ロードローラー
2023/04/10
1,737
ロードローラーの重さはゾウ何頭分? 各メーカーのロードローラーの特徴と重さも徹底解説!
「街中でふとロードローラーを目にして、どのくらいの重さなのか気になった」
「ロードローラーの重さを豆知識として知っておきたい!」
このような悩みをお持ちではないでしょうか?
結論として、種類によって違いはありますがロードローラーの重さは10tほどです。しかし、10tと聞いてもピンとくる方は少ないかもしれません。
この記事では、10tという重さをイメージしやすいように「ゾウ」や「人間」など様々なものと比較してみました。それ以外にも、以下の内容を分かりやすくまとめました。
- ロードローラーが重く作られる理由
- ロードローラーの種類による重さの変化
- メーカーによるロードローラーの重さと特徴の違い
ロードローラーの重さは約10t! イメージしやすいように身近なもので比べてみました
【ゾウ】約2頭でロードローラーの重さになる
「ゾウの方が重そうじゃない?」と思うかもしれません。しかし、ロードローラーの方がアフリカゾウより重く、アフリカゾウ2頭でロードローラーと同じ約10tの重さになります!
アフリカゾウはオスが約6t、メスが約4tです。ロードローラーは、これほどまでに重い建設重機になります。
【軽自動車】約10台でロードローラーの重さになる
車の中でも、普及率約40%を誇る軽自動車とロードローラーの重さを比較します。
今回は、ホンダで開発・販売がされており、2022年に国内販売台数第1位を獲得している軽自動車「N-BOX」の重さを参考にしました。
N-BOXの重さは約1tです。つまり、軽自動車の「N-BOX」約10台でロードローラーと同じ重さになります!
ロードローラーと軽自動車は同じ車であるにも関わらず、これほどまでに重さの違いがあるのは驚きです。
【人間】約150人でロードローラーの重さになる
厚生労働省が発表している「令和元年国民健康・栄養調査報告」によると、満20歳以上の男性の平均体重は約67kgとのこと。つまり、人間が約150人集まれば、ロードローラーと同じ重さです!
ちなみに、1馬力は4人力といわれているので、ロードローラーは1台で約37馬力分の力があると分かります。とても頼りになる建設重機です。
【スーパーに売ってある5kgの米】約2,000個でロードローラーの重さになる
5kgをトンに直すと0.005tになります。つまり、5kgのお米が約2,000個でロードローラーと同じ重さです。
ただ10tと聞くよりも、このように身近なものに置き換えてみると、どれほどに重い建設重機かイメージが湧いたと思います。
ロードローラーとは? なぜ、そこまで重くする必要があるのか
ロードローラーは基本的に自重によって地面を締固めるため、それなりの重量を確保しなければなりません。道路の基盤やアスファルトが締固められていないと、車の走行による衝撃で亀裂やゆがみが生じます。
そうならないためにも、ロードローラーで確実に転圧作業を行うことが重要です。
ロードローラーの運転には「締固め用建設機械特別教育」という資格が必要
ロードローラーは、死亡事故などの重大災害につながる恐れのある建設重機です。そのため、しっかりと資格を取得した人間が運転をしなければなりません。
資格を取得せずにロードローラーを運転した場合は、罰則として「6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金」が適応される可能性があります。ゆえに、無資格での運転は絶対にしてはなりません。
ロードローラーの運転には資格が必要と覚えておいてください。
ロードローラーの種類を徹底解説! 種類によって重さは変わる?
今回紹介するロードローラーの種類は、以下の通りです。
結論として、ロードローラーの種類による重さの変化はそこまでありません。すべて約8t〜12tになります。
例外はハンドガイド式ロードローラーです。ハンドガイド式ロードローラーは自身の腕で押しながら操作するため、機械の重量は約0.5tです。
マカダム式ロードローラー
マカダム式ロードローラーは建設現場などで1番使用率が高いです。約10tの自重を活かして走行することにより、 アスファルトを締め固めて地面を平坦に仕上げていきます。
主に道路工事の初期転圧作業で使用されることが多いです。
タンデム式ロードローラー
タンデム式ロードローラーは、鉄製の車輪の幅が太いことが特徴です。そのため、広い面積を1度に転圧できます。
主にアスファルトの仕上げで使用されることが多いです。
「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース」でDIOが承太郎にロードローラーを投げるシーンが有名だと思います。あの最終決戦でDIOが使用したロードローラーの種類は、まさにタンデム式ロードローラーです!
