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重機の塗装技術!!トクワールドでは絶対的に自信があります!

建機

2022/06/03

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重機の塗装技術!!トクワールドでは絶対的に自信があります!

 こんにちは。

 第5派の波もようやく収まり、さあ久しぶりに釣りにでも行こうか!と週間天気予報を見てみると傘マーク。

 パラソルも持っているので行こうと思えば行けるのですが、せっかくなら秋晴れの気持ちの良い天気の中でのんびり行きたいです。

 重機のメンテナンス工程の中で、天候が仕上がりの日数に影響してきてのしまうは、『塗装』です。

 私たちの重機・建機に対する塗装へのこだわりは現場で実際に使用することを考えるとやりすぎではないかと思われることがあります。

 しかし、この仕上がりが結果的に重機購入のリピートしていただく理由にもなっているのも事実です。この重機購入についてのリピート理由を少しひも解いてご紹介させていただきます。


重機の塗装は、下地が命です。


 昨今では男性用の化粧水などは割とポピュラーになってきました、もちろん女性のお化粧も下地が大切ですよね。

 重機の塗装も同じです。色を塗りたい場所の下地をしっかり仕上げていないと塗装が安定せずに定着してくれません。

 例えば、重機の間接周りのグリスや、シリンダーシールからのオイル漏れを起こした重機は、しっかりと油分の除去を行う。

 大きなへこみや傷がある重機は、パテという固まる粘土のような素材で埋めてからサフェーサー処理(後程説明します)を行い正しい面を出していきます。


 この地道な作業が重機塗装の安定・定着に繋がり、仕上がり後の良い状態を長期間保てる理由となっています。


見せかけだけの重機塗装


 少し業界的な話になりますが、パッと見て綺麗に見せかけるための塗装は簡単です。

 1液タイプ(ホームセンターなどのスプレー缶などの仕様と同じ)の塗料で、細かなマスキング(後程説明します)も無く全体に吹き付けるだけでもインターネットサイトで閲覧するレベルだと綺麗に見えます。

 しかし、油分・下地処理をしないで施工された1液タイプの塗装は、すぐに剥がれや色褪せが発生してしまいます。


 トクワールドの塗装では、自動車業界で使用している塗料と同じ2液タイプを用いています。
 取り扱いが難しく、高価ではありますが、それ故に色褪せやひび割れへの耐久性はもちろん、発色の良さなど1液タイプとは比較になりません。

 一般に、ホームセンターなどで販売されているペンキは1液塗料。2液塗料はプロ仕様で、主剤と硬化剤を混ぜる手間や技術が必要なぶん、高い耐久性を持っています。

 1液塗料は塗膜が固くなりにくいため、耐久性が2液より約3年程度低い傾向があります。金属など表面が滑らかで硬い素材への塗装には、あまり適していない製品が多いというデメリットもあります。

 2液塗料は、1液塗料より強力な硬化剤を使用直前に混ぜることで、固まるスピードを速めて塗膜(乾燥後の塗料の膜)をより強固にすることができます。

 塗膜が固くなれば、外部からの刺激に強く、素材ともしっかり密着するため、1液に比べて耐久性が3年程度上がります。



重機のマスキングとは


 近頃DIYでも重機の塗装が人気ですが、塗りたい部分以外に塗装が付かないようマスキングテープを貼って、それぞれを区分けするための作業用に使われます。

 このマスキング作業で可動部やゴムホースなど塗ってはいけない場所や、劣化を促進させてしまう場所などをしっかりと隠して、塗料内の溶剤の侵蝕から当該箇所を守りながら塗装作業を進めることで正しい仕上がりとなります。


           ↑ 塗装作業の様子

           シリンダーロッドやシールに塗料が付かないよう、ビニールやマスキングテープで隙間なく養生してから塗装します。




サフェーサー処理とは

 グレーの塗装はサフェーサーと言い、仕上げ面研ぎ上げの向上・塗面均一化・塗装の定着・発色をよく保つために処理される工程になります。

※これは通常作業中に工場を訪れ撮影したもので撮影用に準備したものではありません!


