車両
2024/05/02
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通常のダンプとの違いや用途、構造を詳しく解説!
Lゲート(Fゲート)ダンプとは?
通常のダンプトラックではゲートの上部が支点になってダンプアップ(積み降ろし)のときに開くようになっています。フラットになったテールゲートを横から見るとL字型に見えることから「Lゲートダンプ」と呼ばれています。また、Flatの頭文字をとって「Fゲートダンプ」とも呼ばれます。
- 通常のダンプトラック…テールゲートが上部で固定
- Lゲートダンプ…テールゲートが下部で固定され、フラットに開く
そもそもダンプトラックとは?
トラックは平たい荷台がついている車両だけでなく、箱車やタンクローリー、コンクリートミキサー車、トラッククレーンなどもトラックに分類されます。
そして、ダンプトラックのダンプ(dump)とは、「どさっと下ろす」という意味があります。荷台の土砂などの積載物を一気に排出する様子からダンプトラックと呼称されるようになりました。
ひと口にダンプトラックといっても種類やサイズによってさまざまで、一度にどれくらいの積載物を運搬したいかや、運ぶ距離などによって車両の選定を行います。
Lゲート(Fゲート)ダンプの構造
よく見るダンプトラックはテールゲートの上部が固定され、ダンプアップの際にテールゲート下側のロックが外れて開くようになっています。こちらの方がテールゲートの構造がシンプルで簡素ですが、大きい石やアスファルト片を積んでダンプアップした際、テールゲートにつっかえてしまうことが度々あります。
Lゲート(Fゲート)タイプのダンプトラックでは、テールゲートがフラットになる構造により、テールゲートに引っ掛かりやすい岩やコンクリートなどをダンプアップする際、詰まることなくスムーズにダンプすることが可能です。
Lゲート(Fゲート)ダンプの用途
大きい積載物を運搬する場合、普通のダンプではダンプアップの際に邪魔になることも多い、テールゲートですが、Lゲート(Fゲート)ダンプは荷台がフラットな状態になるため、積載物の排出を効率的に行うことができます。
また、ダンプトラックのサイズは、小型~大型の車格に区分され、一回の運搬量や走行距離などによってサイズが選定されます。大型のダンプトラックは一度に大量の積載物を運べますが、車幅や全長が大きいため埋立地や造成工事、接続道路などの大型車両が侵入できる広い土地で使われます。
小型や中型のダンプトラックは、1度に運搬できる積載物は少量ですが、大型のダンプトラックでは侵入できない現場や市街地、住宅街の工事、夜間工事などで使用されることが多いです。小型、中型の Lゲート(Fゲート)ダンプは、土木建設現場や採石場以外にも、解体現場の瓦礫運搬や建設機械運搬にも使用されます。
Lゲート(Fゲート)ダンプの自動シート「コボレーン」とは
採石やアスファルト片の山を荷台に積んで走行する際、コボレーン」が備わっていることによって、荷台の積載物が路面に零れ落ちるのを防いでくれます。
Lゲート(Fゲート)ダンプを運転するには?
