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フォークリフトの免許を取得する方法は?「フォークリフト」運転技能講習について徹底解説

フォークリフト

2024/06/13

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フォークリフトの免許を取得する方法は?「フォークリフト」運転技能講習について徹底解説

フォークリフトの運転に必要な免許「フォークリフト運転技能講習」の取得方法

フォークリフトを運転して作業に従事するには、講習を受講後、学科試験及び実技試験に合格して交付される「フォークリフト運転技能講習修了証」という国家資格を取得する必要があります。

「フォークリフト免許」という呼び方もされますが、これは一般的な俗称であり、「フォークリフト運転技能講習修了証」が正式名称です。また、フォークリフトの免許は2種類に分かれており、目的に応じてどちらかを取得する必要があります。

では、フォークリフトの免許には具体的にどのような種類があるのでしょうか。また、取得にはどの程度の費用・日数を要するのかも気になると思います。

フォークリフトの運転に必要な免許・資格の種類

フォークリフト免許と呼ばれる資格には、「フォークリフト運転技能講習」と「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育」の2種類があります。実際にフォークリフトを操縦して荷役作業を行う場合はこれらの受講または教育の修了証が必要です。

この2つは、運転するフォークリフトの最大積載量によって使い分けられており、免許の種類によって扱える積荷の重さが違うということも覚えておきましょう。

無資格者がフォークリフトで作業を行ってしまうと、労働安全衛生法違反とみなされ罰金刑になります。罰金刑の対象者は、実際に無資格で運転した本人だけでなく、業務の場合、監督不届きだった管理会社、管理会社の代表者まで罪に問われます。

また、フォークリフトを運転するうえで必要になる免許はフォークリフトで「公道走行を行う場合」と「荷役作業や運搬作業を行う場合」とで異なります。

1. 公道を走るには「特殊自動車免許」も必要

フォークリフトは工場などの私有地だけでなく、道路交通法で規定された車両区分の運転免許証を所持していれば公道を走行させることができます。

フォークリフトを公道で走行させる場合は、自動車登録(小型特殊免許または大型特殊免許)が必要です。フォークリフトは、車両寸法や排気量によって「小型特殊自動車」「新小型特殊自動車」「大型特殊自動車」の車両に区分され、税金の種類が異なります。

ただし、最大積載量2トンクラスまでは最高速度を15㎞/hに設定することにより、小型特殊自動車として登録が可能です。

また、フォークリフトの公道走行には小型特殊自動車の場合、「大型自動車免許・中型自動車免許・普通自動車免許・大型特殊自動車免許・大型自動二輪車免許・普通自動二輪車免許・小型特殊自動車免許」のいずれかが必要になります。

例えば、倉庫と工場を結ぶ一般道路を通行するために、特殊自動車免許を取得するケースも増えています。フォークリフトの運転は満年齢で18歳以上であること、公道走行時には荷物を積載しての走行は認められていません。
フォークリフトを公道走行させる場合
  • フォークリフトの自動車登録(小型特殊免許または大型特殊免許)が必要。
  • 最高時速は15㎞/h以下、全高2.0m以下のフォークリフトの車両区分は「小型特殊自動車免許」を取得。最高時速やサイズがこれを超える場合、大型特殊免許の取得が必要。
  • 公道走行の場合、付随して「大型自動車免許・中型自動車免許・普通自動車免許・大型特殊自動車免許・大型自動二輪車免許・普通自動二輪車免許・小型特殊自動車免許」のいずれかが必要。
小型・大型特殊自動車とは?
小型特殊自動車
  • 【車両の条件】 全長:4.7m以下×全幅:1.7m以下×全高2.0~2.8m以下×最高時速: 15㎞以下(農作業用車は時速35㎞未満)
  • 【公道走行に必要な運転免許】
    大型自動車免許・中型自動車免許・普通自動車免許・大型特殊自動車免許・大型自動二輪車免許・普通自動二輪車免許・小型特殊自動車免許
  • 【課せられる税金】
    軽自動車税
大型特殊自動車
  • 【車両の条件】
    全長:12.0m以下×全幅:2.5m以下×全高3.8m以下×最高時速: 制限なし
  • 【公道走行に必要な運転免許】
    大型特殊自動車免許
  • 【課せられる税金】
    固定資産税

2. 「フォークリフト運転技能講習」とは

「フォークリフト運転技能講習」は、フォークリフトの「最大積荷が1トン以上」の運転作業に従事する際に、労働安全衛生法で運転技能講習の修了が義務付けられている資格です。

一般的に「フォークリフト免許」と呼ばれるものは、「フォークリフト運転技能講習修了証」のことを指しています。フォークリフト運転技能講習修了証は、都道府県労働局長定登録教習機関などに赴き、定められた技能講習をすべて修了後、試験に合格することで交付されます。
受講条件
講習を受講する条件としては、年齢が満18歳以上であれば誰でも受講することが可能です。
学科教育
フォークリフトの走行に関する装置の構造および取扱いの方法に関する知識 4時間以上
フォークリフトの荷役に関する装置の装置の構造および取扱いの方法に関する知識 4時間以上
フォークリフトの運転に必要な力学に関する知識 2時間以上
法令関係 1時間以上