            二度塗りを行い仕上げていきます。  正直ここまでの作業を行う会社は日本中探してもまずありません・・
            ※こんな面倒くさく費用の掛かってしまう作業・・・(笑)



 例えば数年後に手放すことになった時も、状態の良い塗装面は高評価を受けやすく、リセール時の査定も高くつくことが多いです。実際仕入れ時にも影響しています。

 このように、通常では重機メーカーさんの板金塗装の時でもここまでしないと言われるほどの工程を踏むのは、しっかりとしたルートから自信を持って仕入れをした機械に、再び新車のような気持ちで乗って大切に使ってもらいたいからです。



塗装の常識を覆したい!!


 重機の塗装はこんなもんだろ、いい加減な塗装でもしょうがない・・・ こんな常識を覆したい!
 良いものを安くお得(オトク)に使ってもらいたい!

 こんな気持ちが中古重機・建機業界の塗装にトクワールドが風穴を開けたのではないかと思います。


 百聞は一見に如かず!です。
 最近では日本全国、はたまた海外からもお問い合わせをいただける時代になりましたが、やはりお安い買い物では御座いません。 
せっかく日本国内にお住まいなのであれば是非一度足をお運びいただき実際の機械をご覧ください。
 当社で塗装を仕上げた機械を見にご来社いただき、それにご納得いただけず帰られたお客様は一組もありません。

 ご来社いただければ、入庫間もない機械・塗装ブース・メンテナンスブース・仕上がり機械の展示場など当社メンテナンス工場の全てをご覧いただけます。
 ここなら安心して任せられるな!
と思っていただける準備は整っております。


 [こちらをクリックしてトクワールド在庫ページへ]


