車両
2024/05/01
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【Lゲート(Fゲート)ダンプ】と他のダンプトラックは何が違う?ダンプトラックの種類などについて詳しく解説
また、通常のダンプトラックと外観や用途は似ているのに、テールゲートの構造が違う、 Lゲート(Fゲート)ダンプというダンプトラックもあります。
この記事では、 Lゲート(Fゲート)ダンプや他のダンプトラックの種類、違いについて詳しく解説していきます。
Lゲート(Fゲート)ダンプとダンプトラックの違いは?
通常のダンプトラックではテールゲート上部がヒンジで固定されており、ダンプアップ時にテールゲートのロックが外れて、土砂などの積載物をダンプすることが可能です。一方、 Lゲート(Fゲート)ダンプは、テールゲート下部が支点となり、上部が開き水平になります。
この際、フラットになったテールゲートがL字型に見えることから「Lゲートダンプ」、または、 Flatの頭文字をとって「Fゲートダンプ」と呼ばれます。
Lゲート(Fゲート)ダンプと一般的なダンプトラックを外観から見分けるには、テールゲートの構造を見ることで判別できます。
Lゲート(Fゲート)ダンプ の利点は?
しかし、テールゲート部がフラットになる Lゲート(Fゲート)ダンプは、そのような心配がないため、土砂だけでなく形状が大きい積載物も効率的に排出することが可能です。
そのため、 Lゲート(Fゲート)ダンプは、主に大きい石やアスファルト・コンクリートなどを運搬する機会の多い、工事現場や採石場、廃棄物処理場などで多く利用されています。
Lゲート(Fゲート)ダンプ 以外のダンプトラックの違い
トラック・ダンプトラックの定義
トラックは平たい荷台がついている車両のことだけを指す言葉ではなく、例えば、タンクローリー、コンクリートミキサー車、トラッククレーンなども、荷台に設備を有する車両もトラックに分類されます。
そして、ダンプトラックの「ダンプ(dump)」とは、「どさっと下ろす」という意味があり、荷台の積載物を一気に排出する様子からダンプトラックと呼称されています。そのことから、一般的に「荷台を傾けられる機能を持つトラック」は、ダンプトラックと定義されます。
しかし、道路交通法では平ボディーのトラックと同様に扱われます。
ダンプトラックの車両区分(規格)
また、車両区分によって車両の大きさはもちろんのこと、荷台に積める荷物の最大容量を表す「最大積載量」も異なるので、ダンプトラックを選ぶ際は、これらのことを考慮・確認することが大切です。
※最大積載量以上の荷物を積んで走行する「過積載」は、道路交通法違反で刑事罰の対象となります。
ダンプトラックの車両区分ごとのサイズ・最大積載量、車両総重量については以下の一覧表をご参照ください。
【車両区分】 | 全長 | 全幅 | 全高 | 最大積載量 | 車両総重量 |
小型ダンプトラック | 4.7m以内 | 1.7m以内 | 2.0m以内 | 3.0トン未満 | 5.0トン未満 |
中型ダンプトラック | 12.0m以内 | 2.5m以内 | 3.8m以内 | 6.5トン未満 | 11.0トン未満 |
大型ダンプトラック | 12.0m以内 | 2.5以内 | 3.8m以内 | 6.5トン以上 | 11.0トン以上 |
小型ダンプトラック、中型ダンプトラック、大型ダンプトラックについて
小型ダンプトラック
ダンプトラックの車両区分の中でもっとも小さく、一般的には「2トンダンプ」や「3トンダンプ」とも呼ばれます。車体もコンパクトで小回りが利くため、主に道幅が狭い市街地や住宅地での工事車両、廃棄物や資源ごみの回収車などに使われています。
小型ダンプトラックを運転するには「準中型自動車免許(5トン未満限定)」または、「準中型自動車免許」の取得が必要です。なお、2007年6月2日~2017年3月11日の間に取得した普通免許であれば、車両総重量が5トン未満まで運転可能であるため、2トン積載のダンプトラックであれば運転が可能です。
- コンパクトで市街地や住宅街での走行に適している
- 「準中型自動車免許(5トン未満限定)」または、「準中型自動車免許」の取得が必要。
