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【ユンボ用アタッチメント】の基礎知識!4本配管と5本配管の違いとは?

建機

2024/03/22

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【ユンボ用アタッチメント】の基礎知識!4本配管と5本配管の違いとは?

ユンボには各現場のニーズに適した多彩なアタッチメントが存在します。作業内容に合わせてアタッチメントを交換することで、削岩、切断、粉砕など1台で複数の作業が可能です。しかし、これらのアタッチメントを利用するには、ユンボの配管について理解しておく必要があります。

そこでこの記事では、ユンボの配管について詳しく解説します。ユンボで作業をする場合や機種購入をお考えの方には、ぜひ知っておいていただきたい内容となっています。ご参考までにご覧いただければ幸いです。

この記事でわかることは以下の内容です。

・ユンボ用アタッチメントの種類
・ユンボ用アタッチメントと油圧配管の関係
・ユンボの油圧配管の種類
・4本配管と5本配管の違い

ユンボは配管によって使えるアタッチメントが異なる

ユンボは、アームに多種多様なアタッチメントを装着できることから、非常に汎用性の高い建設機械としてあらゆる現場で重宝されています。アタッチメントを交換すれば、解体や杭打ち、除雪作業、草刈り作業にも活用できる優れものです。

ユンボの専用アタッチメントには、実にさまざまな種類がありますが、すべてのユンボでそれらが利用できるわけではありません。アタッチメントの中には、掘削動作よりも複雑な動作をするものがあり、その動作を制御する油圧配管の数が関係してきます。

ユンボのアタッチメントにはどんな種類がある?

ユンボに取付するアタッチメントは大きく分けて「機械式アタッチメント」と「油圧式アタッチメント」の2種類があります。

1.機械式アタッチメント
2.油圧式アタッチメント

機械式アタッチメント

機械式アタッチメントは、油圧を用いらずバケットシリンダーの伸縮を利用するアタッチメント類のことです。具体的には、つかみ機やバケット類が挙げられます。

油圧式アタッチメントに比べると、アタッチメント本体が軽量で安価という特徴があります。

油圧式アタッチメント

油圧式アタッチメントは、油圧の力を動力源としたアタッチメントのことです。ユンボのバケットシリンダーでチルト作業をしながら、別に接続した油圧配管から供給される油圧力で操作するつかみ機や圧砕機類が挙げられます。

複数の油圧配管を介することで「開く・閉じる・回転・打撃」の動作に対応できます。油圧式アタッチメントは、つかみ機などのアタッチメントの場合、開口が大きいため作業効率が高いというメリットがあります。

ユンボの機械式・油圧式アタッチメントの種類

ここからは、機械式・油圧式アタッチメントについてご紹介します。

機械式アタッチメントの種類

ここからは、機械式アタッチメントの種類についてご紹介します。主な機械式アタッチメントはバケット類や機械式グラップルなどが挙げられます。

1. バケット
2. スケルトンバケット(ふるいバケット)
3. フォークグラブ(ハサミ、つかみ機)
バケット
バケットは、ユンボの標準的なアタッチメントで、その種類は豊富です。主に掘削や整地、除雪などに使用される掘削用バケットは、幅広バケットや幅狭バケット、法面バケットなどの種類があり、現場のニーズに合わせたものが用意されています。
スケルトンバケット(ふるいバケット)
スケルトンバケットは、バケットの底面が網目になっており、採石や土砂をふるうことがでることから「ふるいバケット」とも呼ばれます。スケルトンバケットは、解体現場やプラント、採石場などのあらゆるシーンで使用され、ふるう対象物によって網目の大きさを変えます。
フォークグラブ(ハサミ、つかみ機)
フォークグラブは、ハサミやつかみ機とも呼ばれ、数本の爪で対象物を挟んで移動、選抜などを行うアタッチメントです。特に家屋の解体作業や処分場での選別作業で活躍します。機械式と油圧式の物があります。

油圧式アタッチメント

次に、油圧式アタッチメントの種類についてご紹介します。主な油圧式アタッチメントは以下の6種類があります。

1. ブレーカー(ハンマー)
2. 鉄骨切断機(カッター)
3. 大割機(クラッシャー)
4. 小割機(パクラー)
5. オーガー
6. 草刈り機
7. グラップル
ブレーカー(ハンマー)
「ハンマー」とも言い、先端のチゼル(杭)が連続で打撃することでコンクリートやアスファルト、岩盤を砕くアタッチメントです。主に解体や道路工事、採石場で使われ、ブレーカー先端のロッドは消耗品であり、摩耗するたびに交換をする必要があります。
鉄骨切断機(カッター)
鉄骨切断機(カッター)は、油圧の力で鉄骨構造物や解体現場で鉄骨の柱、銅管を切断する解体用アタッチメントです。鉄骨切断機の先端は、切断した鉄骨などを挟んで運搬できるつまみになっています。
大割機(クラッシャー)
大割機はクラッシャーとも呼ばれ、コンクリートの破片や柱を挟む力で破砕する解体用アタッチメントです。大割機の開口方式(歯を開閉するための機構)は「ワンシリンダー」と「ツーシリンダー」の2種類があります。

ワンシリンダータイプはシングルシリンダーとも呼ばれ、刃を開閉するためのシリンダーが1本ですが、開口部が広くパワーがあるツーシリンダータイプが現在の主流となっています。ツーシリンダーはダブルシリンダーやツインシリンダーとも呼ばれます。
小割機(パクラー)
小割機はパクラーとも言われ、大割機で破砕したコンクリートのガラをさらに小さく砕く用途で使用されます。大割機と同じくビルの解体現場などで活躍し、大割したコンクリート片を砕いて搬出やトラックへの積込みをしやすくします。
オーガー
オーガーは、ドリルのような形状をしており、建設現場などで杭穴を掘る用途で使われるアタッチメントです。フェンスや標識を立てる際に活躍します。ユンボや重機に取り付けるオーガーはアースオーガーと呼ばれ、人が操作するタイプをハンドオーガーと言います。
草払い機(草刈り機)
草払い機は、ユンボのアーム先端に取り付ける草刈り用のアタッチメントで、法面や急斜面の草刈りなどで活躍します。

