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ブルドーザーの大型・小型について|建設機械の国内代表メーカー「コマツ」を例に解説

ブルドーザー

2023/06/29

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ブルドーザーの大型・小型について|建設機械の国内代表メーカー「コマツ」を例に解説

ブルドーザーは、土木現場でよく使用される建設機械のひとつです。地面を削る、ならす、土砂の運搬など、あらゆる用途で活躍するブルドーザーは、土木工事の現場では必要不可欠な重機しょう。

しかし、一口にブルドーザーといっても、使用用途に合わせてさまざまなサイズがあります。そこで、本記事ではブルドーザーの大型・小型について詳しくご紹介します。

ブルドーザーの大型・小型の違いとは?

作業に使用する建設機械を選ぶときは、重機の性能もそうですが、まず車体の大きさを考慮するかと思います。どれだけ質がいい重機でも、稼働する環境や作業量に見合ったものでないとその性能がうまく発揮できないからです。

例えば、規模の大きい道路工事に対して、小型重機で作業を進めているようでは倍の所要時間がかかってしまいます。

では、ブルドーザーには大小さまざまな機種がありますが、サイズ以外にはどのような部分に違いがあるのでしょうか?

ここからは、ブルドーザーの大型・小型の違いについて、「コマツ」のブルドーザーを例にしながら詳しく紹介していきます。

ブルドーザーとは?

ブルドーザーとは、トラクターの前方に可動式ブレード(排土板)を備えた重機で、進行方向に土砂を押し出す働きをします。土砂のかきおこし、盛土、整地などの土木作業に多く用いられ、中には浅瀬や水路での工事をおこなう水陸両用型ブルドーザーや水中ブルドーザーなども存在します。

車体より大きいものでもオシ動かすほどの馬力を持つブルドーザーは、エンジンの回転数とともにギアを小さくし、強大な推進トルクを出力します。また、豊富なアタッチメントを装着することにより作業範囲を拡大することもできます。

現在のブルドーザー製造メーカーは?

  • キャタピラー社(CAT)(米国)
  • 株式会社 小松製作所(日本)
強大な推進トルクを発揮するブルドーザーの開発・製造にかかる技術的ハードルは低いものではありません。

そのため、現在の主なブルドーザー製造・販売メーカーは、アメリカのCAT(キャタピラー)社と日本のコマツ(小松製作所)の2社が世界シェアをほぼ独占する状態となっています。

ブルドーザーの国内トップシェアを誇る「コマツ」

コマツこと「株式会社 小松製作所」は、創業100年を超える歴史のある国内を代表する大手建設機械メーカーです。

コマツは、第二次世界大戦中に日本初のブルドーザーを開発したメーカーでもあり、戦後の高度経済成長期を支えました。現在もコマツはブルドーザーの国内シェアトップを誇ります。

また、コマツの建設機械は海外からも高い評価を得ており、高いモノ作り力、低燃費性能、ICT技術では世界トップクラスの技術を持っています。

ブルドーザーのサイズについて

ブルドーザーは主に「乾地ブルドーザー」と「湿地ブルドーザー」に分けられます。

例えばコマツは以下の機械質量ごとに分けられています。

【コマツにおけるクラス分けの目安】
機械質量 クラス
3~12トン級 小型
13~24トン級 中型
28~42トン級 大型
44トン級〜 超大型

「乾地ブルドーザー」「湿地ブルドーザー」の違い

ブルドーザーは主に不整地で使用される建設機械のため、足回りはクローラ(履帯)で走行します。しかし、いくら軟弱地盤に強いクローラ走行だからといって、泥濘した地盤では行動不能になる場合があります。

このため、ぬかるんだ地盤で使用するために、乾地ブルドーザーよりもクローラの幅が広い湿地ブルドーザーが開発されました。湿地ブルドーザーは、クローラの接地圧が3分の2程度抑えられているため、泥濘化した地面でも動きやすいようになっていることが特徴です。

特に、雨が多い日本や東南アジアで使用されています。

国産のブルドーザーに見られる特徴

日本は他雨地域であるため、軟弱地盤でも走行できる機械が必要とされたことから、広い接地面積を持たせて接地圧を下げ、特殊な三角断面履板(シュー)を用いた湿地ブルドーザーが多く使用されています。

これは標準の履板に比べて、軟弱地盤での適応性に優れており、横方向の滑り特性や転圧効果にも優れていることが特徴です。

小型クラスや中型クラスにおける湿地ブルドーザーは全体の70~80パーセントを占めており、30トン以下の大型クラス機でも湿地ブルドーザーが約50パーセントを占めています。

    「湿地ブルドーザーの特性」
  • 標準ブルドーザーの特徴を備え、且つ湿地、軟弱地における走行性能、牽引能力を高くした機械。
  • 近年は地盤の損傷を軽減するために、ゴム製の履帯を装着する機種が製品系列に加わっている。
  • 「超湿地ブルドーザーの特性」
  • 湿地ブルドーザーよりも更に湿地、軟弱地における走行性能、牽引能力を高くした機械。

大型のブルドーザーについて

ブルドーザーは、本体重量もの2倍もの物体を押すことが可能です。仮に同じくらいのパワーがある自動車と押し合いをした場合、ブルドーザーが自動車よりも大きな力を出すことが可能です。

