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重機の冬場トラブル|冬前にやっておきたい対策について解説

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2022/12/13

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重機の冬場トラブル|冬前にやっておきたい対策について解説

1.寒さが厳しい冬場には重機トラブルや事故が多発する

重機は、基本的に寒さなどといった環境の影響を受けるものです。特にバッテリーやエンジン冷却用のクーラントには注意が必要です。

寒さが厳しい地域の環境は建設機械に負担をかけるということを理解しておきましょう。

また、建設現場において、冬になると重機の事故が多発するほか、毎年多くの死亡者を出しているのも事実です。

このようなトラブルや労働災害を防ぐためにも、建設現場における冬前の準備や対策はしっかりと講じる必要があります。

そこでこの記事では、冬季期間に起こりやすい重機のトラブルや、その対策について紹介していきます。

2.冬場にはどんな重機トラブルが発生しやすいのか

冬場の寒さは重機に様々なトラブルを引き起こすひとつの要因となります。 具体的には、バッテリーやオイル関係などは低気温による影響を受けやすく、重機の始動にも関わります。

(1)エンジンがかからないトラブルはよくある

寒い日の朝、仕事を始めようと重機に乗ったところエンジンがかからない。もしくはかかりにくい、といった経験はありませんか?

作業を進めるのに重要である重機が、いつも通りに動かないと焦ってしまいがちですが、重機の調子が悪いことには必ず原因があります。

実は、トラブルは厳しい寒さの冬場にはよくあることです。こんな時に慌ててしまわないよう自分でできる対処法を知っておくと安心でしょう。

では、どのような原因が疑われるのでしょうか?以下で解説していきます。

1-1.クーラントの凍結

クーラント(冷却水)は、エンジンを冷やす役割を担います。重機の冷却システム周りのトラブルは、エンジンのオーバーヒート(異常加熱)を引き起こすため、クーラント液の管理は重要です。

クーラントには寒冷地でも凍らないように添加剤が混入されており、その効果は濃度によって変化します。

しかし、クーラントに含まれている添加剤は、長く使っているうちに徐々に酸化・分解が進み、その効果も落ちていきます(クーラントの寿命は2年とされる)。また、蒸発もしていくので量も減ります。

クーラントが不足した際に水を補充したり、経年劣化によって性能が著しく低下しているような場合、寒冷地ではクーラントが凍結してしまうこともあります。

クーラントの凍結は、ラジエーターや冷却部品の破損にも繋がる要因となるので、冬シーズン前にはクーラントの量や濃度を確認しておくと良いでしょう。

また、冬時期には凍結に強い寒冷地用のクーラントを使用することを推奨します。

1-2.バッテリーのトラブル

バッテリーの役割は電気を蓄え、必要に応じ放出して建設機械に供給することです。

建設機械は稼働することで電力が生まれ、バッテリに充電されます。その電気はエンジン始動のモーターやライトなどの照明、エアコンなど様々な電装品に利用されます。

バッテリー(バッテリー液)は化学反応を起こすことにより、電気を充電や供給を行いますが、この化学変化は気温の影響を受けやすい性質があり、温度が低くなると化学反応が鈍くなってバッテリーの性能が下がってしまうのです。

電気を蓄える能力も低下するため、電圧が上がらずエンジンスタートに必要な最低限の電圧すら確保できず、「エンジンがかからない」というトラブルを引き起こします。

基本的にバッテリーというものは寒さに弱く、古くなるほど性能が落ちます。そのため、古くなったバッテリーを積んだまま冬を迎えるとこのような事態になりやすいです。

また一方で、外気温が低くなるとエンジンオイルが冷えて粘度が増します。これによってオイルの流動性が低下するため、エンジン始動にはその分大きなバッテリパワーが必要になります。このため、冬場はバッテリーにとって負荷が大きく、バッテリーが原因でエンジンの始動不良を起こしやすくなります。

冬前には古いバッテリーを交換し、日常的にバッテリーを点検することが基本的な対策ですが、エンジンを切って駐車している時も、バッテリーは自然放電をしています。

年末年始など長い間重機を動かさない場合でも、週1回30分程度エンジンをかけて、バッテリーを充電することで、バッテリー上がりを防げます。

バッテリーがもし上がってしまった時のために、ブースターケーブルを常備しておけば安心です。

1-3.軽油の凍結

工事現場で使用されるトラックや建設機械は、経済性、及び高出力の要求からディーゼルエンジが多く用いられていますが、ディーゼルエンジンの燃料である軽油は冬になると凍結する可能性があります。

