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フォークリフトのパレットは木製とプラスチック製のどっちがいい?

フォークリフト

2024/09/13

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フォークリフトのパレットは木製とプラスチック製のどっちがいい?

フォークリフトのパレットとは?

パレットとは、貨物を置くための平面を持つ荷役台ことです。パレットには差込口があり、フォークリフトなどの荷役機器を使って貨物の上げ下げや移動を簡単に行うことが可能です。パレットを利用することで、物流作業の効率が大幅に向上します。

パレットを利用する目的と効果

パレットの導入は、業務の効率を向上させ、作業負担を軽減させることを目的としています。貨物をパレットに載せることで、荷役や保管、輸送にかかる時間を削減し、作業の効率化が可能です。

パレットを使用することで、手作業の荷役と比べて荷役時間が約1/3から1/4に短縮され、大幅な時間節約が期待できます。

一般社団法人日本パレット協会の調査によれば、手作業での荷役に平均90〜120分かかるところ、パレットを利用することでおよそ30分程度で完了するとされています。

さらに、2024年4月からは、働き方改革関連法によってトラックドライバーの時間外労働に対する罰則規定が導入されるため、荷役時間の短縮はその対策としても有効です。

【適切なパレットを選ぶことで得られるメリット】
  1. 荷役作業の効率化
  2. 作業時間短縮
  3. 貨物の損傷減
  4. コスト削減

パレットの主な材質

パレットに使われる材質は、以下の4つが主流となっています。

パレットは用途や環境に応じて材質が選択されます。

木製パレット

木製パレットは、「木パレ」とも呼ばれ、充分な強度や耐荷重量をもつにもかかわらず、生産や廃棄にかかるコストが低いことが特徴です。主に、資材等の流通や保管に使用されているほか、物流用途だけななくDIYやインテリア等にも幅広く利用されています。

木製の特性として部分的に破損しても簡単に修理できる点もメリットです。一方で木材は、割れや削れ、反りなどの損傷が起きやすく、耐久性に難点があります。加えて、湿度の高い環境では変形しやすく、害虫の侵入や菌の発生リスクがあることもデメリットです。

そのため、食品などの物流現場には適していないとされています。

また、木製パレットは防腐剤が使用されていることもあり、定期的な管理と処分が必要です。木製パレットを廃棄する際、日本では産業廃棄物として扱う必要があるため、解体して一般ゴミとして処分することはできません。

プラスチックパレット

「合成樹脂パレット」「プラパレ」とも呼ばれ、木製パレットと比べて強度や耐荷重量に優れていることがメリットです。頑丈で破損が少なく、耐用年数が長いという長所から、工場や倉庫、トラック、コンテナなどで荷物を輸送や保管する際に多く使用されています。

湿気にも強いため、腐食やカビに強く、破損のリスクも少ないです。そのため、湿度の高い環境でも使用することができます。

しかし、プラスチックパレットは、木製パレットよりも単価が高いことがデメリットです。そのため、パレットを大量に必要とする現場では木製パレットが好まれる傾向にあります。 プラスチックパレットは、破損した場合、廃プラスチックとして分類されるため、産業廃棄物としての処分が必要です。

金属製パレット

金属製パレットまたはスチールパレットは、鉄やアルミニウムで作られたパレットです。強度・耐荷重量面では他のパレットよりもっとも優れています。ただし、コストの高さやパレット自体の重量による問題がネックです。

運用の難しさから、一般的にはあまり使用されないパレットですが、頑丈で重い荷物の運搬に適していることから、工業製品や機械部品の多くに使用されています。また、衛生が求められる食品産業や医療品産業などでも利用されています。

紙製パレット(ファイバーボード製、ダンボール製)

紙製パレットは、特殊なクラフト紙を材質にしたパレットです。ウッドショックによる木製パレットへの依存に対する懸念から近年登場しました。

強度の面では他の材質に及ばない部分もありますが、軽量の品物であればしっかり保護しながら運搬できます。しかし、近年では開発技術の進歩により約5トンの重量に耐えられる紙製パレットも開発されています。

また、軽量な紙製パレットは、造形が容易かつ短期納品が可能な点もメリットです。リサイクル面でも優れており、環境負荷が少ないという観点からも、今後ますますの普及が見込まれます。
パレットには材質以外にも「差し込み口」や「形状」の違いにより種類が分類されます。

差し込み口の違い

パレットの差し込み口には、「二方差し」と「四方差し」の2種類があります。

  1. 二方差しパレット…2つの側面に差し込み口があり、フォークリフトの向きに合わせて動かす必要があります。木製パレットでは、特に二方パレットがよく使われます。
  2. 四方差しパレット…すべての側面に差し込み口があり、フォークリフトの方向を変えることなく積み込むことが可能です。四方パレットは軽くて手で運びやすいですが、重量のある物品の運搬には適していません。

パレットの種類の違い

形状の違い

パレットの形状にもいくつかのバリエーションがあります。標準的な平パレットはフラットな形状で、木製や樹脂製のパレットがこれに該当します。パレットの形状は以下の7種類です。

ボックスパレットなどは立体的な箱型をしており、物品を積み上げる際に便利です。こうした箱型のパレットには折りたたみ可能なものも多く、使用していないときにはコンパクトに収納でき、スペースの節約につながります。