さらに、重い本体と強力なエンジン、トランスミッションによって、パワフルに物体を押したり引っ張ったりすることができます。

大型のブルドーザーは、アフリカや東南アジアの発展途上国で大きな需要があり、大型ブルドーザーの多くはアメリカのCAT社が製造しています。

国内においても高度経済成長期に大型ブルドーザーの需要がピークを迎え、時代の流れで大型造成工事も少なくなり、小型ブルドーザーが主流になりました。

しかし、近年では高速道路の新規工事が増加しており、大型土木に対応するため、再び大型ブルドーザーを中古購入した土木会社もあるようです。

また、コマツでも15年ぶりに大型ブルドーザーのモデルチェンジを行い「D475A-8R」として発売しています。

大型ブルドーザーは、本体が重量級であることに加え、作業自体も負担がかかる掘削、押土が多いことから、他の建設機械と比べると燃費が良くないことや、ハイパワーと引き換えに、走行スピードは平均で約10km/hと低速なことがデメリットです。

大型ブルドーザーに分類されるサイズ

運転質量27トン〜130トンクラスが大型ブルドーザーに分類されるサイズであり、現在コマツのラインナップでもっとも大型であるD475A-8Rは、機械質量112,100kgになります。

このサイズのブルドーザーは大規模工事に適しており、広大な土地を開墾したり整地したりする用途に使用されます。また、海外では強力な馬力を活かして鉱山作業でも稼働しています。

大型ブルドーザーの用途

大型ブルドーザーは大規模な土木工事に投入され、河川や道路工事、宅地造成及び岩盤等の重掘削作業、鉱山等の大量掘削運土作業に使われます。特にリッパー装置を装着して掘削作業を行う場合に高い威力を発揮します。
    【大型ブルドーザーの主な用途】
  • 大規模土木工事・河川工事・道路工事・宅地造成・重掘削工事(岩盤等)・大量掘削運土作業(鉱山等)

大型ブルドーザーに必要な資格

  • 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削)運転技能講習
  • 大型特殊自動車免許
ブルドーザーを仕事で操作するためには、「車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削)運転技能講習」を受講し合格する必要があります。

また、大型ブルドーザーをはじめとホイールローダーやクレーン車といった重機を公道で走行させるためには「大型特殊自動車免許」が必要です。

小型のブルドーザーについて

国内における建設機械需要は、「小型・ミニ建機」のジャンルが大きく伸びており、小型ブルドーザーは、都市部での再開発とともに住宅着工、道路工事で需要が大きいです。

また、農業や除雪にも使用されることから小型ブルドーザーの普及率は高く、中古市場も小型・中型ブルドーザーの数が圧倒的に多いです。コマツをはじめとした日本メーカーは、国内向けにこうした小型建設機械のラインナップに力を入れており、昨年(2022年)にもコマツから、特定特殊自動車排出ガス規制法(オフロード法)の2014年基準に適合した機械小型ブルドーザー「D27A-10」(質量4,230kg)が発売されています。

ブルドーザーをはじめ、クローラー(履帯)を装備した車両・建設機械による公道走行は、原則禁止されています。そのため、現場までの回送は基本的にトラックやトレーラーなどに積載して移動することになります。

重量級の大型のブルドーザーを積載するためには、その車体重量を積載可能な大型トレーラーを用意、もしくは運送屋に依頼する必要がありますので、移動コストは割高になってしまいます。

また、大型ブルドーザーと比べて燃費性能や維持費にも優れているためオーナーにとっては管理がしやすいでしょう。

小型ブルドーザーに分類されるサイズ

小型ブルドーザーに分類されるサイズは、コンパクトで扱いやすい3〜6トンクラスが一般的で小回り性能も高いです。また、ブルドーザーはクローラー走行式のため、運搬車の用意が必要ですが、小型クラスですと中型トラックに車載して移動させることも可能というメリットも大きいです。

小型ブルドーザーの用途

小型ブルドーザーは、地下鉄工事、坑内作業など狭い場所の掘削運土作業に使用されるとともに、道路の応急修理、開墾、耕地改良、営農、建設基礎工事などに多く使用されます。

    【小型ブルドーザーの主な用途】
  • 地下鉄工事・坑内作業・道路の応急修理・開墾・耕地改良・営農・建設基礎工事

小型ブルドーザーに必要な資格

  • 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削)運転技能講習
  • 小型特殊自動車免許
小型特殊自動車免許は運転免許区分のひとつで、特殊自動車とはフォークリフトや除雪車、農耕トラクター、コンバイン特殊など装備を持つ自動車のことを指します。

また、小型特殊自動車免許を持っていなくても、普通自動車、免許自動二輪以上の免許を所有している小型特殊自動車を運転することができます。

    【小型特殊自動車を運転できる運転免許】
  • 小型特殊免許
    大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許、大型特殊免許、大型二輪免許、普通二輪免許

湿地・超湿地(小型・中型・大型湿地ブルドーザー)ブルドーザーについて

標準ブルドーザーは作業困難な湿地、泥濘地、軟弱地における掘削運土作業に使われる他、圃場整備工事の運土、仕上げ作業に良く使われます。一方、超湿地ブルドーザーは、湿地ブルドーザーでも作業困難な湿地、泥濘地、軟弱地における掘削運土作業に使われます。

