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「解体工事の裏側!重機の種類とその役割」ビルや橋の解体に使われる重機の特徴や工法を解説

建機

2025/07/17

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「解体工事の裏側!重機の種類とその役割」ビルや橋の解体に使われる重機の特徴や工法を解説

解体工事と聞くと、「ただ建物を壊すだけ」と思われがちですが、実際はそう単純ではありません。現場では、構造物の種類や周辺環境に応じて、緻密な計画と多様な重機が投入され、解体が進められています。

中でも、重機の存在はまさに現場の主役といっても過言ではありません。

本記事では、解体工事の現場で使用される重機の種類とその役割、主に用いられる解体工法や注意点について解説します。
    この記事でわかること
  • 解体に使われる重機の役割・種類
  • 解体で使われる重機の解体用アタッチメント
  • 建物別の主な解体工法

解体工事に重機が欠かせない理由とは?安全性と効率性の両立

解体工事では、安全かつ効率的に建物を取り壊すために欠かせないのが重機です。人の手だけでは対応できない重量物の処理や、高所作業、鉄筋コンクリートの破砕など、すべての工程で重機が活躍しています。

特に、規模の大きい構造物の解体にも重機は不可欠です。ビルや橋といった大規模構造物では、手作業だけでは対応しきれない場面が多く、現場ごとに適した重機の選定と運用が求められます。

ビルや橋梁といった大規模構造物の解体では、使用する重機の選定が工事の成否を左右すると言っても過言ではありません。

また、重機の導入により、作業時間の短縮、作業員の安全確保、コスト削減などの得られるメリットは多いです。

解体現場で使われる重機の種類・サイズ・アタッチメントまとめ

解体工事に用いられる重機はバックホウが主力となります。

標準仕様のバックホウでも一定の解体作業は可能ですが、より効率的かつ安全な作業を行うためには、解体仕様のバックホウが採用されます。

解体重機の代表的なメーカーとしては、専用機のラインナップが豊富なコベルコ建機が知られています。

建設現場での汎用性も高いですが、解体専用機としてカスタマイズされているモデルは、耐久性・安全性・作業効率が格段に向上しています。

解体仕様のバックホウは、安全性と作業効率の両立を実現するため、落下物からオペレーターを保護するFOPS(落下物保護構造)などの安全設備の実装や、多種多様なサイズ、アームの長さ、アタッチメントが用意されています。

解体現場によっては、安全対策の一環で、キャノピーにガードが付いている重機しか入れないという現場も増えてきました。キャノピーのフロント、側面、上部にガードが付いた、いわゆる「三面ガード仕様」という機械が「解体機」と呼称されます。

解体重機の種類

代表的なのは、あらゆる現場で活躍している「油圧ショベル」です。他にも、高層ビルの上層階を解体する際に用いられるクレーンや資材やガラを運ぶホイールローダーなども現場によっては導入されます。

特に油圧ショベルは、アタッチメントを交換することで、破砕、切断、吊り上げといった多様な作業をこなす万能機械として重宝されています。

解体機とひとくちに言っても、その種類や規模はさまざまです。例えば、4〜5階建ての高層建物を解体する際には、大型のロングリーチ仕様機が必要になります。一方で、2〜3階建ての比較的低い建物では、アームが長すぎると作業の妨げになることもあるため、中小型の解体機のほうが適しています。

このように、解体工事では建物の構造や高さ、作業スペースなどを考慮し、適切な機械を選ぶことが重要です。そのため、幅広い規格の解体機を揃えておくことが、スムーズで安全な施工につながります。

解体重機のサイズ

重機のサイズは「小型」「中型」「大型」に分類され、建物の規模や現場の状況に応じて使い分けます。
  • 小型機:狭小地や住宅地など、スペースが限られる現場で活躍
  • 中型機〜大型機:鉄筋コンクリート造(RC造)や高層ビルなど、大規模解体で使用
  • ロングリーチ解体機:高さ20〜30mを超える建物の解体に用いる大型機
住宅街などの狭小地では、コンパクトな小型機、大型ビルや規模の大きい構造物の解体では、馬力がある中〜大型機が主流になります。

さらに、ビルの高層部を解体するときは「ロングリーチ解体機」という長大なアームを持つ大型機も存在します。

解体重機のアタッチメント

解体工事で解体重機の作業性を支えるのが、重機の『手』に当たる部分である「解体専用アタッチメント」の数々です。

アタッチメントは、用途に応じて使い分けることで、さまざまな構造物の解体や資材の分別が可能になります。
大割機

大割機は、鉄筋コンクリート造(RC造)などの大型構造物を一気に破砕するための強力なアタッチメントです。

強靭なアームでコンクリートの柱や壁をつかみ、内部の鉄筋ごと切断します。主に建物の主要構造部の解体に使用され、工期の短縮や人手の削減、安全性の向上にもつながる重要な装備です。
小割機

小割機は、大割機で破砕したコンクリートガラなどを、さらに細かく砕くためのアタッチメントです。

回収しやすいサイズにまで細分化することで、産業廃棄物の分別や再資源化がスムーズになります。環境配慮型の解体工事には欠かせないツールです。
ブレーカー

ブレーカーは、先端から強い衝撃を加えてコンクリートを破壊する「打撃型」のアタッチメントです。

特に、建物の基礎や床面、アスファルトのはつり作業(削り取り)に使用されます。頑丈で壊しにくい構造物にも対応できる反面、振動や騒音が大きいため、近隣への配慮が求められる現場では、使用時間帯の制限や防音対策が必要です。
グッラップル(フォーク)

