ロードローラー
2023/04/04
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ロードローラーに免許は必要? 費用や期間について徹底解説
「ロードローラーの免許を取得するように指示を受けた!」
「ロードローラーの免許を取得してキャリアアップにつなげたい!」
など、免許を取得する理由は様々だと思います。ロードローラーの免許は、1万円台で取得可能です。期間も2日間のため、そこまで負担にならないでしょう。
この記事では現役現場監督者の経験より、網羅的にロードローラーの免許について解説しています。
ぜひ、最後までお読みください。
そもそも、ロードローラーの運転には免許が必要?
以前は車両系建設機械の一部という扱いでしたが、専用の資格が設けられました。その背景には、ロードローラーによる事故が多数起きてしまったことが挙げられます。
ロードローラーは一般道路で作業を行う場合があります。ゆえに、運転者が資格保持者でないと、一般の方を巻き込んでしまう恐れがあるのです。
ロードローラーの運転には「締固め用建設機械運転特別教育」の資格が必要と覚えておいてください。次の章でさらに詳しく解説していきます。
ロードローラーの作業において必要な資格は2つある
●締固め用建設機械運転特別教育
●ロードローラーのサイズに応じた自動車免許
ロードローラーのサイズに応じた自動車免許は作業状況によって、必要か判断しなくてはなりません。
それでは、詳しく解説していきます。
締固め用建設機械運転特別教育
労働安全衛生法第59条第3項により、事業者はロードローラー等の締固め用建設機械の運転業務に作業員の方を従事させる場合、特別教育を実施させることが義務付けられています。
昔は、車両系建設機械の一部という理由から、車両系の技能講習や特別教育を実施しておけば運転できました。
しかし、ロードローラーによる事故が多数起きてしまいます。事故をこれ以上起こさせないためにも労働安全衛生法が改訂され、独立した締固め用建設機械の資格ができました。
実際に、ロードローラーの事故では大半が運転者の不注意による操作ミスが原因だとされています。
ロードローラーを無免許で運転することは法令違反です。罰則として「6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金」が科せられる可能性があります。必ず資格を取得してから作業を行うようにしてください。
ロードローラーのサイズに応じた自動車免許
ロードローラーが公道を走行するシチュエーションは以下の場合が考えられます。
●ロードローラー置き場と作業場所が離れており、移動する必要がある
●一般道路での作業で公道を走行する必要がある
また、ロードローラーで公道を走行する場合は、免許だけではなくナンバープレートも必要です。
「運転免許が必要なのは理解したけど、どの自動車免許がいるの?」と考えている方もいらっしゃると思います。
基本的には、以下のどれかの自動車免許が必要です。
●大型特殊自動車免許
●普通自動車免許
●小型特殊自動車免許
すでに普通自動車免許を取得している方は、小型特殊自動車免許を取得する必要はありません。普通自動車免許で対応可能です。
また、大型特殊自動車免許は以下のサイズのロードローラーで公道を走行する場合、必要になります。
全長 | 4.8m以上~12m以下 |
全幅 | 1.8m以上~2.5m以下 |
全高 | 2.1m以上~3.8m以下 |
繰り返しになりますが、ロードローラーの作業が道路交通法の適用範囲外になる私有地などでは必要ありません。作業開始する前に1度確認することをおすすめします。
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知っトク!
- キャタピラで移動する建設機械で公道を走行していいの?
- キャタピラ車は動きが鈍いため、公道を走行することは原則禁止されている!
「タイヤで自走できる建設機械」のみ公道を走行できると覚えておこう
ロードローラーの免許を取得するメリットとは?
①ロードローラーの免許を取得すると正しい知識で安全に運転できる
②資格を取得していると即戦力の人材になれる
③ロードローラー以外の締固め用建設機械も操作できる
ロードローラーの免許を取得するか決めかねている方は、ぜひ参考にしてください。
①ロードローラーの作業を正しい知識で安全に運転できる
締固め用建設機械専用の免許ができた背景には、事故が多発した過去があります。同じようなことを起こさないためにも、運転者1人1人が安全第一で作業を行う必要があるのです。
ロードローラーは、操作ミスが重大災害につながる建設機械になります。ゆえに、作業前点検の仕方など正しい知識を保有していることがとても大切です。
②取得している資格が豊富になり即戦力として頼りになる
現場では資格を取得している人しかできない作業が多くあります。わざわざ資格を取得させるよりも、すでに実践経験のある人材を迎え入れるほうが手間はかかりません。そのため、資格保持者は歓迎される傾向にあります。
実際に、大手求人サイトで「ロードローラー」と検索をすると、484件の求人広告が表示されました! このように、資格保持者には需要があり求人も多く出ています。
③ロードローラー以外の締固め用建設機械も操作できる
ロードローラー以外の締固め用建設機械は以下のものがあります。
●タイヤローラー
●振動ローラー
●ハンドガイド式ローラー
「締固め用建設機械特別教育」の免許には以下のような制限はありません。
●機械の種類による制限
●機械の重量による制限
免許を取得すると、すべての締固め用建設機械を操作できると覚えておいてください。
ロードローラーの免許取得に必要な情報を完全網羅! 費用や期間はどのくらい?
記載している内容は以下の通りです。
①資格取得の条件
②自動車運転免許が必要な場合の確認方法
③免許取得にかかる費用
④講習内容
⑤講習にかかる期間
①資格取得の条件
満18歳以上であれば「締固め用建設機械特別教育」を受講できます。
②運転するロードローラーのサイズから取得すべき自動車運転免許を抑えておく
●大型特殊自動車免許
●普通自動車免許
●小型特殊自動車免許
自分では判断が付かない場合は、リース元や販売元の会社に問い合わせて確認することをおすすめします。
③免許取得に必要な費用
主な建機教習所や労働基準協会の値段は以下のようになります。
場所 | 費用 |
一般社団法人 労働技能講習協会 | 10,200円(税込)テキスト代込み |
住友建機教習所 | 14,000円(税込)テキスト代込み |
コマツ教習所 | 17,000円(税込)テキスト代込み |
コベルコ教習所 | 17,000円(税込)テキスト代込み |
④締固め用建設機械運転特別教育の講習内容
●ローラーに関する知識
●運転に必要な一般事項に関する知識
●関係法令
●実技教育
「締固め用建設機械特別教育」の講習は学科と実技に分かれています。
類似の免許を取得していると免除になる講習はありません。すべて受講する必要があります。
⑤免許取得までにかかる講習期間
講習ごとの詳しい時間は以下の通りです。
講習内容 | 時間 |
ローラーに関する知識 | 4時間 |
運転に必要な一般事項に関する知識 | 1時間 |
関係法令 | 1時間 |
実技教育 | 4時間 |
ロードローラーの免許が取得できる場所の探し方を解説
まずは「自身が住んでいる地域の名前+ロードローラー免許」と検索してみてください。お住まいの家からアクセスがしやすい建機教習所や労働基準協会のHPが表示されると思います。
おすすめは労働基準協会になります。理由は、幅広い地域に存在しており、金銭面での負担が少ないためです。特にこだわりがない方は参考にしてみてください。