小型ブルドーザーが作業員から歓迎される理由

天井が低い場所での作業は、腰痛の発生や起き上がった際に頭上の障害物と接触しやすく、ケガのリスクが多く潜んでいます。

また、狭いスペースでの作業は使える道具などの制限も受けるため、作業員にとっては負が大きいです。

そのため、小型ブルドーザーの中には、ボディをさらにコンパクト化し、車体の高さを低くした「小型低床ブルドーザー」というモデルも出回っています。

「千代田商事 株式会社」の『Gerotto Dozer RC』は、地下採掘、側溝清掃、密閉されたスペース、アンダーコンベヤベルトの点検、メンテナンス清掃など、人では対応困難な複数の用途に活用できる製品です。

本製品は、リモートコントロールシステム(無線)を装備し、遠隔操作によって安全な場所から操作することが可能で、最大8時間操作と運搬可能重量300kg性能を有します。

このような低床ブルドーザーは、遠隔操作により作業者の安全性を実現し、作業負荷を軽減に大きく貢献するとして槽やタンクなどの清掃業者からも注目されています。

防衛や災害派遣の現場で活躍する「小型ドーザー」

ブルドーザーは災害現場でも活用されており、陸上自衛隊の施設科や各国軍の工兵部隊でもブルドーザーが採用されています。中でも陸上自衛隊の保有する「小型ドーザー」は、東日本大震災などの災害現場で性能を発揮したことから多くの注目を浴びました。

「小型ドーザー」とは、陸上自衛隊の普通科連隊を中心に配備されている、ブルドーザーとパワーショベルが一体となった土木建設機材です。

小型ドーザーは、通称「小ドーザー」や「ショベル付きドーザー」などとも呼ばれています。車体前方には排土板のドーザーブレード、後部にパワーショベル(バックホー)のアームとバケットを搭載し、ともに油圧式です。

車体は、全長約4m、幅約2mというコンパクトさと機体重量2,950kgの軽量さであり、大型トラックの荷台に容易に積み込んで現場へ向かうことが可能という高い輸送性を持っています。

本装備は民生品をほぼそのまま流用しており、操縦席に小銃用の架台が設置されているほか、灯火管制用の照明系統を装備しているなど、変更箇所はごくわずかです。防弾のための装甲は付与されておらず、施設器材の範疇に入ります。

製造は三菱重工や小松製作所で、最近ではクボタ建機やヤンマー建機などがおこなっており、施設器材ですが、前線部隊である普通科隊員と連携した作業が求められるため、建設重機やダンプトラックなどを多く装備する施設科ではなく、普通科連隊を中心に配備されています。

小型ドーザーは、積雪地や寒冷地で使用することも想定し、運転室を鋼製とし、排土板にチルト機能を備えた仕様の一般部隊向け「A型」と、チルト機能を省略して軽量化を図った空挺部隊仕様(ヘリコプターでの空輸も可能)の2タイプに分かれています。

このように小型であるため、災害派遣現場では被災地の奥深くまで迅速に展開でき、行方不明者の捜索や瓦礫の撤去、現場の復旧など、機械力を活かした迅速且つ効率的な作業が行えます。

ブルドーザーへの設備投資はメンテナンス性・補修費用も考慮

工事用ブルドーザーの耐用年数は6年程度が目安と言われており、ブルドーザーの稼働時間が長ければ長くなるほど、ブレードなどのパーツ摩耗は早く進行していきます。

そのため、ブルドーザーの耐用年数を一概に6年と言い切ることはできず、ブルドーザーの稼働時間を示すアワーメーターの値を耐用年数の目安にすることが多いです。

ブルドーザーを長く安全に使用し続けるには、定期的なメンテナンスが欠かせません。しかし、大型ブルドーザーにもなると、アタッチメントや消耗品の値段も小型、中型機より高くなり、メンテナンスの手間や費用もかさむことも念頭におく必要があるでしょう。

現在、ブルドーザーをはじめ、ほぼすべての重機には油圧システムが採用されており、油圧システムでは、金属同士が接触した状態で強い力で動いているため、摩耗による金属粉が発生します。

この金属粉や空気中を浮遊するホコリや砂などで作動油が汚れていき、その作動油はオイル漏れや作動不良を引き起こします。そのため、定期的に作動油の汚れ具合を測定し、フラッシングすることで油圧システムの寿命を伸ばすことができます。

また、燃料システムに水や異物が混入することも燃料システムの耐用年数を著しく縮めることになります。燃料タンクやウォーターセパレーターの水抜きを毎日実施するなど、日々のメンテナンスも耐用年数を大きく左右する要因となります。

メンテナンスを怠り、油圧システムやエンジンなどが故障してしまうと、多額の修理費用がかかってしまうほか、エンジンなどの交換になると大型機械であるほど高額になります。

まとめ|ブルドーザーの大型・小型について
今回はブルドーザーの大型・小型についてご紹介しました。国内でのブルドーザーはコマツが先駆けとなり、以降はCATと並ぶ高いシェア率を獲得しています。

ブルドーザーは、他の建設機械にはない圧倒的なパワーで、スピーディーに掘削や押土、開墾をこなす整地屋のような存在ですが、あらゆる現場環境、用途などのニーズに対応するためにさまざまなサイズのモデルが存在します。

大型ブルドーザーは大きなブレードやパワフルな推進力による作業性があるため大規模工事に導入され、小型ブルドーザーは、コンパクトな車体を活かした省スペースでの現場で活用されます。

コマツでは、おおまかに3~12トン級を小型ブルドーザー、28~42トン級を大型ブルドーザーとして分類しているので、作業用途に適したサイズを選択しましょう。
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    #ブルドーザー#規格#コマツ#キャタピラー

    2024/04/12

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    ブルドーザーやホイールローダーなどの重機を運転するには?