凍結といっても、カチカチの氷になってしまうわけではなく、軽油に含まれるワックス分が低温になると分離して、ドロッとしたシャーベット状に凝固します。これが、燃料フィルターや燃料ラインを詰まらせてしまうのです。

細いパイプの中で軽油が凍って、燃料が流れなくなるので勿論エンジンはかかりません。

そのため、冬になると寒冷になる北海道や東北などの地域では、11月に入るとスタンドの軽油が冬用に変わります。

あまり知られていませんが、軽油には【特1号/1号/2号/3号/特3号】の5種類が存在し、気温に合わせて性能を変化させたものが石油会社によって生産され、地域ごとに販売されています。

基準としては、気温の高い夏季は、流動性の高い「特1号」や「1号」を、気温の低い冬季に「2号」や「3号」を、北海道の一部地域で「特3号」を販売・使用することとされています。

ディーゼルエンジンの車両、重機は、雪が降る季節の前に、冬用の軽油を入れ忘れないようにすることが大切です。

(2)スターターを回し続けてはいけない

エンジンがなかなかスタートしない時にやってしまいがちなことが、連続してスターターを回すことです。

理由は以下の通りです。

2-1.バッテリーの電圧がなくなる。

バッテリーが充電されるには、走行してオルタネーター(発電機)を回す必要があります。

そのため、セルモーターを連続して回そうとすると、バッテリーはすぐに電力を失い、たちまちバッテリー切れを起こします。

2-2.プラグが湿気ってしまう

エンジンのピストン内には、気化ガスに点火させるためにプラグというものがあります。

エンジンが、かからないからといって連続して点火を試みると、このプラグがガソリンで湿気ってしまいます。そのため点火させることがさらに難しくなってしまうのです。

まったくエンジンがかからないという場合、1時間ほど重機を放置し、その後再び始動を試みます。

2-3.ヒューズが飛ぶ

エンジン始動時にスターターを連続で回し続けることによって、規格以上の電圧が流れたためにヒューズが飛んでしまうこともあります。

また、セルモーターを連続で回し続けることは、オルターネーターの故障にも繋がり、状態を悪化させてしまいます。

(3)冬場の作業は重機事故も多い

冬場の土木作業は、積雪や凍結による転倒、スリップ。視界不良時の交通事故など、冬季特有の労働災害が多くなる季節でもあります。

これらの事故を防ぐためにも、危険度が高まる冬場は特に安全対策をとることが求められます。

3-1.重機でもスタックするときはある

雪道は、トラックを運行させるのには難しい季節でもあります。摩擦係数が低下する雪道や凍結路はトラックのコントロールが困難となることはイメージできますが、深い吹き溜まりや、除雪で集めた雪山などでは、ホイールローダーでもスタックしてしまう場合もあります。

3-2横転・転落による事故が増える

雪捨て場や積雪の多い山間部などでの作業では、重機、トラックなどの横転・転落による事故が急増しています。

転倒・転落による事故は、自身の命だけでなく付近の歩行者や作業員を巻き込んでしまう重大事故に繋がってしまう恐れもあります。

建設業界はただでさえ作業中の事故が多いです。死亡事故を減らすためには、転倒・横転などの恐れがある作業現場では、転倒保護装置(ROPS)横転時保護機構(TOPS)などの保護機構が装備されている重機を使用するなどの安全対策が重要になってきます。

3-3オペレーターや作業員の体調不良による事故

冷え込みが激しい冬場は、オペレーターや作業員も体調を崩しやすいです。また、インフルエンザも流行するので体調管理には注意が必要です。

体調不良のまま無理をして作業をしていると、判断力や体力の低下から重機の操作ミス、または重機への接触事故などにも繋がる可能性があります。

3.冬前にやっておきたい対策とは

建設業界は常に危険と隣り合わせの仕事で、冬場になるとよりいっそうの注意が必要になります。

そんな危険が伴う業界だからこそ、冬前の準備はしっかりとしておきたいものです。
そこでここでは、冬前に最低限やっておくべきことをご紹介します。

(1)基本的なことを気にかけていればトラブルの半分は防げる

ヒヤリ・ハット」をご存知でしょうか?ヒヤリ・ハットとは、突発的な事象やミスにヒヤリとしたりハッとしたりする程度の、「重大な災害や事故に至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例の認知のこと」を言います。

