アスファルトフィニッシャー
2023/06/13
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アスファルトフィニッシャーについて解説!中古製品情報は?運転するには?
アスファルトフィニッシャーとはどのような建設機械?中古製品情報・運転資格についても紹介
本記事では、アスファルトフィニッシャーの基本的な概要と、中古製品の情報、必要な運転資格について紹介します。
アスファルトフィニッシャーの概要・用途
道路にアスファルトを敷くことに特化した自動車であるため、普通の自動車とは違う特徴的な形状をしているので、他の建設車両とはすぐに見分けがつくでしょう。
アスファルトフィニッシャーの構造・仕組み
大型の建設機械かつ、低速で移動しながら作業を行なうアスファルトフィニッシャーは、一般的に軽油を使用するディーゼルエンジンが採用されています。
トラクタ部
トラクタ部は、アスファルトを積み込むホッパー、原動機、走行装置を有します。トラクタ部は、エンジンからの動力を油圧ポンプに供給し、走行装置や作業装置に圧力を供給します。
ホッパー
アスファルト合材をダンプトラックから受けてためておく部分で、トラクタの前方に位置しています。ホッパーの底部にはアスファルト合材を車体の後方へ送り出すコンベヤが設置されており、スクリードへアスファルト合材を送り出します。
スクリード
スクリードとはホッパから送られてきたアスファルト合材の敷きならしを行なう機械のことです。
走行装置
クローラー式
クローラ式は、走行部分にキャタピラー(履帯)を使用しているアスファルトフィニッシャーで、接地面が広く安定性した走行が可能なことが利点です。クローラー式は、主に不整地や急勾配の坂道を舗装する時に使われます。
しかし、ナンバープレートの取得ができず、公道走行をすることはできません。そのため、回送時には、運搬用のトラックが必要になります。
ホイール式
ホイール式は、タイヤで走行するアスファルトフィニッシャーのことです。クローラー式よりも機動性が高いことが最大のメリットです。
大型特殊車両としてナンバーを取得すれば一般公道を走行することもできますが、最高速度の関係上、高速道路を走行することはできません。
一般的にはホイール式の需要が高く、中古市場では「ホイール式」の在庫が「クローラー式」よりも上回っています。
アスファルトフィニッシャーでの施工の流れ
そのうち、アスファルトフィニッシャーは、「基層工事」と「表層工事」という工程で活躍します。
ここからは、基層工事と表層工事について解説します。
「基層工事」の施工
基層は、約150℃以上に加熱されたアスファルト混合物を、アスファルトフィニッシャーで路盤の上に敷きならしていきます。
その後、ローラー重機でアスファルトを均一に締め固めていきます。基層は路盤と表層の間に作られ、ここでも道路の交通荷重を均一に分散させるクッションの役割を果たします。
「表層工事」の施工
施工方法は基層工事と同じですが、材料や目的が異なります。多くの車や人が接するところであるため、「摩耗に強いこと」「水に強いこと」「平坦で滑りにくいこと」「ヒビ割れず変形しないこと」「美しく仕上がっていること」が重要です。
そのため、材料も基層工事で使用したアスファルト混合物よりも密度(粒密)の高いものを使用します。
アスファルトフィニッシャーでの施工方法
アスファルトフィニッシャーは一定速度で連続運転し、アスファルト混合物の温度を110℃以上に保ち、層同士の接着力を高めるために、タックコートと呼ばれるアスファルト乳剤を散布します。特に層間の接着力が必要な場合には、ゴム入りアスファルト乳剤を使用することもあります。
敷きならし後は、転圧機械によってアスファルトを締固め、平坦な表面を作ります。締固め作業には初期転圧、二次転圧、仕上げ転圧の順があり、初期転圧にはロードローラー、2次転圧は、タイヤローラーまたは振動ローラーを使用します。
最後に、舗装表面の温度が50℃以下になったら交通を開放します。このように、アスファルト舗装作業では温度管理や品質管理が重要であり、機械を使って効率的かつ高品質な舗装を行います。
アスファルトフィニッシャーを製造しているメーカー
アスファルトフィニッシャーのメーカーを以下にまとめました。
アスファルトフィニッシャーの国内製造メーカー
- 住友建機株式会社
- 範多機械株式会社
- 加藤製作所
- キャタピラージャパン
- コマツ
- 新潟鐵工所
- 豊田自動鐵機
- 石川島建機
- 川崎重工
- 酒井重工業
アスファルトフィニッシャーの中古価格
しかしながら,中古サイトなどの販売価格をみると、一般的な相場としては以下のようになっていることが分析できます。
【アスファルトフィニッシャーの中古価格相場】
小型機(舗装幅:1m~3m) | ¥1,000,000~5,000,000 |
中型機(舗装幅:2m~4m) | ¥5,000,000~8,000,000 |
大型機(舗装幅:5m~7m) | ¥8,000,000~15,000,000 |
これらの一覧表はあくまでも参考です。中古機械の場合、使用状態によっても価格は大きく変わりますし、販売会社によっても価格帯が異なります。
また、排ガス規制対応モデルや、整備履歴の書類が揃っているものに関してはその分価格が割高になります。
アスファルトフィニッシャーの中古製品は品薄?