グッラップル(フォーク)は、住宅の木造解体で使われることが多く、木材を“つかむ”ためのアタッチメントです。解体のほか金属くず、廃材の積み込み・選別作業にも最適です。

高所からの落下物や散乱した資材を安全かつ効率的に回収できるため、作業員の安全確保にも貢献します。現場の後片付けや積載作業において、非常に汎用性の高い装備です。
スケルトンバケット

スケルトンバケットは、底部に隙間(スリット)が設けられたバケット型のアタッチメントです。通常のバケットは土をすくうことが用途となりますが、 スケルトンバケットは、土砂と混在するコンクリートガラや木くずなどを、ふるい分けながら選別する目的で使用されます。

特にリサイクルや再資源化を前提とした解体現場において、資源の有効活用と廃棄物処理コストの削減に効果を発揮します。

油圧ショベルの役割

油圧ショベルは解体現場の主力機です。アームの先端に取り付けたアタッチメントを駆使し、コンクリートの破砕、鉄骨の切断、瓦礫の積込みなど、ほぼすべての工程で活躍します。

また、狭い現場でも小回りが利くモデルも多く、街中や住宅地での解体作業では、作業員や建物に機体が接触しないよう、機体後部がコンパクトな後方小旋回モデルが多く活躍します。

クレーンの役割

大型構造物や高所での作業では、クレーンが重要な役割を果たします。重い部材や設備を吊り上げて取り外すほか、上層階からの解体で解体ガラを地上に降ろす際にもクレーンが使用されます。

特に解体専用の「デリッククレーン」は、高層ビルの解体において欠かせない存在です。

木造住宅の解体工法とは?重機と手作業の使い分けを解説

木造住宅や店舗の解体では、構造材の特性や周囲の環境に配慮した工法の選定が求められます。手作業と重機を適切に使い分けることで、安全かつ効率的な解体が可能です。

重機併用工法とは|木造解体で主流の施工方法

この工法では、まず屋根や内装材などを人力で撤去し、その後に重機で柱や梁を倒していきます。木造建築では、建材が比較的軽量であるため、重機の力で一気に解体できる点がメリットです。また、粉塵や騒音の拡散を抑えるために散水や防音シートを併用するのが一般的です。

手壊し工法とは|狭小地やアスベスト処理に有効な方法

手壊し工法は、主に重機が入れない狭小地や隣接建物との距離が近い現場で採用されます。また、アスベストなどの有害物質が含まれる場合は、専門処理が必要になり、重機よりも手壊しでの作業が増えます。

手壊し工法は、騒音や振動が少ないため、近隣への迷惑を最小にできることが利点です。しかし、作業に時間がかかり、コストも高くなりがちです。そのため、大規模な解体には不向きな解体工法となります。

手作業のため安全かつ丁寧に解体を進められるほか、廃棄物の分別の制度が高く、リサイクルの観点ではメリットが大きいですが、工期や費用面を十分に考慮する必要があるでしょう。

ミンチ工法とは|禁止された危険な解体手法

解体工事の基本的な原則として、2003年に施工された「建築リサイクル法」により、昨今では、環境問題への配慮や産業廃棄物の廃棄規則などが厳しく管理されています。

かつて一部で行われていた「ミンチ工法」は、重機を用いて建物を一気に取り壊すという危険な手法です。工期も短く、解体費用を大幅に抑えられるこの方法は、現在は法律で禁止されています。

解体の際に、建材が混ざり合ってリサイクルが困難になるほか、粉塵の大量発生や構造体の崩落による事故リスクが高まるため、持続可能な解体には適していません。

重機解体・重機併用工法が多く用いられる理由

木造住宅の解体工事は、重機での解体や重機と手作業での解体を併用した解体方法が一般的です。木造解体でこの工法が主流となっている背景には、安全性と効率性のバランスがあります。

重機による解体が可能な範囲を拡大することで、作業時間の短縮と解体コストの低減につながります。加えて、解体で発生した廃棄物の適切な分別回収も可能です。

このことから、重機と手作業を組み合わせた方法は、作業速度と安全性が高いため、今では木造解体のスタンダードとなっています。

高層ビル・橋梁の解体に使われる重機と工法

鉄筋コンクリート(RC)や鉄骨鉄筋コンクリート(SRRC)構造物は、頑丈ゆえに解体も難易度が高く、専門的な重機と工法が必要です。

以下ではビルや橋の解体に使われる工法をご紹介します。

解体の主流は『圧砕機工法』

圧砕機とは、大割機を装着した重機で、コンクリートを切断・粉砕する役割を担います。鉄筋も同時に切断できるため、作業効率が非常に高く、RC造やSRRC造の解体現場ではもっとも多く用いられる工法です。

しかし、解体時には他の解体工法よりも粉塵が多く発生するため、養生シートや散水などで粉塵の飛散防止に留意する必要があります。

以前は主流だった、ブレーカーを用いた「はつり」よりも騒音や振動が少なく、分別にも適しているため、現在の鉄筋コンクリート解体では、この圧砕機工法が主流となっています。

コンクリートのはつりに用いる『ブレーカー工法』

コンクリート製の硬い床面や基礎部分の除去には、ブレーカー(油圧ハンマー)というバックホウ用アタッチメントが活躍します。

ブレーカーとは、バックホウなどの掘削機の先端に取り付ける機械のことです。チゼル(杭)を油圧で連続往復させ、打撃でコンクリートやアスファルトを破壊します。ただし、騒音や振動が大きいため、周辺環境に配慮して使用時間や防音対策が厳しく管理されています。