 ※トクワールドでは国内に限らず海外での販売も行っており、修理・塗装済み建機の販売から、それらを行わない現状売りの商品もございます。

 塗装・メンテナンス予定の商品であっても、作業前であれば現状売りが可能ですので、ご質問等ございましたら、気兼ねなくご相談ください。



仕入した機械に行われていた、ただ塗っただけのごまかし塗装例



           動くゴムホースはバリバリとすぐに割れてきます・・・・



           下地未処理は洗車だけでもペラペラと・・・



           本来塗られていないところにただ塗ってしまうと上のように・・・



           腐食した部分を隠すように塗られたマフラーエンド・・・

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    2021/10/07

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    2021/12/28

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    戦車と言えば、分厚い装甲で覆われた車体に、強力な主砲を備えた砲塔を搭載した戦闘車両で、力強くクローラーで走行する姿を誰もが思い描きます。建設機械や重機もクローラーによって移動するものが大半ですが、建設機械・重機も戦車と同じく、タイヤでは走破することが困難な不整地や悪路といった特殊な地盤で活動するためにクローラーを装備しています。 この記事でわかること クローラーのメリット・デメリット クローラーの構造 クローラーの種類 荒れ地で本領を発揮するクローラーとは 無限軌道、いわゆるクローラーは、キャタピラーや履帯、トラックベルトとも呼ばれ、バックホウなどの重機の移動を支える履帯装置のことです。クローラーを採用している車両は戦車などの軍用車両のほか、建設機械や林業機械、農業機械など、不整地走行を前提としている車両機械に多く使われています。 無限軌道(クローラー)は、1801年にイギリスで発明された足回りのメカニズムで、古くから研究されていました。その後、1904年アメリカのホルト社(キャタピラー社の前身)が自社の古いトラクターにクローラーを取り付けたものを農耕用トラクターとして商品化した結果、大ヒットを納めます。これが世界で初めて登場した建設機械であると言われています。 本格的なクローラーの実用化は第一次世界大戦中に進み、1916年には西部戦線においてイギリス軍が悪路や塹壕を突破する陸戦用車両として開発した世界で初めての戦車、マークⅠがソンムの戦いに実戦投入されます。以降、クローラー車両は、軍用車両や建設機械に広く普及していきました。 クローラーで走行する重機 クローラーで自走する重機は、不整地作業に欠かせない存在であり、数多くの機種が存在します。ここからは、クローラーで走行する代表的な重機と役割をご紹介します。 バックホウ(油圧ショベル) バックホウは、工事現場などで活躍する最も一般的な建設機械の一つです。アームとバケットを用いて、地面を「掘る」、土砂を「すくう」などの動作が可能です。土砂の掘削や搬送、整地作業で使用を行う建設機械で、クローラー式バックホウは、泥地や傾斜地など足場の悪い場所でも安定して作業が可能です。バックホウには機動性が高く単独での公道走行が可能なホイール式バックホウも存在します。 ブルドーザー ブルドーザーは、履帯式トラクターの車体前部にドーザーブレードを取り付けた建設機械です。前進しながらの押土や、整地作業が得意で、土木作業の基礎工事や盛土造りなどで使用されます。不整地や軟弱地盤での活動を前提としているため、河川工事や除雪作業にも活躍します。 クローラークレーン クローラークレーンは、クレーン装置の足回りにタイヤではなくクローラーを備えた移動式クレーンです。足回りの接地面積が広いため、全周方向でも同一の吊り上げ能力があるほか、不整地でも安定性の高いクレーン作業や軟弱地盤での使用も可能です。しかし、走行速度は時速3㎞程度と低速であるため、現場への移動時は運搬用のトレーラーなどに積載して運びます。 自走式スクリーン(選別機) スクリーンは、投入した原料を振動によってふるい分ける機械です。建設現場やゴミ処理場、採掘現場で使用され、解体ガラや残土、採石、木質チップ、廃棄物内の混合物などの仕分けを行います。自走式スクリーンはクローラーで走行するため、特に採石場や鉱山といった不整地の現場で活躍します。 