草は払い機には、Y字形の刃が草や枝をハンマーのように叩いて伐採する「ハンマーナイフモア」や水平方向に回転する「ロータリーモア」、刃の付いた円盤を回転させて草を刈る、円形草刈り刃式などがあります。
グラップル(つかみ機)
グラップルは、つかみ機とも呼ばれ、対象物を挟んで移動、選抜などを行うアタッチメントです。解体用や林業用、廃材処分用など各作業内容に特化したものがあります。
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ユンボのアタッチメントと配管の関係

油圧式アタッチメントは、ブレーカーやつかみ機、圧砕粉砕機などさまざま種類がありますが、どんなユンボでも利用できるわけではありません。バケットなどのアタッチメントであれば、標準仕様のユンボに取り付けることが可能ですが、掘削動作よりも複雑な動作をする油圧式アタッチメントは、ユンボの仕様によって利用できるアタッチメントが異なります。

使用したい油圧式アタッチメントを利用できるかは、油圧配管の種類を確認することで知ることができます。

ユンボの油圧配管の種類

ブレーカーやクラッシャーなどの油圧式アタッチメントを取り付けるには、適合しなければならない油圧配管の基準があります。なかでも1系統配管や共用配管/往復配管仕様のユンボはもっともメジャーな機種です。

まずは、自身が使用しようとしているユンボがどのような配管になっているかを確認しましょう。ユンボの油圧配管の種類は以下の5種類に分類されます。

なかでもブレーカー配管(または1系統配管)、2本配管(共用配管/往復配管/n&b配管)、5本配管(全旋回配管)がユンボの主流となっています。

1. ブレーカー配管(1系統配管)
2. 2本配管(共用配管/往復配管)
3. 3本配管
4. 4本配管
5. 5本(全旋回)配管

ブレーカー配管(1系統配管)

ブレーカー配管は、ユンボのブームとアームの関節部分に接続されているアタッチメントホースで構成される配管です。

ブレーカーのチゼル(杭)を一定方向に押すといった単動に対応した配管となります。配管の片側から油圧が流れてブレーカーを動かし、反対側から油圧が戻ってくる仕組みで、1種類の動作を行うことから「1系統配管」とも呼称されます。

2本配管(共用配管/往復配管)

2本配管は「共用配管/往復配管」とも言われ、グラップルや大割機などのハサミ部分を開いたり閉じたりする復動をさせる配管です。ブレーカー配管の場合、油圧の流れは一定方向ですが、共用配管/往復配管は2本の配管で油圧が往復して流せるようになっています。

油圧駆動のアタッチメントの中でも、共用配管/往復配管は、解体ショベルの標準仕様となっています。

ブレーカー配管と共用配管/往復配管は外観の配管が同じであるため、見た目で区別することが難しいです。見分けるには、ペダルの操作と油圧のかかりを確認して判断できます。

3本配管

3本配管は、2本の配管(共用配管/往復配管)とドレーン配管の計3本構成される配管です。 3本配管仕様のユンボでは、モアなどの草刈り機や切り株掘削機、ふるい機などの回転系アタッチメントを取り付けて作業することもできます。

3本配管のユンボはあまり見かけることはありませんが、業者が建機メーカーに特注で製造を依頼している場合が多いです。その他、共用配管/往復配管のユンボを改良してドレーン配管を後付けしているケースもあります。

4本配管(2系統配管)

4本配管は、共用配管/往復配管にさらに2本の配管を加えた2系統配管(4本配管仕様)です。2本のバケットシリンダーホースと2本の共用配管から構成されており、「開く、閉じる」の開閉動作に加え「右回転、左回転」の回転動作(4種類の動き)が可能になっています。

特に解体現場では、構造物に合わせてつかみ機やハサミといったタッチメントの角度を調整しながら解体を進めていきます。そのため、旋回能付きのアタッチメントが使える仕様のユンボは欠かせません。

5本(全旋回)配管


5本配管は全旋回配管とも言い、4本配管(2系統配管)にドレーン配管を加えた計5本の配管が繋がっています。
5本配管では360度の油圧旋回(全旋回)を行う、全旋回フォークや全旋回カッターといった全旋回能付きのアタッチメントや、より複雑な動作を行うアタッチメントを取り付けて運用できます。

ユンボのアタッチメントに関係する!ドレーン配管とは

ドレーン配管は、アームの横側に取り付けられている細いホースです。ユンボの配管には、大きく分けて制御用の配管と排油をするためのドレーン配管があります。ユンボの油圧ホースは、常に高い油圧がかかるため高圧仕様のホースが使用されますが、ドレーン配管は7Mpと低圧仕様のホースとなっているのも特徴です。

ドレーンとは油圧モーターなどの高圧油が作動する部分から漏れ出す油のことを指し、余分なオイルは作動油タンクへ戻す必要があります。その役割を行う配管が、ドレーン配管です。戻しきれないオイルを逃がして、作動油タンクへ戻す役割であることから「戻し管」や「逃がし管」とも呼ばれます。

ドレーン配管は、ユンボの旋回モーターや走行モーターにも備わっており、油圧モーターで回転する全旋回アタッチメントなど、油圧モーター系の装置には必要な配管となっています。

ユンボの4本配管と5本配管の違い

2本以上の配管仕様は多くの場合、解体現場や特殊な作業で使用されるユンボです。ユンボの4本配管と5本配管の違いは、ドレーン配管の有無が挙げられます。

4本配管では、余分な油圧を逃がすためのドレーン配管が設けられていないため、360度の全旋回機能があるアタッチメントなどを使用すると油圧ホースの破裂や油漏れの原因に繋がります。