    ブルドーザーやホイールローダーの運転や操縦に必要な免許・資格を紹介 ブルドーザーやホイールローダーなどの重機を運転して作業をするためには、労働安全衛生法で定められた資格や自動車免許を取得する必要があります。 もし、無免許無資格で建設機械を運転し、業務をおこなった場合、事業主には「6か月以下の懲役、または50m万円以下の罰金」が科せられ、作業者にも「50万円以下の罰金」といった罰則があります。 また、交付された修了証を作業の際に携帯していない場合は、罰則の対象になるので注意が必要です。 建設機械の資格は、土木や建設現場などではもちろん、倉庫や工場、農業、畜産業でも活躍するので幅広いニーズがあります。 また、操縦方法は機械ごとにそれぞれ異なるため、知識と操縦技術が必要になります。そのため、重機を操縦する仕事は専門性の高い仕事のひとつといえるでしょう。 また、建設業界では建設機械を操縦するオペレーターの高齢化や人手不足も問題となっているので、重機免許を取得していれば、仕事の幅が広がるだけでなく、年収アップにもつながるでしょう。 本記事では、ブルドーザーやホイールローダーなどの重機を操縦するため必要な資格、免許や講習内容、費用について詳しくご紹介します。 ブルドーザーやホイールローダーの操作に必要な資格 ブルドーザーやホイールローダーなどの建設機械を業務で使用する場合、労働安全衛生法上では、「車両系建設機械運転者」に定められた作業者である必要があります。 車両系建設機械運転者とは、労働安全衛生法の定めにより就業制限の課されている一定の車両系建設機械について、各種の技能講習または特別教育を修了するなどにより、それらの運転または操作をおこなうことを認められた作業者のことを指します。 ここからは、車両系建設機械運転者に必要な資格について詳しくご紹介してまいります。 車両系建設機械とは? ブルドーザーやホイールローダーなどの「動力を用い、かつ不特定の場所に自走可能な重機」は、労働安全衛生法施行令別表第7にて車両系建設機械として定められています。 重車両系建設機械は全部で6種類に分類されており、それぞれ用途や能力が異なります。 車両系建設機械の分類は以下の通りです。 1.整地・運搬・積込み用機械 ブルドーザー モーターグレーダー トラクターショベル ずり積機 スクレーパー スクレープ・ドーザー 2.掘削用機械 パワーショベル ドラグショベル ラグライン クラムシェル バケット掘削機 トレンチャー 基礎工事用機械 くい打機 くい抜機 アースドリル リバースサーキュレーションドリル せん孔機(チュービングマシンを有する物に限る) アースオーガー ペーパードレーンマシン 締固め用機械 ローラー コンクリート打設用機械 コンクリートポンプ車 解体用機械 ブレーカー ショベル系建設機械での作業で必要な免許 ブルドーザーやホイールローダーの他、バックホウなどのショベル系建設機械での作業には、以下で紹介する資格、免許が必要です。 小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み及び掘削用)の運転の業務に係る特別教育 「小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み及び掘削用)の運転の業務に係る特別教育」は、機械質量3トン未満の小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み及び掘削用)の運転作業に従事する方に必要な資格で、特別教育は事業者が従業員に対して行われる教育です。 労働安全衛生法第59条第3項の規定では以下のように規定されています。 労働安全衛生法 (安全衛生教育) 第59条 事業者は、労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行わなければならない。 2 前項の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用する。 3 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。 このように、事業者は、機械質量3トン未満の車両系建設機械(整地・運搬・積込み及び掘削用)で雇用関係のあるものに就業させるには、「小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み及び掘削用)の運転の業務に係る特別教育」を受講させる必要があります。 講習では、「小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識」といった学科講習が7時間、実技講習が6時間の計13時間(2日間)があり、これらの講習を修了することで取得可能です。 科目 教育時間 【学科】 走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識 3時間 作業に関する装置の構造、取扱い及び作業方法に関する知識 2時間 運転に必要な一般事項に関する知識 1時間 関係法令 1時間 【実技】 走行の操作 4時間 作業のための装置の操作 2時間 主な対象機会は車両系建設機械(整地用等)のうち、機械質量3トン未満のホイールローダー・ブルドーザー・トラクターショベル及びドラグショベルなどです。 3トン以下の車両系建設機械を操作できる特別教育は、主に全国にあるコマツなどの重機メーカーの教習所や都道府県にある労働局長登録機関などで実施しています。 