尚、フォークリフト技能講習は、普通自動車免許または、大型自動車免許を取得していれば、「フォークリフト本体の構造・取り扱い方法」4時間が免除されます。

実技教育
フォークリフトの走行の操作 20時間以上
フォークリフトの荷役の操作 4時間以上
修了試験
  • 学科試験
    学科試験の採点は、各科目の点数の合計が100点満点、各科目の合計が次表の40%以上であり、尚かつ全科目の得点が60点以上であれば合格となります。
フォークリフトの走行に関する装置の構造および取扱いの方法に関する知識 30点
フォークリフトの荷役に関する装置の構造および取扱いの方法に関する知識 30点
フォークリフトの運転に必要な力学に関する知識 20点
法および規則中のフォークリフトに関する知識 20点
合計 100点
  • 実技試験の採点は、減点式採点法により実施され、100点中とし、70点以上である場合が合格となります。実技試験はいくつかのコースがありますが、実技3日目までにはコースの詳細が発表されます。
実技試験の流れ 合格のポイント
  1. 初期位置から前進
  2. 左折
  3. 荷物の前で停止
  4. 荷物を持ち上げる
  5. 荷物を運搬したまま後退
  6. 後退しながら右折
  7. 停止、再び前進
  8. スラローム
  9. 右折
  10. 所定の位置で停止、荷物を置く
  11. 後退しながらの右折
  12. 初期位置で停止
  • 前進、後退
  • スラローム
  • 荷物を持ち上げる(荷役操作1)
  • 荷物を所定の位置に下す(荷物操作2)
  • 荷物を持ったままの走行

「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育」とは

フォークリフトの運転最大積荷が1トン未満の場合は、「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育」の修了が必要です。特別教育は、学科教育と実技教育により行われます。
学科教育
フォークリフトの走行に間する装置の構造および取扱いの方法に関する知識 2時間以上
フォークリフトの荷役に関する装置の構造および取扱いの方法に関する知識 2時間以上
フォークリフトの運転に必要な力学に関数する知識 1時間以上
関係法令 1時間以上


実技講習
フォークリフトの走行の操作 2時間以上
フォークリフトの荷役の操作 2時間以上
修了試験
学科試験
  • 各科目の点数合計…100点満点中
  • 合格基準…各科目の合計が次表の採点の40%以上。全科目の得点が60点以上である場合。
フォークリフトの走行に関する装置の構造および取扱いの方法に関する知識 30点
フォークリフトの荷役に関する装置の構造および取扱いの方法に関する知識 30点
フォークリフトの運転に必要な力学に関する知識 20点
法および規則中のフォークリフトに関する知識 20点
合計 100点
実技試験
採点は減点式採点法により行われ、満点は100点とし、70点以上である場合が合格となります。

フォークリフトの免許取得にかかる費用

フォークリフトの免許を取得にかかる費用は、地域や講習内容によって異なります。一般的に、「フォークリフト運転特別教育」は約¥20,000~、「フォークリフト運転技能講習」は¥20,000~¥50,000程です。以下では、保有する免許・実務経験の条件ごとに平均的な費用をご紹介します。

大型特殊自動車免許や普通自動車免許を所持しており、フォークリフト特別教育受講から3カ月以上経過の場合は、約¥15,000で収まる施設もあります。
受講コース 条件 費用
35時間コース 運転免許を保有していない、または原付免許、自動二輪免許のみ保有
実務経験がない
¥38,000~45,000
31時間コース 普通自動車免許、準中型自動車免許、中型自動車免許、大型自動車 ¥20,000~30,000
15時間コース フォークリフトの運転の業務に係る特別教育修了証を取得してから3カ月以上の実務経験がある(保有運転免許不問) ¥20,000~30,000
11時間コース カタピラ限定を除く大型特殊自動車免許を保有している
普通自動車免許、準中型自動車免許、中型自動車免許、大型自動車免許(カタピラ限定)を保有しており、「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育修了証」を取得してから3カ月以上の実務経験がある
¥12,000~18,000
上記の費用はあくまでも目安であり、教習所によって費用が異なります。また、これらの受講料に加えて下記の費用も発生します。 (2024年6月現在)
  • テキスト代…¥1,500~2,000
    教習所によっては、受講費用の中にテキスト代が含まれることもあります。
  • 補助試験料…学科試験:¥3,000、実技試験:¥5,000
    学科試験や実技試験が不合格だった場合、補講として再試験を受ける際に「補助試験料金」として追加費用が発生します。
  • 証明写真の発行費用…¥500~700
    修了証に貼る証明写真の発行代金も別途必要な場合もあります。

助成金を申請できることも

フォークリフトの免許取得にかかる費用を一部支給してもらえることもあります。厚生労働大臣の指定を受けた講座を受講すること「教育訓練給付制度」を申請可能です。

「教育訓練給付制度」の対象者は、フォークリフト免許取得にかかった受講料金の最大20%相当の費用が給付金として支給されます。

在職者と離職者の条件は以下の通りです。
  • 在職者…受講開始の時点で、雇用保険の被保険者である期間が3年以上(初めて受給する場合は1年以上)
  • 離職者…受講開始日の時点で、離職日から受講開始まで1年以内、および雇用期間は3年以上(初めて受給する場合は1年以上)
上記の条件に該当する場合は、給付金の一部を負担してフォークリフト免許の取得が可能になります。「教育訓練給付制度」に関しての詳細は、厚生労働省のホームページで確認できます。

フォークリフトの免許を取るために必要な日数

フォークリフトの免許を取得する日数は、保有免許の積載物などによって異なりますが、きちんと講習を受けさえすれば、最短で2日、最長でも5日程度で取得可能です。また特別教育のコマ数(12時間)でしたら、2日間で修了できます。

フォークリフト運転技能講習の場合、保有免許の種類によって講義が一部免除されます。例えば、普通自動車免許、中型自動車免許、大型自動車免許、大型特殊自動車免許の保有者は、4時間の学科講習の免除を受けることができます。