そのため、全旋回機能などがある高性能なアタッチメントを使用する際は、全旋回配管とも呼ばれる、5本配管仕様のユンボを選択する必要があります。ユーザーは、使用したいアタッチメントがどの配管仕様のユンボに対応しているか事前に確認することが大切です。

個人や業者が工場に依頼し、2本配管や4本配管の機体にドレーン配管を後付けする形で改良を加える場合もありますが、現行で販売されている解体用ユンボのほとんどは、ドレーン配管の備わっている5本配管が主流です。

まとめ

ユンボには、使用するアタッチメントに適合した油圧配管があります。配管の種類によっては、使用できないアタッチメントもあるため、ユンボのオペレーターは、自分たちがどのアタッチメントを使うのかを把握し、アタッチメントにあった油圧配管のユンボを扱うことが大切です。
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よく耳にする「キャタピラー」という名称ですが、米国に本拠地を置いている大手建設機械メーカーであるキャタピラー社の登録商標です。 日本では、日本建設機械工業会によって「クローラー」もしくは「無限軌道」という名称が一般的に使用されていますが、自衛隊や軍事の世界では、クローラーを「履帯」「装軌」と呼称しています。 また、履帯で走行する戦車や装甲車などの車両を「装軌車」、タイや走行の車両を「装輪車」と呼んで区分しています。 このように、装軌車(履帯)と装輪車を明確に区別するには、戦術的に重要なそれぞれのメリットデメリットが存在するからです。これは建設機械でも似たような共通点があります。 【クローラーの特徴・メリット】クローラー(装軌車)はなぜ悪路でも走行できるのか 建設機械やトラクターなどの農耕車、軍用車両は、不整地のほかに斜面や雪道などでも活動、作業できることが求められるので、クローラーの重機、車両は廃れることなくいまだに現役で活躍しています。 どうしてクローラーは悪路や不整地でも自在に走れるのでしょうか。 特徴1:接地面積が広い クローラーが悪路などの不整地を自在に走り回れる理由は、車両と地面の接地圧にあります。クローラーの場合は、タイヤよりも地面との接地面積が広いため、車重が大きな範囲に分散されます。地面に加わる圧力が分散されることで、接地圧を大きく下げることができるので、不整地や軟弱な地盤でも安定した走行ができるのです。 また、クローラーの表面には凹凸の溝があり、左右2つの広い面積を持つクローラーが地面をしっかり捉えるため、低速走行でもタイヤ車両より強い牽引力を発揮します。ブルドーザーなどにはこの牽引力を利用したアタッチメントでリッパー装置というものがありますが、岩盤掘削や伐根などに利用できます。 特徴2:作業時も高い安定性がある 接地面積が広いことのメリットはまだあります。それは安定性が高いということです。戦車や自走榴弾砲などの強力な火砲を搭載している車両の場合は、射撃時に物凄い衝撃が車体に伝わります。その衝撃を受け止めるのに履帯よりも接地面積が少ないタイヤは不利です。 履帯は、広い面で地面と設置させることで、「発射時の衝撃を広い面で吸収できる」という効果があるため、大口径の火器を安定して運用するために履帯との相性がいいのです。 これは、建設機械・重機においても同じことが言えて、タイヤで走行する大型のホイールショベルやラフタークレーンですと、作業時にアウトリガー(車両の転倒を防ぐために、車体から左右に張り出して支える装置)を展開させる必要がありますが、接地面積が広いクローラー式のバックホウやクローラークレーンは、重量物を扱う際にアウトリガーがなくても作業ができます。 特徴3:障害物、段差、溝も簡単に通過できる 一般の車両が通過できる段差(垂直障害物)の高さは、車輪の高さの約半分(高さ1mの段差を通過するには最低2mの車輪が必要)ですが、クローラー車両は、起動輪の高さ程度までは通過可能なため、障害物を容易に突破します。 タイヤに比べてクローラー車両は、障害物や段差を超えるのに車輪の高さがそれほど必要ない、ということですが、車体の高さが低いほど、戦闘時に敵に発見される可能性も下げられるというメリットがあります。なるべく車高を低くするために、現在の主力戦車は砲塔が横に広くフラットな形状のものが主流です。 加えて、大きな窪みや溝がある場合にも、軌道を常に支えているクローラーの方が簡単に通過できます。これは、山間部や災害復旧での工事や林業に使う重機にとって大きなメリットですが、戦車にとっては、塹壕や障害物を超えられるため機動力を発揮できます。 クローラーにも欠点がある!タイヤとの違いについて クローラーは、建設現場や不整地での作業に優れた性能を発揮しますが、万能ではありません。その構造や特性から、タイヤ車両と比較していくつかのデメリットが存在します。 クローラーのデメリット クローラーには次のようなデメリットが挙げられます。 公道走行ができない 燃費が悪い メンテナンスコストが高い デメリット1:公道走行ができない! 建設機械などのクローラーを装備した車両は、道路の保護と交通の安全を確保するために、公道走行を基本的に禁止としています。