扱う積荷や用途にあったパレットの形状を選択してください。

  1. 平パレット
    平パレットは、フォークリフトの差し込み口があり、上部に構造物がないパレットです。木材、プラスチック、ダンボール、金属など多様な材質で作られています。ケース単位の貨物、例えばダンボールなどを載せる際に使用されます。
  2. ボックスパレット
    ボックスパレットは、3面または4面に側板が付いたパレットのことです。これ自体がケースとして機能し、蓋が付いたタイプも存在します。袋入り野菜や金属線、金属片などの貨物に適しています。積み上げが難しい貨物には、ボックスパレットが適しています。
  3. ロールボックスパレット
    ロールボックスパレットは、車輪が付いているボックスパレットで、現場では「カゴ車」や「カゴ台車」とも呼ばれます。フォークリフトを使わずに荷物を入れて移動させることができるため、配送センターやスーパーマーケットの納品現場でよく使用されます。
  4. ポストパレット
    ポストパレットは、支柱付きのパレットです。これに似たものとして「ネステナー」があり、主に倉庫での商品保管に使われます。ポストパレットは、貨物を直接積載したり、トラックにそのまま積み込むことができる点が、ネステナーとは異なります。
  5. シートパレット
    シートパレットは、ダンボールや紙、樹脂などの薄いシートで作られたパレットです。使用するには、フォークリフトに「プッシュプル」と呼ばれる専用のアタッチメントを装着する必要があります。
  6. サイロパレット
    サイロパレットは、粉状の貨物を輸送するために使われるパレットです。下部に開閉装置があり、上から貨物を入れて、取り出す際は下部の開閉装置を開けます。
  7. タンクパレット
    タンクパレットは、液体輸送用のパレットで、上部または下部に液体の出し入れ口が設けられています。

パレットの規格は?

パレットには規格が定められており、国内と海外ではその規格も大きく異なります。

日本国内で定められているJIS規格のサイズと、世界主要国で定められている規格があります。

日本のパレット

パレットの規格は、JIS規格に基づき、「1100×1100×144mm」が標準サイズです。このサイズは「T11型パレット」や「イチイチパレット」とも呼ばれ、国内でもっとも多く使用されています。

その他、以下のような寸法が規格として定められています。

【国内で使用されるパレットの規格】
  • 1,100mm×800mm
  • 1,100mm×900mm
  • 1,100mm×1,100mm
  • 13,00mm×1,100mm
  • 1,400mm×1,100mm
  • 1,200mm×1,100mm
  • 12,00mm×800mm
  • 12,00mm×1,000mm
  • 1,400mm×1,130mm
また、オーダーメイドで新しくパレットを注文することもあります。各業界で使用されているパレットサイズです。

【各業界ごとのパレットサイズ・特徴】
業界 パレットサイズ 特徴
酒類業界 1,100mm×900mm 「ビールパレット」として知られ、6箱のビールケースを載せることができる。
食品業界 1,100mm×1,100mm 洗浄が可能なプラスチック製のパレットが多く使用されている。
冷凍食品業界 1,200mm×1,000mm 冷凍環境下ではポリプロピレンが脆くなるため、代わりにポリエチレン製のパレットを利用。
医薬品業界 1,100mm×1,100mm GMP(医薬品の製造と品質管理基準)に従い、プラスチック製パレットの利用が増加している。
化学業界 1,220mm×1,220mm 4本のドラム缶を効率よく積載できるサイズのパレットが使用されている。

海外のパレット

国外では以下のようなサイズのパレットが使用されています。

【世界各国で使用されているパレットの規格】
国/地域 規格名 寸法(mm)・種類数
韓国 KS 1100×1100, 800×1000, 1100×800, 1100×900, 1100×1300, 1200×800, 1200×1000(6)
台湾 CNS 1100×1100, 800×1000, 1100×800, 1100×900, 1200×800, 1200×1000, 1200×1400, 1000×1200(7)
中国 GB 1219×1981, 1219×1219, 1219×1067, 1219×1016, 1219×914, 1168×1168, 1118×1118, 1067×1067, 1016×1016, 914×914, 1194×889, 762×762(12)
米国 ANSI 1219×1219, 1067×1067, 1219×1067(3)
ドイツ DIN 1100×1100, 600×800, 800×1200, 1000×1200, 1219×1016, 800×1200, 800×1600, 1000×1200, 1000×1600, 1000×2000(10)
英国 BS 800×1200, 1200×800, 1200×1000, 1140×1140(4)
スウェーデン SIS 800×1200, 400×500, 600×800, 1200×800(4)
オーストラリア AS 1165×1165, 1200×1800(2)
旧ソ連 GOST 1200×1600, 800×1200, 1000×1200, 1200×1200(4)
スイス SNB 800×1200(1)

各国のパレット事情

各国でパレットの規格が異なると、多くの問題が生じます。まず、サイズが異なるパレットは積み重ねて保管することができず、共同での使用も難しくなります。また、同じ工場内にさまざまな形状のパレットが混在していると、保管効率が悪化し、限られたスペースや時間の無駄につながる恐れがあります。

このような背景から、2006年にアジア全域で規格を統一し、物流プラットフォームの構築を目指してアジアパレットシステム連盟(APSF)が設立されました。

日本、中国、韓国、インド、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、タイ、フィリピン、ベトナムの各国が加盟しています。この連盟は、アジア全域で11型(1100×1100mm)と12型(1000×1200mm)を標準規格とし、2025年から本格的な運用を開始する予定です。なお、EUでは既にEPALがパレット規格を統一し、運用しています。

