が求められる場合に有効です。 懐が広いので障害物を乗り越えて作業できる 関節を曲げて深い懐(ふところ)をつくり出せるため、長い荷の積み込みが容易になり、障害物を乗り越えての作業もできます。 マルチアングルアウトリガーだから接地しやすい マルチアングルアウトリガーを装備したため、不陸や支障物など現場状況に応じて、最適な位置での接地面の選択の幅が広がりました。 【ナックルブームクレーン】MK1033CW-1の能力 MK1033CW-1の機体質量は2390㎏で、全長×全幅×全高は3030×750×1990(ミリ)となっています。原動機は、ヤンマーの水冷式ディーゼルです。 クレーン容量は、一本掛けフック使用時で0.82トン×2.3mです。最大作業半径は9.73mで、最大地上揚程は10.47mになります。 附属のフィックスドフック使用時は、クレーン容量0.995トン×1.3mになります。最大作業半径は9.9mで、最大地上揚程は11.3mです。 新型マルチモニターで情報を一元管理できます。管理情報項目は、モーメントリミッター情報、クレーン/アウトリガーインターロック情報、クレーン作業記憶機能、エラー記録表示、水準器などです。また特許出願中の高機能モーメントリミッターも装備しています。 その他としては、フック格納ブラケット、マルチアウトリガーポジション(各張り出し角度は6パターン)、オプションで自己脱着式電動切替仕様もあります。 オプションの電動機は、三相誘導電動機で5.5kw、200.220Vで起動方式はインバータとなっています。 ラジコンは、扱いやすく高性能なパドルレバー式です。 【ナックルブームクレーン】 MK1033CW-1の標準装備・オプション MK1033CW-1の標準装備とオプションについてまとめました。 <標準装備> パドルレバー式ラジコン 1本掛フック フィックスドフック ウインチ マルチアウトリガーポジション 水準器 マルチモニター クレーン/アウトリガーインターロック 傾斜警報 クレーン作業履歴 <オプション> 脱着式電動ユニット 白ゴムクローラー 指定色(機体) MK1033CW-1は、メーカーの前田製作所の技術を存分に積み込んだ仕様と言えるでしょう。 カニクレーンナックルブーム導入のメリット カニクレーンナックルブームは、一般的な建設機械が入り込めない狭所や足元の良くない現場での作業が可能です。また現場では、ナックル(屈曲式)ブームを使用して、より効率的な吊り荷と運搬作業を行うことができます。 このようにカニクレーンナックルブームの導入には大きなメリットがあります。 カニクレーンとナックルブームのメリットをそれぞれ紹介し、この二つを組み合わせたカニクレーンナックルブームがどのような現場で活躍しているかを解説します。 カニクレーンのメリット カニクレーンの下部走行体はゴムクローラーなので、舗装された道路だけでなく、未舗装や軟弱地盤、工場内の狭い通路などでも移動できます。 一番の特徴は、とにかくコンパクトな設計であることで、走行中の全幅は590ミリ~1,390ミリです。利用頻度の高い1トン吊り~2.8トン吊りで全幅は600~800ミリとなっています。 屋内のエレベーターに載せて運んだり、トラックの荷台のわずかなスペースに積んだりできます。また分割して運ぶことができる仕様のものもあり、ロープウェイやヘリコプターでの現場搬入も可能です。 現場に到着すると、4本のアウトリガーを張り出して接地します。この作業時のみ展開する4本のアウトリガーは、現場接地面の広さ、支障物や段差に応じて張り出しの角度や長さを選ぶことができます。 ナックルブームのメリット ナックルブームは屈曲式なので、深いフトコロをつくり出すことが可能であり、低い姿勢での作業や荷の水平移動が簡単にできます。 ナックルブームは、ウインチがなくブームの先端にフックを取り付けて荷を吊り上げることができるので、ブームを高く立ち上げて、長くフックを降ろす作業が必要ありません。 直線的にすばやく荷へアプローチできる上に、吊り上げ後も、吊り荷を大きく揺らすことなく移動が可能です。 油圧アタッチメントのパレットフォークやグラップルを装着させれば、玉掛け作業が無くなるだけでなく、土砂の積込み作業など幅広い用途での使用が可能になります。 ナックルブームのクレーンは、海外では車載クレーンの主流となっています。 どのような現場で活躍できるか カニクレーンナックルブームは、あらゆる狭所現場や屋内でのクレーン作業で活躍しています。 ブームとジブを駆使すれば、障害物を越えての作業や作業棚の奥へのアプローチができて、エンジンモーターと電動の併用であれば排気ガスを出さずに作業できるからです。 以下に、活躍している現場をまとめました。 高層ビルの新築や修繕の工事 屋上での荷揚げや吊り荷、運搬 墓石や庭石、石碑の据え付け作業 周りに電線が張り巡らされた変電所 航空産業での整備施設内での作業 美術館や博物館での据え付け作業 アクセスに制限のある室内での作業 スペースが限られたトンネルや地下鉄 プラント、工場内でのメンテナンスや運搬 住宅の中庭や外壁工事での資材の吊り作業 カニクレーンナックルブームを使用すれば、これまでクレーンを使用できなかった、さまざまな場面での建設機械の導入が可能になります。 