教育を実施する時期などは各県や機関により異なるので、お住まいの地域の情報を調べてみましょう。 車両系建設機械運転技能講習(整地・運搬・積込み及び掘削用) 「車両系建設機械運転技能講習(整地・運搬・積込み及び掘削用)」は、機械質量3トン以上の車両系建設機械(整地等)の運転作業に従事する方に必要な資格です。 労働安全衛生法第61条(施行令第20条 第12号)では以下のように規定されています。 労働安全衛生法(就業制限) 第六十一条 事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。 2 前項の規定により当該業務につくことができる者以外の者は、当該業務を行なってはならない。 3 第一項の規定により当該業務につくことができる者は、当該業務に従事するときは、これに係る免許証その他その資格を証する書面を携帯していなければならない。 4 職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第二十四条第一項(同法第二十七条の二第二項において準用する場合を含む。)の認定に係る職業訓練を受ける労働者について必要がある場合においては、その必要の限度で、前三項の規定について、厚生労働省令で別段の定めをすることができる。 施行令第20条 第12号 機体重量が三トン以上の別表第七第一号、第二号、第三号又は第六号に掲げる建設機械で、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走することができるものの運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務 上記の内容(労働安全衛生法第61条)では、特定の危険業務については、都道府県労働局長の免許を受けた者のほか、技能講習を修了した資格を有する者でなければ、その業務に就いてはならないと規定されています。 そのため、事業者は従業員を機械質量3トン以上の車両系建設機械(整地等)の運転作業に就ける際は、「車両系建設機械運転技能講習(整地・運搬・積込み及び掘削用)」を受講させる必要があります。 また、その業務に従事する際は、従業員も免状(免許証)など、その資格を証する書面を携行することが義務付けられています。 技能講習の内容は、「走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識」など、最大で計38時間(6日間)の講習を受講した後、修了試験に合格することで資格取得となります。 また、特定の資格を取得していることで、一部の科目受講が免除されます。 時間 該当条件 18時間 自動車運転免許を保有せず、機械質量3トン未満の小型車両系建設機械(整地等)運転特別教育終了後に6ヵ月以上の運転経験を有する方(事業者証明が必要) 14時間 次のいずれかに該当する方 ・大型特殊自動車運転免許を保有している方。 ・普通自動車免許、大型自動車免許または中型、準中型自動車免許を有し、かつ機械の運転業務に3カ月以上従事した経験を有する方。 1.機械質量3トン未満の車両系建設機械(整地等)(または特別教育を修了した後の運転経験に限る) 2.車両系建設機械(解体用) ・不整地運搬車運転技能講習を修了している方。 38時間 いずれにも該当しない方 科目 教育時間 【学科】 走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識 4時間 作業に関する装置の構造、取扱い及び作業方法に関する知識 5時間 運転に必要な一般事項に関する知識 3時間 関係法令 1時間 【実技】 走行の操作 20時間 作業のための装置の操作 5時間 機械質量が3トンを超える車両系建設機械の場合、基本的には合計38時間の学科講習と実技講習が必要です。また、技能講習の講習項目、時間数は講習規則によって定められています。 ブルドーザーやホイールローダーの運転に必要な免許 車両系建設機械を運転するために必要な免許は、小型特殊自動車免許と大型特殊自動車免許があり、重機の重さなどによって必要な免許が異なります。 特殊自動車の免許の受講条件は以下の通りです。 【受講条件】 【視力】 ・両眼:0.7以上 ・片眼:0.3以上 ・視野:150以上 【聴力】 日常会話レベル 【年齢】 大型特殊免許:満18歳以上 小型特殊免許:満16歳以上 以上の条件を満たしている者 大型特殊自動車とは? 大型特殊自動車の定義は、ブルドーザーやホイールローダーのように、足回りがクローラー(キャタピラ)式、またはホール(装輪)式など特殊な構造をもち、特殊な作業に使用され、最高速度や車体の大きさが小型特殊自動車に当てはまらない自動車です。 大型特殊自動車免許 大型特殊免許は、ホイールローダーやクレーン車などの特殊な大型自動車を運転するために必要な免許です。第一種と第二種の2つの区分がありますが、通常は第一種の方が取得されます。 第二種免許では、キャタピラー付車両などを運転し、旅客営業を行うことができます。しかし、現在国内では第二種免許が適用されている車両は存在しません。第二種免許を取得している人々は、通常はフルビット免許証と呼ばれる、すべての免許区分が記載された免許証の取得を目指しています。 大型自動車免許を取得すると、以下の免許区分の車両を運転することができます。 1.大型特殊自動車 2.小型特殊自動車 3.