フォークリフトの免許取得にかかる日数は、実務経験や保有している免許などによって受講時間が細かに異なります。各受講時間の必要日数は以下の通りです。
受講時間 必要日数
35時間 5日程度
31時間 4~5日程度
15時間 2~3日程度
11時間 2日程度
最短で取得しようと思えば、基本的に1週間以内でフォークリフト免許を取ることが可能です。必ずしも連日で受講しなければならないというわけではなく、日や週をまたいでコマ(受講日)を組むことも可能です。

仕事や家事、育児をしながらなど、ライフスタイルにあわせたスケジュールで資格を取得できます。

フォークリフト免許 を受講できる場所

フォークリフト免許は、各都道府県の労働局に登録された教育機関で講習を受けることができます。具体的には、陸災防(陸上貨物運送事業労働災害防止協会)、自動車学校やフォークリフトなどの教習所、職業訓練施設などがあります。

フォークリフト免許は陸災防での取得ががおすすめ

費用面で見ると教習所での取得よりも、陸災防や職業訓練施設での取得が安いです。ただし、職業訓練施設の場合は講習の開催頻度が少ないことが難点となります。

フォークリフト免許を早期に安く取得したいのであれば、最寄りの陸災防で取得するのがおすすめです。陸災防はトラック協会の中に設置されており、会社ではなく協会であることから利益を出すことを目的としていません。

そのため、教習所よりも安い費用でフォークリフト免許を取得することができます。まずは、最寄りの陸災防を探しましょう。

陸災防支部所在地(陸上貨物運送事業労働災害防止協会ホームページ)

最寄りの陸災防で講習を開催していない場合は、隣県での取得も検討してみてください。

予約・申し込み

はじめに、通いたい教習所に入校手続きを行う必要があります。遅くとも受講希望日の1~2週間前には申し込み・予約を済ませておくと良いでしょう。申し込みはWebや電話、直接訪問でも予約可能です。

フォークリフト免許を活用できる業種

フォークリフトは、荷役業務(荷物を運搬する必要のある業務)では欠かせない運搬用機械です。フォークリフトの免許が生かせる場面は、数多く存在します。

フォークリフト資格が活かせる業種

・物流業界・食品業界・水産業界・鉄骨、鉄鋼業界・木材業界・解体業・建設業・水道管工事業・電気・電話線工事業・造園業・石材業・産業廃棄物処理業・建材業・工場など

また、フォークリフトの免許を取得することで、以下のようなフォークリフトを運転することが可能です。

フォークリフト免許で運転できるフォークリフト

・カウンターバランスフォークリフト ・サイドフォークリフト ・リーチフォークリフト ・ピッキングフォークリフト ・ウォーキーフォークリフト

まとめ

フォークリフトは荷物の積載量によって取得する資格の種類が異なります。また、公道を走行させる場合は、運転免許も付随して必要です。

現在、物流センターや工場はもちろん、建設・土木業界をはじめ、リフトマンの需要は高い状況が続いています。また、フォークリフト免許の取得は決して難しいものではないうえに、年齢・性別を問わず働けるメリットがあります。

フォークリフト運転技能講習を修了すれば、職種の幅は一気に広がるでしょう。
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    #フォークリフト#マスト#種類#役割

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    フォークリフト

    電動フォークリフト用バッテリーの寿命はどのくらい?交換目安やメンテナンスについて解説!