パレットの相場

パレットは種類や材質によって価格が異なります。一般的に木製パレットやプラスチックパレット、紙製パレットは比較的安価です。紙製パレットは木製パレットやプラスチックパレットよりもさらに低コストで導入できます。

しかし、金属製パレットの相場はもっとも高価となっています。

木製パレットやプラスチックパレットは、¥1000〜¥4000前後から価格展開されており、相場の目安です。しかし、金属製パレットの値段は約¥10,000以上が相場となっており、木製、プラスチックパレットのおよそ2.5倍もコストがかかる傾向にあります。

ただし、安価とされる木製パレットでも使用している木材によって価格が変動します。一般的に安価で販売されている木製パレットは、材質が針葉樹で作られたものです。そして、南洋材をはじめとする広葉樹は、供給量が少なくそのぶん高価となります。

パレットはレンタルすることも可能

近年では、パレットを購入するのではなく、必要な時にレンタルするという選択肢が広がりを見せています。パレットをレンタルすることには、さまざまな利点があります。

パレット管理の負担軽減

レンタルの大きな利点として、パレットの管理が不要になる点が挙げられます。使用後のパレットは一般的に「デポ」(レンタル元)に返却するため、企業は自社で過剰な在庫を抱える必要がありません。さらに、レンタルサービスを利用することで、パレット管理や在庫の維持にかかるコストや手間を大幅に削減することができます。

回収されたパレットは、デポで洗浄や修理などのメンテナンスが行われるため、企業はその業務に時間を割く必要がありません。また、季節による需要の変動にも柔軟に対応できることが、レンタルのもう一つの強みです。

パレットの過剰在庫のリスク回避

パレットを自社で所有する場合、その数はレンタルの約3倍が必要とされています。物流業界ではパレット輸送が一般化していますが、拠点間の移動によりパレットが紛失するリスクが存在し、それが普及の妨げとなっていました。

しかし、レンタルサービスを活用することで、企業は余分なパレット在庫を保有する必要がなくなり、このリスクも大幅に軽減されます。

材質の特性を理解してパレットを選ぶ

パレット選びにおいてコストは大切な要素ですが、材質の特性に適していることが最も重要です。運搬の目的を考慮すると、商品に影響を与えない形で輸送できるパレットを選ぶ必要があります。また、物流の観点から企業の姿勢を反映したパレット選びも求められます。

4つのケースを例に用途に合ったパレットをご紹介します。 パレットの材質はニーズに合わせて選ぶことがポイントです。

.環境に配慮したい場合

近年、SDGsの観点から環境への意識が重要視されています。リサイクルが可能なプラスチック製パレットや、ゼロエミッション対応でリサイクルが容易な紙製パレットを使うことで、企業の環境への配慮をアピールできます。

軽量で滑りにくいパレットが必要な場合

軽さと商品の保護を重視する場合、滑りにくい材質の木製パレットが有効です。しかし、湿度が高いと害虫やカビが発生しやすくなるため、乾燥状態を保つなどの取り扱いに注意が必要です。

不定形で頑丈さが求められる場合

様々な形状の商品に対応し、外部からの衝撃からしっかりと保護する必要がある場合には、金属製のパレットが適しています。高い耐荷重性を持ち、商品の形状に合わせて製作することも可能です。ただし、コストやパレット自体の重さに関しては検討が必要です。

食品、医療品、農産物を効率良く運びたい場合

比較的軽量な商品を効率的に輸送するためには、合成樹脂製などのシートパレットが適しています。これらは軽量で省スペースなだけでなく、紙や木製品に比べて耐水性・耐薬品性に優れており、衛生面でも雑菌が繁殖しにくいという利点があります。

パレットを利用する際の注意点

パレットを利用する際には、いくつかの注意点があります。

まず、パレットを使うことで積載効率が下がる場合があります。たとえば、プラスチック製の平パレット1枚の重量を20kgとすると、トラックに8枚積載する場合、合計160kg分の貨物を積むことができなくなります。この問題に対しては、より軽量なシートパレットを使用することで対処できます。

また、トラックでパレットを運搬する際、パレットの間に隙間が生じることがあり、その隙間を埋めるための緩衝材が必要です。さらに、倉庫でのパレットの管理には、棚卸しや保管スペースの確保が求められます。そのため、コスト削減の一環として、レンタルパレットを利用する方法も考えられます。

まとめ

パレットにはさまざまな種類がありそれぞれが持つ特徴は異なります。そのため、積荷によって適切なパレットを選択することはもちろん、パレットごとのメリット・デメリットを考慮することが大切です。