Lゲート(Fゲート)ダンプを選ぶときは、車両のサイズや規格ごとの免許区分、最大積載量、車両総重量を事前に確認しましょう。
それぞれの車両区分と免許は以下の通りです。
【ダンプトラックの車両区分】
車両区分 | 全長 | 全幅 | 全高 | 最大積載量 | 車両総重量 |
小型ダンプトラック | 4.7m以内 | 1.7m以内 | 2.0m以内 | 3.0トン未満 | 5.0トン未満 |
中型ダンプトラック | 12.0m以内 | 2.5m以内 | 3.8m以内 | 6.5トン未満 | 11.0トン未満 |
大型ダンプトラック | 12.0m以内 | 2.5以内 | 3.8m以内 | 6.5トン以上 | 11.0トン以上 |
【ダンプトラックの免許区分】
車両区分 | 車両積載量 | 車両総重量 | 免許区分 |
小型ダンプトラック | 2.0トン未満 | 3.5トン未満 | 普通自動車免許 |
小型ダンプトラック | 3.0トン未満 | 5.0トン未満 | 準中型自動車免許(5トン限定) |
中型ダンプトラック | 4.5トン未満 | 7.5トン未満 | 準中型自動車免許 |
中型ダンプトラック | 5.0トン未満 | 3.5トン未満 | 普通自動車免許 |
中型ダンプトラック | 6.5トン未満 | 11.0トン未満 | 中型自動車免許 |
大型ダンプトラック | 6.5トン以上 | 11.0トン以上 | 大型自動車免許 |
また、中型ダンプトラックに区分されている車両でも、最大積載量4.5トン、車両総重量8.0トン以上のダンプで、6トン車、8トン車と呼ばれるものがあり、通称「増トン車」と言う車両も存在します。
車両区分は中型ダンプトラックでも、増トン車の運転には大型自動車免許の取得が必須となるので注意してください。
Lゲート(Fゲート)ダンプは過積載に注意
これらの理由から、ダンプトラックなどに最大積載量を超える積載物を積んだ状態での走行は「過積載」と呼ばれ、道路交通法や貨物自動車運送事業法などの法律に違反する行為にあたります。
トラックの過積載による罰則は6か月以下の懲役または10万円以下の罰金をはじめ、車両停止処分や事業停止処分などの処分が下ることもあるので、決して過積載状態での走行は行わないでください。
過積載による罰則の対象は、法律にもとづいて、車両のドライバーだけでなく、事業者、荷主までおよぶことがあります。
- 最大積載量…ダンプトラックの荷台に積むことができる荷物の最大重量。
- 車両重量…車体のガソリン(満タン状態)+エンジンオイル(規定量)+冷却水(規定量)バッテリー+架装(車両に搭載されている装備)の重さ。
- 車両総重量…車両重量に加え、人と最大積載量の貨物を積んだ状態での重さ。
【トラックの過積載による反則金等】
- 減点…2点(酒気帯び運転の場合減点14点)
- 反則金…¥30,000
- 減点…3点(酒気帯び運転の場合減点15点)
- 反則金…¥40,000
- 減点…6点(酒気帯び運転の場合減点16点)
- 反則金…なし(罰則金のみ)
- 罰則金…6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金
自重計で過積載を防止
また、荷物を積載したまま積載重量を確認できる「トラックスケール」の利用も過積載の防止に有効です。
ダンプトラックによっては自重計の定期点検が必要です!
車両総重量8.0トン以上、または最大積載量5.0トン以上の土砂ダンプの自重計は「年に1回」の定期点検を受けることが法律で義務付けされています。点検時は以下の書類が必要です。
・自動車検査証(最大積載量、表番号の確認)
・前回検査の自重計技術基準適合証(前回検査時の状態確認)
自重計が搭載されていない場合
・土砂や採石などを積む場合は、山を均した状態で荷台の枠を超えない程度に抑える。
・積載物の重さでリアサスペンションが下がっていないかを確認する。
以上の点は過積載の状態を防止する目安として有効です。
ダンプトラックの荷台寸法
・小型/2トンダンプトラックの荷台寸法:約3,000×1.600×310㎜
・中型/4トンダンプの荷台寸法:約3,400×2,050×350㎜
・大型/10トンダンプトラックの荷台寸法:約5,100~5,300×2,300×500mm
Lゲート(Fゲート)ダンプのメーカーは?販売車種をピックアップ
Lゲート(Fゲート)ダンプを販売している主なメーカーは以下の通りです。
【メーカーの一覧】
・いすゞ自動車・三菱ふそう・日野・日産UDトラック・極東開発・小平産業・新明和
新明和工業株式会社:エフゲート付ローダーダンプ
荷台寸法 | |
全長 | 3,050~3,300㎜ |
全幅 | 1,600~2,000㎜ |
全高 | 350~370㎜ |
最大積載量 | 3,000~3,700㎏ |
極東開発:フッティーゲート付土砂ダンプ
荷台寸法 | |
全長 | 5,050㎜ |
全幅 | 2,200㎜ |
全高 | 540㎜ |
最大積載量 | A型(標準型)
9,200~9,800㎏ B型(強化型) 9,000~9,600㎏ |