クローラーダンプ(不整地運搬車) クローラーダンプは、土砂や資材などを運ぶ運搬車で、キャリアダンプとも呼ばれます。通常のタイヤ式ダンプトラックでは走行が難しい不整地や軟弱な地盤でも、クローラーの広い接地面積によってスムーズに作業を進めることが可能で、ダム建設現場や林業、農業などで使用されます。スピードは遅めですが、馬力が大きいため、軟弱地盤での重量物運搬でも効果を発揮するほか、小回りが効くので林内作業や林道などの狭い道幅でも活躍します。クローラーの構造 クローラーの基本構造は、シューと呼ばれる個々のプレートがつながっており、ローラーがこれを支える仕組みです。クローラーの構造は複雑で、主に以下のようなパーツで構成されています。 クローラーの主な構成パーツ シュープレート(履板) スプロケット(起動輪) アイドラー(誘導輪) ローラー(転輪) これらのパーツに加え、クローラーのベルトは緩みやすいため、張り具合(テンション)を調整するテンション調整機構がついています。これにより、クローラーがたるんだり、過度に張ったりしないよう調整され、常に適切なテンションが保たれます。テンションが適正でないと、スムーズな移動ができなくなったり、故障の原因となります。 シュー(履板) シュープレートは地面に接するプレート状の部品で、単にシューと呼ぶ場合も多いです。シューのひとつひとつはリンクという部品で連結されており、リンクはブッシュとピンで固定されています。 帯状に連結されたシューは、クローラーベルトと呼ばれ、スプロケット、アイドラー、ローラーを覆うように取り付けられています。また、金属製とゴム製の2種類があり、それぞれの素材によって用途が異なります。 スプロケット(起動輪) クローラーを動かすためのメインの歯車で、エンジンからの動力を履帯に伝える役割を担います。通常、車体の後部(または前側)に設置され、回転することでキャタピラ全体が動きます。スプロケットにはギザギザの歯がついていて、これがシューリンクのピンに噛み合いながらベルトを引っ張って動かします。 アイドラー(誘導輪) スプロケットとは反対側に位置するホイールで、クローラーの前部(または後部)にあります。スプロケットから伝わる力でクローラーをしっかりと張り、ズレずに地面と接触できるように調整しています。アイドラーがあることで、クローラーがきちんと回転しながら地面に接触し、安定した移動が可能になります。 ローラー(転輪) クローラーのベルトを支えるために、その下部に取り付けられた小さな車輪のようなものです。主に「下部ローラー」と「上部ローラー」があり、下部ローラーはクローラーが地面にしっかり接触して安定した動きを保つため、上部ローラーはクローラーのベルトがたるまないよう支えています。このローラーがあることで、重機の重さが均等に地面に伝わり、スムーズに進むことができます。 クローラーの種類 クローラーには大きく分けて「金属製クローラー」と「ゴム製クローラー」があり、それぞれ特性や使用場所に応じて適切なタイプが選ばれます。 金属製クローラー 金属製クローラーは、耐久性や強度が高いことから、過酷な現場や岩場での使用に向いています。シュープレートが金属製なので、鋭利な石や凹凸の多い地面に強い耐性があります。 また、鉄板を用いた板が連結されることで、車両の重量を分散させながら走行するため耐久性と安定性があり、大型の建設機械に多く採用されています。しかし、金属製クローラーは走行中に騒音が発生しやすく、舗装道路や住宅地では適さない場合がある点が課題です。 ゴム製クローラー ゴム製クローラーは、主に舗装道路や都市部での使用を想定して設計されています。ゴムの柔軟性により、金属製クローラーに比べて走行音が小さく、アスファルトやコンクリートを傷つけにくいのが特徴です。また、軽量であるため、車両全体の重量を抑えることができ、燃費の向上にも寄与します。 ゴム製クローラーは、アスファルト舗装の多い道路や、土壌を痛めたくない農地、住宅地での作業など、騒音や地面への影響を抑えたい環境での使用に適しています。ただし、鋭利な石や硬い地面での使用は、ゴムが損傷しやすいため注意が必要です。 キャタピラー(CAT)は会社の登録商品、履帯は軍事用語? よく耳にする「キャタピラー」という名称ですが、米国に本拠地を置いている大手建設機械メーカーであるキャタピラー社の登録商標です。 日本では、日本建設機械工業会によって「クローラー」もしくは「無限軌道」という名称が一般的に使用されていますが、自衛隊や軍事の世界では、クローラーを「履帯」「装軌」と呼称しています。 また、履帯で走行する戦車や装甲車などの車両を「装軌車」、タイや走行の車両を「装輪車」と呼んで区分しています。 