カニクレーンナックルブームの運転に必要な資格 カニクレーンナックルブーム(MK1033CW-1)の運転は、「吊り上げ荷重0.5トン以上1トン未満の移動式クレーンの運転の業務」に該当します。 運転に必要な資格は、下記のいずれかが必要です。 移動式クレーン運転士免許を受けた者 小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者 移動式クレーン運転業務に関する特別の教育を修了した者 また玉掛け作業にも資格が必要です。 玉掛技能講習を修了した者 玉掛けに関する特別の教育を修了した者 それぞれについて解説します。 移動式クレーン運転士免許 移動式クレーン運転士免許を取得すると、吊り上げ荷重5トン以上を含む、すべての移動式クレーンの運転ができます。ただ一般道路で移動式クレーンを運転するためには、大型特殊自動車の免許などが必要になります。 移動式クレーン運転士免許を取得するには、全国7か所にある「安全衛生技術センター」で実施される学科試験と実技試験に合格することが必要です。以下のサイトを検索すると詳細がわかります。 公益財団法人安全衛生技術試験協会 https://www.exam.or.jp/ 免除資格が全くない方は、まず学科12時間・実技9時間の講習を受講します。その後修了試験を受けて合格すると、修了証明書が発行されます。 修了証明書は1年間有効で、その期間で学科試験(期間内であれば何回でも受験できる)に合格すると、合格通知書を受けとることができます。修了証明書と学科試験の合格通知を労働局に郵送すると、免許証が交付郵送されるという流れです。 免除資格が全くない方の教習日数は概ね6日間、費用は14万円程度かかります。夜間に講習可能なセンターもありますが、費用は割高(2割程度)になります。 詳しくは、お近くの安全衛生技術センターに問い合わせてください。 小型移動式クレーン運転技能講習 カニクレーンナックルブーム(MK1033CW-1)は、小型移動式クレーン(吊り上げ荷重5トン未満)の運転技能講習を修了することで運転できます。 技能講習は、各地域にある登録教習機関で受講することができます。以下のサイトで、居住地に近い登録教習機関を簡単に検索することが可能です。 厚労省|登録教習機関一覧 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei05.html 受講に必要な費用や時間は、保有している資格や実務経験で違います。 クレーンなどの建設機械の資格や実務経験がまったくない場合は、20時間(3日間)の受講が必要で、費用は54,000円程度になります。 お近くの登録教習機関に、事前に問い合わせて確認しておくと安心です。 移動式クレーン運転業務に関する特別教育 カニクレーンナックルブーム(MK1033CW-1)の吊り上げ荷重は1トン未満なので、移動式クレーン運転業務に関する特別教育を受講したという修了証があれば運転することができます。 特別教育は事業者が主体となって、業務に就かせる労働者に対して行うものですが、実際には登録教習機関で受講していることがほとんどです。以下のサイトで居住地に近い登録教習機関を簡単に検索することができます。 厚労省|登録教習機関一覧 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei05.html 学科は9時間、実技は4時間が目安となっています。費用はテキスト代込みで12,000円程度です。 移動式クレーン運転業務に関する特別教育は、登録教習機関によっては実施していないこともあるので、必ず事前に問い合わせるようにしましょう。 移動式クレーンの種類と特徴 カニクレーンナックルブームは、クレーンの一種です。クレーンという分野でどのような位置付けになるか整理してみましょう。 クレーンは、原動機を内蔵し不特定の場所へ移動できる「移動式クレーン」と不特定の場所へ移動できないクレーンに分けることができます。 この移動式クレーンの中で、一般的な建設機械では狭くて進入できない場所や、通常のクレーン作業が難しい狭所や不整地などでの作業を得意とするのがカニクレーンです。 さらにこのカニクレーンにナックルブームを組合わせて、作業の利便性を格段に向上させたのが、カニクレーンナックルブームということになります。 移動式クレーンは、建築・土木など建設業の現場に置いて欠かすことができないものです。また最近では、移動式クレーンにナックルブームを装備したものも登場しています。 カニクレーンナックルブームと他の移動式クレーンとの違いを浮き彫りにするため、移動式クレーンの種類と特徴を説明します。 トラッククレーン トラッククレーンは、トラック式キャリアと呼ばれる下部走行体に、上部旋回体を架装するための旋回サークルやアウトリガーなどが装備されています。このような形状のため、走行用の運転室とクレーン操作用の運転室が分かれています。 クレーン作業の巻上げ・巻下げ、ジブの起伏・伸縮・旋回などの作動については、大型機種では走行用と作業用とで原動機が別々のものが多いです。 比較的小型の機種では、走行用原動機からPトンO(油圧変換の仕組み)を介し油圧装置によりクレーン装置の作動を行っています。 トラッククレーンは機動性、操作性に富み、小型から大型まで建設現場で幅広く使用されています。 