適切なパレットを使用することによって、荷役作業の効率化やコスト削減に繋げることができるでしょう。
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    電動フォークリフト用バッテリーは2種類 フォークリフトも電動化が加速しており、フォークリフト業界における電動車の普及は先行している状況です。また、静音性の高さや排出ガスが出ないなど、物流施設や倉庫に置ける職場環境の改善に寄与できることからも電動フォークリフトに注目が集まっています。 バッテリー式フォークリフトは、鉛蓄電池とリチウムイオン式の2種類が存在します。基本的には、鉛蓄電池式のバッテリーを使用するフォークリフトが多く普及しています。 バッテリーは内部にある電解液や正極・負極の材料によって異なり、用途や目的に応じて使い分けられています。 鉛蓄電池式 鉛蓄電池式は、負極に鉛、正極に二酸化鉛、電解液に希硫酸を使用しています。歴史的に最も古くから使用されており、その安定性から現役で使用されているバッテリーです。 自動車バッテリーや非常用電源など幅広い用途で利用されていますが、寿命や重さ、サイズなどの問題がネックです。このような課題を解決するために、近年注目されているのがリチウムイオンバッテリーです。 リチウムイオン式 リチウムイオンバッテリーは、有機電解液を使用し、負極に炭素系素材、正極にリチウムを含む金属酸化物が使われています。 軽量でコンパクトなリチウムイオンバッテリーは、スマートフォンやパソコンなどの小型電子機器に欠かせない存在となっており、その実績は鉛バッテリーに匹敵します。 電動フォークリフト用バッテリーの寿命は? 電動フォークリフトのバッテリーは約4〜5年が寿命です。 しかし、バッテリーの寿命は経過年数ではなく充電回数によって決まります。使用環境や製品によって異なりますが、鉛蓄電池のバッテリーの充電サイクル(充電・放電を1サイクルとして)は、一般的に1,200〜1,500サイクルが目安です。 例えば、バッテリーの充電を1日1回、年間稼働300日行った場合、1200÷300=4で、約4年がおおよその寿命となります。 バッテリーは管理やメンテナンスによって寿命が大きく左右されるので注意してください。 リチウムイオンバッテリーは寿命が長い 鉛バッテリーの寿命は一般的に約5年と言われていますが、リチウムイオンバッテリーは約10〜15年とその2から3倍の寿命を誇ります。そのため、鉛蓄電池式の場合は定期的にバッテリーの交換が必要となりますが、リチウムイオンバッテリーは長いスパンで使用できます。 リチウムイオンバッテリーは、鉛蓄電池式に比べて交換頻度が圧倒的に少ないです。つまり、リチウムイオンバッテリーを搭載した電動フォークリフトを採用することで、バッテリー交換にかかるコストを大幅に削減できるのです。 バッテリーを交換するべきタイミング フォークリフトのバッテリーを長く使っていると、さまざまな不具合が発生してきます。下記のような症状が目立つようになってきたら、バッテリーの交換を検討するべきでしょう。 バッテリー交換時期の5つのサイン フォークリフトのパワーが弱くなる 原因:「サルフェーション」による能力低下 フォークリフトのバッテリーは、寿命が近づくと、放電能力が低下していきます。特に荷揚げ作業中にパワー不足を感じることが多く、以前より荷物を持ち上げるのに時間がかかります。 これは、バッテリーの電極が劣化することで生じる「サルフェーション」が原因です。サルフェーションは、電解液中に溶けている硫酸鉛の微粒子が飽和状態となり、結晶化して電極版に付着する現象です。 サルフェーションが発生すると、バッテリー内部の抵抗が著しく大きくなり、容量が低下する原因となります。 バッテリーの稼働時間が短くなる 原因:バッテリー寿命、劣化によるもの バッテリーが劣化すると、放電の時間が早くなり稼働時間も短くなります。このような現象が目立ってきたら、バッテリーが寿命を迎えているサインなので、早急にバッテリー交換を行いましょう。 古いバッテリーは充電効率が悪く、完全に充電してもすぐにバッテリーが切れてしまうことがあります。また、完全に充電が完了するまで時間がかかる場合もあります。 この場合、バッテリーが摩耗している可能性があり、作業効率にも大きな影響を与えます。 バッテリーの電解液が濁っている 原因:バッテリーの寿命または過充電 電解液の液面に濁りや異物が見られてきたらバッテリーの寿命が近づいているサインです。これは、電極板から分離した鉛や硫化鉛が底に沈殿し、充電で撹拌(かくはん)されたことで生じる濁りであることが多いです。 バッテリーの充電中はガスが発生するため一時的な濁りが生じますが、しばらくすれば元に戻ります。しかし、濁りが消えない場合は、バッテリーの寿命が近づいてると思って差し支えありません。 バッテリー液の濁りは、長期間使用しているバッテリーにはよく見られることで、充電後に使用できていれば問題ありませんが、早めのバッテリー交換をおすすめします。 バッテリーが異臭を放つ 原因:バッテリーの劣化、補充液の漏れ、補充不足 バッテリーから硫黄臭や刺激のある臭いがする場合は、バッテリーの劣化、または補水液の補充不足が疑われます。 