モーターグレーダー
2023/01/31
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道路工事はもちろん除雪でも大活躍!除雪グレーダーについて解説
除雪グレーダーと土木工事グレーダーの違いとは
装着するブレードの長さによって3.7メートル級、4.0メートル級、4.3メートル級の3つの規格が存在しています。かつては規格に合わせた3種類の除雪グレーダーが各社より販売され、特に4.3メートル級においては高速圧雪整正機とよばれる除雪専用大型・高出力のグレーダーが、過去に国土交通省とメーカー共同で開発され、独自の進化を遂げています。
できるだけブレードに大きな押付力を与えつつ、走行性を確保するため、除雪グレーダーは土木工事用グレーダーに対し、車体重量を大きくし、かつ、やや前輪寄りの荷重配分です。
また、除雪グレーダーは、大容量電装を装備しているのも特徴です。寒冷地での始動性確保はもちろん、黄色回転灯や作業灯、標識装置などを装備し、熱線ガラス、全窓にワイバーを装備するなどのため、90〜130Aというオルタネータ(交流発電機)を装備しています。これはトラックの2〜3倍の発電容量に匹敵します。
作業機には、オペレーターの負担を減らす目的で自動制御装置が普及していますが、地面を均すことが目的である土木工事用のグレーダーの装置とは異なり、雪の下の舗装路面に凹凸や傾斜があっても、ブレードをその路面に倣わせることができます。
【除雪グレーダーの特徴】
・押し付け力を確保するために車体が大きく、前輪よりの荷重。
・寒冷地や積雪での過酷な環境で作業するため電装系が大容量。
・除雪作業に特化した自動制御装置を搭載している。
凍結防止剤の散布や除雪作業について
道路除雪は以下のような工程で行われています。
・凍結防止剤散布作業
路面の凍結を防ぐために、凍結防止剤(固形の塩や塩水などの塩分)を道路に散布しています。凍結防止剤散布作業車は、気温が下がり始める前に出動します。
・除雪作業
安全な路面状態を確保するため、前面にスノープラウ(板状の除雪装置)がついた作業車で除雪作業を行っています。また、モーターグレーダーで、スノープラウでは取り除けない固い圧雪を除去することもあります。豪雪地帯として知られる名神高速道路の関ヶ原付近では、各インターチェンジやサービスエリアに約80台の除雪車を配備し、降雪時には15分〜20分間隔の除雪作業を行います。
・排雪作業
幹線道路や高速道路の路肩にたまった雪は、ロータリ除雪車により本線の外に排雪します。ホイールローダーやダンプトラックなどで本線外に排雪することもあります。
除雪グレーダーとホイールローダー(タイヤショベル)における用途の違い
除雪グレーダーは、ホイールローダーよりも速力や機動性が劣りますが、作業範囲が大きいということが特徴です。しかし、まだ除雪していない所を通るのと、腹下の排雪板はあまり大きくないため、大量の新雪は苦手です。
新雪での走行も問題ない、ホイールローダーは大容量のバケットで排雪をすくう、押し出すなどして、運んだり、山積みにするといった作業が可能です。
除雪グレーダーでは以下の作業が行えます。
・新雪除雪
新雪除雪は圧雪に変化する前にスピーディーに行う必要があります。グレーダーは走行速度が比較的早いため効率的に作業できます。
・圧雪処理
ほぼ同じ重量配分を持っていてもトラックグレーダーや他の機械では困難な、成長した圧雪は除雪グレーダーで剥ぎ取る必要があります。
・交差点処理
作業機の動作範囲が大きく雪の流れをコントロールし易いことや、トラックなどに比べステアリング切れ角が大きく、リーニング(前タイヤを傾ける)、アーティキュレート(車体を屈折させる)を併用して小回りが効きます。
除雪グレーダーのラインナップは1名乗車が主流に
日本ではこうした2名乗車グレーダーが長らく運用されていましたが、排ガス規制の強化を受けて各メーカーは第4次排出ガス規制の対応に追われる形で、平成24年度末を最後に2名乗車の除雪グレーダーの販売を終了することとなりました。
オペレータ不足や計器、センサーの進化もあり、今日ではキャタピラージャパンやコマツ製をはじめとしたメーカーから1名乗車の新型除雪グレーダーのラインナップが揃っています。
将来的には更なる作業の効率化・容易化が進み、複合自動制御や、地球環境や騒音に配慮した環境適合性を備えた機種が発展していくと思われます。
また、建機用タイヤにはスタッドレスという規格がないので、除雪作業はタイヤにチェーンを装着しておこなっていましたが、タイヤチェーン非装着での作業を標榜としたラジアルスノータイヤが数社から発売されています。
これにより、作業時のチェーン騒音低減、回送速度の向上、チェーン交換に関する苦渋作業からの解放など利点が多く、さらに普及が進むと思われます。
除雪作業は深夜、早朝に行うため、地域住民の理解が欠かせません。一層の環境適合を推し進めることにより、地域社会との融合、雪との共存を図っていきたいですね。
グレーダーのレンタル費用はどのくらい?
建設機械のレンタル費用は季節や時期によって変動するということも念頭において検討しましょう。
モーターグレーダーのレンタル相場ですが、1日のレンタル費用は¥12,000〜15,000ほどです。月極ですと4月〜9月は約¥240,000、10月〜3月になると約¥300,000と価格が上がる傾向にあります。年契約の場合は約¥255,000が料金の目安でしょう。
【レンタルの料金相場】
1日…約¥12,000〜15,000
月極(4月〜9月)…約¥240,000
月極(10月〜3月)…約¥300,000
年契約…約¥255,000
ベースは土木工事用のグレーダーを流用しているため、構造など外見で大きな違いはありませんが、積雪や寒冷地に適応した装備が追加されていたり、除雪作業をアシストする機能があったりと、中身を見れば様々な改良が加えられていることに気が付くことでしょう。
安全性能や環境適合性、オペレーターのアシスト性能を見るなら新しいモデルを選択するのがおすすめでしょう。しかし、視点を広げると、オペレーターの後継者育成や作業性能向上など、除雪グレーダーを取り巻く環境には、まだまだ解決すべき課題が多く残されているようです。