ロードローラー
2023/04/14
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ロードローラーは全部で何種類? 各ロードローラーの役割や特徴を徹底解説
「ロードローラーは種類によって得意な作業が変わる?」
このような疑問をお持ちではないでしょうか?
ロードローラーは全部で6種類あり、それぞれに役割や特徴があるため紹介します。さらに、これほどまでに多様なロードローラーが開発された理由についても解説していきます。
この記事を読むと分かること
- ロードローラーはどのような建設機械なのか
- 種類別ロードローラーの役割と特徴
- 様々なロードローラーが開発された理由
- ロードローラーの資格は種類によって異なる?
- 中古購入でおすすめのロードローラー 最後までご覧いただくと、適材適所でロードローラーを選べるようになります。ぜひ、最後までお読みください。
ロードローラーってどんな建設機械?
道路を作る際に1番大切なことは、気象や外部の影響で変形しないことです。そのため、しっかりとロードローラーで路盤を締固める必要があります。
高速道路などが変形せずに安心して使用できるのは、ロードローラーのおかげと覚えておいてください。
種類別! ロードローラーの役割や特徴を徹底解説します
種類ごとの役割や特徴を理解すると、適材適所でロードローラーを選択できるようになります。それでは、詳しく解説していきます。
1.タンデム式ロードローラー
名前 | タンデム式ロードローラー |
車輪・ローラーの数 | 2輪 |
特徴 | ローラーの幅が広く1度に多く転圧できる |
主な役割 | コンクリートなどの仕上げ転圧作業 |
タンデム式ロードローラーは1922年に三菱造船が開発・販売したことが国内では始まりとされています。1923年に起きた関東大震災では道路整備で大いに活躍しました。
タンデム式ロードローラーの特徴は、ローラーの幅の広さです。具体的には車体と同様の幅であり、1度に広い面積を転圧できます。そのため、様々な現場でタンデム式ロードローラーは使われているのです。
タンデム式ロードローラーの主な役割としては、コンクリートやアスファルトの仕上げ転圧作業になります。
2.マカダム式ロードローラー
名前 | マカダム式ロードローラー |
車輪・ローラーの数 | 3輪 |
特徴 | 締固め性能が高い |
主な役割 | 道路工事の初期転圧、2次転圧 |
マカダム式ロードローラーも1922年に三菱造船が開発・販売したのが国内での始まりとされています。タンデム式ロードローラーと同様に関東大震災の復興を陰ながら支えました。
マカダム式ロードローラーの特徴は、締固め性能の高さです。計3輪の鉄製のローラーと重たい車体重量でしっかりと転圧をします。建設現場で最も多く活用されているロードローラーです。
マカダム式ロードローラーの主な役割としては、道路工事の初期転圧になります。道路工事では衝撃でゆがみや割れが生じないように基礎となる路盤を締固めることが非常に大切です。
ローラーに水や鉄を用いたウェイトを追加することにより、さらに自重を増やせるのも初期転圧で使用されるポイントの1つとなります。
3.タイヤ式ロードローラー
名前 | タイヤ式ロードローラー |
車輪・ローラーの数 | 様々 |
特徴 | 騒音・振動を抑えられる |
主な役割 | アスファルトなどの仕上げ転圧 |
タイヤ式ロードローラーは渡辺機械工業株式会社(現在は株式会社日立建機カミーノ)が国内で初めて開発・販売を行ったとされています。
タイヤ式ロードローラーの特徴は、ローラーの代わりにゴム製のタイヤを搭載しているため騒音・振動に配慮して施工を実施できる点です。これにより、学校や病院の近く、夜間作業などで活躍しています。
タイヤ式ロードローラーの主な役割として、滑らかなタイヤの特性を活かした仕上げ転圧作業が挙げられます。しかし、ゴム製のタイヤは適度にメンテナンスをしないとタイヤの亀裂による転圧のみだれが生じます。十分に注意しましょう。
4.コンバインド式ロードローラー
名前 | コンバインド式ロードローラー |
車輪・ローラーの数 | 3輪 |
特徴 | 幅広い転圧作業に対応可能 |
主な役割 | 初期転圧、2次転圧、仕上げ転圧 |
コンバインド式ロードローラーは1973年に川崎重工業株式会社が開発・販売をしたのが国内では始まりとされています。
コンバインド式ロードローラーの特徴は、鉄製のローラーとタイヤのメリットを活かしながら転圧を行えることです。これにより、アスファルトやコンクリートなど様々なものを転圧できます。
コンバインド式ロードローラーの主な役割として、道路工事の初期転圧から仕上げ転圧まで幅広く使用されています。
5.振動式ロードローラー
名前 | 振動式ロードローラー |
車輪・ローラーの数 | 様々 |
特徴 | 振動により自重の3倍~4倍の力で転圧可能 |
主な役割 | ダムや堤防の初期転圧、2次転圧 |
振動式ロードローラーは1973年〜1975年に国内では開発・販売がされ、マカダム式やタンデム式のロードローラーに採用されています。
振動式ロードローラーの特徴として、振動により高い転圧能力を誇ります。しかし、騒音・振動がすさまじいため、周りに建物が多い場所で使用すると苦情が入ってしまう恐れがあります。
振動式ロードローラーは道路よりも路盤をさらに締固める必要のあるダムや堤防での初期転圧や2次転圧作業で使用されます。普通のロードローラーに比べて、振動ゴムなどをしっかりとメンテナンスしなければなりません。
6.ハンドガイド式ロードローラー
名前 | ハンドガイド式ロードローラー |
車輪・ローラーの数 | なし |
特徴 | 小型で小回りが利く |
主な役割 | 狭い箇所での転圧作業、砂やれきの転圧 |
ハンドガイド式ロードローラーは1957年にBOMAG GROUP(ボーマクグループ)が初めて開発・販売したとされています。アスファルトだけでなく砂や軟弱地盤でも高い締固め能力を発揮できると瞬く間に広まりました。
ハンドガイド式ロードローラーの特徴は、小型である強みを活かして車両が入れない場所での転圧作業を行える点です。歩道部でのアスファルト舗装の転圧作業においても高い頻度で使用されています。
ハンドガイド式ロードローラーの主な役割として、砂やれきの転圧作業が挙げられます。
ロードローラーは全部で6種類! 様々な種類のロードローラーが開発された理由とは?