クローラーは舗装された道路を損傷させる可能性があるほか、建設機械などの重機は、高速での移動が困難です。 日本の道路交通法では、車両が公道を走行するためにはタイヤが装備されていることが原則となっており、クローラー車両は車両区分として特殊車両に分類されています。通常は農地や建設現場、工事現場などでの使用が前提となっているため、これに適合しません。 クローラーを装備した重機を現場や遠方に移動させる際は、輸送用のトラックやトレーラーなどを別に準備して運送する必要があります。また、必要に応じて公道を走行させる場合は、法的手続きや追加の設備(例:ゴム製カバーの装着など)を整えることが求められます。 長距離の移動が必要な場合や複数の作業現場を短時間で移動する際には、効率が低下するため、特に都市部や広い作業現場ではタイヤ式の重機が選ばれます。 デメリット2:燃費が悪い 接地面積が広いクローラー車両はタイヤで走る車両と比較して圧倒的に燃費が悪いです。建設機械は、車両自体も非常に重いですが、鉄製クローラーの場合だと重機全体の重量はさらに増します。そのため、重機には馬力、トルクに優れた大型のエンジンが必要で、走るのに必要なエネルギーが大きく、大量の燃料を消費します。 タイヤの転がり抵抗は、クローラーの摩擦力よりも小さいので、燃費向上にもつながります。 デメリット3:メンテナンスコストが高い クローラーは走行時に地面からの振動や衝撃を車体全体に伝えやすく、直接駆動軸に影響を与えます。この振動や衝撃は、特に車軸周辺に大きな負荷をかけるため、衝撃荷重を想定した堅牢な設計が求められるわけですが、クローラーは1箇所でも小さなひび割れが入ると切れたりする可能性もあります。 クローラーが切れると、走行不能になり再度走れるようになるには大きな手間だけでなく、修理コストが高額になる可能性があります。また、交換後のクローラーは産業廃棄物として扱われるため、一般ゴミとして廃棄することができません。そのため、クローラーは処分に費用がかかります。 エアータイヤの場合は、内部に空気が入っているためクッション性があります。これは、地面から伝わる振動や衝撃を受け止めるサスペンションの効果を果たします。クローラーは、その構造上、タイヤ車両よりも多くの可動部品を含んでおり、定期的な点検や部品交換が必要ということを理解しておきましょう。 建設機械も兵器もタイヤ走行の重機がトレンド? 工事現場などで使用されるバックホウの多くは足回りがクローラーになっていますが、都市部ではタイヤで走行するバックホウを良く見かけます。建設機械といえば、不整地でも安定した走破性と作業性を発揮できるクローラー走行の重機が一般的でした。しかし、近年ではタイヤ走行のホイール式重機の需要が高まっています。 その理由は、現場ニーズの変化と維持・運用コストにあると考えられます。 国土交通省によると、高度経済成長期以降に整備された道路橋、トンネル、下水道、港湾等などは、今後20年間に渡って建設後50年を経過するインフラ設備の割合が、加速的に高くなると見込んでおり、一斉に老朽化するインフラを戦略的に維持管理・更新することが求められています。※引用:国土交通省(インフラメンテナンス情報)より 高度経済成長期には、山間部を切り開いた高速道路建設やダム建設、宅地造成、都市化に伴うビル建設や区画整備といった大規模工事の入札が多くありました。そのため、不整地におけるクローラー重機の需要はピークを迎えていました。しかし、インフラの老朽化が課題となっている現代では、大規模プロジェクトを受け持つのは一部の大手企業で、その他の中小企業は複数の小規模の工事を受け持っていることが一般的です。 そのため、機動性があり、公道での単独走行、ある程度の長距離走行が可能なホイール式(タイヤ)建設機械の需要が伸びています。また、部品の価格や燃料の価格高騰もホイール式建設機械の普及を後押ししていると推察できます。 タイヤ車両は、クローラー車両よりも燃費、メンテナンスコストなどの維持費にも優れ、現場への移動に回送用のトラックを別途用意する必要がないため、輸送コストもかかりません。 よって、クローラー車両よりも軽量で、若干の不整地、悪路面であればクローラーより高速移動が可能で振動が少なく故障率が低いタイヤ走行の建設機械に、昨今は注目が集まっています。軍事業界でも似たような思想があり、履帯ではなく装輪式を採用したタイプの車両を積極的に運用する流れが見られています。 ※陸上自衛隊が装備する16式機動戦闘車(通称:MCV)。優れた空輸性、路上機動性を有し、主武装に105㎜砲を備えた装輪戦闘車両。即応機動連隊や戦闘偵察大隊に配備され、身軽さを活かした機動展開や威力偵察など戦車の役割を一部代替する。 重機も兵器も、故障のリスクが低く燃費が良いことは長時間の任務(作業)にも優れるという点は大きなメリットになるでしょう。しかし、国土のほとんどに山林と河川が広がり、積雪が伴う日本国内では、悪路や過酷な作業環境でも活動できるクローラー重機が廃れることはありません。 まとめ クローラーは、その特性を理解し、適切な場面で使用することで最大限の効果を発揮します。デメリットを踏まえた上で、タイヤ式との使い分けを検討することが、作業効率を向上させる鍵となるでしょう。