使用が限定的ということは、それだけ機械の消耗ペースも抑えられるので、メンテナンスをしながら使うことによって機械は長持ちします。さらに、アスファルトフィニッシャーは、バックホーやブルドーザーと違い、機動的作動部や作業で衝撃を受ける部品がないため故障も少なく、購入されてから長い期間で運用されます。
また、国内向けのアスファルトフィニッシャーは受注生産という体制をとっているため、生産数も少ないです。
以上のことから、アスファルトフィニッシャーの中古在庫は潤っているとは言えません。
希望するスペックや状態によっては、理想的な条件に合った機械が見つからない可能性も考えられます。
アスファルトフィニッシャーの資格
そのため、公道運転に必要な免許を持っていても、操縦資格がないため舗装作業ができないという場合もあるでしょう。
ここからは、アスファルトフィニッシャーの運転に必要な免許と、スクリードの操作に必要な資格について解説します。
スファルトフィニッシャーを運転するには小型特殊免許または大型特殊免許が必要
アスファルトフィニッシャーは、後尾にスクリードという作業機を取り付けているため、特殊自動車に分類されます。特殊車両は、車体の大きさや最高時速度で必要な運転免許が変わります。
【特殊自動車の区分】
免許区分 | 運転条件 |
小型特殊免許 | 全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.8m以下、最高速度時速15m以下(農作業用は時速35km未満)、総排気量-制限なし、税金-軽自動車税 |
大型特殊免許 | 全長4.7m以上、全幅1.7m以上、全高2.8m以上、最高速度時速15km以上(農作業用は時速35km以上)、総排気量-制限なし、税金-固定資産税 |
小型特殊免許は、普通車自動車免許を取得していれば運転できる車に含まれているので、わざわざ新規で取得する必要はありません。
普通自動車免許は、小型特殊免許の上位免許に該当する運転免許です。原付バイク同様に、普通自動車免許を取得している方ならば、小型特殊自動車を運転することができます。
しかし、大型特殊免許は別途試験を受ける必要があります。
大型特殊免許を取得するには
- 年齢…満18歳以上であること
- 視力…両眼:0.7以上、片眼0.3以上(片眼の視力が0.3に満たない場合は、多眼の視力野が150以上)
- 色彩の識別ができること
- 10mの距離で90dbの警報器の音を聞き取れること(補聴器で補われた聴力も含む)
- 自動車の運転に支障を及ぼす恐れがある四肢、または体幹の障害がないこと
大型特殊免許の取得方法は、大きく分けて3種類があり、以下のような流れです。
教習所で取得する場合
一発試験で取得する場合
合宿で取得する場合
大型特殊免許取得にかかる費用はいくら?
