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【コマツ製ブルドーザーの特徴は?】ブルドーザーの種類・機種を紹介

カテゴリー:ブルドーザー
2023/08/03

1.コマツ製ブルドーザーの種類や特徴は?機種ごとにメーカーのカタログスペックを紹介!

ブルドーザーは、道路新設や宅地造成、ダム開発など大規模な土木工事現場で見かけることが多い建設機械です。

ブルドーザーと言えば、トラクターの前面に大きなブレード(排土板)を取り付け、前進しながら土砂を押し出す重機のイメージがありますが、作業用途や使用環境に合わせてさまざまな種類・仕様があるのをご存じでしょうか?

この記事では、ブルドーザーの種類を解説し、国内では普及率がもっとも高いコマツ製ブルドーザーの特徴やおすすめ機種をご紹介します。

1.1. ブルドーザーは整地作業に特化した建設機械

前述したように、ブルドーザーは土木工事や建設現場で使用される建設機械の一種です。土や砂利を「押す」、「削る」、「ならす」などの作業をおこなって、地盤を整地することが主な用途とされています。

また、車体には強力なディーゼルエンジンを搭載し、フロント部分に大きな排土板(ブレード)を装備していることが大きな特徴です。国内では10~21トン級のブルドーザーが多く使われており、小型、または中型クラスの需要があります。

2.2. ブルドーザーとホイールローダーの違いは?

ブルドーザーとホイールローダーは「走行方式(足回り)」と「作業装置」に大きな違いがあります。

ブルドーザーは、不整地や軟弱地盤での活動を前提としているため、足回りがクローラー(キャタピラ)になっています。また、押土を行うため、車体前面に可動式のブレードを装備しています。

一方ホイールローダーは、足回りにゴム製のホイール(タイヤ)を備えているため、機動力に優れているほか公道走行も可能です。作業装置には大型のバケットを備えており、強力なアームでバケットを高く持ち上げることができます。そのため、土や砂利をすくって運搬や、ダンプトラックへの積込み作業が得意です。

3.3. ブルドーザーはさまざまな産業で活躍している

ブルドーザーは、その大きな力と安定した構造により大量の土や砂を処理や、困難な地形や過酷な環境で作業することが可能です。

そのため、土木工事や建設現場だけでなく、農林業や鉱業といったさまざまな産業で利用されています。また、冬時期は除雪車両としても活躍します。

特に、コマツはブルドーザーの農業転用・開発に力を入れており、稲作が盛んな東南アジア諸国にも農業用ブルドーザーを拡大させています。

4.4. ブルドーザーに必要な免許は?

ブルドーザーを運転するには、「車両系建設機械運搬技能講習」を受講する必要があるほか、公道を走行するには「大型特殊免許」を取得する必要があります。

車両系建設機械とは、労働安全衛生法施行令第20条第12号の別表第7に掲げられた、”動力を使って不特定の場所に自走できる建設機械”のことです。業務で機械質量3トン以上の車両系建設機械の運転作業に従事するには、労働安全衛生法に基づく運転技能講習を修了しなければならないことが義務付けられています。

  • ブルドーザーを操縦するには「車両系建設機械運搬技能講習」を受講しましょう!
  • 公道を走行するには別途で「大型特殊免許」を取得する必要があります!

5.5. ブルドーザーを製造しているメーカーは?

現在、ブルドーザーを製造しているメーカーはアメリカの「キャタピラー」社と日本の大手メーカーである「コマツ」の2社で世界市場をほぼ独占している状態です。

コマツは日本で初めてブルドーザーの国産化に成功し、日本の建設機械発展に大きく寄与したメーカーです。国内ではトップのシェア率を誇り、世界1位のキャタピラー社と共に世界の2大メーカーとして知られています。

2. ブルドーザーとブレードの種類を紹介

ブルドーザーはあらゆる作業ニーズに対応するためにさまざまな種類が用意されています。ここからは、ブルドーザーやブレードの種類について紹介します。

2.1. ブルドーザーの乾地型と湿地型について

不整地や軟弱地盤での活動が前提であるブルドーザーですが、主に「乾地型」と「湿地型」の仕様に分けられます。湿地型ブルドーザーは、乾地型ブルドーザーよりもクローラー幅が広めになっており、接地圧が半分程度に抑えられています。