ヒヤリ・ハットは、結果として事故などの危難に至らなかったものであるので、ついつい見過ごされてしまいがちです。しかし、大きな事故が発生した際には、その前に多くのヒヤリ・ハットが潜んでいる恐れがあるため、ヒヤリ・ハットの事例を収集・分析し事故を予防することが望まれています。

しかし、こうした小さなミスは人為的なものが多く、日常で行うべき基本的な点検や確認を徹底していればおおよそが防げます。

1-1.日常点検の徹底

バッテリーやクーラント以外にも、足回り、稼働部のグリスアップといった点検を徹底し、重機を管理することで突発的なトラブルを限りなくゼロにすることができます。

重機に不具合などを発見した際には、速やかに業者に修理を依頼しましょう。

1-2.道具の準備

冬季では、チェーンや牽引ロープなどの車載道具を用意したり、保温性が高く滑りにくい長靴、防寒性の高い手袋などの個人レベルの準備も必要です。

1-3.危険箇所の周知

除雪や降雪時期の前に、建設現場、駐車場、出入り口などの凍結しやすい場所を確認し、作業員に周知しておくと良いでしょう。

凍結しやすい道路には融雪剤や砂などを散布して凍結防止対策をおこなったり、屋外の階段には滑り止めを取り付けるなどの処置を実施することも大切です。

(2)重機の保管方法にも注意

除雪目的で使う重機の管理の仕方がずさんだった場合、いざシーズンに動かそうとした時に「バッテリーが弱くなってセルローターが回らない」「エンジンがかからない」というトラブルが発生してしまいます。

ここでは、普段やシーズンオフ時の重機の保管方法を紹介します。

2-1.バッテリー端子のマイナスだけを外しておく

保管中にバッテリーからの放電を防止するため、マイナス側の端子を外しておきましょう。これによってバッテリーから電気が流れなくなるので、バッテリー上がりを起こす心配はありません。

2-2.燃料は満タンにする

ディーゼルエンジンの重機などは、タンク内に空間ができると空気中の湿気が水になりタンクに溜まってしまうので、保管前に燃料タンクを満タンにしておくことが大事になります。長期保管の場合には燃料コックも閉めておきましょう。

2-3.作業装置は降ろしておく

ホイールローダーのバケットや除雪車のロータリーなどの部分は降ろしておきましょう。万が一、油圧が抜けて作業装置が降りた時は事故や破損に繋がってしまいます。

まとめ|冬前にやっておきたい対策について解説

機の冬場トラブル|まとめ
ここまで、冬季に発生しがちな重機トラブルとその対策について紹介してきました。自分の現場ではきちんと対策や準備ができていますか?

冬はその特性上、雪や凍結などによるスタッグ、スリップ、横転・転倒、視界不良といった危険が発生します。

労働災害や不慮の事故を未然に防止するためには、普段からこうした準備やちょっとした気遣いが重要と言えるでしょう。

また、些細なことでも知っておくと慌てずにトラブルを防げたり対処できるものです。そのため、この記事を参考にして冬季に起こりやすいトラブルやその対処法などに対する理解を深めておくことも大切です。
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    整備・修理

    ユンボのラジエーターとは?構造・役割・トラブル原因と対策を徹底解説!