    電動フォークリフト用バッテリーは2種類 フォークリフトも電動化が加速しており、フォークリフト業界における電動車の普及は先行している状況です。また、静音性の高さや排出ガスが出ないなど、物流施設や倉庫に置ける職場環境の改善に寄与できることからも電動フォークリフトに注目が集まっています。 バッテリー式フォークリフトは、鉛蓄電池とリチウムイオン式の2種類が存在します。基本的には、鉛蓄電池式のバッテリーを使用するフォークリフトが多く普及しています。 バッテリーは内部にある電解液や正極・負極の材料によって異なり、用途や目的に応じて使い分けられています。 鉛蓄電池式 鉛蓄電池式は、負極に鉛、正極に二酸化鉛、電解液に希硫酸を使用しています。歴史的に最も古くから使用されており、その安定性から現役で使用されているバッテリーです。 自動車バッテリーや非常用電源など幅広い用途で利用されていますが、寿命や重さ、サイズなどの問題がネックです。このような課題を解決するために、近年注目されているのがリチウムイオンバッテリーです。 リチウムイオン式 リチウムイオンバッテリーは、有機電解液を使用し、負極に炭素系素材、正極にリチウムを含む金属酸化物が使われています。 軽量でコンパクトなリチウムイオンバッテリーは、スマートフォンやパソコンなどの小型電子機器に欠かせない存在となっており、その実績は鉛バッテリーに匹敵します。 電動フォークリフト用バッテリーの寿命は? 電動フォークリフトのバッテリーは約4〜5年が寿命です。 しかし、バッテリーの寿命は経過年数ではなく充電回数によって決まります。使用環境や製品によって異なりますが、鉛蓄電池のバッテリーの充電サイクル(充電・放電を1サイクルとして)は、一般的に1,200〜1,500サイクルが目安です。 例えば、バッテリーの充電を1日1回、年間稼働300日行った場合、1200÷300=4で、約4年がおおよその寿命となります。 バッテリーは管理やメンテナンスによって寿命が大きく左右されるので注意してください。 リチウムイオンバッテリーは寿命が長い 鉛バッテリーの寿命は一般的に約5年と言われていますが、リチウムイオンバッテリーは約10〜15年とその2から3倍の寿命を誇ります。そのため、鉛蓄電池式の場合は定期的にバッテリーの交換が必要となりますが、リチウムイオンバッテリーは長いスパンで使用できます。 リチウムイオンバッテリーは、鉛蓄電池式に比べて交換頻度が圧倒的に少ないです。つまり、リチウムイオンバッテリーを搭載した電動フォークリフトを採用することで、バッテリー交換にかかるコストを大幅に削減できるのです。 バッテリーを交換するべきタイミング フォークリフトのバッテリーを長く使っていると、さまざまな不具合が発生してきます。下記のような症状が目立つようになってきたら、バッテリーの交換を検討するべきでしょう。 バッテリー交換時期の5つのサイン フォークリフトのパワーが弱くなる 原因:「サルフェーション」による能力低下 フォークリフトのバッテリーは、寿命が近づくと、放電能力が低下していきます。特に荷揚げ作業中にパワー不足を感じることが多く、以前より荷物を持ち上げるのに時間がかかります。 これは、バッテリーの電極が劣化することで生じる「サルフェーション」が原因です。サルフェーションは、電解液中に溶けている硫酸鉛の微粒子が飽和状態となり、結晶化して電極版に付着する現象です。 サルフェーションが発生すると、バッテリー内部の抵抗が著しく大きくなり、容量が低下する原因となります。 バッテリーの稼働時間が短くなる 原因:バッテリー寿命、劣化によるもの バッテリーが劣化すると、放電の時間が早くなり稼働時間も短くなります。このような現象が目立ってきたら、バッテリーが寿命を迎えているサインなので、早急にバッテリー交換を行いましょう。 古いバッテリーは充電効率が悪く、完全に充電してもすぐにバッテリーが切れてしまうことがあります。また、完全に充電が完了するまで時間がかかる場合もあります。 この場合、バッテリーが摩耗している可能性があり、作業効率にも大きな影響を与えます。 バッテリーの電解液が濁っている 原因:バッテリーの寿命または過充電 電解液の液面に濁りや異物が見られてきたらバッテリーの寿命が近づいているサインです。これは、電極板から分離した鉛や硫化鉛が底に沈殿し、充電で撹拌(かくはん)されたことで生じる濁りであることが多いです。 バッテリーの充電中はガスが発生するため一時的な濁りが生じますが、しばらくすれば元に戻ります。しかし、濁りが消えない場合は、バッテリーの寿命が近づいてると思って差し支えありません。 バッテリー液の濁りは、長期間使用しているバッテリーにはよく見られることで、充電後に使用できていれば問題ありませんが、早めのバッテリー交換をおすすめします。 バッテリーが異臭を放つ 原因:バッテリーの劣化、補充液の漏れ、補充不足 バッテリーから硫黄臭や刺激のある臭いがする場合は、バッテリーの劣化、または補水液の補充不足が疑われます。 充電中もしくはフォークリフトの稼働時に負荷をかけた際、バッテリーから硫黄臭のようなにおいが発生することがあります。