- 小型/2トンダンプトラックの荷台寸法:約3,000×1.600×310㎜
中型ダンプトラック
土木や建設現場、廃棄物処理場などでは、大型ダンプトラックよりも小回りが利く中型ダンプトラックがメインに使用されます。運転には「中型自動車免許」が必要で、保有者は車両総重量5トン以上11トン未満(8トン限定の場合は、8トン未満)のダンプトラックを運転可能です。
しかし、中型ダンプトラックのなかには「増トン車」と呼ばれるダンプトラックも存在します。増トン車は、最大積載量4.0トン、車両総重量8.0トン以上のダンプトラックのことで、「6トン車」や「8トン車」とも呼ばれます。
中型ダンプトラックの車両区分とは言え、増トン車の運転には大型自動車免許が必要になるので注意してください。
- 土木や建設現場、廃棄物処理場などで広く使用されている。
- 「中型自動車免許」の取得が必要。
- 中型/4トンダンプの荷台寸法:約3,400×2,050×350㎜
大型ダンプトラック
大型ダンプトラックは一度に大量の土砂や石材、廃棄物などを積載できることから、土木・建設現場で、資材の長距離・大量運輸などで活躍します。
一気に多くの積載物を運べるというメリットがありますが、車体が大きいため場所によっては侵入が難しい、小回りが利かないため大通りや幹線道路などに走行ルートが限定されるといった点がデメリットです。
車両総重量が10トンを超える大型ダンプトラックを運転するには、「大型自動車免許」の取得が必須となります。
- 大量の土砂や石材、廃棄物などを積載できる。
- 車両総重量が10トンを超える大型ダンプトラックは「大型自動車免許」の取得が必要。
- 大型/10トンダンプトラックの荷台寸法:約5,100~5,300×2,300×500mm
ダンプトラックの分類について
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土砂ダンプトラック
土砂禁・深ダンプ
土砂ダンプトラックは、土砂や石材類(比重1.0)などを積むことを前提として積載量を計算した荷箱サイズになっています。しかし、土砂禁・深ダンプで比重1.0以上の積載物を運ぶと過積載となってしまうため、軽量なチップや牧草、たい肥、ペットボトルといった貨物の運搬が主な用途です。
そのため、土砂禁・深ダンプは「荷台に土砂類を積載して運べないダンプトラック」となっており、車検証にも「土砂等運搬禁止」と表示されています。土砂禁・深ダンプは、主に清掃、リサイクル会社、農園、チップ工場、畜産業で活躍するダンプトラックです。
ダンプトラックの種類は?
【ダンプトラックの種類・特徴の一覧】
ダンプトラックの種類 | 特徴 |
リヤダンプ | 一般的にイメージされる標準型のダンプトラックで荷台を傾けて後方から積載物を排出します。 |
三転ダンプ | 荷台を左右・後の3方向に傾けて積載物を排出できるダンプトラックです。 |
重ダンプ | 最大積載量11トンを超えるダンプトラックです。(公道走行不可) |
リフトダンプ | 荷台の前方を持ち上げて後方に傾けるリアダンプの機能と、荷台が垂直にリフトアップするダンプトラックです。 |
セーフティダンプ (ローダーダンプ) |
後方に積載物を排出する機能と、荷台を後ろにスライドさせる2つの機能を備えています。 |
リヤダンプ
三転ダンプトラック
三転ダンプトラックが活躍する現場は以下の通りです。
・通常のダンプトラックでは難しい狭い場所
・交通量の多い道路
・高さに制限のある場所
3. リフトダンプトラック
4. 重ダンプトラック
重ダンプトラックのなかには、15トンから300トンの超大型ダンプトラックも存在します。
5. セーフティダンプトラック(ローダーダンプトラック)
この機能は、建設機械や走行不能の事故車を積載して運搬する際に重宝されます。セーフティダンプトラック(ローダーダンプトラック)は、ダンプトラックと建設機械運搬車といった1台2役の役割が可能なため、土木・建設現場、農業など多様な業種で活躍します。
「コボレーン」 付きダンプトラック
中型、大型ダンプトラックの荷台左右に備わっていることが多く、コボレーンは「自動シート」や「開閉シート」、「ウイング」などと呼ばれることもあります。