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カニクレーンの能力について解説!機種ごとの吊り上げ荷重や最大作業半径も紹介

クレーン

2023/07/18

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カニクレーンの能力について解説!機種ごとの吊り上げ荷重や最大作業半径も紹介

カニクレーンは、重量物の吊り上げが主な用途で、特に狭所現場で圧倒的な能力を発揮します。

下部走行体はゴムクローラーで、作業現場では4本のアウトリガーを張り出して接地します。このアウトリガーを張り出したときの形状がカニの姿に似ているので「カニクレーン」と名付けられました。

カニクレーンというのは、メーカーである前田製作所の商品名です。古河ユニックなど他のメーカーでは、ミニ・クローラクレーンという呼び方が一般的です。

この記事では、狭く、地盤も良くない作業環境で大活躍しているカニクレーンについて紹介します。

国内の主要メーカーである前田製作所と古河ユニックのほぼ全機種について触れていますので、カニクレーン導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

カニクレーンの能力が最大に発揮される現場とは

カニクレーンは、一般的なクレーンやユニックでは立ち入ることができない狭い現場で、その能力を最大限に発揮することができます。狭い通路や坂道、段差(数センチ程度)があっても難なく走行できるのが特徴です。

元々、狭い墓地での墓石工事のために開発されたため、走行時は非常にコンパクトです。利用頻度の高い1トン吊り~2.8トン吊りで全幅は600~800ミリとなっています。

またゴムクローラーなので、アスファルトやコンクリートの舗装道路はもとより、未舗装や軟弱地盤、工場内の狭い通路などでも移動が可能です。

作業時のみ展開する4本のアウトリガーは、現場接地面の広さ、支障物や段差に応じて張り出しの角度や長さを選択することができます。

カニクレーンは、トラックの荷台に小スペースで積載できるだけでなく、分割仕様になっているものも多いためロープウェイやヘリコプターでの現場搬入も可能です。

カニクレーンの主要メーカーは前田製作所と古河ユニック

わが国のカニクレーンの主要メーカーである、前田製作所と古河ユニックについて紹介します。カニクレーンに代表されるミニクレーンは、建設機械のアクセスが制限されるあらゆる場所で活用されています。

ビル建設やプラント、狭所、屋上、航空産業、湾岸建設、山岳土木、変電所、石油・ガス施設、トンネル・地下、美術品据付けなど多種多様な現場が活躍の場所です。

前田製作所は前田建設工業の機械工場として開設され、昭和37年に株式会社として独立し、建設機械のコマツと強い連携関係にあります。

1980年、カニクレーンの原型ともいえるミニクロクレーンを発売しています。

古河ユニックは、1946年に創設された共栄開発を前身とし、1961年に日本初の積載型クレーンを発売しました。1970年に社名にもなった「UNIC(ユニック)」は、積載型クレーンの代名詞として幅広く世に浸透しています。

1991年、2.5トン吊りミニ・クローラクレーンの発売を開始しました。

前田製作所のカニクレーンの機種と仕様情報の概要

ここでは、前田製作所のカニクレーンの機種について、吊り上げ荷重など仕様情報の概要について紹介します。

吊り上げ荷重とは、クレーンが吊り上げることができる最大荷重のことです。機種の能力を比較するとき最大荷重で比較すると分かりやすいです。

ただ前田製作所のカタログには、クレーンの条件に応じて吊り上げることのできる重量、「定格総荷重」が記載されています。

そのためこの記事では、アウトリガー最大張出時で、最短ブーム、最小作業半径の定格総荷重を最大荷重として比較します。

MC174CRM|モーメントリミッタ標準装備のカニクレーン最小機種

MC174CRMの主要諸元
吊り上げ荷重 1.72トン
クレーン容量 1.72トン×1.0m
最大作業半径 5.17m×0.22トン
最大地上揚程 5.5m
最大地下揚程 7.0m(4本掛)
機体幅 590ミリ
    MC174CRMの特徴
  • クレーンとアウトリガーを格納し走行するため、より狭い場所への入り込みが可能
  • 不整地や狭い場所などでのクレーン作業を可能にする屈折式アウトリガー
  • モーメントリミッタ(過負荷防止装置)、過巻下停止装置を標準装備
  • モーメントリミッタパネル表示では赤、黄、緑の三色灯で負荷状態を表示
  • クレーンを遠隔操作することができるラジコン・リモコン装置を装備
  • 2本の走行レバーで信地旋回(ピボットターン)、超信地旋回(スピンターン)が可能

MC285C-3|アウトリガーインターロック・モーメントリミッタ標準装備

MC285C-3の主要諸元
吊り上げ荷重 2.82トン
クレーン容量 2.82トン×1.4m
最大作業半径 8.205m×0.15トン
最大地上揚程 8.7m
最大地下揚程 10.1m(4本掛)
機体幅 750ミリ
    MC285C-3の特徴
  • 高機能モーメントリミッタに新機能の旋回制限を追加
  • 張出角度が6パターンに増えてクレーン作業の効率が向上
  • 旋回時、過負荷領域手前で自動ストップ
  • 新型7.0インチカラー液晶マルチモニター搭載
  • 自己脱着式の脱着式電動ユニットがオプションで登場