このように、装軌車(履帯)と装輪車を明確に区別するには、戦術的に重要なそれぞれのメリットデメリットが存在するからです。これは建設機械でも似たような共通点があります。 【クローラーの特徴・メリット】クローラー(装軌車)はなぜ悪路でも走行できるのか 建設機械やトラクターなどの農耕車、軍用車両は、不整地のほかに斜面や雪道などでも活動、作業できることが求められるので、クローラーの重機、車両は廃れることなくいまだに現役で活躍しています。 どうしてクローラーは悪路や不整地でも自在に走れるのでしょうか。 特徴1:接地面積が広い クローラーが悪路などの不整地を自在に走り回れる理由は、車両と地面の接地圧にあります。クローラーの場合は、タイヤよりも地面との接地面積が広いため、車重が大きな範囲に分散されます。地面に加わる圧力が分散されることで、接地圧を大きく下げることができるので、不整地や軟弱な地盤でも安定した走行ができるのです。 また、クローラーの表面には凹凸の溝があり、左右2つの広い面積を持つクローラーが地面をしっかり捉えるため、低速走行でもタイヤ車両より強い牽引力を発揮します。ブルドーザーなどにはこの牽引力を利用したアタッチメントでリッパー装置というものがありますが、岩盤掘削や伐根などに利用できます。 特徴2:作業時も高い安定性がある 接地面積が広いことのメリットはまだあります。それは安定性が高いということです。戦車や自走榴弾砲などの強力な火砲を搭載している車両の場合は、射撃時に物凄い衝撃が車体に伝わります。その衝撃を受け止めるのに履帯よりも接地面積が少ないタイヤは不利です。 履帯は、広い面で地面と設置させることで、「発射時の衝撃を広い面で吸収できる」という効果があるため、大口径の火器を安定して運用するために履帯との相性がいいのです。 これは、建設機械・重機においても同じことが言えて、タイヤで走行する大型のホイールショベルやラフタークレーンですと、作業時にアウトリガー(車両の転倒を防ぐために、車体から左右に張り出して支える装置)を展開させる必要がありますが、接地面積が広いクローラー式のバックホウやクローラークレーンは、重量物を扱う際にアウトリガーがなくても作業ができます。 特徴3:障害物、段差、溝も簡単に通過できる 一般の車両が通過できる段差(垂直障害物)の高さは、車輪の高さの約半分(高さ1mの段差を通過するには最低2mの車輪が必要)ですが、クローラー車両は、起動輪の高さ程度までは通過可能なため、障害物を容易に突破します。 タイヤに比べてクローラー車両は、障害物や段差を超えるのに車輪の高さがそれほど必要ない、ということですが、車体の高さが低いほど、戦闘時に敵に発見される可能性も下げられるというメリットがあります。なるべく車高を低くするために、現在の主力戦車は砲塔が横に広くフラットな形状のものが主流です。 加えて、大きな窪みや溝がある場合にも、軌道を常に支えているクローラーの方が簡単に通過できます。これは、山間部や災害復旧での工事や林業に使う重機にとって大きなメリットですが、戦車にとっては、塹壕や障害物を超えられるため機動力を発揮できます。 クローラーにも欠点がある!タイヤとの違いについて クローラーは、建設現場や不整地での作業に優れた性能を発揮しますが、万能ではありません。その構造や特性から、タイヤ車両と比較していくつかのデメリットが存在します。 クローラーのデメリット クローラーには次のようなデメリットが挙げられます。 公道走行ができない 燃費が悪い メンテナンスコストが高い デメリット1:公道走行ができない! 建設機械などのクローラーを装備した車両は、道路の保護と交通の安全を確保するために、公道走行を基本的に禁止としています。クローラーは舗装された道路を損傷させる可能性があるほか、建設機械などの重機は、高速での移動が困難です。 日本の道路交通法では、車両が公道を走行するためにはタイヤが装備されていることが原則となっており、クローラー車両は車両区分として特殊車両に分類されています。通常は農地や建設現場、工事現場などでの使用が前提となっているため、これに適合しません。 クローラーを装備した重機を現場や遠方に移動させる際は、輸送用のトラックやトレーラーなどを別に準備して運送する必要があります。また、必要に応じて公道を走行させる場合は、法的手続きや追加の設備(例:ゴム製カバーの装着など)を整えることが求められます。 長距離の移動が必要な場合や複数の作業現場を短時間で移動する際には、効率が低下するため、特に都市部や広い作業現場ではタイヤ式の重機が選ばれます。 