比較的規模の小さい現場では『転倒工法』が用いられる

転倒工法は、建物の外壁を内側に引き倒して解体する工法です。規模の小さな解体現場では、転倒工法が主に用いられており、ワイヤーロープ等を使って重機または人力で外壁を引き倒します。規模の大きい現場では、解体機械を入れて直接外壁を引き倒します。

転倒工法のメリットは、高所作業を減らせるため安全性が高く、粉塵の飛散も抑えられるため近隣への影響を最小限に抑えることができます。また、狭い作業範囲でも行えるため、狭い場所での解体にも適しています。

ただし、高い壁や構造物を倒すため、近隣住民や周囲の建物、道路、水道管などに被害を及ぼさないよう細心の注意が必要です。作業には、熟練した技術や専門知識が必要となります。

まとめ

解体工事では、単に「壊す」のではなく、「どう壊すか」が重要です。対象物の構造や築年数、周囲の建物との距離、交通量などを総合的に判断し、最適な重機と工法を選定します。

施工計画には、粉塵・振動・騒音・安全性の全てを考慮する必要があります。環境負荷を抑えた持続可能な解体が、今後ますます重要視されるでしょう。
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    建設現場では、「掘る」「運ぶ」「壊す」といった作業が日常的に行われます。こうした作業を効率良く、そして安全に行うために使われるのが建設現場で使用される重機。すなわち建設機械です。 現場には用途や作業環境に応じてさまざまな種類の重機があり、それぞれに得意な作業や適した環境があります。 本記事では、現場でよく使われる重機を土木・建築・解体の分野ごとにご紹介します。さらに、農業や林業、災害現場など工事以外で使われる重機から、重機選定のポイントについても解説します。 この記事でわかること 各現場で活躍する建設機械 小型重機の活用例 【初心者向け】重機選定時のポイント 目次 工事現場で活躍する重機の種類とは?|土木・建築・解体ごとの役割を徹底解説 【土木工事の重機】基礎・造成・外構・舗装工事で活躍する機械 【建築工事で使う重機】鉄骨建方・資材搬入に必要な機械を紹介 【解体工事の重機】建物の構造に応じたアタッチメントと機械 【農業・林業・災害対応】工事以外の現場でも活躍する重機とは? 【小型重機の活用例】ミニショベル・マイクロショベルが必要な現場 初心者必見!重機の選定ポイントと資格について解説 まとめ 工事現場で活躍する重機の種類とは?|土木・建築・解体ごとの役割を徹底解説 工事現場で使用される重機は、その役割に応じてさまざまな種類があります。しかし、これらの重機の存在を知っていても、主に「使用される現場」や「運用目的」についてを知らないこともあります。 それぞれの重機が持つ得意な環境や用途について理解を深めておけば、購入やレンタル時にも重機をスムーズに選定することができます。 【土木工事の重機】基礎・造成・外構・舗装工事で活躍する機械 重機は土木工事の基礎を支える重要な存在です。土地を整え、構造物の土台を作るために、精密かつパワフルな作業が求められます。ここでは、造成から舗装まで各工程で使われる重機を紹介します。 土木工事の種類と使われる重機|基礎・造成・外構・舗装の特徴を解説 土木工事とは、道路や橋、ダム、河川整備といった「地面を作る工事」を指します。そのため、地面を掘ったり、整地したり、資材を運んだりと、重機の出番が多くなります。以下では、土木現場でよく見かける代表的な重機を紹介します。 バックホウ(油圧ショベル) 重機の中でもっとも多用途的に使用されているのがバックホウです。油圧の力でアームを動かし、地面の掘削や土砂などの資材の積み込みができます。狭い場所で使える「小旋回型」や、「アタッチメント」と呼ばれる部品を交換して、各種作業で使える汎用性が特徴です。 ホイールローダー 整地作業や土砂や砕石などをバケットですくってダンプトラックに積み込む作業に使われます。車輪が付いているため機動性が高く、舗装された道路や平坦な地面での作業に向いています。 モーターグレーダー 地面を平らに施工する整地作業で使われる重機です。中央にある大きなブレードで微調整しながら、滑らかな仕上がりに整えます。道路工事の仕上げ工程でよく使用されます。また、冬季では高速道路の除雪作業でも活躍する重機です。 ロードローラー 主に、整地機械で地面を均等にした後の道路舗装や地盤の締固めに使われる重機です。転圧することで路盤の強度が上がり、車両が安全に通行できる道路ができます。ロードローラーには以下のような種類があり、作業内容や路面状態に応じて選ばれます。 タンデム式(振動ローラー)前後に鉄輪を持ち、アスファルトや砂利の表面を滑らかに仕上げるために使われる。 タイヤ式(タイヤローラー)タイヤで地面を押し固めるタイプで、アスファルトの締固めによく使用される。 コンバインド式前が鉄輪、後ろがタイヤという構造で、両者の特徴を兼ね備える。 マカダム式前に1輪、後ろに2輪の鉄製ローラーを持つ。締固め性能が高く、主にアスファルト舗装や路盤の締固めで使用される。 ダンプトラック 掘削した土や砕石、廃材など、現場への資材運搬などに欠かせない運搬車両です。積載量が多く、油圧で後部の荷台を持ち上げて一気に積載物を下ろせる構造になっています。 【建築工事で使う重機】鉄骨建方・資材搬入に必要な機械を紹介 建築工事では、構造材や設備機器などの搬入や設置が頻繁に発生します。