さらにぬかるんだ土壌など、より軟弱な泥濘地では「超湿地型ブルドーザー」といった特別なモデルも存在しています。

2.2. ブルドーザーの種類

ブルドーザーは、車体の前面にブレード(排土板)を装着し、押土作業に使用する重機が一般的ですが、作業の目的に応じて以下のようなブルドーザーも存在します。

  1. ドーザーショベル
  2. トリミングドーザー
  3. 水陸両用ブルドーザー
1. ドーザーショベル「バケットを装備したブルドーザー」
ブレードの代わりにホイールローダーのようなバケットを装備したブルドーザーです。

土砂をすくうことが可能であるため、運搬や盛土、トラックへの積込みや盛土作業で使用されます。

2. トリミングドーザー「トリミングブレードを装備したブルドーザー」
両面が使用可能なブレードを装備したトリミング用ブレードを装備したブルドーザーです。

土砂の押し出しのほかに、バックで土砂を引き寄せることもできるため、整地や埋立て作業に適しています。

3. 水陸両用ブルドーザー「水中での押土・掘削作業を目的としたブルドーザー」
浅水域の水中掘削が可能なブルドーザーです。水密化による水中仕様とラジコンによる遠隔操作機能を組み合わせ作業船にくらべて精度の高い掘削、押土が可能となっています。

離岸堤、人工リーフ、人工ビーチ、港湾・漁港、突堤、増養殖場の工事、水害復旧作業で活躍しており、国内での作業実績は1200件以上です。

2.3. ドーザーブレードの種類

ブルドーザーは、土砂の掘削や運搬、整地作業が主な役割です。ブルドーザーの前面に装備されているドーザーブレードにはいくつか種類があり、用途によって使い分けられます。

ここからは、代表的なドーザーブレードについて紹介します。

  1. ストレートドーザー
  2. アングルドーザー
  3. パワーアングルドーザー
  4. Uドーザー
  5. レーキドーザー

1. ストレートドーザー「広範囲の整地・掘削作業向けのブレード」
標準的なブレードで、ブレードは上下にのみ作動します。掘削力が強く、大量の運土を伴う整地などの重作業に適しています。

2.アングルドーザー「整地、片切り、盛りこぼし作業向けのブレード」」
車体中心に対して約25~30°の角度をつけて装着できるブレードです。
傾斜地での搬入路の造成など、押土をしながら土砂を右または左に振って寄せることができるほか、一般的な整地作業にも向いています。
3. パワーアングルドーザー「掘削、埋立て、溝堀、整地作業向けのブレード」
チルト(油圧)シリンダーによりブレードを左右に傾斜させることができるブレードで、固い地盤の掘削も可能です。
最近見るブルドーザーの多くは、パワーアングルチルト(PAT)機能を保有しています。

4. Uドーザー「大量の運土作業向けのブレード」
バケット容量を大きくするために、ブレードの両端が大きく曲がっており、上から見るとU字のようなになっていることが特徴的です。
特に大型のブルドーザーでは標準的に装備されており、通常のブルドーザーよりも一度に大量の土砂を運ぶことができます

5. レーキドーザー「伐根、岩石や草木の掘り起こし作業向けのブレード」
レーキ状のブレードで、主に上伐根除根や草木除去、岩石の掘り起こし作業に用いられます。

3. コマツ製ブルドーザーのおすすめ機種3選とスペックを紹介

国内ではブルドーザーのトップシェアを誇るコマツですが、さまざまな機種をラインナップしています。ここからは、コマツ製ブルドーザーの特徴やおすすめの機種を3両紹介します。

3.1. コマツ製ブルドーザーの特徴を解説

コマツ(小松製作所)は、国内最大手の建設機械メーカーで、ブルドーザーや油圧ショベルの重機事業をグローバルに展開している世界的にも有名な企業です。また、ICT建機の技術では世界一であり、無人化・自動化を取り入れた商品のラインナップが充実しているのも特徴でしょう。

そんなコマツ製ブルドーザーは高い「操作性」「安定性」が特徴です。コマツ製ブルドーザーは電子制御HSTを採用しており、抜群の操作性と安定感のある運転性能を誇ります。また、前方視認性をより確保するため、スーパースラントノーズデザインを取り入れるなど、視野性能に優れているというユーザーの声も多いです。

  • 【電子制御HST】
    HSTとは、Hydoro Static Transmission(制油圧変速機)の頭文字からなる略称で、油圧ポンプと油圧モーターを組み合わせた無段変速機のことです。
  • 【スーパースラントノーズデザイン】
    ラジエーターを後方に配置し、前方のエンジンフード周りをスリム化したコマツ独自の設計です。優れた前方視界性の確保を実現し、コマツのブルドーザーの多くで採用されています。

3.2. おすすめのコマツ製ブルドーザーを紹介!