原動機付自転車(原付) 上記の車両に該当するのは、以下の条件を満たす特殊自動車です。 •全長が12.0m以下 •全幅が2.5m以下 •全高が3.8m以下 •総排気量に制限はなく、最高速度も制限はありません。 •ただし、時速49km/h以下の自主規制がある場合もあります。 これらの条件を満たす特殊自動車は、大型特殊免許を保有する運転者によって運転されます。大型特殊免許の取得には、教育や実技試験などが必要とされ、各国や地域において運転に関する法律や規制が存在し、安全な運転が求められています。 小型特殊自動車免許 小型特殊自動車とは運転免許の区分のひとつで、フォークリフトや除雪車、農耕トラクター、コンバインなど特殊な装備を持つ自動車のことを言います。そして、それらの特殊小型自動車を運転するための免許が小型特殊自動車免許です。 小型特殊免許を取得することで特殊な装備を持つ自動車を運転することができます。また、普通二輪免許以上の免許を所有している場合でも小型特殊自動車を運転することが可能です。 小型特殊自動車は、工場・作業所で使用される特殊な構造を持つ車両や農耕作業用の車両に分類されます。 【工場・作業所で使用される小型特殊自動車】 車両の長さが4.7m以下、幅が1.7m以下、高さが2.8m以下、最高速度が時速15km以下 【農耕作業用の小型特殊自動車】 農耕トラクターや農業用薬剤散布車などで乗車装置があり、最高速度が時速35km未満のもの 【小型特殊自動車を運転できる免許の種類】 小型特殊免許 大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許、大型特殊免許、大型二輪免許、普通二輪免許 【小型特殊自動車の定義と種類】 工場・作業所で使用する小型特殊自動車 車両の長さ4.7m以下、車両の幅1.7m以下、車両の高さ2.8m以下、最高速度時速15km以下の条件を超える車両は大型特殊自動車に分類 農耕作業用の小型特殊自動車 農耕トラクター、農業用薬剤散布車、刈取脱穀作業車、田植機など乗車装置があり、最高速度が時速35km未満の車両が該当 特殊な構造を有する車両には、フォークリフト、除雪車、農耕トラクター、コンバインなどの特殊な装備を持つ車両のほか、タイヤローラーやロードローラー、ホイールクレーン、モーターグレーダー、アスファルトフィニッシャー、キャリアダンプといったおなじみの建設機械が該当します。 また、最高時速が時速35km以上の農耕作業用自動車は、大型特殊自動車に分類されます。 小型特殊自動車の免許の交付には実技は必要なく、適正検査と学科試験に合格すれば交付されます。学科の試験問題は一般的な交通ルールを含む48問出題され、うち文章問題が46問(1問1点)、イラスト問題が2問(1問2点)出題されます。50点満点で45点以上合格取れば合格です。 各免許・資格にかかる費用 免許の取得にかかる費用は、一般的な目安として以下のようになります。 【車両系建設機械運転者(整地・運搬・積込み用及び掘削用)】 •特別教育: 約1万5千円 •技能講習: 約4万円~10万円(免除の程度による) 【特殊自動車免許】 •大型特殊免許: 約8万円~13万円(教習料金) •小型特殊免許: 約4千円(試験手数料など) ただし、これは一般的な参考価格であり、実際の費用は地域や教習所によって異なる場合があります。また、教習料金や試験手数料以外にも、書類申請費用や事務手数料などの追加費用がかかる場合もあります。 免許取得に関しては、正確な費用については教習所や関連機関にお問い合わせいただくことをおすすめします。 クローラー(キャタピラ)車両は回送車での運搬が必要 ブルドーザーやバックホウなどの公道走行が不可能な建設機械は、セミトレーラーなどの回送車を用意するか、運送業者に依頼して輸送してもらうことが一般的でしょう。 ブルドーザーなどの重機を運搬する際には、道路運送車両法の保安基準や道路交通法に適合するために、建設機械は分解して輸送することが基本です。 使用するセミトレーラー車両については、搭載する建設機械により変化するので、ケース毎に検討が必要になります。 また、セミトレーラーの運転には大型特殊免許とけん引免許が必要です。大型特殊免許と大型免許はそれぞれ異なるため、すでに大型特殊免許をお持ちの方が大型免許を取得する場合には、あらためて大型免許を取得しなければなりません。 そして、セミトレーラーは運転席と荷台が分離するけん引自動車に分類されているため、運転をするには大型免許のほかにけん引免許が必要となります。 まとめ ここまで、ブルドーザーやホイールローダーでの業務に必要な資格、免許について紹介しました。 作業用の資格と移動のために免許は異なるため、講習を受けただけでは一般道路を走行(移動)させることはできません。「小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育」や「車両系建設機械運転技能講習」などは、あくまで建機で作業するために必要な講習です。 まず、ブルドーザーなどのクローラー(キャタピラー)式の走行方式である建設機械は、一般道路を走行できないため、重機を載せて運べるサイズのトラックやトレーラーを運転する免許が必要です。 ブルドーザーを別の現場へ移動させる場合に備えて、別途で大型特殊免許とけん引免許を取得するか、事前に運送業者を手配しておくなりしておきましょう。 ←ブルドーザー、ホイールローダの中古はトクワールドに!在庫一覧はこちらから