また、異臭発生時にバッテリーへ触れると異常発熱している場合もあります。 これらは、バッテリーの劣化以外にも、バッテリー液(補水液)が足りていない時にも発生しやすいです。 異臭の正体は、流出した硫化水素ガスである可能性もあり、換気が行われてない屋内に充満すると危険です。過去には、老朽化したバッテリーを使用し続けて、運転席下のバッテリーが爆発する事故も発生しています。 バッテリーの異臭や発熱が発生した場合は、補水液の液量不足やバッテリーの寿命が近づいているサインです。 バッテリー本体が発熱する 原因:バッテリーの劣化(サルフェーション)による発熱、補水液の補充不足 バッテリーの発熱はバッテリーの劣化、もしくはバッテリー液が極端に不足していることなどが原因として挙げられます。 バッテリーが劣化してくるとサルフェーションの影響により、バッテリー本体が稼働中・充電中、過度に発熱します。また、過放電により内部抵抗が高くなるため、発熱量が大きくなり、異常に発熱することもあります。 バッテリー液の液量が減ってきて、液面から電極板が露出して発熱していることも考えられるので確認してみてください。 寿命を迎えたバッテリーを使い続けるのは危険 寿命を過ぎたバッテリーを無理に使い続けると、異臭が発生することや、最悪の場合は爆発の危険性があります。過去の事例では運転席下のバッテリーが爆発し、労働災害に至ったケースもありました。このような事態になると、コストの問題では済まされません。バッテリーを限界を超えて使用するのは絶対に避けましょう。 電動フォークリフト用バッテリーを長持ちさせるポイント バッテリーの寿命を伸ばすには、日々のメンテナンスはもちろん保管状況にも気を使わなければいけません。 バッテリーの劣化が早くなる5つの原因 バッテリー残量0%で放置すると『過放電』になる バッテリーの残量が20%以下になると過放電のリスクがあり、バッテリーの寿命を縮める原因となります。バッテリーは自己放電を行うので、使用していない状態でも電池の残量は徐々に減っています。 バッテリーを長期間使用していない、残量がゼロ、または少ない状態で放置していると過放電を起こしてバッテリーにダメージを与えるため、注意してください。 充電器の差しっぱなしによる『過充電』に注意 過放電とは、フル充電状態のバッテリーをさらに充電し続けることで発生する現象のことです。バッテリーを過充電すると内部の化学反応が過度に進行します。その結果、バッテリーの性能が低下して寿命が短くなります。 また、バッテリーが膨張したり、それによる液漏れが発生した場合、バッテリー液が減少し、バッテリーの発熱や過度に発生したガスにより引火・爆発の危険性もあります。 フォークリフトの過充電を避けるには、充電が完了したらすぐに充電器を抜くことが大切です。 『短時間での充電』(浅充電)はサルフェーションの原因になる バッテリーの短時間によるこまめな充電は、バッテリーの劣化を促進します。 バッテリー容量があまり減っていない状態で充電を繰り返す「浅充電」と言われる行為ですが、これを繰り返すとバッテリーの硫化鉛結晶が増大し、サルフェーションが発生しやすくなります。 バッテリーの残量が少し減っただけで頻繁に充電すると、かえってバッテリーに悪影響を与えるため注意が必要です。 『バッテリー液の不足』は金属部分の劣化に繋がる バッテリーの電解液が不足すると、バッテリーに負荷がかかりやすくなるだけでなく、金属部分が劣化する原因にもなります。 バッテリー液が過度に不足すると、バッテリー内部の電極板などの金属部分が露出するため、電力を充分に供給できなくなります。また、露出時間が長いと劣化していくため、バッテリー自体の性能も低下していきます。 バッテリー液は蒸発と電気分解により液量が減るため、定期的な点検が必要です。 異物の付着は「自己放電」の原因になる バッテリー周辺がホコリなどで汚れていると、汚れを介して自己放電が発生しやすくなるのでバッテリーの性能が低下し、そこからバッテリーの劣化に繋がります。 バッテリーについた汚れを放置することは、バッテリーの腐食やショート、スパークによる発火の原因にもなるため、バッテリー表面と周辺はこまめに掃除しておくことが大切です。 バッテリーを長期保管する際も、バッテリーを保護するためのカバーなどを用意して、ホコリの付着を防止するための処置を講じると良いでしょう。 バッテリーの寿命を伸ばすコツは?バッテリーの寿命を伸ばすコツは? 電動フォークリフトのバッテリーは管理とメンテナンスをしっかり行うことで、平均的な寿命よりも長持ちさせることができます。逆に管理やメンテナンスを怠れば最悪1年で寿命を迎えてしまうことも。 ここからは、バッテリーを長持ちさせるコツを5つご紹介いたします。早速実践してみてください。 過放電と頻繁な充電を避ける 過放電とは、満充電状態から80%以上放電し、バッテリーの残量が20%以下になることを指します。さらに、1日に複数回(2回以上)の充電を行ったり、追加で充電する行為も頻繁な充電とされます。