そのため、吊り上げや運搬性能に優れた重機が欠かせません。ここでは代表的な重機と現場での使い方を解説します。 トラッククレーン 車両にクレーンが装備されており、現場へ移動して重い資材を吊り上げることができます。機動力が高く、仮設現場での使用にも適しています。 ユニック車 小型のクレーン付きトラックで、資材を現場まで運び、そのまま荷下ろしもできます。狭い場所や小規模現場で便利です。 ラフタークレーン 4輪駆動で小回りが利き、段差の多い現場や狭い敷地でも活躍します。機動性と吊り上げ性能のバランスが取れた万能タイプで、狭小地や傾斜のある現場、または都市部のビル建設などでの資材運搬で重宝されます。 オールテレーンクレーン 複数の車軸を持ち、舗装路・不整地の両方で高性能を発揮します。100トン以上の吊り上げ能力を持ち、橋梁や大規模ビルの現場に導入されます。 フォークリフト 倉庫や建築資材置き場で使われる定番の重機です。パレット積みされた荷物の移動や、資材の仮置きに便利です。倉庫・仮設ヤード・工場などでも活躍し、免許取得も比較的容易なため、新人でも扱いやすい重機のひとつです。フォークリフトには以下の2種類がありそれぞれに特徴があります。 カウンター式屋外・屋内の両方で活用される。安定性が高いので重量物の運搬に適している。 リーチ式狭い倉庫内などでの利用に適しており、前後にスライドする機能付き。 【解体工事の重機】建物の構造に応じたアタッチメントと機械 解体現場は「壊す」作業だけでなく、「運ぶ」「分別する」作業まで含まれます。効率よく安全に作業を行うには、専用アタッチメントを活かした重機の活用がカギとなります。 木造・鉄骨の解体で使い分ける重機|油圧ショベルが主力 解体工事では、構造物の取り壊し、資材の分別、搬出作業が並行して進みます。そのため、多機能な油圧ショベルをベースに、用途に応じたアタッチメントを装着して使い分けます。 フォークグラップル 鋼材や木材をしっかり掴んで運ぶアタッチメントで、廃材の分別や仮置きに便利です。安全かつ迅速な作業を可能にします。 カッター 鉄骨やコンクリートを切断できる強力な刃を持ち、鉄筋コンクリート構造の解体に最適です。手作業では困難な作業を一気に進められます。 スケルトンバケット バケットの底に格子状の隙間があり、小石や土をこぼしながら大きな瓦礫だけをすくい取る仕組みです。廃材の選別や再利用のための前処理に活用されます。 【農業・林業・災害対応】工事以外の現場でも活躍する重機とは? 工事現場だけでなく、農業・林業・災害復旧など、さまざまな業種で重機は活躍しています。ここでは、現場に特化したアタッチメントを装着して働く重機の特徴と事例を紹介します。 作業用途に合わせたアタッチメント・重機が多数活躍 重機は建設現場だけでなく、農業・畜産・林業・災害復旧の現場でも重要な役割を果たします。特に近年は、作業内容に応じたアタッチメントの進化が著しく、用途の幅が広がっています。 農業|灌漑・農地造成に使える機械田畑の整地や水路の整備には、溝を掘るためのトレンチャーアタッチメント、土の選別を行うロータリーバケット、土引きや整地に便利な水平整地バケットなどのアタッチメントを装着したバックホウが使用されます。農地ごとに必要なアタッチメントを選ぶことで、効率的かつ丁寧な作業が可能です。 畜産業|飼料や糞尿の運搬処理に対応飼料の運搬や糞尿の除去には通常バケットのほかにグラップル付きホイールローダー、小型バックホウが使用されます。畜産業で使用されるホイールローダーなどの重機は、畜舎内で効率よく作業するために、小回りの利く小型機種が選ばれる傾向にあります。また、ホイールローダーや小型ショベルは、牛舎や豚舎の清掃・給餌作業でも必要とされており、衛生的な環境維持と作業の省力化に大きく貢献しています。 林業|伐倒・集材・木材運搬で使える重機山林では、傾斜やぬかるみでも安定して作業できるグラップル付きバックホウやハーベスターが活躍しています。山間部や斜面での作業に対応できるキャタピラ仕様の機体が多く見られ、伐採から積込みまで効率よく行えます。 災害現場|緊急復旧作業の要となる重機災害時には、倒壊家屋や土砂の除去、仮設道路の整備など多様なニーズが発生し、それらに対応する必要があります。また、激甚災害直後では多くの行方不明者が発生します。そのため、自治体・自衛隊・建設会社が保有する重機が連携して迅速な捜索・復旧を支えます。 倒壊建物の除去や土砂災害時の整地作業では、油圧ショベルに加えて、特殊な重機も導入されています。例えば、過去に国内の大手建機メーカーであるコマツが開発した水陸両用ブルドーザー(通称:スイブル)が東日本大震災の津波被害があった被災地(宮城県名取川閖上大橋復旧工事)に投入された事例があります。浸水地帯やぬかるみでも走行可能な性能を活かして、迅速な支援・復旧活動に大きく貢献しました。 【小型重機の活用例】ミニショベル・マイクロショベルが必要な現場 小型重機は、その取り回しやすさから都市部や個人宅の施工現場などで重宝されています。また、環境配慮型モデルも登場し、今後ますます活躍の幅が広がることが予想されます。 メリット1:狭所作業や住宅地での施工に便利小型重機は1〜3トンクラスのミニショベルを中心に、都市部の住宅街や庭先など限られたスペースでの作業に適しています。