充電中もしくはフォークリフトの稼働時に負荷をかけた際、バッテリーから硫黄臭のようなにおいが発生することがあります。また、異臭発生時にバッテリーへ触れると異常発熱している場合もあります。 これらは、バッテリーの劣化以外にも、バッテリー液(補水液)が足りていない時にも発生しやすいです。 異臭の正体は、流出した硫化水素ガスである可能性もあり、換気が行われてない屋内に充満すると危険です。過去には、老朽化したバッテリーを使用し続けて、運転席下のバッテリーが爆発する事故も発生しています。 バッテリーの異臭や発熱が発生した場合は、補水液の液量不足やバッテリーの寿命が近づいているサインです。 バッテリー本体が発熱する 原因:バッテリーの劣化(サルフェーション)による発熱、補水液の補充不足 バッテリーの発熱はバッテリーの劣化、もしくはバッテリー液が極端に不足していることなどが原因として挙げられます。 バッテリーが劣化してくるとサルフェーションの影響により、バッテリー本体が稼働中・充電中、過度に発熱します。また、過放電により内部抵抗が高くなるため、発熱量が大きくなり、異常に発熱することもあります。 バッテリー液の液量が減ってきて、液面から電極板が露出して発熱していることも考えられるので確認してみてください。 寿命を迎えたバッテリーを使い続けるのは危険 寿命を過ぎたバッテリーを無理に使い続けると、異臭が発生することや、最悪の場合は爆発の危険性があります。過去の事例では運転席下のバッテリーが爆発し、労働災害に至ったケースもありました。このような事態になると、コストの問題では済まされません。バッテリーを限界を超えて使用するのは絶対に避けましょう。 電動フォークリフト用バッテリーを長持ちさせるポイント バッテリーの寿命を伸ばすには、日々のメンテナンスはもちろん保管状況にも気を使わなければいけません。 バッテリーの劣化が早くなる5つの原因 バッテリー残量0%で放置すると『過放電』になる バッテリーの残量が20%以下になると過放電のリスクがあり、バッテリーの寿命を縮める原因となります。バッテリーは自己放電を行うので、使用していない状態でも電池の残量は徐々に減っています。 バッテリーを長期間使用していない、残量がゼロ、または少ない状態で放置していると過放電を起こしてバッテリーにダメージを与えるため、注意してください。 充電器の差しっぱなしによる『過充電』に注意 過放電とは、フル充電状態のバッテリーをさらに充電し続けることで発生する現象のことです。バッテリーを過充電すると内部の化学反応が過度に進行します。その結果、バッテリーの性能が低下して寿命が短くなります。 また、バッテリーが膨張したり、それによる液漏れが発生した場合、バッテリー液が減少し、バッテリーの発熱や過度に発生したガスにより引火・爆発の危険性もあります。 フォークリフトの過充電を避けるには、充電が完了したらすぐに充電器を抜くことが大切です。 『短時間での充電』(浅充電)はサルフェーションの原因になる バッテリーの短時間によるこまめな充電は、バッテリーの劣化を促進します。 バッテリー容量があまり減っていない状態で充電を繰り返す「浅充電」と言われる行為ですが、これを繰り返すとバッテリーの硫化鉛結晶が増大し、サルフェーションが発生しやすくなります。 バッテリーの残量が少し減っただけで頻繁に充電すると、かえってバッテリーに悪影響を与えるため注意が必要です。 『バッテリー液の不足』は金属部分の劣化に繋がる バッテリーの電解液が不足すると、バッテリーに負荷がかかりやすくなるだけでなく、金属部分が劣化する原因にもなります。 バッテリー液が過度に不足すると、バッテリー内部の電極板などの金属部分が露出するため、電力を充分に供給できなくなります。また、露出時間が長いと劣化していくため、バッテリー自体の性能も低下していきます。 バッテリー液は蒸発と電気分解により液量が減るため、定期的な点検が必要です。 異物の付着は「自己放電」の原因になる バッテリー周辺がホコリなどで汚れていると、汚れを介して自己放電が発生しやすくなるのでバッテリーの性能が低下し、そこからバッテリーの劣化に繋がります。 バッテリーについた汚れを放置することは、バッテリーの腐食やショート、スパークによる発火の原因にもなるため、バッテリー表面と周辺はこまめに掃除しておくことが大切です。 バッテリーを長期保管する際も、バッテリーを保護するためのカバーなどを用意して、ホコリの付着を防止するための処置を講じると良いでしょう。 バッテリーの寿命を伸ばすコツは?バッテリーの寿命を伸ばすコツは? 電動フォークリフトのバッテリーは管理とメンテナンスをしっかり行うことで、平均的な寿命よりも長持ちさせることができます。逆に管理やメンテナンスを怠れば最悪1年で寿命を迎えてしまうことも。 ここからは、バッテリーを長持ちさせるコツを5つご紹介いたします。早速実践してみてください。 過放電と頻繁な充電を避ける 過放電とは、満充電状態から80%以上放電し、バッテリーの残量が20%以下になることを指します。