このような使用方法はバッテリーの寿命を短くします。 適正なバッテリー液量を維持する バッテリー液が不足していると、内部温度が上昇して適切な電気容量が得られなくなります。その結果、バッテリーの稼働時に負荷がかかり、極板が損傷して寿命が短くなります。 逆に、液量が多すぎると充電時に発生する水素で液があふれ、バッテリー室が錆びる原因になるほか、最悪の場合は短絡による火災や爆発を引き起こす可能性があります。 定期的な点検を実施する 年次、月次、始業時の点検を定期的に実施してバッテリーに問題がないかを確認しましょう。年次や月次の点検でバッテリーの電圧値や液比重値に異常が見られた場合は、早急に対策を講じることが重要です。 バッテリー上部の清掃 バッテリー上部にほこりなどがたまると、自然放電が発生し、これが劣化の原因となります。1~2週間に一度は、バッテリー上部を拭いて清潔に保つように心がけましょう。 バッテリーが高温になるのを避ける 充電中などにバッテリーの温度が60度以上になると寿命が極端に短くなります。メーカーが推奨するバッテリーの温度は14〜15度です。 このため、バッテリーを極度の高温・寒冷環境下に置かないよう、バッテリーの保管場所にも気を付ける必要があります。 バッテリーのメンテナンス方法 電動フォークリフトのバッテリーを長く使用するには、定期的なメンテナンスが欠かせません。 バッテリーの電解液は、充電中の水の分解や蒸発によって水分が減少します。電解液が減った状態で使用すると、バッテリーの寿命が短くなる可能性があるため、メンテナンス時に電解液をこまめに補充することが大切です。 バッテリー液(精製水)の補充方法 精製水の補充は、毎回充電前と後に点検し、バッテリー電解液が減ってきたら適量を補給します。補水には必ず精製水を使用し、水道水は使用しないでください。水道水には不純物が含まれており、バッテリーの電極板の腐食を早めます。 バッテリー液の補充手順 精製水の入ったポリ容器をバッテリーより高い位置に設置します。 容器のフタを外し、中フタ付きのホースを容器の中にしっかりと差し込んでから中フタを固定します。 次に、バッテリーの液栓キャップを開けてホースの先端を差し込みます。 補水を始める際には、まずピッチコックを緩め、容器の中央部分を指で数回押してサイホン作用を発生させ、精製水を出します。 赤色のフロートが上昇し、白線が見えたら速やかにピッチコックを閉めます。 補水が完了したら、ポリ容器のフタと液栓のキャップをしっかり閉めます。 最後に、バッテリー上面を木綿布などで清掃します。 補充の際は、バッテリーの電解液面が最高液面を超えないように注意してください。液漏れや漏電の原因となることがあります。 電動フォークリフト用バッテリーの値段は? 電動フォークリフトのバッテリーは消耗品であるため、長く使用していると遅かれ早かれ交換の時期がやってきます。そこで、気になるのがバッテリーの値段ではないでしょうか。 特に多くの電動フォークリフトを稼働させている企業にとっては事前に相場を把握し、予算を見積もることが重要です。 バッテリーは¥100,000~¥1,000,000円以上と高価 電動フォークリフトのバッテリーは大変高価で、1回の交換で値段が10数万〜100万円以上するものも珍しくありません。電動フォークリフトのバッテリー交換にかかる費用は、バッテリーの容量やフォークリフトがリーチ型かカウンター型かによっても異なります。 一般的にカウンター型のフォークリフトはバッテリーの容量が大きくなるため、値段は高い傾向にあります。 製品価格に関して言えば、リチウムイオンバッテリー搭載の電動フォークリフトよりも、鉛バッテリー搭載の電動フォークリフトの方が安価です。 バッテリー交換にはまとまった金額がかかるため、複数社に相見積もりをして、総合的に判断するのがおすすめです。 ※2024年12月現在 トクワールド調べ ランニングコストだけでなく維持費も比較すると そのため、価格だけを比較すると、鉛バッテリー搭載の電動フォークリフトの方が魅力的に感じられます。しかし、電動フォークリフトは初期導入費用だけでなく、維持管理費用も考慮しなければなりません。 維持管理費用としてはメンテナンス費用が挙げられます。鉛バッテリーを使用している場合、補水のためのバッテリー液の費用や、寿命が尽きたバッテリーの交換費用が発生します。加えて、補水や充電、バッテリー交換にかかる作業の人件費も無視できません。 一方、リチウムイオンバッテリーは、補水不要かつ長寿命であることから、鉛バッテリーよりも維持コストを抑えることができます。 このように、製品価格だけを見ると鉛バッテリー搭載の電動フォークリフトは一見安価に思えますが、総合的なコストを考慮すると、リチウムイオンバッテリーの方が経済的です。 ※2024年12月現在 トクワールド調べ まとめ 電動フォークリフトのバッテリーはひとつひとつが高価なものですが、適切な管理と定期的なメンテナンスを行うことで、平均より長持ちさせて使用できます。初期費用や耐用年数の面を考慮すればリチウムイオンバッテリーがおすすめです。