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    コスト削減のカギ!重機レンタル vs 購入の判断基準

    建設現場で使用する重機は高額なため、なるべくコストを抑えながら導入したいという方も多いことかと思います。コスト削減のポイントは導入方法を慎重に選ぶことが大切です。 特に、「レンタル」と「購入」のどちらが適しているのかを見極めることが重要と言えます。本記事では、長期工事と短期工事におけるそれぞれのコスト比較や、適切な重機の導入方法について詳しく解説していきます。 この記事でわかること 重機の購入、レンタルのメリット、デメリット リースのメリットと購入の比較 長期、短期レンタルの比較 重機の中古購入がおすすめのケース 重機の導入コスト削減!レンタルと購入の基本知識を解説 建設現場や土木工事、もしくは農業や林業などあらゆるシーンで不可欠な建設重機。導入には大きく分けて「購入」と「レンタル」という2つの方法があります。 近年、重機を新車で購入するというケースは少なくなっていますが、レンタルのデメリットを理解していないとコスト面でかえって損してしまう可能性もあります。 また、どちらを選ぶかによって、初期費用や維持管理費、運用の柔軟性が大きく変わってきます。それぞれの特徴を理解し、工事の規模や期間に応じて最適な方法を選択することで、コスト削減に繋がります。 重機の新車購入|2つの大きなデメリット 重機を新車で購入することは、機能性や信頼性などにおいて一見多くのメリットがあるように思えますが、一方で大きなデメリットも存在します。特にコスト面や運用面での負担が重く、新車購入には慎重な判断が必要です。 重機の新車購入における2つの主要なデメリットについて解説します。 デメリット1. 費用負担が大きい 建設機械などの重機は、大変高価なので新車購入には高額なランニングコストがかかります。 特に、昨今の原材料価格の高騰、物流費の上昇などの影響で建設機械やそれに使用される部品も軒並み価格改定が実施されています。中型バックホウの場合、機種にもよりますが新車は¥10,000,000前後の値段になるため、決して安い買い物とは言えないでしょう。 このように、建設機械を新車で導入するには、高額な初期投資を覚悟しなければなりません。計画性を持って購入しないと自社の資金繰りに影響を与えることにもなるほか、資金不足の場合は、新車購入のための予算調達が必要になり、結果によっては自社の財務体質を悪化させてしまう可能性もあります。 デメリット2. 納品まで時間がかる 重機の新車購入は、買ったからといって製品がすぐ手に入るわけではなく、納車期間があるため納品までに長い時間がかかります。 新車の建設機械の場合、メーカーが月に生産する台数が少なく、機種によっては発注を受けてから製造を開始する受注生産になります。また、一般的な納車期間は、1〜2年、大型機械になるとさらに製造期間が長期化する場合もあります。 そのため、すぐに業務で使用したい場合は、新車購入ではなく別の導入方法を検討するのが賢明でしょう。今後、その機種を使用する予定がある際も、納車期間を考慮して購入することが大切です。 重機レンタルのメリット・デメリット 昨今の建設現場や土木現場では、重機を1台ずつ購入して揃えるよりも、重機をレンタルで賄う企業が一般的となっています。 建設機械の価格は高額であるほか、維持管理、修繕、保管、保険料などのコストに加えて、資産保有に伴う固定費負担が所有のネックです。そのため、企業、個人問わず、利用者は重機を保有するのではなく、作業内容などに合わせレンタルを活用することで固定費の変動費化を図ることができます。 重機レンタルには初期費用や維持費の削減やメンテナンスの手間を省くなどのメリットがありますが、一方で無視できないデメリットも存在します。 重機レンタルのメリットとデメリットを詳しく解説していきます。 重機レンタルのメリット3つ 重機レンタルのメリットは、導入費や維持にかかる費用負担の軽減、高機能な機種を使用できるという面にあります。以下では、重機レンタルのメリットを3つに分けて解説していきます。 導入コストがもっとも安い|必要時に必要数レンタルできる 建設機械を新車で購入する場合、数百万〜数千万の初期投資が必要になります。大企業ならまだしも、中小企業が、重機を必要数新車で揃えることは難しいです。 しかし、レンタルであれば、レンタル費用を払うだけで必要なときに必要な台数だけ重機を借りることができるため、導入にかかるコストを大幅に抑えられます。 特に、1日だけ借りたいという場合や短期間の工事など、一時的に特定の機械が必要な際は重機レンタルを利用するのがもっとも最適でしょう。 維持コストが不用|メンテナンスや車検・検査などの費用負担がない 重機所有には、維持するための定期的な点検・整備やそれに伴う費用、そして車検や保険料などの維持費も追加でかかります。しかし、レンタルならばメンテナンスやそれらの維持費用はレンタル会社が負担するため、管理の手間やコストを削減を削減できます。 人材不足が深刻化する建設業界ですが、特に、小規模な事業者にとっては大きなメリットです。 状態の良い重機がいつでも使用可能|最新の機種を気軽にレンタルできる レンタル会社では、メンテナンス済みの重機を貸し出しているため、常に良好な状態の重機を使用できます。また、レンタル会社の在庫状況にもよりますが、最新モデルの機種もレンタルできるため、GPS搭載やICT施工などに対応したモデルであれば、最新技術を活用した作業も可能になります。 一度重機を購入すると、長期間同じ機種を使い続ける必要がありますが、レンタルならば必要に応じて最新の機種を利用できます。自分で購入する前に最新機種を試したい、という場合でもレンタルを活用することもできます。 重機レンタルのデメリット3つ 重機レンタルのデメリットは、レンタル期間、機種の選択肢、在庫の問題などが挙げられます。 