さらに、1日に複数回(2回以上)の充電を行ったり、追加で充電する行為も頻繁な充電とされます。このような使用方法はバッテリーの寿命を短くします。 適正なバッテリー液量を維持する バッテリー液が不足していると、内部温度が上昇して適切な電気容量が得られなくなります。その結果、バッテリーの稼働時に負荷がかかり、極板が損傷して寿命が短くなります。 逆に、液量が多すぎると充電時に発生する水素で液があふれ、バッテリー室が錆びる原因になるほか、最悪の場合は短絡による火災や爆発を引き起こす可能性があります。 定期的な点検を実施する 年次、月次、始業時の点検を定期的に実施してバッテリーに問題がないかを確認しましょう。年次や月次の点検でバッテリーの電圧値や液比重値に異常が見られた場合は、早急に対策を講じることが重要です。 バッテリー上部の清掃 バッテリー上部にほこりなどがたまると、自然放電が発生し、これが劣化の原因となります。1~2週間に一度は、バッテリー上部を拭いて清潔に保つように心がけましょう。 バッテリーが高温になるのを避ける 充電中などにバッテリーの温度が60度以上になると寿命が極端に短くなります。メーカーが推奨するバッテリーの温度は14〜15度です。 このため、バッテリーを極度の高温・寒冷環境下に置かないよう、バッテリーの保管場所にも気を付ける必要があります。 バッテリーのメンテナンス方法 電動フォークリフトのバッテリーを長く使用するには、定期的なメンテナンスが欠かせません。 バッテリーの電解液は、充電中の水の分解や蒸発によって水分が減少します。電解液が減った状態で使用すると、バッテリーの寿命が短くなる可能性があるため、メンテナンス時に電解液をこまめに補充することが大切です。 バッテリー液(精製水)の補充方法 精製水の補充は、毎回充電前と後に点検し、バッテリー電解液が減ってきたら適量を補給します。補水には必ず精製水を使用し、水道水は使用しないでください。水道水には不純物が含まれており、バッテリーの電極板の腐食を早めます。 バッテリー液の補充手順 精製水の入ったポリ容器をバッテリーより高い位置に設置します。 容器のフタを外し、中フタ付きのホースを容器の中にしっかりと差し込んでから中フタを固定します。 次に、バッテリーの液栓キャップを開けてホースの先端を差し込みます。 補水を始める際には、まずピッチコックを緩め、容器の中央部分を指で数回押してサイホン作用を発生させ、精製水を出します。 赤色のフロートが上昇し、白線が見えたら速やかにピッチコックを閉めます。 補水が完了したら、ポリ容器のフタと液栓のキャップをしっかり閉めます。 最後に、バッテリー上面を木綿布などで清掃します。 補充の際は、バッテリーの電解液面が最高液面を超えないように注意してください。液漏れや漏電の原因となることがあります。 電動フォークリフト用バッテリーの値段は? 電動フォークリフトのバッテリーは消耗品であるため、長く使用していると遅かれ早かれ交換の時期がやってきます。そこで、気になるのがバッテリーの値段ではないでしょうか。 特に多くの電動フォークリフトを稼働させている企業にとっては事前に相場を把握し、予算を見積もることが重要です。 バッテリーは¥100,000~¥1,000,000円以上と高価 電動フォークリフトのバッテリーは大変高価で、1回の交換で値段が10数万〜100万円以上するものも珍しくありません。電動フォークリフトのバッテリー交換にかかる費用は、バッテリーの容量やフォークリフトがリーチ型かカウンター型かによっても異なります。 一般的にカウンター型のフォークリフトはバッテリーの容量が大きくなるため、値段は高い傾向にあります。 製品価格に関して言えば、リチウムイオンバッテリー搭載の電動フォークリフトよりも、鉛バッテリー搭載の電動フォークリフトの方が安価です。 バッテリー交換にはまとまった金額がかかるため、複数社に相見積もりをして、総合的に判断するのがおすすめです。 ※2024年12月現在 トクワールド調べ ランニングコストだけでなく維持費も比較すると そのため、価格だけを比較すると、鉛バッテリー搭載の電動フォークリフトの方が魅力的に感じられます。しかし、電動フォークリフトは初期導入費用だけでなく、維持管理費用も考慮しなければなりません。 維持管理費用としてはメンテナンス費用が挙げられます。鉛バッテリーを使用している場合、補水のためのバッテリー液の費用や、寿命が尽きたバッテリーの交換費用が発生します。加えて、補水や充電、バッテリー交換にかかる作業の人件費も無視できません。 一方、リチウムイオンバッテリーは、補水不要かつ長寿命であることから、鉛バッテリーよりも維持コストを抑えることができます。 このように、製品価格だけを見ると鉛バッテリー搭載の電動フォークリフトは一見安価に思えますが、総合的なコストを考慮すると、リチウムイオンバッテリーの方が経済的です。 ※2024年12月現在 トクワールド調べ まとめ 電動フォークリフトのバッテリーはひとつひとつが高価なものですが、適切な管理と定期的なメンテナンスを行うことで、平均より長持ちさせて使用できます。初期費用や耐用年数の面を考慮すればリチウムイオンバッテリーがおすすめです。