MC305C-3(乗車型)|安全・環境性能が充実!建設工事現場のスタンダードマシン

MC305C-3の主要諸元
吊り上げ荷重 2.98トン
クレーン容量 2.98トン×2.5m
最大作業半径 12.16m
最大地上揚程 12.52m
最大地下揚程 16.09m(4本掛)
機体幅 1,280ミリ
    MC305C-3の特徴
  • モーメントリミッタは作業に合わせた設定が可能(揚程・作業半径・角度制限)
  • オートスライドアウトリガーを作用しアウトリガーインターロックを標準装備
  • 乗車タイプだから走行・クレーン操作の長時間作業も快適・リモコン操作可能
  • オプションで電動モーターを併用すれば安定操作と省エネの両方を実現

MC405C-3|安全性に優れたクラス最大機種で余裕の吊り能力を実現

MC405C-3の主要諸元
吊り上げ荷重 2.98トン
クレーン容量 2.98トン×3.5m
最大作業半径 16m×0.21トン
最大地上揚程 16.8m
最大地下揚程 20.5m
機体幅 1,380ミリ
    MC405C-3の特徴
  • アウトリガーインターロック・モーメントリミッタ標準装備
  • 過負荷防止及び作業範囲制限機能でモーメントリミッタパネル搭載
  • オプションのインバーター付電動モーターで屋内作業もクリーン
  • オプションのサーチャーフックなら軒下・ガラス据付作業も楽々
  • 乗車タイプだから走行・クレーン操作の長時間作業も快適・リモコン操作可能

MK1033CW-1|クレーン作業の新提案!ナックルブームクレーンを採用

MK1033CW-1の主要諸元
吊り上げ荷重 0.82トン
最大定格総荷重×作業半径 0.82トン×2.3m
最大作業半径 9.73m
最大地上揚程 10.47m
最大地下揚程 20.5m
機体幅 750ミリ
    MK1033CW-1の特徴
  • 屈折式ブームだから的確なリーチで障害物を乗り越えての作業が可能
  • 倉庫や工場内の作業で生じる奥まで水平にリーチする作業にも対応
  • マルチアウトリガーポジションの設定が可能になり柔軟な設置が可能
  • オプションで取り外し可能な自己脱着式電動モーターを搭載可能

古河ユニックのミニ・クローラクレーンの機種と仕様情報の概要

ユニックとクレーンにおいて、わが国の代表的なメーカーである古川ユニックは、「赤いユニック」としておなじみでしょう。最近では、タイの既存工場を世界戦略製品の生産拠点にすべく増強しています。

カニクレーンは前田製作所の商品名でもあるため、古川ユニックでは同様のクレーンをミニ・クローラクレーンと呼んでいます。

古川ユニックのミニ・クローラクレーンを7機種紹介します。

ここでも吊り上げ荷重は、アウトリガー最大張出時で、最短ブーム、最小作業半径の定格総荷重です。

URW174C|次世代級の走行性と操作性の走破力

URW174Cの主要諸元
吊り上げ荷重 1.73トン
最大定格総荷重×作業半径 1.73トン×1.0m
最大作業半径 5.17m
最大地上揚程 5.7m
最大地下揚程 6.9m
機体幅 600ミリ
    URW174Cの特徴
  • クラス初搭載のタンデムローラをダブル搭載
  • 全長1870ミリ、全幅600ミリ、本体1210kgの軽量設計
  • 油圧モーター駆動2速方式採用、伸縮装置はブームに内蔵
  • 特許の差込口カバー、引き出しグリップなどこだわりの使い易さ
  • 展開パターンは前・後方とも10パターンでクラスNo.1

URW240C|作業者の想いにハイパフォーマンスで応える

URW240Cの主要諸元
吊り上げ荷重 2.43トン
最大定格総荷重×作業半径 2.43トン×1.5m
最大作業半径 6.95m
最大地上揚程 7.4m
最大地下揚程 11.4m
機体幅 600ミリ
    URW240Cの特徴
  • クラス最強の最大クレーン容量2.43トン×1.5m
  • クラス最大の5段ブーム、5段ロングブームをラインナップ
  • クラス最速の走行速度3.8km/h、フック巻上速度13m/秒
  • 頑強6角ブームは伸縮シーブを内蔵し安定したクレーン作業を実現
  • T字走行レバーの繊細な走りで140cm幅の直角通路の走行が可能

URW295CB3|業界を牽引するバッテリー駆動式ミニクロ

URW295CB3の主要諸元
吊り上げ荷重 2.93トン
最大定格総荷重×作業半径 2.93トン×1.4m
最大作業半径 8.41m
最大地上揚程 8.9m
最大地下揚程 11.6m
機体幅 690ミリ
    MC174CRMの特徴
  • メンテナンスフリーバッテリー搭載(補水の必要のないシールドバッテリー)
  • 短時間充電AV100V対応(AC200Vは5h、AC100Vは9hでフル充電)
  • 1日の稼働時間に十分なバッテリー容量と操作しながらの充電も可能
  • ブーム全自動格納機能付きだから作業終了時も手間が非常に楽
  • 任意設定の作業範囲制限装置付きだから現場での干渉の恐れを軽減