長期的なレンタルは費用負担が大きい 重機レンタルは短期間の利用に適していますが、長期的にレンタルを続けると費用が高額になってしまうというデメリットがあります。 そのため、レンタルを利用する際には、工期や作業計画と照らし合わせた上で、レンタルを検討することが重要です。 年単位で継続的に機械を使用したい場合は、リースや購入を検討した方が経済的な場合もあります。 機種の幅(選択肢)が少ない 各レンタル会社が取り扱う重機の種類、保有数には限りがあり、必ずしも希望する機種がレンタルできるとは限りません。 水中工事や林業用など特殊な作業に必要な機種や、特定のメーカー機種が使用したい場合は、選択肢が広いリースもしくは購入も視野に入れて検討してみてください。 繁忙期は希望機種がレンタルできないこともある レンタル会社が保有する重機の在庫には限りがあるため、時期やタイミングによっては、希望する機種が在庫切れでレンタルできないこともあります。 建設業界の繁忙期は、一般的に9月末と12月〜3月末頃と言われ、決算期や新年度の工事が集中する時期に業務量が大幅に増加します。そのため、繁忙期は需要が集中し、重機が予約で埋まることも珍しくはありません。特に、大型の工事が多い時期には、希望の機種が確保しづらくなることが予想されるため、早めにレンタルの予約をすることをおすすめします。 重機リースとは?|重機をリースするメリット、購入との比較 重機の調達方法として「レンタル」以外に、「リース」という選択肢もあります。リースは、会社が重機を購入しない代わりに一定期間の契約を結び、使用料(リース代)を払い続けることで長期間に渡り重機を使用する方法です。 リースはレンタルや購入とは異なるメリット・デメリットが存在します。レンタルとリースの違いや、リースの活用方法について詳しく解説します。 レンタルとリースの違い レンタルは、短期間の使用を目的とし、数日〜数か月単位で重機を借りる方式です。それに対しリースは、数年単位の長期契約となり、契約期間中は継続的に同じ重機を使用できます。リース期間は法律で定められており、大抵は3〜5年という長期間になるでしょう。 リース契約は長い間安定して使用する場合に適していますが、基本的に途中解約が難しいため、注意が必要です。 長期使用する場合は重機リースがおすすめ 長期的に重機を使用する場合、レンタルよりもリースの方がコストを抑えられる可能性があります。リースでは、毎月一定額の支払いで済むため、資金計画が立てやすいのもメリットです。また、リース契約にはメンテナンスや保険が含まれる場合もあり、管理の手間を減らすことができます。 リース契約の注意 リース契約にはいくつかの注意点があります。 重機の調達方法として「レンタル」以外に、「リース」という選択肢もあります。リースは、会社が重機を購入しない代わりに一定期間の契約を結び、使用料(リース代)を払い続けることで長期間に渡り重機を使用する方法です。 リースはレンタルや購入とは異なるメリット・デメリットが存在します。レンタルとリースの違いや、リースの活用方法について詳しく解説します。 レンタルとリースの違い レンタルは、短期間の使用を目的とし、数日〜数か月単位で重機を借りる方式です。それに対しリースは、数年単位の長期契約となり、契約期間中は継続的に同じ重機を使用できます。リース期間は法律で定められており、大抵は3〜5年という長期間になるでしょう。 リース契約は長い間安定して使用する場合に適していますが、基本的に途中解約が難しいため、注意が必要です。 長期使用する場合は重機リースがおすすめ 長期的に重機を使用する場合、レンタルよりもリースの方がコストを抑えられる可能性があります。リースでは、毎月一定額の支払いで済むため、資金計画が立てやすいのもメリットです。また、リース契約にはメンテナンスや保険が含まれる場合もあり、管理の手間を減らすことができます。 リース契約の注意 リース契約にはいくつかの注意点があります。 途中解約ができない 契約期間内にリースを解約すると違約金が発生してしまうため、契約と契約内容の確認は慎重に行う必要があります。 所有権がない リースの場合、契約満了後も重機は自社の資産にはならず、再契約または返却が必要です。 メンテナンス条件を確認 契約内容によっては、定期メンテナンス費用が別途発生する場合があります。 リース契約の費用はどのくらい? リース契約の費用は、重機の種類や契約期間によって異なります。 一般的に、リースにかかる費用は”月額数万円〜数十万円”の範囲で設定されており、契約内容によってはメンテナンスや保険料が含まれることもあります。使用期間などによってはレンタルよりも割安になるケースもあるため、長期間使用する場合はリースの方が経済的です。 重機の中古購入するメリットとは|どんな人が向いてる? 重機の導入方法として、「新車購入」「レンタル」「リース」を紹介しましたが、コストを抑えつつ設備投資をしたい事業者は重機の「中古購入」がおすすめです。 重機の中古購入が向いているケースや中古購入のメリットについて詳しくご紹介します。 新車購入より導入コストを抑えたい 新車の重機は、種類によっては数千万円以上の高額な投資が必要です。一方、中古重機であれば、新車の「50〜70%程度」の価格で購入できることもあります。 予算を抑えながら必要な重機を導入したい場合に、中古購入は有効な手段です。 主力機種を複数台揃えたい 作業内容や現場、事業者によっては、同種類の機種を複数台必要とすることがあります。しかし、新車を何台も購入するのはコスト面での負担が大変重くなります。 中古ならば重機を比較的安価に複数台を揃えることが可能で、業務の効率化につながります。 すぐにその機械を使いたい 新車の重機は、注文から納品まで数ヶ月〜1年以上かかることがあります。中古重機であれば、在庫があれば即納品が可能なため、急ぎで導入したい場合に適しています。 