
モーターグレーダー
2023/06/19
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グレーダーの操作方法|除雪時のコツや攻略を解説
グレーダー操作のコツ・攻略方法
機体前方へ伸びるブームに吊り下げられたブレードと呼ばれる作業板を上下、左右に操作して整地します。
建設機械の中でも操作が難しいと言われますが、ブルドーザーの操作に慣れている方であれば、習得にはさほど時間は掛からないでしょう。
この記事では、グレーダーの操作やコツなどについて紹介します。
グレーダーの操作方法・各種機能、レバーについて
しかし、運転しながら9つのレバーをそれぞれ操作するのは乗りたての頃は難しく、もちろん練習も必要です。
各種レバーや変速機がある位置は機種によって様々ですが、ここでは各レバーの機能や基本的な操作についての紹介をしていきます。
各種レバー・説明の一覧
番号 | レバー | 説明 |
1 | スカリファイヤ(リッパー)操作レバー | 地面が硬い時などは歯を入れて削ります。 |
2 | サークル・センタシフト | |
3 | ブレード回転操作レバー | ブレードを回転させて、土を左右どちらかに降りたい時に使うレバーです。 |
4 | 左ブレードリフトシリンダ操作レバー | ブレードを上下するためのレバーです。ハンドル右側にも同じようなレバーがあります。 |
各種レバー【ハンドル右側】
番号 | レバー | 説明 |
5 | ブレードチップレバー | 切削や整地などの作業に合わせて、ブレード角の調整を行います。 |
6 | アーティキュレート操作レバー | 機械の真ん中が左右に首折れするレバーです。 |
7 | リーニング操作レバー | 前輪の傾きを調整します。 |
8 | ブレード横送りレバー | ブレードを左右に移動されるレバーです。 |
9 | 右ブレードリフトシリンダ操作レバー | 4.に同じ。 |
モニタリングシステム(計器)
2.タコメーター
3.スピードメーター
4.水温計
5.燃料計
6.ブレーキエア計
7.時計
8.集中警報インジゲータ
9.ブレード昇降速度切り替えスイッチ
グレーダーをうまく操作するコツは?
そして、基本には機械は水平を意識し動かしますが、これが最も困難です。
グレーダーの操作方式には上記のようなハンドル式以外に、最近ではジョイスティック操作型で、電子制御やモニタリングシステムなどのハイテク技術を備えたモデルが多く登場しています。
ジョイスティック操作は、左右2本のジョイスティックで全て操作できるので、レバー操作よりもオペレーターの作業負担が軽減されます。
電子制御などのハイテク技術を取り入れたモデルはICT土木にも対応しているのがメリットです。
しかし、微妙な操作ができなかったり、高温多湿での環境において精密機械は脆弱なため、油圧作動方式でレバー操作型といったアナログ機械の信頼性は高いです。
また、変速機(ギア)ですが前進・後進で8速や前進8速・後進6速のものなど、これも機種によって異なります。しかし、整地などの基本作業では1速で行います。
変速をマニュアルで行なうグレーダーは、乗用車と同じく足元にクラッチペダルがついています。
斜面が多い除雪コースなどの場合は、排気量や馬力のある機種を選ぶと楽でしょう。
除雪グレーダーでの除雪作業
ここからは除雪作業について紹介します。
グレーダーでの除雪には主に以下の4種類があります。
【新雪除雪】
通常、新雪除雪の作業は交通量の少ない深夜か早朝に行い、グレーダーやホイールローダーなどによって、新雪を路側や路外に除雪します。
【路面除雪】
【多車線道路除雪】
そのためグレーダーなどの除雪機器は梯団編成を組んで片側車線をワンパスで施工します。
【交差点除雪】
除雪作業の留意点
- 追い越し車両に注意する。
除雪作業中は一般車両よりも低速で走るため、後続から接近してくる追い越し車にも注意しなければなりません。もし、走行間や除雪作業のため道路が渋滞した場合は、進路を譲って追い越させたり、作業を一時中断して交通の流れを解消しましょう。 - 住宅街・市街地での除雪作業
住宅街や市街地は、交通量や歩行者が集中しており、道路の狭い箇所や障害物も多いです。そのため、もっとも事故が起こり易いので、適切な作業速度と作業範囲の安全確認をしっかり行いましょう。 - 路面の構造物に注意
路面にはマンホールや架橋のジョイントといった構造物があります。これにグレーダーのエッジやジョイントを引っ掛けてしまうと、グレーダー本体の故障や構造物の破損に繋がります。事前に確認しておくことが大切です。 - 山間道路では雪崩にも注意
気温・風・音・投雪した雪により、斜面に張り付いた積雪が剥がれて雪崩になる危険があるので、作業間は注意してください。 - 地吹雪時の注意
地吹雪が発生すると周囲が視界不良になる「ホワイトアウト」が発生します。前方車が停止していることもあるので、グレーダーは低速で細心の注意を払いながら走行させます。
除雪作業の要領
- 対向車との接触注意
道路の除雪作業時は対向車の安全上、車体右側のタイヤよりもブレードがはみ出す事がないよう作業を行いましょう。コーナーの除雪時はこの限りではありません。 - 凍結路面での除雪
圧雪の高度によって切削角を調節して除雪を行います。特にトンネル内や坂道など、スリップが多発するポイントでは、エッジを利かせで圧雪を剥ぎ取りますが、エッジはすぐに摩耗してしまうので、特にスリップしやすくなっている場合で行いましょう。 - カーブ時のブレード推進角
除雪を効果的に行うには、右カーブではブレードの推進角を大きくし、左カーブではブレードの推進角を小さくすることに留意すると良いです。 - ブレード左右の圧力
圧雪時の負荷は、右圧力が強すぎると車体が右方向に流れ、対向車両に接触する危険があります。リーニングを右側に傾け、左右の負荷圧には常に注意して作業しましょう。 - エッジの整形
圧雪を剥ぎ取る時のブレード角は、刃先が路面に対して常に鋭角に当たるようにする必要があります。一般除雪の際、雪の少ない所でエッジを整形しておくと良いでしょう。 - 2台以上での除雪作業
2台以上で通常除雪を行う際は、後続車の追い越しに注意し、前方のグレーダーは、ブレード推進角をできるだけ大きく取り、センターラインからはみ出すことなく作業を行いましょう。後続のグレーダーは、ブレードを1m程度重ねて、前方グレーダーが作る帯状の稚雪(ウィンドロウ)を残さないように道路脇へ寄せます。
一般走行時の注意点
- 走行時は、ブレード装置を地上から30bps程度上昇させます。車幅にブレードを格納する場合はタイヤガードなどへの接触に注意しましょう。
- 回送時のリーニング及び、アーティキュレートは禁止されています。回送時は屈折防止のロックピンを必ず取り付けましょう。
- ブレードにサイドシャッタ装置があるグレーダーは、対向車線へのはみ出しなどに注意してください安全のために走行時はシャッタを格納してください。