    #ホイールローダー#ブルドーザー#資格#免許

    2024/04/05

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  • ブルドーザーの構造・機能とは?主要構成や画期的技術についても解説!
    ブルドーザー

    ブルドーザーの構造・機能とは?主要構成や画期的技術についても解説!

    ブルドーザーとは? ブルドーザーは履帯式トラクターにブレードと呼ばれる油圧シリンダーで制御された鋼性の排土板を取り付けた建設機械です。掘削、押土、整地等の土木作業に用いられ、異なる種類のブレードを付け替えることにより作業範囲が拡大できます。 1920年代にアメリカで農業用として開発され普及した後、日本国内では戦時中である1943年に海軍航空基地の建設機械としてコマツが国産ブルドーザーの第一号を開発しました。 ブルドーザーの用途 ブルドーザーは、特に土木工事の基礎となる建設機械です。整地や掘削、盛り土造りなどの作業が主な用途であり、クローラー走行によって不整地や軟弱地盤での活動に優れています。 大型ブルドーザーの場合、大規模な土木作業や河川工事などによく導入されるほか、スクレーパーを牽引して作業することにより、中距離運搬作業にも効果を発揮することができます。 また、地下鉄工事や坑内作業といった閉所での作業ではコンパクトで小回り性能に優れる小型ブルドーザーが活用されます。 ブルドーザーの構造 ブルドーザーの特徴的な構造として、車体前部に備えられたブレードと後部のリッパ装置、そして足回りのクローラー(履帯)が挙げられます。 ドーザーブレード ドーザーブレード(排土板)は、油圧シリンダーで制御され、2本の支持棒によってトラクター前方に取り付けられています。 ブレードには、標準的な排土板であるストレートドーザーに加え、押土、運土用に排土容量を増加させたUドーザーなどドーザーブレードにはいくつかの種類があります。 工事用道路や搬入路として利用されるパイロット道路の施工時に行う、片切・盛りこぼし作業に有効なアングルドーザーや押土と掻き寄せができるツーウェイドーザー。その他、パワーアングルドーザー、レーキドーザー、バケットドーザーなど用途に特化したブレードがあります。 リッパ装置 リッパ装置は、21トン級以上の中型以上のブルドーザー後部に装着されている岩盤掘削用のアタッチメントです。現在のリッパ装置は油圧作動方式ですが、以前はケーブル操作の牽引式でルータと呼ばれていました。 リッパドーザー(リッパ付きブルドーザー)は、山での土木工事で使用されることが多く、岩の破砕(リッピング)などで重宝します。一般的な工事で見かけることはほぼありません。15トン級ブルドーザーや大型のモーターグレーダーに装着する小型で爪が多本あるリッパは、リッパスカリファイアと呼ばれ、強力な牽引力をもって硬土の掻起こし用途で使用されます。 もっとも多く使われているリッパ装置は「マルチシャンクリッパ」という3本爪(シャンク)のリッパが標準的です。なお、岩盤の硬さによってシャンクの本数を増やすことも可能です。 このようにブルドーザーは万能掘削機械としての側面もあり、建設機械としては汎用性が高く、広範囲の作業用途で使用されています。 クローラー ブルドーザーは用途や作業環境により、乾地ブルドーザーと湿地ブルドーザー、超湿地ブルドーザーに区分されます。それぞれは装着履帯が異なり、湿地式や超湿地式のブルドーザーは、履帯幅が広く設計してあります。 履帯幅が広いことにより、地面と履帯表面との接地面積が大きくなるため、軟弱地、泥濘地でもより安定した走行性能と高い牽引力を発揮します。 また、小型ブルドーザーの中には、舗装路へのダメージを軽減するために、ゴム製の履帯を装着する機種もあります。 ブルドーザーの主要な構成 ブルドーザーの構造は、主にトラクターと作業装置に分けられ、以下のグループに細分されます。 トラクター…エンジン、動力伝達装置、足回り装置、運転席など 作業装置…作業機装置、コントロール装置、リッパ装置など 作業機装置・トラクター部・足回りの解説 ブルドーザーの車体はトラクター部とも呼ばれ、作業機装置と足回り部分が主な構成部分です。 作業機装置(アタッチメント) ブルドーザーのトラクター部前面には、ブレードをはじめとしたアタッチメントと、それらを支えるフレームから成る作業機装置があります。作業機装置は油圧で制御され、作業内容や環境に応じてオペレーターがアタッチメントを選択、換装できるような構造になっています。 土木現場で使用される主なブレードの種類 さまざまなブレードが用意されているのもブルドーザーの特徴です。 アングルドーザー 主に小型ブルドーザーに採用されおり、ブレードをトラクターの進行方向に対して左右25°~30°の角度をつけて取り付けることが可能です。傾斜地での搬入路造成や土砂を片側へ排除しながら押土するアングリング作業を行います。 ストレートドーザー ブレードをトラクターの進行方向に対して、I型またはL型形状のフレームで直角に取り付けたものです。アングルドーザーよりもブレードの幅が狭いため、掘削力が大きく連続的な重掘削作業に適しています。 ストレートチルトドーザー レバー操作で、油圧シリンダーによりブレードを左右に傾斜(チルト)させることができます。硬い地盤も掘削でき、道路の片方面だけ掘削するチルティング作業も可能です。このタイプは、ほとんどの大型重機のブレードに採用されています。 Uドーザー 一挙に大量の運土を行うために、ブレードの形状がU字になっています。主に超大型ブルドーザーで採用されています。 パワーアングル/パワーチルトドーザー 運転席の作業レバーによって左右のアングリング操作および油圧チルトが可能です。掘削や整地、溝堀など多岐にわたる用途で活用されます。 トラクター部 ブルドーザーの本体は、農業用トラクターがルーツとなっています。国内では標準クラスの中型ブルドーザーと小型ブルドーザーの需要があり、国内向けモデルには小型~中型機械のラインナップが多いです。 