以下で、大型特殊免許を取得するのにかかる費用の目安を紹介します。
取得方法 | 金額 |
教習所で取得する場合 | ¥80,000~¥90,000前後 |
一発試験で取得する場合 | ¥6,100円(試験を受けるのに必要な手数料のみ) |
合宿で取得する場合 | ¥100,000程度 |
普通免許を取得していない場合は、受ける教習の数が違うので費用も変わってきます。また、試験場での費用は、受験料、試験車使用料、免許書交付料を合計して¥6,000~7,000程度です。
地域によって若干の差があるので、事前に運転試験場のホームページなどで調べておくと良いでしょう。
作業用の資格
車両系建設機械とは、労働安全衛生法執行令別表第7で定められた、動力を用いて自走できる建設機械のことです。
つまり、アスファルトフィニッシャーは、トラクター部にディーゼルエンジンを搭載し、クローラ式またはホイール式で自走することが可能であるため、車両系建設機械に該当します。
ブルドーザーやパワーショベル、ホイールローダーなどの重機も同じ車両系建設機械ですが、さらに「整地・運搬・積み込み用機械」「掘削用機械」「基層工事用機械」「締固め用機械」「コンクリート打設用機械」「解体用機械」の6種類に分類されています。
アスファルトフィニッシャーは、「整地・運搬・積み込み及び掘削用」となり、以下で紹介する技能講習の受講、または資格が必要です。
車両系建設機械(整地・運搬・積み込み及び掘削用)運転技能講習
アスファルトフィニッシャーで舗装作業を行うには、機車両系建設機械(整地・運搬・積み込み用及び掘削用)運転技能講習を受講する必要があります。
「走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識」など、最大で計38時間、指定された日程で連続6日間の講習を受けることになるので、時間の確保が必要です。
受講期間が長めですが、優遇処置として大型特殊免許を取得しているなどの受講要件を満たしていれば、14時間(2日間)の講習が免除されます。
時間がない方は、先に大型特殊免許を取得した後に、技能講習を受講すると期間を短縮できるのでおすすめです。修了試験に合格することで資格を取得することができます。
科目免除の条件、講習内容については、以下をご覧ください。
特定の資格を取得していることで、一部の科目受講が免除されます。
受講資格 | 時間 |
自動車運転免許を保有せず、機械質量3トン未満の小型車両系建設機械(整地等)運転特別教育終了後に6ヵ月以上の運転経験を有する方(事業者証明が必要) | 18時間 |
つぎのいずれかに該当する方 ・大型自動車運免許保有者 ・不整地運搬車運転技能講習修了者 ・普通、準中型、中型、大型自動車いずれかの運転免許を保有し、つぎのいずれかに該当する方 ・機械質量3トン未満の小型車両系建設機械(整地等)、または(解体用)運転特別教育修了後に3ヶ月以上の運転経験を有する方(事業者証明が必要) ・機械質量1トン未満の不整地運搬車運転特別教育終了後に3ヶ月以上の運転経験を有する方(事業者証明が必要) |
18時間 |
いずれにも該当しない方 | 38時間 |
【学科】科目 | 教育時間 |
走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識 | 4時間 |
作業に関する装置の構造、取扱い及び作業方法に関する知識 | 5時間 |
運転に必要な一般事項に関する知識 | 3時間 |
関係法令 | 1時間 |
【実技】科目 | 教育時間 |
走行の操作 | 20時間 |
作業のための装置の操作 | 5時間 |
この資格の主な対象機会は、4輪駆動のホイールローダーを含むトラクタショベルやブルドーザー。ドラグショベル、スクレーパー、ドラグライン、モーター・グレーダー、スクレープ・ドーザー、クラムシェル、トレンチャー、パワーショベル、バケット掘削機、ずり積機です。
3トン以上の車両系建設機械の運転に必要な技能講習の講習項目や時間数は講習規則によって定められ、基本的には合計38時間の学科講習と実技講習が必要になります。
第2級建設機械施工技士資格
建設機械施工技士資格は、建設機械を使用した工事・施工の品質管理や安全管理に必要な国家資格です。公共事業など大きい金額の工事では、この資格を取得している施工管理や監視技術者が常駐して携わる必要があります。
建設機械施工技士資格は、等級が別れており、アスファルトフィニッシャーのスクリード操作を行うには、第2級以上の資格が必要になります。
第2級建設機械施工技士資格は、対象となる建設機械を使った施工において、運転・施工業務に携わり、対象機械の運転技術者や、一般建設業における現場の主任技術者として、施工管理を行うのに必要な資格です。
アスファルトフィニッシャーは、他の車両系建設機械と同様、道路を運転するための「免許」と、作業を行うための「資格」の取得がそれぞれ必要になります。
アスファルトフィニッシャーは、新品ですと新車ですと最低¥25,000,000以上と高価な重機ですが、中古製品ですと半額以下の価格で購入することが可能です。
しかし、アスファルトフィニッシャーの中古機械が市場に出回ることは少なく、中古建設機械販売店では在庫が品薄になっていることが多いというデメリットも理解しておきましょう。