ここからは、作業用途ごとにおすすめのコマツ製ブルドーザー3選と各機種のカタログスペックを紹介します。ブルドーザー選びのご参考にお役立ていただけたら幸いです。

  1. D27A-10/P/PL-10
  2. D61EX-24/D61PX-24
  3. D65EX-18/PX-18

1. D27A-10/P/PL-10
・狭い場所での作業、農業や林業におすすめ小型ブルドーザー
畜舎やビニールハウス、構内など狭い場所での細かい作業はもちろん、エンジン出力と車速を大幅に高めており、小型でありながらパワフルな作業性を発揮します。
また、大容量プレフィルターにより整備性が向上しているため、日常点検時などの負担を軽減します。作業現場にあわせて、乾地型(A-10 )、湿地型(P)、超湿地型(PL)の3仕様が展開されており、水田の整地にも活躍するでしょう。

【 D27A-10/P/PL-10のカタログスペック】
商品名 機械質量 定格出力 ブレード容量 法規制・基準
D27A-10 4,230 41.60 パワーアングルパワーチルト:0.57 特特1014
D27P-10 4,580 41,60 パワーアングルパワーチルト:0.68 特特1014
D27PL-10
超湿地型
4,790 41,60 ストレートチルトドーザー:0.69 特特2014

2. D61EX-24/D61PX-24
・あらゆる作業に対応可能な標準型ブルドーザー
汎用性に優れた18tトン(湿地型:19トン)級中型クラスのブルドーザーです。 電子制御HSTで効率的な整地やサイドカット作業が可能で、軟弱地でも走破性・脱出性に優れています。

電子制御HSTによるエンジンとHSTポンプの低回転数マッチング制御やメインバルブ・油圧回路のロス削減、低燃費エンジンの採用などにより低燃費性能の評価も高いです。

【D61EX-24/D61PX-24のカタログスペック】
商品名 機械質量 定格出力 ブレード容量 法規制・基準
D61EX-24 18,310 125 パワーアングルパワーチルト:3.4 特特2014
D61PX-24 19,230 125 パワーアングルパワーチルト:3.8 特特2014

3. D65EX-18/PX-18
・大量運土、大土工量の現場に最適のブルドーザー
本機種は、作業効率が大幅にアップするシグマドーザーを装備している点が最大の特徴といえるでしょう。シグマドーザーとは、ブレード中央部で掘削して土を盛り上げるという新しい掘削理論から開発されたブレードです。

中央部で土砂の抱え込み量が増加するとともに側面からの土砂こぼれを抑制します。また、掘削抵抗が低減することで土砂の流れが緩やかになり、最小のパワーで大量の運土をドージングできます。

【D65EX-18/PX-18のカタログスペック】
商品名 機械質量 定格出力 ブレード容量 法規制・基準
D65EX-18 20,300 162 パワーアンクルチルト:3.9
シグマ:5.6
特特2014
D65PX-18 22,600 162 ストレートチルト:3.7 特特2014
    【特定特殊自動車排出ガス規制法とは?】
  • 建設機械(公道走行をしない特殊自動車)による大気汚染の防止を図り、環境を保全するため施行された排出ガス規定のことです。正式には「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律」という名称で、オフロード法とも呼ばれます。
  • ブルドーザーなどの特定特殊自動車は、この基準適合表示がなければ国内で使用することができません。

まとめ|ブルドーザーの種類・機種を紹介
ブルドーザーは、整地や運土作業を目的とする建設機械で、建設業より土木現場のほうが馴染みの深い重機でしょう。また、地盤状況にあわせた仕様の機種があり、各種ブレードを変更することによってさまざまな作業が行えることが特徴です。

ブルドーザーは土木作業以外にも農林分野での転用もされており、生産コスト低減に貢献するなど、ICT建機の開発と共にさらなり進化を見せています。

ブルドーザーを選ぶ際は、使用環境や作業目的を良く考慮したうえで検討することが大切です。機種やブレードの違いもあるため、それぞれの特徴もしっかり理解しておきましょう。