タイヤ式ロードローラー
タイヤ式ロードローラーは重さが軽く小回りが利きます。
また、タイヤの空気圧を変えることによる重さの変化が可能です。これにより、初期転圧や2次転圧など作業に応じた締固め性能を発揮できます。
コンバインド式ロードローラー
コンバインド式ロードローラーは、鉄製の車輪を用いた効率的な転圧作業とタイヤを用いた小回りの利く操作が特徴的になります。そのため、幅広い用途で使用可能です。
1台で初期転圧から仕上げまで行える優れものが、コンバインド式ロードローラーと覚えておいてください。
ハンドガイド式ロードローラー
ハンドガイド式ロードローラーは砂やれきの転圧、少量のアスファルト復旧作業などで活躍します。小さな機体を活かし、他のロードローラーが作業できない狭い道路で使用されます。
タイヤ式ロードローラーやマカダム式ロードローラーに比べて、中古価格なども抑えられるため、人気のロードローラーです。
各メーカーから発売されているロードローラーの特徴と重さを紹介
今回はマカダム式ロードローラーを参考にしますが、メーカー様が開発していない場合は他のロードローラーで比べていきます。
株式会社日立建機カミーノのロードローラー
- 重大災害が起きないように「衝突被害軽減アシスト装置」を搭載している
- 運転席に前方と後方を確認できるモニターが設置されており、視認性が抜群
株式会社日立建機カミーノからは周囲への安全と思いやりを第一に考えたロードローラーが販売されています。
前後方の障害物を検知して、ブザー音にて警告。障害物との距離が近くなると、ブレーキが作動して自動で制御を行ってくれます。
また、運転席に前後が確認できるモニターを装備することが可能です。このカメラとモニターは2021年2月現在では、締固め用建設機械に初搭載されたものになります。
モニターを装備することにより、さらに衝突リスクを軽減。安全性と作業効率がアップすることは間違いありません。
酒井重工業株式会社のロードローラー
- ECOモードが搭載されており、燃費が最大40%向上
- 超低騒音基準値よりも、さらに5dBの騒音軽減を実現
酒井重工業株式会社からは環境に最大限配慮したロードローラーが販売されています。
ロードローラーにはECOモードが搭載されており、最大出力時は燃費を40%も向上させています。ECOモードで使用している場合は、ECOランプが点灯するため周囲からも確認がしやすいです。
また、ECOモードの際は国土交通省が発表している「低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規程」に基づいた、超低騒音基準値よりも、さらに5dB低い騒音値を実現しています。
病院や学校の近く、夜間作業でも騒音を抑えられるため、施工環境向上に役立つでしょう。その他にも、安全性や利便性、メンテナンス性にも配慮されているのが特徴的です。
住友建機株式会社のロードローラー
- 最高クラスの安全性能と環境への配慮を実現したロードローラー
- 工具箱などを置ける便利なスペースが多数用意されている
住友建機株式会社からは、優れた締固め性能と環境への配慮を両立したロードローラーが販売されています。
ロードローラーには環境対応エンジンが搭載されており、環境省が定めている「特定特殊自動車排出ガス規制法」に基づいた2014年の基準に適合。
誤操作を極力なくすように設計されたエンジン機能など、細かいところにも着目しているのが分かります。
便利な書類入れや大型の工具箱も標準搭載されているため、ストレスを感じることなく作業を行えるでしょう。
関東鉄工株式会社のロードローラー
- 運転席にマルチ液晶ディスプレイモニターが搭載されている
- ボンネットがフルオープンタイプなので、メンテナンスがしやすい
関東鉄工株式会社からは、長年の経験と技術から生まれた世界品質のロードローラーが販売されています。
ロードローラーの運転席には、マルチ液晶ディスプレイモニターが搭載されており、ロードローラーの情報や設定を一括で管理可能です。そのため、トラブルに素早く対応できます。
また、作業前点検や月次点検などでメンテナンスを行う場合、ボンネットがフルオープンタイプのため、ストレスを感じることなく快適に実施できるでしょう。
WIRTGEN GROUP(ヴィルトゲングループ)のロードローラー
- HAMM(ハム)シリーズという世界中に人気のあるロードローラー
- 幅広い車輪で高い締固め能力を誇る
WIRTGEN GROUP(ヴィルトゲングループ)は、道路建設などで国際的な事業を手掛けている企業グループです。企業はドイツやブラジル、中国などにあります。
WIRTGEN GROUP(ヴィルトゲングループ)が開発・販売しているHAMM(ハム)というオレンジ色がトレードカラーのロードローラーは世界的に人気です。日本国内でも流通しています。
HAMM(ハム)シリーズのロードローラーは、高い締固め能力が特徴的です。車輪の幅が広いことから、一気に転圧を行えるため作業効率も上がります。
操作性も優れており、誰でも直感的に操作ができるのも魅力の1つです。
BOMAG GROUP(ボーマクグループ)のロードローラー
- 高低2種類の振動を搭載しており、現場に適した締固め性能を実現
- 各所にメンテナンスが不要なパーツを搭載しており、メンテナンスの負担を軽減
BOMAG GROUP(ボーマクグループ)はドイツで道路の建設機械の開発や製造を手がけている会社です。日本国内では、コベルコ建機株式会社がBOMAG(ボーマク)製品の販売を行っています。
ロードローラーにはBOMAG(ボーマク)独自の転圧技術が搭載されており、高低のある振動を実現しています。そのため、道路や堤防に至るまで現場が求めている締固め作業に対応できているのです。
また、日常メンテナンスの負担を軽減して作業効率のアップを目標としているBOMAG(ボーマク)のロードローラーは、メンテナンス不要のパーツが各所に搭載されています。