この記事で紹介する様々な種類のロードローラーが開発された理由は、以下の通りになります。
●高速道路新設の増加
●夜間作業の増加
それでは詳しく解説していきます。
高速道路新設の増加
ゆえに、様々な転圧作業に適したロードローラーが必要となり、効率を少しでも上げるために各種類のロードローラーが開発され流通していった背景があります。
夜間作業の増加
そのため、騒音・振動を抑えられるタイヤ式ロードローラーが多く流通するようになりました。これにより、夜間作業の効率が大幅にアップして多くの道路が新設されるようになりました。
ロードローラーの種類によって必要になる資格は変わるの?
労働安全衛生規則の第36条 10項には「締固め用機械で動力を用いて不特定多数の場所に自走できるものは特別教育を受ける必要がある」とされています。つまり、特別教育を受講して資格を取得すれば、すべての締固め用機械は運転可能ということです。
しかし、公道を走行する場合はロードローラーの大きさによって取得しなければならない資格が変わります。
公道を走行する場合はロードローラーによって必要な自動車免許が変わる
下記のいずれかの免許が必要です。
●普通免許
●小型特殊免許
●大型特殊免許
どの免許が必要になるかは、ロードローラーの大きさによって変わります。ご自身で判断が付かない場合は、購入先かリース先の会社に相談してみてください。
中古でロードローラーを購入する際におすすめの種類3選!
この記事でおすすめするロードローラーの種類は、以下の通りです。
●ハンドガイド式ロードローラー
●コンバインド式ロードローラー
●タイヤ式ロードローラー
自分の用途に合ったロードローラーを選ぶようにしてください。それでは詳しく見ていきましょう。
ハンドガイド式ロードローラー|費用も安く小回りも利く
●砂やれき、アスファルトなど様々なものを転圧できる
●小型のため置き場所に困らない
ハンドガイド式ロードローラーは、アスファルト舗装はもちろん、砂利や石の転圧作業に適しています。少しだけ敷地内をお手入れしたいときにもぴったりです。
また、ハンドガイド式ロードローラーは小型のため置き場所にも困らずに管理できるのも魅力となります。
中古価格は、相場によって変化しますが、100万円以下で購入可能なものが多いです。
コンバインド式ロードローラー|様々な用途で使用可能
●ローラーとタイヤの特性を活かし、様々な現場に対応可能
●中型サイズも多くあり、管理がしやすい
コンバインド式ロードローラーは、ローラーとタイヤの特性を活かして様々な現場に対応可能です。1台所有しているだけで、トラブルなどにも臨機応変に対応できるでしょう。
また、コンバインド式ロードローラーは中型サイズも多く流通しているため、維持・管理にそれほどコストがかからない点も魅力となります。
中古価格は、相場によって変化しますが、100万円〜200万円で購入可能なものが多いです。
タイヤ式ロードローラー|タイヤの空気圧を変えることにより多様な現場で実力を発揮
●タイヤの空気圧を変えることにより、様々な締固め圧に対応可能
●中型サイズや大型サイズなど幅広く流通している
タイヤ式ロードローラーはタイヤの空気圧を変えることにより、様々な締固め圧に対応可能です。そのため、初期転圧から仕上げ転圧に至るまで幅広い用途で活躍してくれます。
サイズに関しても中型から大型サイズまで流通しているため、自分にピッタリの1台が探しやすいです。
中古価格は、相場によって変化しますが、中型サイズは100万円〜200万円ほど。大型サイズになると500万円以上になることが多いです。