特に、突発的な工事や機械の故障、急な業務拡大に対応するには、中古購入が有利です。 市場にあまり出回っていない機種で欲しい重機がある 今は生産が終了している、あまり出回っていないなど、特定のメーカーや旧型機など、手に入りにくい重機が必要な場合も、ネットオークションなどの中古市場で探すのがおすすめです。 特に、特殊な用途で使用する重機や廃盤になったモデルは、中古市場だけで入手できることが多いので、もしかしたら探していた希望機種が見つかるかもしれません。 重機購入の判断|長期工事・短期工事のコスト比較 重機を導入する際は、どの導入方法がコスト的に有利かを考えて判断することが大切です。 長期工事と短期工事のコストを比較し、ケースごとに有利な導入方法を解説していきます。 短期・長期の重機レンタル料金を比較 重機のレンタル料金は、一般的に日割りか月極(月割り)料金で設定されています。短期間の利用にはレンタルが適していますが、長い間レンタルを利用しようとすると費用が高額になり、結果として中古機械を購入した方が安かったということもあります。 そのため、レンタルか購入を検討する際は、工事の期間に応じて適切な導入方法を選ぶことが大切です。 以下で、一般的な建設機械のレンタル費用目安を一覧表にまとめましたので参考にしてみてください。 レンタル料金は、機種・地域・レンタル会社・レンタル期間によって異なるため、具体的な価格は各レンタル会社のホームページで確認するか、直接問い合わせて見積もりを確認してください。 機種名 日額料金(円) 月額料金(円) ミニショベル(0.1㎥) 8,000~15,000 150,000~250,000 バックホー(0.25㎥) 15,000~25,000 300,000~500,000 バックホー(0.45㎥) 25,000~40,000 500,000~800,000 ホイールローダー(小型) 10,000~20,000 200,000~400,000 ホイールローダー(大型) 25,000~50,000 500,000~1,000,000 ブルドーザー(小型) 40,000~80,000 800,000~1,500,000 ブルドーザー(大型) 40,000~80,000 800,000~1,500,000 クレーン(25t) 30,000~50,000 600,000~1,000,000 クレーン(50t) 50,000~80,000 ,000,000~1,600,000 高所作業車(10m) 8,000~15,000 150,000~250,000 高所作業車(20m) 15,000~25,000 300,000~500,000 ダンプトラック(4t) 10,000~18,000 200,000~350,000 ダンプトラック(10t) 20,000~30,000 400,000~600,000 保険・メンテナンス費用が別途必要な場合もあり、故障時の修理費用や損害補償が含まれるかは契約内容によります。詳細な料金を知りたい場合は、建設機械レンタル会社へ直接見積もりを依頼しましょう ※価格はあくまで目安としてお考え下さい。2025年4月 トクワールド調べ 長期工事の場合は購入が有利 長期間にわたる工事では、重機レンタルを利用するよりも購入の方がコスト面や業務効率化で有利になります。 トータルコストが安い レンタルは、日額料金よりも月極料金の方が割安になることが多いです。ただし、年単位の長期レンタルで利用する場合、月額料金が積み重なり多額な費用になることもあります。 特に、数年単位で使用したい場合は、中古購入した方がコストを抑えられる可能性が高くなります。 維持管理の自由度が高い レンタル重機は、定期メンテナンスのスケジュールが決まっていることもあります。そのため、重機の在庫保有数が少ないレンタル会社の場合、点検やメンテナンスのために現場から重機を一度返納したり、それが完了するまでレンタルできないということもあります。 自分で購入した重機であれば、工期や使用時期を考慮して任意のタイミングでメンテナンスができるため、より柔軟な運用が可能になります。 資産として計上できる 購入した重機は、会社の資産として計上でき、減価償却(購入費用を使用期間中に分割して経費計上する会計処理のこと)による節税もできるメリットがあります。 一方、レンタル費用は損金として経費にできますが、資産にはならないため、長期的な視点で考えると購入の方が財務的に有利な場合があります。 短期工事の場合はレンタルが適切 短期間の工事では、重機を購入するよりもやはりレンタルの方が適しています。 ランニングコストが不要 重機の購入後は、維持管理費、税金、保険などのさまざまなランニングコストが発生します。しかし、重機レンタルであれば、利用した期間分の費用だけを支払えば良いので、コスト管理がしやすいです。 重機の維持・管理が不要 機を自分で管理しなくて良いという面も重機をレンタルする大きな利点です。 レンタルであれば、車検、定期点検、修理などの管理業務はレンタル会社が行うので、企業側での維持負担は発生しません。そのため、メンテナンスの手間やコストを削減できます。 必要な機種を必要時だけレンタルできる 工事の内容によって必要な重機が変わりますが、レンタルを利用すれば、工事内容に応じて最適な機種を必要数選べます。また、作業で使用するアタッチメントもレンタルできるため、重機やアタッチメントをその都度飼いそろえるよりも遥かにコストパフォーマンス性に優れています。 まとめ 重機の導入には「新車購入」や「中古購入」、「レンタル」、「リース」などの方法があります。新車購入は、やはり価格が大きなネックとなるので、自分の機械が欲しいという場合は中古車購入が現実的かもしれません。 導入コストを削減するには、それぞれの工事規模や工期、経営戦略などを考慮して、それぞれの事情に適したもっともベストな導入方法を選ぶことが大切です。