URW295C4/P3(M)|多様性と操作性で現場を選ばず活躍する

URW295C4/P3(M)の主要諸元
吊り上げ荷重 2.93トン
最大定格総荷重×作業半径 2.93トン×1.4m
最大作業半径 8.41m
最大地上揚程 8.8m
最大地下揚程 11.7m
機体幅 600ミリ
    URW295C4/P3(M)の特徴
  • ディーゼルエンジンモデル|高出力・低燃費でトラックからの燃料補給も可能
  • ガソリンエンジンモデル|低回転・低振動を実現し卓越した作業性を発揮
  • ガソリンエンジン・電動パワーユニット併用モデル|屋内作業に最適なモデル
  • 最大幅60cmで作業終了時はフック格納がワンタッチでできる
  • 本体の揺れを吸収する段差乗り越え構造と低重心で段差もラクラク
  • 185cm幅の直角通路も走行可能でフック巻上げ速度は10m/秒

URW370C(乗車型)|屋内から不整地までさまざまなニーズに応える

URW370C(乗車型)の主要諸元
吊り上げ荷重 2.93トン
最大定格総荷重×作業半径 2.93トン×2.5m
最大作業半径 14.45m
最大地上揚程 14.9m
最大地下揚程 18.7m
機体幅 1,300ミリ
    URW370C(乗車型)の特徴
  • 主要パーツが取り外せるためヘリコプターや索道による運搬が可能
  • 油圧配管の接合は分解時も便利なワンタッチカプラーを採用
  • エンジンと電動モーターの切り替え可能で屋内での移動も可能
  • 夜間や薄暗い現場での作業に欠かせない前照灯(LED)搭載
  • アウトリガー油圧横張出・格納も操作レバーか液晶ラジコンで操作

URW507C(乗車型)|業界唯一の7段ブームユニック搭載

URW507C(乗車型)の主要諸元
吊り上げ荷重 2.93トン
最大定格総荷重×作業半径 2.93トン×3.9m
最大作業半径 17.83m
最大地上揚程 18.2m
最大地下揚程 22.9m
機体幅 1,380ミリ
    URW507C(乗車型)の特徴
  • 業界唯一の7段ブームで最大地上揚程18.2mを実現
  • アウトリガー横張出・格納は液晶ラジコン操作でより確実に設置
  • 主要パーツが取り外せるためヘリコプターや索道による運搬が可能
  • 電動パワーユニット併用仕様だから排気ガスゼロ・エンジン騒音ナシ
  • 夜間や薄暗い現場での作業に欠かせない前照灯(LED)搭載

URU054C|資格不用のお手軽ミニ・クローラクレーン

URU054Cの主要諸元
吊り上げ荷重 0.495トン
最大定格総荷重×作業半径 0.495トン×1.5m
最大作業半径 5.17m
最大地上揚程 5.6m
最大地下揚程 10.5m
機体幅 595ミリ
    URU054Cの特徴
  • 狭所もスムーズに移動できるクラス最軽量のコンパクトボディ
  • アプローチアングルが斜めカットだから階段、不整地でもスムーズ走行
  • T字型走行レバー(オプション)で120cm幅の直角通路を走行可能
  • 使いやすいラジコン操作でハイレベルなクレーン操作ができる
  • 伸縮装置を内蔵し、障害物への干渉がない形状を実現

カニクレーンは中古で購入がお得!レンタル費用の相場も紹介

カニクレーンも他の建設機械同様に、中古での購入がおすすめです。

たとえば前田製作所の2.9トン吊り5段ブームでラジコン付きの中古価格は、300万前後ですが、新品では600万円前後です。

10年から15年経過していても、屋内保管していたり使用頻度が少ない状態だったりすると機能的には全く問題ありません。

ただ販売台数が比較的少ないため、他の建機に比べると中古も少ないのが現状です。

レンタル費用は、前田製作所の1.7トン~2.9トンクラスで1日15,000円程度が相場になっています。月極だと格安になり、15万ほどが目安になります。

いずれにしろ、長期での使用が間違いないのであれば、中古で購入したほうがお得なのでおすすめです。

まとめ|カニクレーンの能力について解説!
ここまでカニクレーンについて紹介してきました。

まずカニクレーンの一般的な能力や、その能力が最大限に発揮される現場の特色、主要メーカーである前田製作所と古川ユニックについて概要を解説しました。

次に前田製作所と古川ユニックの各機種の主要諸元と特徴について記述しています。さらにカニクレーンは他の建設機械と同じように中古での購入がおすすめであることとレンタルの費用についても触れています。

カニクレーンやミニ・クローラクレーンと呼ばれる建設機械は、狭所や干渉物の多い現場作業に特化させるべく誕生しました。大型の建機の使用ができないため人力での作業となっていた現場が格段に省力化効率化しています。

さらに今後も大きな進化を遂げていくであろうと予測される建設機械です。
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    クレーン