可搬性も高く、仮設現場や出張作業で重宝します。 メリット2:運搬性が高く農業・造園業にも最適2トントラックのほか、軽トラに積載して移動できる超小型機種もあるため、小規模工事や農業・造園・外構工事など複数現場を回る業者に向いています。個人での扱いやすさも魅力で、農業やガーデニング、DIYでの需要も高い機種となっています。 メリット3:電動式小型重機で環境対策も可能近年注目されているのが、電動式のミニショベルやホイールローダーです。CO2排出ゼロ・静音性・コンパクトさで、環境規制の厳しい都市部や夜間作業でも活躍が期待されます。 初心者必見!重機の選定ポイントと資格について解説 工事現場で欠かせない重機ですが、初心者にとっては「どの重機を選べばいいの?」「操作するには資格が必要?」「購入とレンタルはどっちがお得?」と、疑問が尽きないものです。 ここでは、初めて重機を扱う人や、導入を検討している方に向けて、「重機の選定ポイント」から「必要な資格」「コスト比較」までをわかりやすく解説します。 重機操作に必要な資格とは? 重機を操作するには、法律で定められた資格が必要です。重機の種類やサイズによって必要な資格も異なるため、使用目的に応じてしっかり確認しておきましょう。 重機は、種類や用途に応じて、法律で定められた資格や講習の修了が必要になります。たとえば、現場でよく見かける油圧ショベルやブルドーザーなどを運転するには、「車両系建設機械運転技能講習」を修了していることが求められます。 この講習は、厚生労働省に認定された教習所などで受けることができ、学科と実技の両方があります。期間はおおむね3〜4日ほどで、費用は3万円から6万円程度が一般的です。すでにフォークリフトなど別の技能講習を受けている人は、講習時間が短縮されることもあります。 また、比較的小型の重機(機体重量3トン未満)であれば、「特別教育」という、より簡易な講習で操作可能になるケースもあります。これは1〜2日で修了でき、費用も1万円台と比較的リーズナブルです。 ほかにも、高所で作業するための高所作業車や、不整地を走行するクローラーダンプなど、それぞれに応じた技能講習があります。どの資格が必要かは、扱いたい重機の種類や現場の用途によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。 代表的な重機資格一覧 資格名 操作できる重機 取得方法 車両系建設機械運転技能講習(整地・運搬・積込み・掘削用) 油圧ショベル、ブルドーザーなど 教習所で講習を受講(学科+実技) 小型車両系建設機械特別教育 機体重量3t未満の建設機械 企業内講習や民間講習機関 不整地運搬車運転技能講習 クローラーダンプなど 教習所で講習受講 フォークリフト運転技能講習 倉庫作業用フォークリフト 全国の教習所で取得可能 高所作業車運転技能講習 作業床が2m以上の高所作業車 高所作業車用の講習受講が必要 ■資格取得の所要時間と費用目安 技能講習(車利用系建設機械など):3~4日、費用は約3万~6万円 特別講習(小型重機など):1~2日、費用は約1万~3万円 会社によっては、社員に資格を取らせるための補助制度や、資格手当が出る場合もあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。 レンタルと購入、コスト面での比較 重機を導入する際、多くの人が悩むのが「レンタルすべきか、購入すべきか」という点です。それぞれのメリット・デメリットを把握し、作業内容や使用頻度に合った選択をすることが重要です。 重機レンタルのメリット・デメリット メリット 初期費用を大幅に抑えられる。 必要なときだけ借りられるため、保管・維持コストが不要。 最新機種を使える場合も多い。 故障時のメンテナンス対応もレンタル会社が行ってくれる。 デメリット 長期利用になるとコストがかさむ。 繁忙期には希望機種が借りられない可能性がある。 使用頻度が高いとレンタル費が割高になるケースも。 重機購入のメリット・デメリット メリット 長期使用する場合はレンタルよりもコストが安くなる。 自社でいつでも使えるため、計画的な工期管理が可能。 中古市場での売却やリース転用もできる。 デメリット 高額な初期投資(数百万円〜数千万円)。 維持費(保険、車検、修理、保管スペース)が必要。 法改正や排ガス規制で旧型が使いにくくなるリスク。 【ケース別】購入とレンタルではどっちを選ぶべき? 初めて重機を導入する場合は、まずレンタルで必要な重機を試し、使用頻度や現場のニーズを見極めたうえで、購入を検討するという流れが理想的です。 とくに、1つの現場だけで使いたい、数週間だけ必要、といった場合には、迷わずレンタルを選ぶのがおすすめです。 逆に、毎月のように重機を使うような自社施工の会社であれば、中古の重機を購入して運用コストを抑えるという選択肢もあります。 最近では、品質の良い中古重機やリース契約付きの販売も増えてきているため、現場のスタイルに合わせた柔軟な選択が可能になっています。 まとめ 重機は用途に応じて様々なタイプがあり、それぞれの特性を活かして使い分けることで、安全で効率的な作業が実現できます。重機の選定は作業の成否を分ける重要なポイントです。 「なぜこの重機が使われているのか?」を意識して観察することが、現場で視野を広げる第一歩になります。 ←【中古重機】の販売はこちらから