    #フォークリフト#バッテリー#操作#規格#種類

    2024/12/06

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  • フォークリフトの操作と運転のポイント!基本からコツまでリーチ式も!
    フォークリフト

    フォークリフトの操作と運転のポイント!基本からコツまでリーチ式も!

    目次 フォークリフトの基本|点検・乗車・発進・停止・駐車 フォークリフトを上手に運転するコツ!自動車との違い リーチ式フォークリフトの操作・運転のポイントを紹介 まとめ|フォークリフトの操作・運転 フォークリフトの基本|点検・乗車・発進・停止・駐車 フォークリフトは、荷役・運搬作業に欠かせない重機です。作業の効率化と省力化に大きな力を発揮します。 フォークリフトは物を「積む・降ろす・運ぶ」という作業が必要なあらゆる業種で活躍しており、操作・運転の資格があれば就職・転職において格段に有利になります。 ただフォークリフトの操作や運転は、公道を走る一般的な自動車とは違います。 この記事ではまず、フォークリフトを動かすための基本を点検・乗車・発進・停止・駐車というポイントで紹介します。そして実際に作業するうえで重要になるコツを説明します。 また比較的Web上に情報が少ないリーチ式フォークリフトの運転操作についても詳しく紹介していますのでぜひ参考にしてください。 フォークリフトの基本を理解することは、作業の効率化だけでなく危険を回避し安全作業を行うことに直結します。 ちなみに厚生労働省の統計によれば、2021年の「フォークリフトに起因する災害発生件数」は、死傷事故は2,028件、そのうち死亡事故は21件におよびます。 フォークリフトには、大きく分けて「カウンターバランス式」と「リーチ式」の2種類あります。ここでは座りながら運転する「カウンターバランス式」を想定し、フォークリフトの操作・運転に関する基本を紹介します。 作業開始前点検 作業開始前点検とは、その日の作業を始める前に、フォークリフトが安全に作業を行える状態かを点検することです。事業者はフォークリフトで作業を行う前は必ず点検をしなければならないと労働安全衛生法によって定められています。(労働安全衛生規則第151条の25) 点検のポイントは以下の4つです。 ・制動・操縦装置の機能 ・荷役・油圧装置の機能 ・車輪(タイヤを含む)の異常の有無 ・前後照灯・方向指示器・警報装置の機能 点検は、「点検チェックシート」を用いて行います。外観点検、作動テストなどのチェックシートを用いて各機能を点検します。 点検で異常が確認された場合は、すぐに整備・メンテナンスを実施し、完全に修復しなければ作業を行うことはできません。 運転席に乗車する フォークリフトに乗車する際は、運転席の左側から乗り込みます。 乗車するときは、左手はアシストグリップ、右手はドライバーシートの背当てを持ってください。その状態のまま、左足を乗降ステップにかけ運転席に乗ります。 そして、キーをまわし、エンジンをかけるという手順です。 車両を発進し走行させる フォークリフトの走行方法について以下にまとめました。 ・周囲の安全確認 ・サイドブレーキの解除 ・リフトレバーを操作してフォークを地上高5cm位にする ・チルトレバーを引いてマストを後ろに倒す ・左手はハンドルノブを握る ・右手は膝の上におく ・右足でペダルを踏み発進 ・前進は前進レバー、後進は後進レバーを入れる ・右左折時は前後左右の安全確認 ・ウインカーは任意|各事業所のルールに従う 駐車位置や荷役作業場所に接近したら徐行運転をします。フォーク先端の基準線手前で停止しますが、急ブレーキはかけないように注意してください。 車両を停止する ・右足をアクセルペダルから離す ・ブレーキペダルを踏む ・ブレーキペダルを踏んだまま駐車ブレーキをかける ・前後進レバーを中立にする 車両を駐車する ・フォークを地面すれすれまで降ろす ・フォーク下面を先端から3分の2程度接地する(前傾) ・フォークを地面に降ろす ・エンジンを止めてキーを抜く 基本の運転ルール 最後に、フォークリフトを運転するにあたって基本となる運転ルールを紹介します。 ・フォークリフトの運転は有資格者のみができる ・事前に決められた作業計画に基づいて運転する ・ヘルメットや安全靴などの保護具を着用する ・制限速度10km/h以下を遵守する ・停車時は逸走防止措置を行う ・作業指揮者を配置する ・用途外の使用は厳禁 フォークリフトを運転する際は基本となる操作と運転ルールをしっかり理解しましょう。 フォークリフトを上手に運転するコツ!自動車との違い フォークリフト運転の初心者の段階では、どうしても一般の自動車を運転するときの感覚に影響されてしまうことがあります。 その違いさえ頭に入れておけば、フォークリフトの運転自体は難しいものではありません。さらにコツを身につけることができれば上級者への道も早まるでしょう。 ここでは、フォークリフトを上手に運転するコツを紹介します。 運転のチェックポイント フォークリフトを運転しているとき、以下のポイントを自己診断してみてください。 違いがあったら、その都度修正していくことです。それが上手くなっていくコツです。 ・落ち着いて運転する ・正しい姿勢で運転する ・周りの状況に気を配る ・規定の速度を守っている ・フォークの角度を平衡にする ・フォークの幅は対称にする ・右左折では荷物から目を離さない フォークリフトの操作や運転をあなたに任せた会社が期待するのは、まずは安全な運転です。あなたはもちろん、周囲の人をケガさせたり、商品や備品を破損させたりしないことが最重要事項です。 そのために大切なのは落ち着くことです。慌ててしまうといろんなことを見落としてしまいます。 緊張して落ち着くどころではないとしたら、最初はみんなこうだったに違いないと開き直るくらいがちょうどいいです。また正しい姿勢を意識すれば視界は自然と広がり、危険なサインを見つけやすくなります。 右左折時やカーブでは、遠心力で荷崩れしやすくなりますから十分注意しましょう。 ハンドル操作(後輪操舵)のコツ フォークリフトは一般の自動車と違い、ハンドルは後輪操舵です。方向転換するときは後輪が動きます。 なので荷物を運ぶときは、原則、バック走行になります。 フォークリフトでは、ハンドルは小刻みに切って曲がるのが定石です。一度にハンドルを切りすぎると外輪差が大きくなり、車体の後部や積み荷が周囲とぶつかりやすくなります。 外輪差とは、車体の前部分よりも後部分が大きく外側を通ってしまうことをいいます。 