    【2025年版】タダノ・加藤・KOBELCO クレーンメーカー3社徹底比較|特徴・強み・選び方を解説

    建設現場やインフラ整備の主力機材として活躍するクレーン車。その中でも「タダノ加藤製作所・KOBELCO(神戸製作所)」は日本が誇る3大クレーンメーカーです。 それぞれのメーカーには独自の強みや特徴があり、現場用途によって選び方が変わります。本記事では、3社の技術・信頼性・対応分野・中古市場での評判を比較し、購入時の参考になる情報をまとめました。 この記事でわかること 大手クレーンメーカー3社の特徴 クレーン車選びのポイント クレーン業界の最新トレンド 目次 クレーン車の基礎知識と種類 主要クレーンメーカーの比較 クレーン車の選び方と活用法 クレーン業界の最新トレンド まとめ クレーン車の基礎知識と種類 クレーン車は、主に建設現場などで使用される特殊車両に分類される重機で、重量物を吊り上げて移動・設置を行うための機械です。 クレーン車の中には、不整地でも使用可能なラフテレーンクレーンや安定性に優れたクローラークレーンなどもあり、用途や作業環境に合わせて適切なクレーンを選択する必要があります。 クレーン車の主要な種類 クレーン車にはさまざま種類があり、各機種には特有の機能や用途があります。以下では主要なクレーンを4つご紹介し、その特徴と用途を解説します。クレーン車の導入時の参考にしてみてください。 トラッククレーン トラッククレーンは、トラックの車体にクレーンを搭載した機動力と汎用性を兼ね備えたクレーン車です。現場への移動性に優れているほか、都市部でも使いやすく、小規模から中規模の現場に適しています。また、比較的導入コストも抑えられます。 ラフテレーンクレーン ラフテレーンクレーンは、不整地や狭い場所での重量物吊り上げに適したクレーン車です。コンパクトな車体と大きな4輪駆動のタイヤが特徴で、狭い住宅街や都市部だけでなく、不整地、軟弱地盤でのクレーン作業もこなします。機動性と吊り能力のバランスに優れたクレーンと言えるでしょう。 オールテールクレーン ラフテレーンクレーンとトラッククレーンの長所を併せ持つ高機能のクレーン車です。一般的なトラッククレーンやラフテレーンクレーンのタイヤは4輪ですが、オールテールクレーンは9軸18輪の多軸方式が採用されています。これにより、路面に対する車両重量が緩和されるので、不整地では良好な走行性を発揮します。また、高速道路走行にも対応してますが、道路交通法の事情からクレーン部は取り外して、別で現場まで輸送し現地で組み立てる必要があります。 クローラークレーン クローラークレーンは、走行方式にクローラー(キャタピラー)方式を採用した、不整地専用の大型クレーン車です。軟弱地盤でも安定したクレーン作業が可能で、吊り上げ能力も高いため、主に大規模な建設現場や橋梁工事などに使用されます。 主要クレーンメーカーの比較 クレーン車選びにおいては、どのメーカーの機種を選ぶかは非常に重要です。メーカーごとに得意とする機種や技術分野が異なり、現場の特性や用途によって最適な選択肢も変わってきます。 ここでは、日本のクレーン業界を代表するタダノ・加藤製作所・KOBELCO(コベルコ建機)の3社に注目し、それぞれの特徴や主力製品、導入メリットについて詳しく見ていきましょう。 タダノの特徴と製品ラインナップ 株式会社タダノは、日本国内だけでなく海外にも展開する大手クレーンメーカーです。タダノは油圧制御の精度や操作性の滑らかさに定評があり、長時間の作業でも安定した性能を発揮します。 タダノの主力製品は、ラフテレーンクレー)、オールテレーンクレーン、トラッククレーンなどが代表的です。タダノのクレーンは高性能、高機能、サポート体制の充実が大きなメリットとして挙げられます。特に、ラフタークレーンとオールテールクレーンの機動性とクレーン能力の高さは、都市部や不整地などあらゆる現場のニーズに対応可能です。 ラフテレーンクレーンは未舗装地や狭い現場での機動性が高く、建設・土木・災害復旧など幅広い用途に対応できます。オールテレーンクレーンは高速道路での移動と悪路走行を両立し、大規模な橋梁工事やプラント建設に活用されています。 また、タダノは純正部品の安定供給や全国規模のサービス拠点を持ち、迅速なメンテナンス対応が可能です。タダノのアフターサポート体制は他社と比較しても高水準で、稼働率の最大化に寄与しています。 【タダノの主力クレーン製品】 GRシリーズ(ラフテレーンクレーン) タダノの主力製品である「GRシリーズ」は、ラフテレーンクレーンとして国内外で非常に高い評価を得ています。このシリーズの最大の特長は、コンパクトな車体と優れた機動性です。都市部や狭小地での作業に強く、住宅街や密集した工事現場でも効率的にクレーン作業をこなすことができます。 また、「GR-1000N」は、100 USトンクラスの大型ラフテレーンクレーンで、都市部や狭小地での高効率作業を実現します。この機種は、最大揚程55.8mを誇る13.7mのフルオートジブを搭載し、補助作業なしでブーム操作が可能です。 操作性にも優れ、10.4インチのカラータッチパネルや遠隔操作用ラジコンの搭載により、現場でのセットアップ時間が大幅に短縮されます。