    #規格#資格#種類

    2025/06/27

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  • 【クローラーの基礎知識】無限軌道!荒れ地で本領を発揮するクローラーとは?
    建機

    【クローラーの基礎知識】無限軌道!荒れ地で本領を発揮するクローラーとは?

    戦車と言えば、分厚い装甲で覆われた車体に、強力な主砲を備えた砲塔を搭載した戦闘車両で、力強くクローラーで走行する姿を誰もが思い描きます。建設機械や重機もクローラーによって移動するものが大半ですが、建設機械・重機も戦車と同じく、タイヤでは走破することが困難な不整地や悪路といった特殊な地盤で活動するためにクローラーを装備しています。 この記事でわかること クローラーのメリット・デメリット クローラーの構造 クローラーの種類 荒れ地で本領を発揮するクローラーとは 無限軌道、いわゆるクローラーは、キャタピラーや履帯、トラックベルトとも呼ばれ、バックホウなどの重機の移動を支える履帯装置のことです。クローラーを採用している車両は戦車などの軍用車両のほか、建設機械や林業機械、農業機械など、不整地走行を前提としている車両機械に多く使われています。 無限軌道(クローラー)は、1801年にイギリスで発明された足回りのメカニズムで、古くから研究されていました。その後、1904年アメリカのホルト社(キャタピラー社の前身)が自社の古いトラクターにクローラーを取り付けたものを農耕用トラクターとして商品化した結果、大ヒットを納めます。これが世界で初めて登場した建設機械であると言われています。 本格的なクローラーの実用化は第一次世界大戦中に進み、1916年には西部戦線においてイギリス軍が悪路や塹壕を突破する陸戦用車両として開発した世界で初めての戦車、マークⅠがソンムの戦いに実戦投入されます。以降、クローラー車両は、軍用車両や建設機械に広く普及していきました。 クローラーで走行する重機 クローラーで自走する重機は、不整地作業に欠かせない存在であり、数多くの機種が存在します。ここからは、クローラーで走行する代表的な重機と役割をご紹介します。 バックホウ(油圧ショベル) バックホウは、工事現場などで活躍する最も一般的な建設機械の一つです。アームとバケットを用いて、地面を「掘る」、土砂を「すくう」などの動作が可能です。土砂の掘削や搬送、整地作業で使用を行う建設機械で、クローラー式バックホウは、泥地や傾斜地など足場の悪い場所でも安定して作業が可能です。バックホウには機動性が高く単独での公道走行が可能なホイール式バックホウも存在します。 ブルドーザー ブルドーザーは、履帯式トラクターの車体前部にドーザーブレードを取り付けた建設機械です。前進しながらの押土や、整地作業が得意で、土木作業の基礎工事や盛土造りなどで使用されます。不整地や軟弱地盤での活動を前提としているため、河川工事や除雪作業にも活躍します。 クローラークレーン クローラークレーンは、クレーン装置の足回りにタイヤではなくクローラーを備えた移動式クレーンです。足回りの接地面積が広いため、全周方向でも同一の吊り上げ能力があるほか、不整地でも安定性の高いクレーン作業や軟弱地盤での使用も可能です。しかし、走行速度は時速3㎞程度と低速であるため、現場への移動時は運搬用のトレーラーなどに積載して運びます。 自走式スクリーン(選別機) スクリーンは、投入した原料を振動によってふるい分ける機械です。建設現場やゴミ処理場、採掘現場で使用され、解体ガラや残土、採石、木質チップ、廃棄物内の混合物などの仕分けを行います。自走式スクリーンはクローラーで走行するため、特に採石場や鉱山といった不整地の現場で活躍します。 クローラーダンプ(不整地運搬車) クローラーダンプは、土砂や資材などを運ぶ運搬車で、キャリアダンプとも呼ばれます。通常のタイヤ式ダンプトラックでは走行が難しい不整地や軟弱な地盤でも、クローラーの広い接地面積によってスムーズに作業を進めることが可能で、ダム建設現場や林業、農業などで使用されます。スピードは遅めですが、馬力が大きいため、軟弱地盤での重量物運搬でも効果を発揮するほか、小回りが効くので林内作業や林道などの狭い道幅でも活躍します。クローラーの構造 クローラーの基本構造は、シューと呼ばれる個々のプレートがつながっており、ローラーがこれを支える仕組みです。クローラーの構造は複雑で、主に以下のようなパーツで構成されています。 クローラーの主な構成パーツ シュープレート(履板) スプロケット(起動輪) アイドラー(誘導輪) ローラー(転輪) これらのパーツに加え、クローラーのベルトは緩みやすいため、張り具合(テンション)を調整するテンション調整機構がついています。これにより、クローラーがたるんだり、過度に張ったりしないよう調整され、常に適切なテンションが保たれます。テンションが適正でないと、スムーズな移動ができなくなったり、故障の原因となります。 シュー(履板) シュープレートは地面に接するプレート状の部品で、単にシューと呼ぶ場合も多いです。シューのひとつひとつはリンクという部品で連結されており、リンクはブッシュとピンで固定されています。 帯状に連結されたシューは、クローラーベルトと呼ばれ、スプロケット、アイドラー、ローラーを覆うように取り付けられています。また、金属製とゴム製の2種類があり、それぞれの素材によって用途が異なります。 スプロケット(起動輪) クローラーを動かすためのメインの歯車で、エンジンからの動力を履帯に伝える役割を担います。通常、車体の後部(または前側)に設置され、回転することでキャタピラ全体が動きます。スプロケットにはギザギザの歯がついていて、これがシューリンクのピンに噛み合いながらベルトを引っ張って動かします。 