    #フォークリフト#バッテリー

    2024/12/06

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  • 【フォークリフトの基礎知識】カウンター式、リーチ式とは?
    フォークリフト

    【フォークリフトの基礎知識】カウンター式、リーチ式とは?

    フォークリフトは2種類 フォークリフトには大きく分けて「カウンター式」と「リーチ式」の2種類があります。フォークリフトのレンタルを検討する際は、それぞれの特徴と使用環境、作業用途を考慮して機種を選定する必要があります。 例えば、カウンター式フォークリフトは「重い荷物を扱う荷役」、リーチ式フォークリフトは「室内や狭いスペースでの作業」に最適など、種類によって作業の向き不向きがあります。 ここからは、「カウンター式」「リーチ式」フォークリフトの違いについて詳しく解説し、実際のレンタル時にフォークリフトを選ぶ際のポイントについてご紹介していきます。 フォークリフトの導入、レンタルでの利用を検討している方は、ぜひ、機械選びのご参考にお役立てください。 「カウンター式」「リーチ式」フォークリフトの違いカウンター式フォークリフトの特徴 カウンター式フォークリフトは、自動車のように運転者が座席に座ってハンドルを操作するタイプのフォークリフトです。別名「カウンターウエイトバランスフォークリフト」とも言い、「カウンター」とは「反対」を意味します。 後部にある鉄の重り(ウェイト)で車体のバランスを取っており、これにより、車体前方のフォーク(爪)に重い荷物を載せても車体が前に傾かず、安定した状態で荷物を運ぶことができます。 カウンター式フォークリフトは、転倒しにくく安定した走行が可能です。車体の安定性と強度が高く、走行速度やフォークの上昇速度も速いため、安全性と作業効率が優れています。 さらに、カウンター式フォークリフトは座った状態で足のペダルでアクセルやブレーキを操作するため、自動車の運転に近い感覚で操作できます。 リーチ式フォークリフトの特徴 リーチ式フォークリフトは、立ったまま操縦する点や、車体を動かさずにフォークやマストを前後に伸縮させることが可能な点が特徴のフォークリフトです。「リーチ」は「距離・範囲」を表す言葉であり、フォークの伸縮により、この機能により、車体が奥に入らなくてもフォークを使って奥にある荷物を取り扱うことが可能です。 操縦時は、足元にペダルがあり、それを踏むことでブレーキが解除され、フォークリフトを走行させることができます。小回り性に優れ、狭い通路やスペースでの稼働に向いています。 また、リーチフォークリフトは、基本的にバッテリーで駆動するフォークリフトのため、燃料コストを削減でき、室内作業においては排気ガスの充満を心配する必要がありません。 「カウンター式」も「リーチ式」も同じ資格で操縦できる フォークリフトを運転する仕事に就くには、国家資格であるフォークリフト運転技能講習を受講する必要がありますが、カウンター式フォークリフトとリーチ式フォークリフトの運転は1つの資格で行えます。 つまり、本免許を取得すると、カウンター式・リーチ式等フォークリフトの最大積載量や機種の制限なく、運転が可能になります。しかし、フォークリフトで公道走行を行う場合は、大型特殊自動車免許などの運転免許を取得することが、道路交通法によって定められているため注意してください。 フォークリフト運転技能講習は、労働安全衛生法で定められた技能講習をすべて修了することで、最大積載量1トン以上のフォークリフトを運転できます(フォークリフト運転技能教育は最大積載量1トン未満のフォークリフトが運転可能)。 フォークリフト運転技能講習の受講資格は、満18歳以上であることが条件なので、誰でもチャレンジすることが可能です。講習や取得の難易度も高くないため、リフトマンや他業種に就職・転職したいと思う方は、積極的に受講してみることをおすすめします。 フォークリフトの動力 フォークリフトの動力は大きく「内燃機関式」と「蓄電池式」の2種類に分けられます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、フォークリフトを選ぶときは、「動力」を確認しておくことも大切です。 内燃機関式(エンジン式) 内燃機関式(またはエンジン式)とは、すなわち、ガソリンやディーゼルなどを燃料として動く、エンジンで稼働するフォークリフトのことです。「ガソリン車」や「ディーゼル車」のほかにも「ガソリン併用車」「LPG(LPガス)車」などの種類があり、重量のある荷物でも問題なく運搬できる馬力や走行速度が優れているといったメリットがあります。 一方、大きなデメリットとして、排気ガスが出ることや小回りが利かないことが挙げられます。車体重量やサイズも大きいため、狭い倉庫内や通路ではなく、主に屋外で使用される場面が多いです。 蓄電池式(バッテリー式) 蓄電地式フォークリフトはバッテリーに蓄えた電力を動力源として稼働します。主に3トン以下の小型フォークリフトは、蓄電地式の動力であることが多いです。 蓄電地式フォークリフトの大きな利点は、小回りが利き、排気ガスが出ないことです。そのため、内燃機関式フォークリフトとは異なり、室内作業に適しています。なにより、燃料を必要としないため、燃費面でのコスト削減にもつながります。 ただし、馬力が弱いため重い荷物の運搬には不向きなことや、連続稼働ができないという点がデメリットです。さらに、蓄電池(バッテリー)は、最大で4〜5時間程度しか稼働できず、フル充電には約8時間かかるため、予備の蓄電池を用意することが一般的です。 そして、バッテリーの寿命が尽きた際、バッテリーの交換コストが高いということもネックになります。 現在は蓄電池式(バッテリー車)が普及している フォークリフトは、冷凍倉庫や精密部品の加工場、物流倉庫など排気ガスを出すことができない場面で活躍することが多いです。また、CO2の削減規制やガソリン価格の高騰もあり、蓄電池式(バッテリー車)の割合が、他分野の自動車に比べて高くなっています。 一般法人日本産業車両協会によると、フォークリフトの国内販売におけるバッテリー車比率は、1995年度の35.0%から2005年度には47.2%に上昇し、2023年10月時点で国内のバッテリー車(リーチ式フォークリフト、けん引車を含む)の普及率は68%以上となっており、すでに蓄電式(バッテリー車)が主流となっています。(日本産業車両協会調べ) 資料:日本産業車両協会「産業車両製造業における地球温暖化対策の取り組み」参照 日本産業車両協会は、毎年3月号の会報「産業車両」誌で、バッテリー車などの機種別や府県別の詳細な統計を公表しています。 一般法人日本産業車両協会ホームページ:統計資料 「カウンター式」「リーチ式」フォークリフトのデメリット フォークリフトを選ぶ際は、それぞれの機種が持つデメリットを抑えておくことも大切です。 フォークリフトは、使用される用途・環境を想定、考慮した設計になっています。機種の選択を誤ると、ワークシチュエーションによってはせっかく導入したフォークリフトが使い物にならない、という事も起こり得るので、こういったデメリットも把握しておきましょう。 カウンター式フォークリフト カウンター式フォークリフトのデメリットは下記の3つです。 1.排気ガスや騒音が発生する カウンター式フォークリフトのデメリットとして、排気ガスや騒音が発生するため屋内などの閉所での使用には向いていないことが挙げられます。ガソリンや軽油を燃料とするエンジン式(内燃機関式)フォークリフトは、普通乗用車と同じく燃料を燃焼させて動力に変換するため、エンジンをかければ排気ガスが発生します。 工場内や屋外の稼働でも排ガス規制があれば稼働できないほか、特に屋内では排気ガスによる一酸化炭素中毒の可能性もあるため、稼働が制限されていることが多いです。 