また、タダノ独自の遠隔管理システム「Hello-Net」により、稼働状況や整備履歴をクラウドで一括管理することが可能です。 燃費性能にも配慮されており、エコモード制御によってCO₂排出量を最大約29%削減。高性能・高効率・環境対応の三拍子が揃った一台です。 加藤製作所の強みと代表機種 加藤製作所は、1895年に設立されてから100年以上の歴史を持つ老舗クレーンメーカーであり、その技術力の高さと製品の操作性・耐久性で知られています。特に油圧システムの信頼性は業界でも評価が高く、重負荷の作業環境でも長期間安定稼働する点が強みです。 代表機種には、ラフテレーンクレーンの「KRMシリーズ」や「SRシリーズ」があり、それぞれの機種は高い吊り能力と優れた操作性を両立しています。特に、SRシリーズは都市部の限られたスペースでも効率的に作業が可能で、建築現場や工場の設備据え付けに最適です。 【加藤製作所の主力クレーン製品】 SR-250Rf(ラフテレーンクレーン) 加藤製作所が展開するラフテレーンクレーン「SR-250Rf」は、25t吊りの中型モデルで、操作のしやすさと高い耐久性が特徴です。最大ブーム長は30.5mで、広範囲の作業に対応できる4段伸縮構造を採用しています。 この機種は、整備性が最大の強みです。構造部材の配置や点検口の設計が工夫されており、日常のメンテナンスが簡単に行えるよう配慮されています。さらに、低騒音・低排出ガスに対応しており、平成26年排ガス規制適合、国土交通省の低騒音型建設機械の指定を受けています。 KOBELCO建機の技術革新と製品 コベルコ建機は、常に新しい技術を取り入れる姿勢で知られ、環境性能と省エネ技術に優れたクレーンを多数展開しています。特に、ハイブリッドシステムや低燃費エンジンの導入によって、燃料消費とCo2排出量の削減を実現しています。コベルコの技術革新は、環境規制が厳しい海外市場でも高く評価されています。 製品ラインアップは多様で、油圧クローラクレーン、ラフテレーンクレーン、タワークレーンなど、用途に応じた選択肢が豊富です。コベルコは廃棄部品のリサイクルや環境負荷低減型の製造工程を採用するなど、持続可能な開発にも積極的に取り組んでいます。 KOBELCO建機の主力クレーン製品 CKE2500G-2 コベルコ建機が誇る「CKE Gシリーズ」は、最大吊上げ能力250tの大型クローラークレーンを含む製品を展開しています。特に「CKE2500G-2」などは、橋梁やプラント建設といった大規模インフラ工事において強力な存在感があります。 このシリーズの最大の特長は、環境性能の高さです。エネルギー回生システムを備えたハイブリッド仕様で、従来機と比べて燃費効率を大幅に向上させています。また、最大ブーム長は91.4mと長尺作業にも対応し、不整地や仮設地盤上での安定した吊り作業が可能です。 クレーン車の選び方と活用法 クレーン車を選ぶ際は、使用の目的を明確にさせることから始めます。 例えば、高層ビル建設や大型橋梁工事などでは、吊り荷重250tクラス以上の大型オールテレーンクレーンが必要となる場合があります。一方で、住宅建築や都市部での設備工事には、機動性と小回り性能を備えたラフテレーンクレーンの方が適しています。 目的を明確にしたら、必要な吊り荷重を計算し、安全率を加味した上で機種を選定します。大型クレーンの場合は、走行条件や設置スペース、搬入路の幅なども考慮が必要です。また、油圧性能や作業半径の広さも作業効率に直結するため、導入前の仕様確認は欠かせません。 クレーン業界の最新トレンド 近年のクレーン業界では環境規制の強化を受け、「燃料効率」や「排出ガス削減」を強化した製品開発が進んでいます。小型クレーンではエンジンの低燃費化やハイブリッド化が進み、CO2排出量を大幅に削減できる機種も人気です。 また、欧州や日本の環境基準に適合したエンジンを搭載することで、国際市場でも競争力を高めています。 そして、クレーン車のハイブリッド化とともに急速的に進んでいるのが、デジタル技術の導入です。具体的には、クレーンの稼働データをリアルタイムで監視し、予防保全に活用するIoTシステムや、半自動化された吊り作業支援システムが実用化されています。 デジタル化や半自動化により、作業効率の向上と人為的ミスの削減が可能となり、安全性も飛躍的に向上しています。2025年では、完全自動化クレーンの実証実験やAIによる作業計画の生成など、さらなる技術革新が期待されています。 固定式クレーンでも、主に工場や倉庫に設置される天井クレーンでリモート化したクレーンが普及中です。 まとめ クレーン選びでは、使用目的の明確化も大切ですが、信頼できるメーカーと自社の作業内容や現場条件に適合した機種を選ぶことも重要です。 タダノは高い操作性とサービス網、加藤製作所は耐久性とコスパ、KOBELCOは技術革新と環境対応など、それぞれの強みを比較し、自社にもっともマッチする選択をしましょう。 中古導入を含め、綿密な比較と情報収集が失敗しないクレーン選びに繋がります。 豊富な在庫からお探しします!【中古ユンボ・パワーショベル】買うならトクワールド!