トラック搭載型クレーン トラック搭載型クレーンは、トラックのキャブと荷台の間にクレーンを架装している車両です。1台で、トラック(運搬)とクレーン(荷役)の2つの機能を有していることになります。 クレーン部分は、トラックのエンジンの動力を利用して発生させた油圧で作動し、3~7段のブームを持つことが多いです。ブームの構造により、伸縮ブームと屈折ブーム(ナックルブーム)の2種類あります。 吊り上げ荷重は0.49~4.9トンのものが多く、トラックのサイズも小キャブから大型まで幅広いです。 トラッククレーンは、一般的にユニックと呼ばれることが多いです。ただユニックは、古河ユニックの商品名ですから、正式にはトラッククレーンと呼ぶのがふさわしいかもしれません。 積載型トラッククレーン トラッククレーンには、荷台の上にクレーンが載っている「積載型トラッククレーン」もあります。小型のものが多く、ブームの段数は2~3段で吊り上げ荷重も0.8~2.6トン程度で軽量です。 地下駐車場など、高さ制限のある建設現場で活躍しており、一定数は常に流通しています。 車両の全高が増加しないようにブームを格納することができて、車両前方側のクレーン作業ではブームを水平角まで倒伏して作業範囲を拡大することも可能です。 右側アウトリガー垂直張出式では最大でも2m幅以内で張出が収まり、なおかつ全方位に作業範囲を展開できるものが登場しています。またブームを高く上げることで懐(フトコロ)部の荷の干渉をクリアできるようになっています。 レッカー型トラッククレーン レッカー形トラッククレーンは、トラックのシャーシーをサブフレームで補強して、そこにアウトリガーを備えたクレーン装置を架装したものです。 通常のトラッククレーンと異なり、ジブ長さは通常10メートル程度しかありません。シャーシー後部に事故車けん引用のピントルフック、ウインチなどが装備されています。 このため建設現場での使用には向かず、一般に交通事故車、故障車等の救難作業または建屋内の機械設備などの据付工事などに使用されることが多いです。 オールテレーンクレーン オールテレーンクレーンは、非常に走行性の優れた車両です。ちなみに「オールテレーン」は「すべての地形」という意味になります。 トラッククレーンのシャーシーは、後輪駆動の前輪操舵が一般的ですが、オールテレーンクレーンは多輪駆動の多軸操舵です。このシャーシー構造が不整地での走行能力を高めています。 大型なものが多く、走行とクレーン操作で運転席が分かれているのが、ラフタークレーンとの違いです。国内最大級のオールテレーンクレーンは、吊り上げ荷重700トンですが、7軸14輪のため安定性と走行性に富んでいます。 橋梁や高速道路、高層ビル建設など大規模工事で使用されることが多いです。最近では、新素材による軽量化がすすめられています。 ラフテレーンクレーン ラフテレーンクレーンは、一つの運転室で走行とクレーン作業が行える移動式クレーンです。 大型ですが、全輪駆動のため不整地や比較的軟弱な地盤でも走行できるのが特徴です。ラフテレーン(rough terrain)とは、英語で「不整地」を意味しています。 最大つり上げ荷重は比較的少なく、100トン未満のものがほとんどです。また最高速度が時速50kmを越えない設定のため、長距離走行には向いていないといえるでしょう。 解体工事や基礎工事、荷役作業など応用範囲が広く、高所がからむさまざまな現場で、重量物の吊り上げ、運搬、移設を行います。 建て方作業でも活躍します。一般住宅の土台の据え付けから柱や梁の設置や棟上げ、架空線越しの屋根の建て方、繁華街の看板やネオンサイの建て方・交換作業も可能です。 クローラークレーン クローラークレーンは、クローラー(下部走行体)で走行し、上部旋回体を架装した移動式クレーンです。上部旋回体の構成は、原動機、巻上装置、操作装置、走行装置などになります。 クローラーは、接地面積がタイヤ広いため、不整地や軟弱地盤上での走行性が高いです。 小型のクローラークレーンの中には、アウトリガーを装備して安定性を高めている機種もあります。 超大型(吊上能力450t~600t以上)はプラントや風力発電、大型(吊上能力100t~300t程度)は地盤改良工事や基礎工事などが主な作業場所です。 中・小型(吊上能力10t~75t)は、比較的狭い道路での工事、石組や石工事、造園工事、建屋内での機械組立などに使用されています。 まとめ|カニクレーンナックルブームは最先端の建設機械! カニクレーンナックルブームについて、以下の内容で解説してきました。 カニクレーンナックルブーム「MK1033CW-1」について カニクレーンナックルブーム導入のメリット カニクレーンナックルブームの運転に必要な資格 その他の移動式クレーンの種類と特徴について カニクレーンナックルブームは、クレーンを使用できる現場の幅を大きく広げ、作業の効率を大幅に上げるものです。ただ、利便性の割に、まだ稼働率が低く一般的ではない状況であると言えます。 この記事が、カニクレーンナックルブームの周知につながり、導入を検討する方にとって少しでも役に立つ記事になっていれば幸いです。 ←トクワールドで【中古カニクレーン】が見つかります!

    #カニクレーン

    2023/09/21

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