2.小回りが利かない カウンター式フォークリフトのタイヤは、70度程度しか回転することができません。車体のサイズも大きく転回しにくいため、小回り性能や狭い場所での作業性はどうしても劣ってしまうことを理解しておきましょう。 カウンター式フォークリフトは、閉所や狭い通路で小さな荷物を運搬するより、一般的に屋外などの広いスペースで大きな荷物を運搬するために導入される機種だといえるでしょう。 3.燃料の消費量が多い カウンター式フォークリフトの動力は、ガソリンや軽油などを燃料にして稼働する内燃機関式がほとんどです。ガソリン車やディーゼル車はパワーが大きく、長時間作業していても速度が落ちにくいのが特徴です。 また、燃料給油も比較的短時間で完了するため、ガス欠時もスムーズに作業を再開できる利点もあります。しかし、高馬力と引き換えに、燃料の消費量も多いため燃料コストがかかる点には注意が必要でしょう。 リーチ式フォークリフト リーチ式フォークリフトのデメリットは以下の3つです。 1.稼働時間が短くパワーが小さい 2.価格が高価 3.重い荷物を運べない 1.稼働時間が短くパワーが小さい リーチ式フォークリフトの動力は蓄電池(バッテリー)式のため、内燃機関式の動力よりもパワーに劣ってしまいます。 さらに、稼働時間も短く、充電に時間を要することもデメリットです。バッテリーは繰り返し使い続けるとバッテリー液が蒸発していきます。特に夏季はバッテリー液の補充感覚が短くなるため、逐一の点検や補充も欠かせません。 リーチ式フォークリフトは、長時間の稼働、重量物の運搬には不向きといえるでしょう。 2.価格が高価 動力に蓄電池(バッテリー)を使用しているリーチフォークリフトは、内燃機関式(エンジン式)のフォークリフトよりも、購入額が高い傾向にあります。 以下の、内燃機関式フォークリフトと蓄電池式フォークリフトの価格相場を比較した表をご覧いただければわかるように、積載重量が多くなるほど価格も上がっていきますが、蓄電池式フォークリフトの場合、バッテリーの容量が大きくなるほど価格は高くなります。 【フォークリフト(動力別)価格相場】(2024年7月現在あくまで一例です) 積載重量(t) 1 1.5 2 2.5 内燃機関(エンジン)式 の価格相場 約¥1,800,000 約¥2,000,000 約¥2,300,000 約¥2,500,000 蓄電池(バッテリー)式 の価格相場 約¥2,300,000 約¥2,800,000 約¥3,300,000 約約¥3,800,000 蓄電池式フォークリフトの場合、積載重量が大きいほどバッテリーの容量も大きくなるため、比例して購入価格も高価になります。 3.重い荷物を運べない リーチフォークリフトは、パワーが内燃機関式よりも低い蓄電池式の動力を採用しているほか、リーチフォークリフトの機種は3トンクラス程度しかラインナップがないので、重い荷物を大量に運搬するには効率が良くありません。 また、カウンター式のフォークリフトよりも安定性が良くないので、積載量を上回る荷物の運搬は横転などの危険が高いです。 「カウンター式」「リーチ式」フォークリフトの選び方作業環境・用途を考慮して動力を選ぶ 適した動力のフォークリフトを選ぶには、作業環境・用途を明確にすることが大切です。例として、内燃機関式動力の「カウンター式フォークリフト」は、大量の重量物運搬を屋外で行う場合に活躍します。また、蓄電池式の動力を持つ「リーチ式フォークリフト」は、排気ガスが出せない冷凍倉庫や食品工場など食品衛生上の環境配慮が必要な場面でも活躍します。 カウンター式フォークリフトは、主に屋外や広大な倉庫、重量物運搬で使用され、リーチ式フォークリフトは基本的に屋内や狭い通路などの閉所作業や軽量物運搬で使用されます。 扱う荷物の重さで最大荷重を選ぶ フォークリフトの最大荷重を選ぶ際には、「運ぶ荷物の種類」「オペレーターの体重」「荷物の寸法」などの点を把握することも重要です。荷物の寸法によってフォークの長さが変わり、荷重中心によって最大荷重も変わります。 荷重心とは、フォークリフトに積載した荷物の重心位置とフォーク(爪)の垂直前面との距離のことです。例えば、荷重重心:500mm、最大荷重:1500Kgのフォークリフトの場合、フォーク垂直前面から500mm以内に荷重中心がある荷物に限り、1500Kgまで安全に運搬することが可能ということになります。 作業する場所に適した車輪数を選ぶ フォークリフトのタイヤには3輪と4輪のタイプがあります。このタイヤ数にはメリット・デメリットがあるため、利用目的に見合うタイヤ数の車両を選びましょう。 3輪タイプのフォークリフトは、リーチフォークリフトに多く見られるタイヤ数で、旋回半径が狭く小回りに優れています。そのため、狭い通路での作業に適していますが、屋外作業、特に砂利道や起伏の多い場所では操作が難しくなります。 また、3輪タイプのフォークリフトは、最大荷重が2.5トン程度までと限定的です。最大荷重ぎりぎりで荷物を運搬すると、フォークリフトの旋回時にバランスが不安定になりやすく転倒の危険が大きくなります。 4輪タイプのフォークリフトは耐久性があり、屋外作業や砂利道や起伏の多い地面での使用に向いています。また、3輪タイプよりも安定性が高いため、斜面でも転倒するリスクが少ないです。ただし、旋回範囲は3輪タイプよりも限られており小回りを苦手とします。 フォークリフトをレンタルする業者選びのポイント希望の機種があるかどうか 希望機種の有無は、業者選びでもっとも重要なポイントです。いくらレンタル費用が安くても、必要としているスペックのフォークリフトがなければ意味がありません。レンタル業者によって保有機種や在庫数が異なるため、事前のリサーチが必要になります。 最近では、レンタル可能な機種の一覧をサイトに掲載しているレンタル業者が多いです。気になる業者が見つかったら、まずはその業者のサイトをチェックしてみましょう。 利用しやすい料金プランがあるか レンタルは、1日単位で借りる日極と月単位で借り続ける月極の2パターンが基本的な料金形態になります。しかし、現在のレンタル業者は、顧客のニーズに応じてレンタルのプランを細かく設定していることも多いです。 中には、レンタルとリースの昼間に位置する「長期レンタルプラン」を提供する業者も見受けられます。このように、レンタルのプランは業者によって大きく異なることがあるため、複数社のプランを確認してから業者を選定するようにしましょう。 機械のメンテナンスはしっかり行われているか レンタル業者が扱う機械は基本的に中古品になります。フォークリフトは構造が比較的シンプルであり、長距離を移動する車両でもありません。したがって、メンテナンスさえ行き届いていれば年式が古いものでも問題なく使用できるでしょう。 しかし、その逆もまた然りで、メンテナンスが不十分であれば、年式が新しくローアワーのフォークリフトだったとしても不具合が発生しやすくなります。できれば、レンタルの契約をする前に、フォークリフトの状態を見て、メンテナンスの状況を確認するのが望ましいでしょう。 まとめ フォークリフトには大きく分けて「カウンタ―式」と「リーチ式」の2種類があり、それぞれの特徴を理解したうえで、作業の用途、規模にあった機種を選択することが大切です。またフォークリフトの動力によってもメリット・デメリットがあるので、レンタル等での導入をご検討の方は、本記事をご参考にしていただければ幸いです。 ←高品質な【中古フォークリフト】なら重機の専門店トクワールドにお任せ下さい!

    #フォークリフト#カウンター式#リーチ式

    2024/07/18

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