    #クレーン#種類#規格

    2025/10/01

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  • カニクレーンのレンタルは手軽で便利?料金相場や商品の仕様を詳しく紹介!
    クレーン

    カニクレーンのレンタルは手軽で便利?料金相場や商品の仕様を詳しく紹介!

    目次 カニクレーンとは? カニクレーンのレンタル料金相場  建機レンタルのニッケン|カニクレーン 建設機械・重機レンタルのアクティオ|カニクレーン カニクレーンの運転操作に必要な資格 カニクレーンのレンタル|まとめ カニクレーンの代表的なメーカー、前田製作所のMC174CRMの全幅は590mmです。建設機械が入ることのできない狭い通路を通って現場に到着し、4本のアウトリガーを張り出して、最大吊り能力1.7トンで作業します。 カニクレーンは、狭く段差があるような不安定な場所で墓石や庭石、石碑の据え付け作業。周りに電線が張り巡らされた変電所、スペースが限られたトンネルや地下鉄での管工事などで活躍します。 ただそのような現場での工事は、通年で考えるとそう多くはないという建設会社も多いはずです。そういうとき、手軽で便利なのがレンタルでのカニクレーンの導入です。 この記事では、カニクレーンについての基本情報、カニクレーンのサイズごとのレンタル料金の相場、カニクレーンのレンタル会社などについて紹介します。カニクレーンの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。 カニクレーンとは? カニクレーンは元々、狭く足元の悪い墓地での、墓石の吊上げ作業のために開発されたとされています。狭所現場での重量物の吊上げが主な用途です。 ゴムクローラーで走行し、現場では4本のアウトリガーを張り出して接地します。このアウトリガーを張り出した姿がカニに似ていることで「カニクレーン」と命名されました。 カニクレーンは前田製作所の商品名のため、ミニクローラクレーンと呼ばれることも多いです。 ここでは、カニクレーンの基本情報として、メーカー、種類、特徴、稼働事例について紹介します。 カニクレーンのメーカー カニクレーンの代表的なメーカーとして挙げられるのは、前田製作所と古河ユニックです。 前田製作所の本社は長野県の長野市にあり、全国に28カ所の拠点があります。 1960年、前田建設工業の機械工場として開設され、1962年に株式会社として独立しました。1963年に建設機械のコマツとサービス指定工場契約を締結して以来、強い連携関係にあるのが特徴的です。 1968年自社商品の前田クレーンを発売し、1980年には、カニクレーンの原型ともいえるミニクロクレーンを発売しています。 2022年、MAEDA AMERIKA Inc.を設立し、海外での主要拠点としています。 東京に本社のある古河ユニックは、1946年に創設された共栄開発を前身とし、1961年に日本初のトラック搭載型のクレーンを発売しました。 1970年に株式会社ユニックに社名変更、この「UNIC(ユニック)」は、搭載型クレーンの代名詞として幅広く世に浸透しています。現在は全国に42カ所の販売拠点、400ヶ所以上の指定サービス工場があります。 その後も搭載型クレーンのパイオニアとして、有線式リモートコントロール、ハイアウトリガ機構、アクセル連動操作機構など業界の技術的な発展を牽引してきました。 1991年、2.5トン吊りミニクローラクレーンの発売を開始しています。 カニクレーンの種類 カニクレーンの種類は、クレーンが吊り上げることができる最大荷重である、吊り上げ荷重で分けられます。最大荷重とは、アウトリガーを最大に張出し、最短ブームで、最小作業半径時の定格総荷重のことです。 カニクレーンは、吊り上げ荷重により、1トン未満、1,7トン、2.4トン、2.8トン、2.9トンの4つの種類があります。 以下に種類ごとの主な機種名を、カニクレーンの主要メーカーである前田製作所と古川ユニックに分けて表にまとめました。 (令和5年7月現在) 種類(吊り上げ荷重) 前田製作所 古河ユニック 1トン未満 MK1033CW-1(0.82トン) URU054C(0.495トン) 1.7トン MC174CRM URW174C 2.4トン - URW240C 2.8トン MC285C-3 - 2.9トン MC305C-3 MC405C-3 URW295CB3 URW295C4/P3(M) URW370C(乗車型) URW507C(乗車型) カニクレーンの特徴 カニクレーンは、現場移動などの走行時の外形寸法がコンパクトに設計されていて、通常の積載型クレーンでは通れない狭い通路や狭所現場、カーブの多い道路などの通行が可能になっています。 主流の非常車型の走行時全幅は、1トン吊りで600ミリ程度、2.8トンでも800ミリほどです。 またゴムクローラーを活かして、アスファルト・コンクリート道路、建築物内の床面などの整地面はもちろん、未舗装道路や勾配地、軟弱地での走行もできます。 カニクレーンは、非常車型が主流で、作業者の歩く速さで走行します。最近では比較的大型の乗車型カニクレーンの活躍も目立ってきています。 