    #レンタル#ユンボ#バックホー#油圧ショベル

    2025/04/24

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  • 「工事現場の効率アップ!重機の最新テクノロジー」GPS搭載重機や遠隔操作技術、ICT施工など最新技術を解説
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    「工事現場の効率アップ!重機の最新テクノロジー」GPS搭載重機や遠隔操作技術、ICT施工など最新技術を解説

    建設業界では深刻な人手不足や高齢化が進む中、作業効率の向上が急務となっています。 こうした課題を解決する鍵となるのが、最新の重機テクノロジーです。 GPSを搭載した重機による高精度な作業や、遠隔操作による安全性の向上、さらにICT施工による全体最適化などが注目を集めています。 本記事では、工事現場の生産性を飛躍的に高めるこれらの最新技術について、分かりやすく解説します。 無人施工で建設業の人手不足を解決!重機の最新テクノロジー 建設業界は、日本の基幹産業として重要な役割を果たします。 しかし近年は、少子高齢化に伴い労働現場での人手不足や、若者の建設業離れといった問題があり、現場の生産性向上といった課題解決が叫ばれています。 従来の方法ではこれらの課題は解決が難しいため、近年では”情報情報通信技術”を活用した、「ICT施工」や「無人施工」、「GPS」の技術を取り入れ生産性向上を図っています。 最新重機の導入で作業を効率化!未来の工事現場を解説 近年における重機の進化はすさまじく、ロボットやAI技術が次々と現場に浸透し、これまでにない技術革新が進んでいます。 これに伴い、現場の生産性や安全性が飛躍的に向上しています。 AIによる制御や5Gを活用した技術を積極的に問い入れることにより、これから自動化に向けた動きはさらに加速していくことでしょう。 重機の進化|遠隔化・自動化重機の役割 従来は現場に居なければできなかった作業が、遠隔化の技術により400km離れた場所からでも遠隔で重機を稼働させ作業を進めることができるようになりました。 この技術は人手不足に悩む、建設業界においては非常に注目されている技術です。 大規模プロジェクトやインフラ整備の現場を中心に、GPS、遠隔操作、ICT技術の導入が積極的に進められており、ダム建設や道路建設などの大規模工事において、その効果が確認されています。 これらの技術により、これまで長時間現場で行う必要があった作業を、オペレーターが現場に不在のまま複数箇所で同時に重機を稼働させることが可能になり、現場の生産性向上に大きく貢献しています。 GPS搭載重機の使用例 ドローン空撮画像の3Dデータ化と重機のGPS連動平成28年三重県伊勢市で行われた道路建設工事では、国土交通省が推奨する「i-Construction」を取り組みました。 ドローンによる現場の三次元測量を短時間で行い、結果を設計図面等の3Dモデル化することで切土や盛り土の量を自動で算出し、データをGPS搭載の重機へ送ることでほぼ自動で重機を稼働させ、現場の安全性と作業効率の向上で人手不足の解消にもつながりました。 機械位置情報システム 現場にある全ての重機にGNSSアンテナを取り付け、重機の位置を監視するシステムです。これにより位置情報をリアルタイムで画面に表示することができ、機械の運行状況なども瞬時に把握することが可能で、管理面や作業面の効率化に大きく寄与します。 建設機械メーカーのコベルコが開発した「KーDIVE®︎」と呼ばれる、重機の遠隔操作システム開発しました。操縦履歴や、遠隔重機データを活用することで、人と現場と重機をつなぎ、現場のDX化を目指しています。 GPS搭載重機の活用|重機のリモート化で得られる5つのメリット 「安全性の向上」遠隔操作・遠隔監視で危険作業を削減 重機の遠隔操作で得られるメリットとして「安全性の向上」があります。危険な場所や高所での作業を行う際は、現地で行わず離れた場所で行うためです。 「人手不足の解消」少人数オペレーションで人員と人件費を削減 重機の遠隔操作では、直接操作と、無線やネットワークを使った自動運転があります。そのため、今まで1台の重機にオペレーターが1人いましたが、遠隔操作が可能になると1人で複数台の操作も可能になり、人手不足の解消に大きな期待がもてます。 「作業の効率化」作業内容や進捗状況をデータ化して活用可能無人施工を進める上で大事なのが、測量データや、作業データをデジタルデータ化し、後工程へフィードバックすることです。遠隔操作した作業履歴は全てデータ化され遠隔操作システムにて一元管理されます。そのデータは後工程や現在工事の遅れなどを瞬時に判断が可能になるため、効率的に工事をすすめられます。また、無人施工での作業データは、今後の改善活動へつながる重要なデータになります。 「時間の無駄を削減」複数重機を操作可能|現場への移動時間を省略大規模な現場は山奥にある場合もあります。重機を遠隔操作ができれば、現場までの往復は不要になり、その分作業時間も確保できます。また現場責任者の現場巡視もリモートで可能になるため、移動の無駄を省けます。 「防犯対策の付与」GPSの位置情報で重機の盗難リスクを低減 GPSがついた重機は防犯対策にも役立ちます。あらかじめ稼働範囲と稼働時間を重機に設定しておくことで、設定外の時間や場所で稼働した場合にはすぐに、異常の通知が届くのですぐに対処可能です。そのため、現場においてあっても盗難を防ぐことが可能になります。 ICT施工の導入で現場管理を最適化 建設現場における効率化と精度向上を実現する手段として、ICT施工の導入が注目されています。 測量や重機操作、進捗管理までをデジタル化することで、作業の見える化と省力化が進み、現場全体の管理が最適化されます。 国土交通省が推進している「ICT施工」とは ICT施工は、「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略称です。 情報通信技術を活用し、測量から設計、施工、管理に至るまでの全工程をデジタル化する手法がICT施工です。 各工程で得られるデジタルデータを活用することで、高精度な施工を効率的に実現し、作業の見える化や自動化により、施工精度の向上と省人化が可能になります。 「マシンコントロール式」と「マシンガイダンス式」の違い ICT建設機械には、MC(マシンコントロール式)とMG(マシンガイダンス式)の2種類があります。 MCは3Dデータに基づき、半自動的に施工を行う機能です。 一方、MGは、センサーやGPSなどを搭載した建設機械や車両が現場の状況をリアルタイムに計測・解析し、その情報をもとに人が遠隔操作を行う施工方式です。 これらの技術を活用することで、効率的な施工が可能になります。 国土交通省の「i-Construction」導入現場 国土交通省が2016年に導入した「i-Construction」は、測量・設計から施工、管理に至る全プロセスにおいて情報化を前提とした新たな基準です。 河川工事、道路工事、土地改良工事など、多岐にわたる現場で導入が進んでいます。 ICT施工の全面的な活用を解説! ICT施工とは情報通信技術を利用した、次世代の施工方法です。 測量データを3次元で作成可能 ドローンや、GNSS(高精度GPS)を搭載した機械が、測量をします。 これまでトータルステーションを利用した測量よりも圧倒的に早く、そして正確に測量が可能になります。 測量で得た計測データを3D化することで、遠隔操作や無人施工が可能になります。 デジタル技術を駆使して作業をリモート化 測量で得た3Dデータを活用し、重機の作業をリモート化が可能になります。 「自動制御型」と「支援型」の2つの操縦方法があります。 自動制御型は事前にプログラムされた通りに重機が自動で作業をします。 支援型は、作業者が離れた位置からしますがICT技術による支援機能があるためより正確な施工が実現できます。 センサーやカメラを利用して事故発生を抑制 作業者の安全性向上にも大きく寄与します。 重機自体にセンサーやカメラを設置することで、作業者や重機同士の接触事故を抑制できるため、結果的に作業員の安全確保が可能になります。 自動制御で施工品質が向上 正確な測量データを送信し、重機を自動制御します。 そのため設備や配線の正確な配置と寸法精度が向上し、高品質な施工が可能になります。 作業の効率化で工期短縮、環境負荷低減に寄与 材料の無駄や廃棄物の発生を減らせるので結果的に環境負荷低減が実現します。 無人施工に関わる3つのデメリット ランニングコストが高い システム全体や重機に取り付ける部品等のコストがかかるので、これまでの重機に比べると割高になります。 自社での人材育成が必須 スキルを持った技術者が不足しています。直接重機にのって操縦するわけではなく、遠隔地からのリモートなので従来の重機を操作していたオペレーターが遠隔操作になれるまでには時間がかかります。 対応できない現場もある 狭い現場では、無人化のメリットを最大化できないため、無人化ができないと言えるでしょう。 まとめ 最新の重機テクノロジーやICT施工の導入により、建設現場の効率化と安全性を飛躍的に向上させることができます。 建設業界の課題である人手不足対策や作業の見える化にもつながり、今後の現場管理に欠かせない存在となるでしょう。 ←中古重機は、トクワールドにお任せ

    #バックホウ#油圧ショベル#操作#ユンボ

    2025/06/24

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