またフォークリフトのタイヤは、重い荷物を安定して運べるように前のタイヤが大きいです。また後のタイヤが小さいと、狭い場所での小回りが利きやすくなります。 このため曲がるときのハンドル操作は最小限にとどめなければなりません。ハンドルを回し過ぎると想定以上に車体が曲がってしまうと感じるはずです。 慣れて体感的に覚えるまでは、小さく回しながら操作するのが上手くなるコツです。 パレットを上手に使うコツ フォークリフトの荷役・運搬作業の相棒として欠かせないのがパレットです。 フォークリフト作業の中心となるのは、荷物の積み付けと取り降ろしです。このとき、常に注視するのはパレットです。 パレットの先端や下面と対象となる荷台や地面との離れ、パレットの傾斜角はどうかなどを常に目視で確認しながら作業します。 パレットに近づくときもフォークを挿し込むときも、静かにやるのが上手くなるコツです。急いでやる作業にいいことは一つもありません。 以下に荷物の積み付け方法の流れをまとめました。 【積み付け】 パレットの先端が荷台の20~30cm手前の位置で停止 駐車ブレーキをロックし、前後進レバーを中立 マストを垂直にし、パレットの下面を荷台の上面より10~15cm上げる 前後進レバーを前進に入れ、安全確認 静かに前進して、パレットを荷台(架台)指定枠まで前進 駐車ブレーキをロックし、前後進レバーを中立 荷台の指定枠内にパレットを静かに降ろす 前後進レバーを後進に入れ、安全確認 駐車ブレーキを解除 静かに後進し、パレットのエッジボードとフォーク高さ・傾斜角度調整を確認し後進 フォークの先端と、荷台の隙間が20~30cm開いたら停止 フォークを静かに下げ地上高5~10cmまで下げマストを6度以上後傾 前後進レバーを後進に入れ、安全確認 駐車ブレーキを解除、事業所の規定に従い指定場所まで運搬 取り降ろしは、概ねこの作業の逆をやると捉えてください。 リーチ式フォークリフトの操作・運転のポイントを紹介 フォークリフトには、カウンターバランス式とリーチ式の2つのタイプがありますが、内訳としてはカウンターバランス式が7割程度を占めています。 ただ物流施設の建設が増えたため、リーチ式の割合が少しずつ上がっているのが現状です。 またリーチ式は操作・運転経験者も少ないため、求人の競争率は低めです。カウンターバランス式とリーチ式のどちらも対応できれば就職や転職で有利に働くことは間違いありません。 ここでは、リーチ式フォークリフトの操作・運転について詳しく紹介します。 リーチ式の発進準備 リーチ式は立って運転します。リーチ式の発進準備についてまとめました。 ・運転者は運転席に正しく乗ること ・走行コントロールレバーが中立位置にあることを確認 ・ブレーキがかかっていることを確認 ・左手でステアリングハンドルノブを軽く握る ・キースイッチをスタート位置まで回しキーから手を離す ・リフトレバーを手前に引きフォークを床面より10~15cmリフトさせる ・リーチレバーを手前に引きマストを繰り込む ・チルトレバーを手前に引きフォークを後傾させる 15分間、走行・油圧操作をしないと、オートパワーオフ機能で自動的に電源はOFFされます。キーを「スタート」位置まで回すと、再度ONになります。 リーチ式の運転操作 次にリーチ式の運転操作について、発進、旋回、電気ブレーキ、停止、駐車の順に説明します。 【発進】 ・左足でブレーキペダルを踏む ・右足はフロア右のプレゼンスぺダルを踏む ・右手で走行コントロールレバーを前又は後ろへ徐々に倒して発進 運転中は、体の一部が車両からはみでないようにします。 【旋回】 後輪操舵のフォークリフトは、旋回時に速度を十分に落とすことが必須です。 また旋回する側に車両を寄せ、ステアリングハンドルを早めに切ること、後部の揺れに注意することを忘れないでください。 【電気ブレーキ】 電気ブレーキは、左足でブレーキペダルを踏み込んだまま、走行コントロールレバーを進行方向と反対の向きに倒すと作動します。 電気ブレーキのかかり具合は、レバーの倒し具合で、体感的に調節してください。 レバーを倒し続けると減速し、その後、逆進します。 【停止】 走行コントロールレバーを戻し、ブレーキペダルを徐々に離して停止させます。 荷崩れを起こしやすくなるので、車両の急停止は、非常時以外は厳禁です。 【駐車】 駐車して、運転者が車両を離れる際は以下の注意事項を遵守してください。 マストはしっかり繰り込み、フォークを前傾させ床面まで降ろします。 坂道では駐車させないことを原則とし、やむを得ず坂道上で離れる場合は、必ず車止めをしてください。 キースイッチは必ず抜いてください。 リーチ式フォークリフトの運転が上手くなるコツ リーチ式フォークリフトの運転が上手になるコツは、ハンドルとレバーの操作を体感的に覚えることです。 リーチ式のハンドルは2回転半(!)回ります。ハンドルをどれくらい回せばタイヤの向きがどれくらいになるかをしっかり把握することが大切です。 また数種類あるレバーも、傾けた角度に応じて反応するという特徴があります。それぞれのレバーの役割を覚えることはもちろん、傾ける角度の違いによる反応の強弱を覚えることも重要です。 リーチ式フォークリフトは屋内での使用が多く、狭く見通しのきかない倉庫や工場であることがほとんどです。人や物と接触するリスクが高く、スピードの出し過ぎは許されません。 また立ち乗りであり、特別な落下防止装置が付いているわけでもありません。スピードを出し過ぎての走行や作業は、ちょっとした反動で荷物とともに運転者もバランスを崩し事故につながってしまいます。 スピードは規定内を守り旋回時や右左折時は特に注意すること、ハンドルやレバーの操作では操作と反応の強弱の度合いを体感的に覚えることが上手くなるコツです。 フォークリフトの操作・運転|まとめ ここまでフォークリフトの操作・運転について以下のことを紹介しました。 操作・運転の基本となる流れ|点検・乗車・発進・停止・駐車 上手に運転するためのコツ|自動車との違い(後輪操舵) リーチ式フォークリフトの操作・運転のポイントと上手になるコツ フォークリフトは荷役作業が必要な全産業で活躍する特殊車両です。取得していることは就職・転職において必ず有利になる資格です。 さらにカウンターバランス式とリーチ式の両方の運転に通じることは、あなたにとって大きなアドバンテージになります。 ←中古の【フォークリフト】を探すならトクワールド!

    2023/02/17

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