作業現場に到着したカニクレーンは、4本のアウトリガーを張出して接地します。この4本のアウトリガーがあるため、多少の段差や支障物があっても安定的に設置することが可能です。 カニクレーンの稼働事例 カニクレーンは、ビル建設やプラント、航空産業、湾岸建設、山岳土木、変電所、石油・ガス施設、トンネル・地下、美術品据付けなどで活躍しています。これらの多種多様な現場の共通点は、建設機械のアクセスが制限される狭所や屋上であることです。 たとえば、高層ビルの建築中に、ドアを通って屋内を移動し、エレベーターを使って現場まで昇降することができます。 カニクレーンは、周囲に障害物がある場所でも、状況に応じて4本のアウトリガーを張出すことで安全作業できます。上部に電線がある現場でも、作業範囲規制を設定すれば、電線と接触ることなく作業可能です。 カニクレーンのレンタル料金相場  ここからは、カニクレーンのレンタル料金の相場を吊り上げ荷重のクラス別に見ていきます。また各機種の能力の概要なども説明していますので、参考にしてください。 ただレンタル可能地域などは限定的な場合もあり、すべての地域で同条件のレンタルが可能というわけではありません。 吊り上げ荷重1.7トン 使用機種|前田製作所MC174CW 年式2017年 17,000円/日 255,000円/月 別途管理・サポート料金 4,320円/1回 【機種の能力】 ・前田製作所のMC174CWはシリーズ最小機種で積載2tトラック横積み可能 ・クラス最速のウインチスピード(10.9m/min) ・アウトリガー張出・格納一括スイッチ(スイッチ一つで4本同時操作可能) ・油圧走行2速切り替え(1速:2.0km/h、2速:3.3km/h) ・誤操作防止機能|走行レバースタンドを走行位置にセットすることにより、クレーン回路がインターロック) 【主要諸元】 吊り上げ荷重1.72トン クレーン容量1.72トン×1.0m 最大作業半径5.17m×0.22トン 最大地上揚程5.6m 機体幅590ミリ 吊り上げ荷重2.4トン 使用機種|古河ユニックUR-U240CP2 年式2017年 24,000円/日 ASK/月 別途管理・サポート料金 2,080円/1回 【機種の能力】 ・UR-U240Cシリーズはクラス最高のスペックを誇る ・連動ラジコンを標準装備|ブームフック平行移動やフック水平移動、障害物越えも簡単操作 ・パワーオートアクセル|エンジン回転数を最適な状態に制御 ・ラジコン操作で4本同時でアウトリガーの張出・格納を実現 ・連動ラジコンはジョイスティック式と選択スイッチ式から選択可能 ・クラス最速のフック巻上げ速度(13m/min) 【主要諸元】 吊り上げ荷重2.43トン クレーン容量2.43トン×1.5m 最大作業半径6.95m 最大地上揚程7.4m 最大地下揚程11.5m 機体幅600ミリ 吊り上げ荷重2.8トン 使用機種|前田製作所MC285CW 年式2016年 28,000円/日 ASK/月 別途管理・サポート料金 4,320円/1回 【機種の能力】 ・連続使用に強いウインチ|長時間の使用に耐える油圧ディスクブレーキを採用 ・クローラは段差に強い中央タンデム方式|段差のある場所で中心部分が折曲がる ・誤操作防止|走行レバースタンドを走行位置にセットすることでクレーン回路がロック ・転倒警報装置|走行時とクレーン使用時それぞれに転倒警報装置を標準装備 ・アウトリガー操作パネル|スイッチタイプを使用してレバー操作と差別化して誤操作防止 【主要諸元】 吊り上げ荷重2.82トン クレーン容量2.82トン×1.4m 最大作業半径8.205m×0.15トン 最大地上揚程8.7m 最大地下揚程10.1m(4本掛) 機体幅750ミリ 吊り上げ荷重2.9トン  一番流通の多い2.9トンクラスは2機種紹介します。 前田製作所MC305C-3(乗車型) 式2019年 33,000円/日 330,000円/月 別途管理・サポート料金 1,240円/1回 【機種の能力】 ・安全・環境性能が充実の建設工事現場スタンダードマシン ・モーメントリミッタは作業に合わせた設定が可能(揚程・作業半径・角度制限) ・オートスライドアウトリガーを作用しアウトリガーインターロックを標準装備 ・乗車タイプだから走行・クレーン操作の長時間作業も快適・リモコン操作可能 ・オプションで電動モーターを併用すれば安定操作と省エネの両方を実現 【主要諸元】 吊り上げ荷重2.98トン クレーン容量2.98トン×2.5m 最大作業半径12.16m 最大地上揚程12.52m 最大地下揚程16.09m(4本掛) 機体幅1,280ミリ 古河ユニックURW295CB(乗車型) 年式2018年 42,000円/日 650,000円/月 別途管理・サポート料金 3,340円/1回 【機種の能力】 ・メンテナンスフリーのバッテリー搭載(補水の必要のないシールドバッテリー) ・短時間充電AV100V対応(AC200Vは5h、AC100Vは9hでフル充電) ・1日の稼働時間に十分なバッテリー容量と操作しながらの充電も可能 ・ブーム全自動格納機能付きだから作業終了時も手間が非常に楽 ・任意設定の作業範囲制限装置付きだから現場での干渉の恐れを軽減 【主要諸元】 吊り上げ荷重2.93トン 最大定格総荷重×作業半径2.93トン×1.4m 最大作業半径8.41m 最大地上揚程8.9m 最大地下揚程11.6m 機体幅690ミリ 建機レンタルのニッケン|カニクレーン 建機レンタルのニッケンのカニクレーンのラインナップのうち5機種を紹介します。 