アイドラー(誘導輪) スプロケットとは反対側に位置するホイールで、クローラーの前部(または後部)にあります。スプロケットから伝わる力でクローラーをしっかりと張り、ズレずに地面と接触できるように調整しています。アイドラーがあることで、クローラーがきちんと回転しながら地面に接触し、安定した移動が可能になります。 ローラー(転輪) クローラーのベルトを支えるために、その下部に取り付けられた小さな車輪のようなものです。主に「下部ローラー」と「上部ローラー」があり、下部ローラーはクローラーが地面にしっかり接触して安定した動きを保つため、上部ローラーはクローラーのベルトがたるまないよう支えています。このローラーがあることで、重機の重さが均等に地面に伝わり、スムーズに進むことができます。 クローラーの種類 クローラーには大きく分けて「金属製クローラー」と「ゴム製クローラー」があり、それぞれ特性や使用場所に応じて適切なタイプが選ばれます。 金属製クローラー 金属製クローラーは、耐久性や強度が高いことから、過酷な現場や岩場での使用に向いています。シュープレートが金属製なので、鋭利な石や凹凸の多い地面に強い耐性があります。 また、鉄板を用いた板が連結されることで、車両の重量を分散させながら走行するため耐久性と安定性があり、大型の建設機械に多く採用されています。しかし、金属製クローラーは走行中に騒音が発生しやすく、舗装道路や住宅地では適さない場合がある点が課題です。 ゴム製クローラー ゴム製クローラーは、主に舗装道路や都市部での使用を想定して設計されています。ゴムの柔軟性により、金属製クローラーに比べて走行音が小さく、アスファルトやコンクリートを傷つけにくいのが特徴です。また、軽量であるため、車両全体の重量を抑えることができ、燃費の向上にも寄与します。 ゴム製クローラーは、アスファルト舗装の多い道路や、土壌を痛めたくない農地、住宅地での作業など、騒音や地面への影響を抑えたい環境での使用に適しています。ただし、鋭利な石や硬い地面での使用は、ゴムが損傷しやすいため注意が必要です。 キャタピラー(CAT)は会社の登録商品、履帯は軍事用語? よく耳にする「キャタピラー」という名称ですが、米国に本拠地を置いている大手建設機械メーカーであるキャタピラー社の登録商標です。 日本では、日本建設機械工業会によって「クローラー」もしくは「無限軌道」という名称が一般的に使用されていますが、自衛隊や軍事の世界では、クローラーを「履帯」「装軌」と呼称しています。 また、履帯で走行する戦車や装甲車などの車両を「装軌車」、タイや走行の車両を「装輪車」と呼んで区分しています。 このように、装軌車(履帯)と装輪車を明確に区別するには、戦術的に重要なそれぞれのメリットデメリットが存在するからです。これは建設機械でも似たような共通点があります。 【クローラーの特徴・メリット】クローラー(装軌車)はなぜ悪路でも走行できるのか 建設機械やトラクターなどの農耕車、軍用車両は、不整地のほかに斜面や雪道などでも活動、作業できることが求められるので、クローラーの重機、車両は廃れることなくいまだに現役で活躍しています。 どうしてクローラーは悪路や不整地でも自在に走れるのでしょうか。 特徴1:接地面積が広い クローラーが悪路などの不整地を自在に走り回れる理由は、車両と地面の接地圧にあります。クローラーの場合は、タイヤよりも地面との接地面積が広いため、車重が大きな範囲に分散されます。地面に加わる圧力が分散されることで、接地圧を大きく下げることができるので、不整地や軟弱な地盤でも安定した走行ができるのです。 また、クローラーの表面には凹凸の溝があり、左右2つの広い面積を持つクローラーが地面をしっかり捉えるため、低速走行でもタイヤ車両より強い牽引力を発揮します。ブルドーザーなどにはこの牽引力を利用したアタッチメントでリッパー装置というものがありますが、岩盤掘削や伐根などに利用できます。 特徴2:作業時も高い安定性がある 接地面積が広いことのメリットはまだあります。それは安定性が高いということです。戦車や自走榴弾砲などの強力な火砲を搭載している車両の場合は、射撃時に物凄い衝撃が車体に伝わります。その衝撃を受け止めるのに履帯よりも接地面積が少ないタイヤは不利です。 履帯は、広い面で地面と設置させることで、「発射時の衝撃を広い面で吸収できる」という効果があるため、大口径の火器を安定して運用するために履帯との相性がいいのです。 これは、建設機械・重機においても同じことが言えて、タイヤで走行する大型のホイールショベルやラフタークレーンですと、作業時にアウトリガー(車両の転倒を防ぐために、車体から左右に張り出して支える装置)を展開させる必要がありますが、接地面積が広いクローラー式のバックホウやクローラークレーンは、重量物を扱う際にアウトリガーがなくても作業ができます。 特徴3:障害物、段差、溝も簡単に通過できる 一般の車両が通過できる段差(垂直障害物)の高さは、車輪の高さの約半分(高さ1mの段差を通過するには最低2mの車輪が必要)ですが、クローラー車両は、起動輪の高さ程度までは通過可能なため、障害物を容易に突破します。 タイヤに比べてクローラー車両は、障害物や段差を超えるのに車輪の高さがそれほど必要ない、ということですが、車体の高さが低いほど、戦闘時に敵に発見される可能性も下げられるというメリットがあります。なるべく車高を低くするために、現在の主力戦車は砲塔が横に広くフラットな形状のものが主流です。 加えて、大きな窪みや溝がある場合にも、軌道を常に支えているクローラーの方が簡単に通過できます。これは、山間部や災害復旧での工事や林業に使う重機にとって大きなメリットですが、戦車にとっては、塹壕や障害物を超えられるため機動力を発揮できます。 クローラーにも欠点がある!タイヤとの違いについて クローラーは、建設現場や不整地での作業に優れた性能を発揮しますが、万能ではありません。