道路工事や河川工事に使用されるブルドーザーは、運転質量27トン~130トンクラスの中型ブルドーザーで、宅地造成や林業開拓などの幅広い用途に利用されます。機械質量3~6トンクラスの小型ブルドーザーの場合は、地下鉄工事や坑内作業など狭いスペースでの需要が高く、道路の応急修理や開墾、農地改良工事などでの活躍も多いです。 足回り ブルドーザーはクローラ式足回りを採用しており、荒れ地や軟弱地盤でも移動、作業が可能です。ブルドーザーの足回り装置は、スプロケット(起動輪)、ローラ(転輪)、アイドラ―(誘導輪)から構成されています。 ブルドーザーのエンジンとパワーライン 運土、掘削、盛土、締固めなどを行うブルドーザーは、大きな牽引力や馬力が要求されます。 建設機械用ディーゼルエンジン ブルドーザーをはじめとした重機は、過酷な使用条件に耐えられる建設機械用ディーゼルエンジンを搭載しています。この建設機械用ディーゼルエンジンは、ハードな現場作業を想定した設計になっているため、自動車や一般産業用機械のディーゼルエンジンに比べると、非常にタフです。 大きな負荷に耐えられることはもちろん、負荷の急激な変動に対応できる性能に加えて、砂塵、振動、傾斜運転、高温、低温、雨風などの激しい稼働環境に耐えられる構造を持っています。 環境保護への配慮 近年の社会動向は、環境保護に配慮した製品の開発要求が高まっており、ブルドーザーもこの情勢を背景に、排ガス規制対応や省エネ対応技術の開発が進んでいます。 現行のブルドーザーには、車両全体システムでの燃費効率改善技術が搭載されており、大幅な燃費向上が実現しています。 ブルドーザーのオペレーションシステムCAT「イージーオペレーション」 電子制御トランスミッション採用し、操作性、作業性を飛躍的に向上。より正確なコントロール性を実現しています。 「FTC(フィンガーコントロール)」 ステアリング操作や変速操作、前進、後退切換が左手の指先だけで可能。感覚的でスムーズな操作感が特徴です。 マルチモニタシステム 17インチの液晶カラーモニターを使用して、車両情報を随時で表示するシステムです。このシステムは、燃料残量や油水温情報だけでなく、メンテナンス時期や車両の異常状態なども自動的にオペレーターに故障を通知する機能を備えています。 さらに、運転状況を監視し、燃料消費効率の向上に役立つ診断「エコゲージ」機能も提供しています。 PCCS (Palm Command Control System) この技術は、人間工学の視点からアプローチされ、ブルドーザの運転(走行および作業機の操作)に最適なノブ形状と操作パターンを組み合わせ、国内標準の操作パターンにも適合しています。作業機の動きとレバーの操作方向が調和し、レバーを握りかえる必要がなく車速を設定できるようになりました。 最新機ブルドーザーに採用されている画期的な技術 ブルドーザーのオペレーションシステムについてご紹介しました。現行のモデルはオペレーションシステム以外にもあらゆる部分に画期的な技術が採用されています。 スーパースラントノーズ スーパースラントノーズはコマツが独自で開発した技術です。ラジエーターをトラクターの後部に配置し、前面のエンジンフード部分をコンパクトにしたスーパースラントノーズ化によって、従来の座面からはブレード上端と先端の接地面、その前方の土壌状態の視認が可能になりました。 インシューモーター&ファイナルドライブシステム 従来機構成では、横軸装置を内蔵するSケースが車体後部を占有しているため、ラジエーターなどの冷却ユニットを後方配置できる空間がありませんでした。 対策として、横軸装置が不要なHST(Hydro-Static Transmissionの略で、油圧モーターと油圧ポンプを組み合わせて閉回路で接続した無段変速機)をパワーラインに採用し、HSTモーターとファイナルドライブをコンパクトに結合させた「インシューモータ&ファイナルドライブ」を開発。冷却ユニットの配置に必要なスペースを確保しました。 スイングアップファンシステム(ファンスイングアップ機能) 油圧駆動ファンのリモート化技術の長所を最大に活用し、リヤマスクとファンを同時に跳ね上げさせることで、従来のブルドーザーでは困難であった冷却コアへのアクセス性を向上させ、整備性を大幅に向上させたものです。 PLUS(Parallel Link Undercarriage System) トラックの足回り部品であるトラックブッシュとスプロケット刃先の磨耗寿命を延長するために開発された技術です。トラックリンクをパラレル化し、回転固定だったトラックブッシュを回転可能な構造にしたもので、これにより、トラックブシュとスプロケット刃先の噛み合いによる摩擦が最小になりました。 隙間自動調整式アイドラサポート トラックフレーム前方のアイドラサポートに、アイドラを支えるリフトスプリングを組み込み、スプリングによってアイドラを確実に保持するようにしたものです。隙間自動調整機能によって摺動板の摩耗寿命が大幅に向上し、整備性も向上するほか、ガタの抑制によって乗り心地も改善されています。 まとめ ブルドーザーは、不整地にて押土や整地を行う建設機械です。基本的な構造はどの機種も類似していますが、搭載されているシステムや機能は異なります。 ブレードやクローラーなどの外部的なパーツの性能だけでなく、搭載エンジンやシステムなどの内部的な構造・機能も理解することで、機械選びをするうえでひとつの指標とすることができます。 本記事ではブルドーザーの画期的技術も紹介しましたが、ブルドーザーの技術動向は「環境対応」「安全対応」「ICT対応」にシフトしていると言えます。このテーマは今後の建設機械における重要な位置を締め、その改善のためのさまざまな技術進化や開発が行われるでしょう。 ←ブルドーザーはこちらから

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    2024/08/07

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