前田製作所が3機種と古河ユニックが2機種ありました。メーカー別に機種の概要を表にまとめましたので参考にしてください。 前田製作所のカニクレーン 機種型式 MC305CWMS-2 MC285CWM-2 MC305CWMSK-3(乗車型) 最大吊り上げ能力(t×m) 2.98×2.5 2.82×1.4 2.82×2.5 最大作業半径(m) 12.16 8.205 12.16 ブーム段数(段) 5 5 全自動5 登坂能力(度) 23 20 23 走行速度(km/h) 0-2.8 0-2.2 前・後進0-2.8 駆動方式 ディーゼルエンジン ディーゼルエンジン エンジン(電動仕様あり) 古河ユニックのカニクレーン 機種型式 UR-W295C1RS UR-W295CMRS 最大吊り上げ能力(t×m) 2.93×1.4 2.93×1.4 最大作業半径(m) 8.41 8.41 ブーム段数(段) 5 5 登坂能力(度) 20 20 走行速度(km/h) 0-2.0 0-2.3 駆動方式 水冷式ディーゼルエンジン AC200Vモーター・ガソリンエンジン併用 建設機械・重機レンタルのアクティオ|カニクレーン 建設機械・重機レンタルのアクティオでのカニクレーンのラインナップは前田製作所の2機種でした。それぞれ表にして紹介します。 機種型式 MC285C-2 MC305C-2 最大吊り上げ能力(t×m) 2.82×1.4 2.98×2.5 最大作業半径(m) 8.2 12.16 ブーム段数(段) 5 5 登坂能力(度) 20 23 走行速度(km/h) 0-2.2 0-2.8 駆動方式 ディーゼルエンジン ディーゼルエンジン カニクレーンの運転操作に必要な資格 カニクレーンを運転操作する場合は、小型移動式クレーンの資格で運転操作が可能です。ただ、フックに荷物をかけて吊り上げる作業には玉掛けの資格が必要になります。 カニクレーンを使って現場で作業するときは、小型移動式クレーンと玉掛けの2つの資格を取得しておかなければなりません。 小型移動式クレーン運転技能講習 小型移動式クレーン(吊り上げ荷重5トン未満)の運転作業をするには、運転技能講習を修了しなければならないことが労働安全衛生法で義務づけられています。 技能講習は、各地域にある登録教習機関で受講することができます。以下のサイトで、居住地に近い登録教習機関を検索してみてください。 厚労省|登録教習機関一覧 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei05.html 受講費用や受講時間は、現在保有している資格や業務経験で違ってきます。 たとえばクレーンなどの建設機械の資格や業務経験がまったくない場合は、20時間(3日間)の受講が必要で費用は54,000円になります。 事前に、お近くの登録教習機関に問い合わせて確認しておくと安心です。 似た講習に「移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育」がありますが、吊り上げ荷重が1トン未満と大きく制限があるので注意してください。 玉掛け技能講習 制限荷重1t以上の揚貨装置及びつり上げ荷重1t以上のクレーン、移動式クレーンもしくはデリックの玉掛け作業をする場合は、労働安全衛生法に基く技能講習を修了しなければならないことが義務づけられています。 玉掛け技能講習も登録教習機関での受講となります。 小型移動式クレーンと同じように、受講費用や受講時間は、現在保有している資格や業務経験で違ってきます。 以下の講習修了者や免許がある場合は、15時間(3日)の受講が必要で、費用は24,000円になります。 ・床上操作式クレーン運転技能講習を修了 ・小型移動式クレーン運転技能講習を修了 ・クレーン・デリック運転士免許、移動式クレーン運転士免許、揚貨装置運転士免許のいずれかを有する 受講コースや費用は、各地域、各機関で多少の違いがあるようです。まずは、お近くの登録教習機関に問い合わせてみることをおすすめします。 カニクレーンのレンタル|まとめ カニクレーンのレンタル|まとめ ここまでカニクレーンのレンタルについて紹介してきました。 まずカニクレーンの基本情報として、メーカーや種類、特徴、稼働事例について整理しました。 次にレンタル料金の相場を、吊り上げ荷重のクラスごとメーカーごとにまとめています。また主要な建機レンタル会社でのカニクレーンのラインナップについても触れています。 そして最後に、カニクレーンを使って現場で作業する際に必要な小型移動式クレーンと玉掛けの資格取得について説明しました。 カニクレーンの導入をレンタルで検討している方は、ぜひ参考にしてください。 ←【中古カニクレーン】を探すならトクワールド!

    #カニクレーン#資格

    2023/10/20

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