その構造や特性から、タイヤ車両と比較していくつかのデメリットが存在します。 クローラーのデメリット クローラーには次のようなデメリットが挙げられます。 公道走行ができない 燃費が悪い メンテナンスコストが高い デメリット1:公道走行ができない! 建設機械などのクローラーを装備した車両は、道路の保護と交通の安全を確保するために、公道走行を基本的に禁止としています。クローラーは舗装された道路を損傷させる可能性があるほか、建設機械などの重機は、高速での移動が困難です。 日本の道路交通法では、車両が公道を走行するためにはタイヤが装備されていることが原則となっており、クローラー車両は車両区分として特殊車両に分類されています。通常は農地や建設現場、工事現場などでの使用が前提となっているため、これに適合しません。 クローラーを装備した重機を現場や遠方に移動させる際は、輸送用のトラックやトレーラーなどを別に準備して運送する必要があります。また、必要に応じて公道を走行させる場合は、法的手続きや追加の設備(例:ゴム製カバーの装着など)を整えることが求められます。 長距離の移動が必要な場合や複数の作業現場を短時間で移動する際には、効率が低下するため、特に都市部や広い作業現場ではタイヤ式の重機が選ばれます。 デメリット2:燃費が悪い 接地面積が広いクローラー車両はタイヤで走る車両と比較して圧倒的に燃費が悪いです。建設機械は、車両自体も非常に重いですが、鉄製クローラーの場合だと重機全体の重量はさらに増します。そのため、重機には馬力、トルクに優れた大型のエンジンが必要で、走るのに必要なエネルギーが大きく、大量の燃料を消費します。 タイヤの転がり抵抗は、クローラーの摩擦力よりも小さいので、燃費向上にもつながります。 デメリット3:メンテナンスコストが高い クローラーは走行時に地面からの振動や衝撃を車体全体に伝えやすく、直接駆動軸に影響を与えます。この振動や衝撃は、特に車軸周辺に大きな負荷をかけるため、衝撃荷重を想定した堅牢な設計が求められるわけですが、クローラーは1箇所でも小さなひび割れが入ると切れたりする可能性もあります。 クローラーが切れると、走行不能になり再度走れるようになるには大きな手間だけでなく、修理コストが高額になる可能性があります。また、交換後のクローラーは産業廃棄物として扱われるため、一般ゴミとして廃棄することができません。そのため、クローラーは処分に費用がかかります。 エアータイヤの場合は、内部に空気が入っているためクッション性があります。これは、地面から伝わる振動や衝撃を受け止めるサスペンションの効果を果たします。クローラーは、その構造上、タイヤ車両よりも多くの可動部品を含んでおり、定期的な点検や部品交換が必要ということを理解しておきましょう。 建設機械も兵器もタイヤ走行の重機がトレンド? 工事現場などで使用されるバックホウの多くは足回りがクローラーになっていますが、都市部ではタイヤで走行するバックホウを良く見かけます。建設機械といえば、不整地でも安定した走破性と作業性を発揮できるクローラー走行の重機が一般的でした。しかし、近年ではタイヤ走行のホイール式重機の需要が高まっています。 その理由は、現場ニーズの変化と維持・運用コストにあると考えられます。 国土交通省によると、高度経済成長期以降に整備された道路橋、トンネル、下水道、港湾等などは、今後20年間に渡って建設後50年を経過するインフラ設備の割合が、加速的に高くなると見込んでおり、一斉に老朽化するインフラを戦略的に維持管理・更新することが求められています。※引用:国土交通省(インフラメンテナンス情報)より 高度経済成長期には、山間部を切り開いた高速道路建設やダム建設、宅地造成、都市化に伴うビル建設や区画整備といった大規模工事の入札が多くありました。そのため、不整地におけるクローラー重機の需要はピークを迎えていました。しかし、インフラの老朽化が課題となっている現代では、大規模プロジェクトを受け持つのは一部の大手企業で、その他の中小企業は複数の小規模の工事を受け持っていることが一般的です。 そのため、機動性があり、公道での単独走行、ある程度の長距離走行が可能なホイール式(タイヤ)建設機械の需要が伸びています。また、部品の価格や燃料の価格高騰もホイール式建設機械の普及を後押ししていると推察できます。 タイヤ車両は、クローラー車両よりも燃費、メンテナンスコストなどの維持費にも優れ、現場への移動に回送用のトラックを別途用意する必要がないため、輸送コストもかかりません。 よって、クローラー車両よりも軽量で、若干の不整地、悪路面であればクローラーより高速移動が可能で振動が少なく故障率が低いタイヤ走行の建設機械に、昨今は注目が集まっています。軍事業界でも似たような思想があり、履帯ではなく装輪式を採用したタイプの車両を積極的に運用する流れが見られています。 ※陸上自衛隊が装備する16式機動戦闘車(通称:MCV)。優れた空輸性、路上機動性を有し、主武装に105㎜砲を備えた装輪戦闘車両。即応機動連隊や戦闘偵察大隊に配備され、身軽さを活かした機動展開や威力偵察など戦車の役割を一部代替する。 重機も兵器も、故障のリスクが低く燃費が良いことは長時間の任務(作業)にも優れるという点は大きなメリットになるでしょう。しかし、国土のほとんどに山林と河川が広がり、積雪が伴う日本国内では、悪路や過酷な作業環境でも活動できるクローラー重機が廃れることはありません。 まとめ クローラーは、その特性を理解し、適切な場面で使用することで最大限の効果を発揮します。デメリットを踏まえた上で、タイヤ式との使い分けを検討することが、作業効率を向上させる鍵となるでしょう。

    #ユンボ#バックホー#バックホウ

    2025/01/30

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