デメリット2:燃費が悪い 接地面積が広いクローラー車両はタイヤで走る車両と比較して圧倒的に燃費が悪いです。建設機械は、車両自体も非常に重いですが、鉄製クローラーの場合だと重機全体の重量はさらに増します。そのため、重機には馬力、トルクに優れた大型のエンジンが必要で、走るのに必要なエネルギーが大きく、大量の燃料を消費します。 タイヤの転がり抵抗は、クローラーの摩擦力よりも小さいので、燃費向上にもつながります。 デメリット3:メンテナンスコストが高い クローラーは走行時に地面からの振動や衝撃を車体全体に伝えやすく、直接駆動軸に影響を与えます。この振動や衝撃は、特に車軸周辺に大きな負荷をかけるため、衝撃荷重を想定した堅牢な設計が求められるわけですが、クローラーは1箇所でも小さなひび割れが入ると切れたりする可能性もあります。 クローラーが切れると、走行不能になり再度走れるようになるには大きな手間だけでなく、修理コストが高額になる可能性があります。また、交換後のクローラーは産業廃棄物として扱われるため、一般ゴミとして廃棄することができません。そのため、クローラーは処分に費用がかかります。 エアータイヤの場合は、内部に空気が入っているためクッション性があります。これは、地面から伝わる振動や衝撃を受け止めるサスペンションの効果を果たします。クローラーは、その構造上、タイヤ車両よりも多くの可動部品を含んでおり、定期的な点検や部品交換が必要ということを理解しておきましょう。 建設機械も兵器もタイヤ走行の重機がトレンド? 工事現場などで使用されるバックホウの多くは足回りがクローラーになっていますが、都市部ではタイヤで走行するバックホウを良く見かけます。建設機械といえば、不整地でも安定した走破性と作業性を発揮できるクローラー走行の重機が一般的でした。しかし、近年ではタイヤ走行のホイール式重機の需要が高まっています。 その理由は、現場ニーズの変化と維持・運用コストにあると考えられます。 国土交通省によると、高度経済成長期以降に整備された道路橋、トンネル、下水道、港湾等などは、今後20年間に渡って建設後50年を経過するインフラ設備の割合が、加速的に高くなると見込んでおり、一斉に老朽化するインフラを戦略的に維持管理・更新することが求められています。※引用:国土交通省(インフラメンテナンス情報)より 高度経済成長期には、山間部を切り開いた高速道路建設やダム建設、宅地造成、都市化に伴うビル建設や区画整備といった大規模工事の入札が多くありました。そのため、不整地におけるクローラー重機の需要はピークを迎えていました。しかし、インフラの老朽化が課題となっている現代では、大規模プロジェクトを受け持つのは一部の大手企業で、その他の中小企業は複数の小規模の工事を受け持っていることが一般的です。 そのため、機動性があり、公道での単独走行、ある程度の長距離走行が可能なホイール式(タイヤ)建設機械の需要が伸びています。また、部品の価格や燃料の価格高騰もホイール式建設機械の普及を後押ししていると推察できます。 タイヤ車両は、クローラー車両よりも燃費、メンテナンスコストなどの維持費にも優れ、現場への移動に回送用のトラックを別途用意する必要がないため、輸送コストもかかりません。 よって、クローラー車両よりも軽量で、若干の不整地、悪路面であればクローラーより高速移動が可能で振動が少なく故障率が低いタイヤ走行の建設機械に、昨今は注目が集まっています。軍事業界でも似たような思想があり、履帯ではなく装輪式を採用したタイプの車両を積極的に運用する流れが見られています。 ※陸上自衛隊が装備する16式機動戦闘車(通称:MCV)。優れた空輸性、路上機動性を有し、主武装に105㎜砲を備えた装輪戦闘車両。即応機動連隊や戦闘偵察大隊に配備され、身軽さを活かした機動展開や威力偵察など戦車の役割を一部代替する。 重機も兵器も、故障のリスクが低く燃費が良いことは長時間の任務(作業)にも優れるという点は大きなメリットになるでしょう。しかし、国土のほとんどに山林と河川が広がり、積雪が伴う日本国内では、悪路や過酷な作業環境でも活動できるクローラー重機が廃れることはありません。 まとめ クローラーは、その特性を理解し、適切な場面で使用することで最大限の効果を発揮します。デメリットを踏まえた上で、タイヤ式との使い分けを検討することが、作業効率を向上させる鍵となるでしょう。

    #ユンボ#バックホー#バックホウ

    2025/01/30

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