高所作業車
2022/12/27
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高所作業車の各部名称を徹底解説! 必ず抑えておくべき言葉とは?
現場では各部名称で指示を受けることがあるため覚えておかなければいけません。
この記事では、高所作業車の各部名称を知りたい方に向けて、以下の内容をどこよりも分かりやすく解説します。
また、安全についても何に着目すればいいのか分かるため、覚えておいて損はありません。
高所作業車とは?
高所作業車とは、人が届かないような高所での作業で活躍してくれる建設重機です。
先端に付いている作業床が動力で人を乗せたまま上昇できます。
高所作業車と認められるために必要な定義は、以下の通りです。
●作業床が2m以上の高さに上昇できる
●作業床の昇降を人力ではなく、動力によって行える
●自身の力で不特定箇所に移動できる
建設業界では、高所作業は2m以上の場合を指します。
ゆえに、2m以上の高さに上昇できなければ、高所作業車とはいえません。
また、エンジンなどの動力で昇降ができることや作業箇所に自走して移動できなければ、高所作業車ではなく高所作業台という括りになります。
高所作業車の代表的な種類とは?
高所作業車は非常に便利で需要の高い建設重機です。
よって、様々な開発がされており、種類も多様にあります。
安全について理解を深めることや費用の最適化のためにも、高所作業車にはどのような種類があるか知っておく必要があります。
詳しく解説します。
トラック式高所作業車
基本的に上昇能力などが高性能なものが多く、電柱などでのインフラ整備や看板の取り付けなどでも使用されます。
トラック式高所作業車の最大のメリットは、公道を走行できる点が挙げられます。
現場での作業が終了すれば、そのまま公道を走行して帰宅できるため、毎回トラックなどで運ぶ必要がありません。
しかし、公道の走行には重量に適した自動車免許が必要になるため、注意してください。
自走式高所作業車
トラック式高所作業車と同じく、建設現場などで見かける機会が多い高所作業車です。
自走式高所作業車は2種類あります。
●ホイール式高所作業車
●クローラ式高所作業車
これらは、搭載されている自走機能に違いがあります。
ホイール式高所作業車とは、ゴムタイヤが備わっているタイプで、移動する際は滑らかに移動可能です。
クローラ式高所作業車とは、キャタピラが備わっているタイプで、不整地や凹凸が激しい現場で安定して使用できます。
自走式高所作業車は非常にコンパクトなものが多いため、小規模な現場で使用されます。
垂直昇降型高所作業車
トラック式高所作業車や自走式高所作業車が侵入できない非常に狭い箇所でも使用できることが最大のメリットです。
土木工事ではあまり使われることはなく、建築工事や倉庫での資材整理などで力を発揮しています。
価格も他の高所作業車に比べれば安価なため、家庭で使用したい方にもおすすめです。
高所作業車で必ず覚えておくべき大切な名称3選
まずは、必ず抑えておくべき各部名称を3つ厳選してお伝えします。
厳選した3つの言葉は、以下の通りです。
●アウトリガ
●安全ロープ掛け
●緊急停止装置
どれも建設業界では基本的な言葉です。必ず覚えるようにしてください。
アウトリガ
突っ張り棒をイメージすると分かりやすいです。
高所作業車などの建設重機は、車体に力がかかることによって揺れたり不安定になったりしてしまいます。
ゆえに、そのままでは重機が転倒します。
そこで、転倒防止の役割を担ってくれるのがアウトリガです。
車体から4本ニョッキと、人間の四つん這いのように設置します。
注意点として、接地面が軟弱な地盤だとアウトリガが地盤に入り込んでしまうため、固定されません。
これでは、本来の力を発揮できない状況になります。
アウトリガはクレーンやコンクリートポンプ車にも存在するため、覚えておいて損はありません。
安全ロープ掛け
これは労働安全衛生法令で定められているため、必ず守る必要があります。
実は、高所作業車には墜落制止用器具を掛ける場所があり、その部分が安全ロープ掛けです。
最新の高所作業車の中には、安全ロープ掛けに墜落制止用器具のフックがかかっていないと上昇できないものまで開発されています。
現場は安全第一で作業することが一番です。
しっかりと安全ロープ掛けを利用してください。
緊急停止装置
緊急停止装置を押すとブームやバケットなどの全ての装置を停止させられます。
実際に、緊急停止装置を活用して身の危険から自分を守った事例もあります。
高所作業車に搭乗して身の危険を感じたときの最終手段になるので、作業を開始する前に緊急停止装置の位置を抑えておいてください。
高所作業車の各部名称を徹底解説!
作業床装置
作業床 | 先端に付いている、人や荷物を載せる部分 |
バスケット | 作業床がカゴ状のもの |
バケット | 作業床が桶状のもの |
せり出し装置 | 作業床を拡張拡幅できる装置 |
平衡装置 | 作業床を水平な状態に保持する装置 |
安全ロープ掛け | 墜落制止用器具を掛けるリングの部分 |
作業床支持装置
作業床支持装置 | 作業床を支持する部分の装置全体 |
ブーム装置 | 作業床の起伏や伸縮、屈折を行う装置 |
旋回体 | ブームを支持して旋回する部分のこと |
旋回フレーム | 旋回体を構成する装置全体のこと |
旋回装置 | 旋回体を旋回させる装置 |
安全装置
安全装置 | 危険防止装置及び警報装置の総称 |
非常用ポンプ | 主ポンプの異常時に駆動するポンプ |
過積載規制装置 | 最大積載荷重を超えた場合に鳴る警報装置 |
デッドマンコントロール | 操作を不可能にする装置 |
作業範囲規制装置 | 作業範囲を超えた場合になる警報装置 |
警報装置 | 作業員に警報や合図をするための装置 |
付属装置
油圧取り出し口 | 油圧工具の油圧源供給口 |
電源取り出し口 | 電動工具などの電源供給口 |
仮腕木 | 配線工事で配線を仮置きできる装置 |
つり上げ装置 | 荷物を吊り上げる際に使用する装置 |
高所作業車を使用する前に覚えておくべき言葉
高所作業車の各部名称ではないですが、全て大切な言葉です。
今回紹介するのは、以下の3つになります。
●最大積載重量
●登板能力
●作業範囲
最大積載重量
最大積載重量とは、積載量の上限値です。
最大積載重量を超えて荷を載せてしまうと、高所作業車は本来の力を発揮できなくなります。
大変危険な状態です。
作業を開始する前に、自身が操作する高所作業車の最大積載重量を把握しておいてください。
登板能力
登坂能力が高ければ高いほど、急な斜面を登れます。
高所作業車の場合は、作業床を格納した状態で記載されていることがほとんどです。
主要諸元に必ず数値が書かれていますので、斜面が多い現場で作業をする際は、確認しておいてください。
作業範囲
作業範囲を超えた場合は、作業範囲規制装置が作動するため気づくことが可能です。
高所作業車には作業範囲を表した作業範囲図が存在しますので、1度目を通してから作業を開始してください。