    ユンボ(油圧ショベル)は、建設現場や林業、農業などあらゆる場面で活躍する汎用性の高い重機です。ユンボが稼働する現場は過酷な環境であることが多く、その中でエンジンは高出力を維持しながら長時間稼働し続けます。そのため、エンジンには常に大きな負荷がかかり続けます。 エンジンは燃焼の過程で大量の熱を発生させるのですが、この熱を適切に処理するため、ユンボなどの建設機械には必ず備わっているのがラジエーターという部品です。 ラジエーターは自動車にも搭載されているため聞き慣れた部品名かもしれませんが、建設機械のラジエーターはより過酷な環境を前提として設計されており、日常的なメンテナンスが特に重要になります。 本記事では、ラジエーターの基本的な役割から構造、発生しやすいトラブルの要因、そして長寿命化のために実践すべき管理方法までを、詳しく解説していきます。 この記事でわかること ユンボのラジエーターの役割と構造・仕組み 発生しやすいトラブル メンテナンスのポイント 目次 ラジエーターとは?|ユンボにおける冷却装置の役割 ユンボのラジエーター構造|簡単な仕組み解説 よくあるラジエータートラブルと原因 【動画で説明】誰でもできる、重機のオーバーヒート対策! ラジエーターのメンテナンス方法 各消耗パーツの交換目安は? まとめ.ラジエーター管理でユンボの寿命が変わる ラジエーターとは?|ユンボにおける冷却装置の役割 普通免許をお持ちで自家用車を運転する方であれば、ラジエーターという名称は聞いたことがあるかと思います。最初にラジエーターの果たす基本的な役割を理解しておきましょう。 エンジンの熱を冷却する役割 エンジンは燃料を燃焼させて回転力を生み出す仕組みであり、その過程で大量の熱を帯びます。ラジエーターは、自動車や重機に搭載される放熱器のことであり、エンジンの発熱を効率よく空気中へ逃がしてエンジンを冷却する役割を担っています。 特に、ユンボのような油圧ポンプを駆動し続ける重機は、自動車以上に発生する熱量が多く、エンジンへの負担も大きいです。 エンジンが高温状態のまま放置されると、燃焼効率が悪化し、出力が低下するだけでなく、金属部品が膨張して摩耗や焼き付きが発生する可能性があります。最悪の場合、オーバーヒートでエンジンが完全に故障し、多額の修理費用や機械の長期不稼働が発生することにもなりかねません。 ラジエーターの仕組み ラジエーターは、オーバーヒートなどの危険を防ぐために、冷却水と呼ばれるクーラントを循環させ、熱を外部へ放出します(水冷式)。 エンジン内部を通ったクーラントは高温になり、ラジエーターへ送られます。そして、走行風や冷却ファンの風を受けて冷やされ、再びエンジンへ戻るという循環を繰り返します。この一連のサイクルが正常に働くことで、エンジン温度は常に適正な範囲に保たれ、安定した出力と耐久性が維持される仕組みです。 定期的な点検が必要 ユンボの作業現場は、粉じんや泥水、極端な高温や低温といった過酷な環境が日常的です。そのためラジエーターが詰まったり、冷却液が劣化・減少したりすると、すぐにオーバーヒートや性能低下が起こりやすくなります。つまり、ラジエーターは単なる補助的な部品ではなく、ユンボ全体の稼働を支える生命線といえる装置です。 ユンボのラジエーター構造|簡単な仕組み解説 ユンボのラジエーター構造は、基本的に自動車用と同じ仕組みで設計されています。ラジエーターの内部構造を理解することで、なぜメンテナンスが欠かせないのかがより鮮明になります。 リザーバータンク クーラントの量を調整するための、いわば補助タンクです。冷却水は温度変化によって膨張・収縮するため、その変化分を一時的に受け止めたり、必要に応じて戻したりすることで冷却系の安定を維持しています。タンクは半透明の樹脂製で、外からクーラント量を目視できるのが特徴です。 アッパータンク アッパータンクはラジエーター上部にあり、エンジンから戻ってきた高温のクーラントが最初に流れ込む部分です。ここからラジエーターコアに送り込まれます。 コア(冷却フィン) コアはラジエーターの中心部で、薄い金属管とそれを囲むフィンが組み合わさって構成されています。金属管をクーラントが通過する際に、冷却ファンや走行風と熱交換を行い、エンジンの熱を帯びたクーラントを冷却します。建設現場では粉じんや泥が付着しやすく、フィンが詰まると冷却効率が大幅に低下するため、定期的な清掃が不可欠となります。 ロアータンク ロアータンクはラジエーター下部にあるタンクで、コアを通過して冷却されたクーラントを集める場所です。その後、このタンクからエンジンへと冷却液が送り返され、再び循環が始まります。アッパータンクと同様に常に温度変化や圧力にさらされるため、劣化やひび割れが起きると冷却水漏れにつながります。 ラジエーターホース(アッパーホース・ロアーホース) アッパーホースとロアーホースは、エンジンとラジエーターを繋いでいます。高温に耐えるゴム製で柔軟性があるものの、経年劣化によりひび割れや硬化が進むと、冷却水漏れや破裂がよく見られるため定期的な点検が必要です。 冷却ファン ユンボは自動車のように走行風を得られないため、冷却ファンが冷風を発生させ冷却します。エンジン直結型のベルト駆動ファンや、温度に応じて回転を制御する電動ファン、油圧で駆動するタイプなどがあり、エンジンの冷却に欠かせません。ファンが故障すると空気の流れが止まり、短時間でオーバーヒートにつながるため要注意です。 ラジエーターキャップ ラジエーターキャップは、内部にスプリングと弁が組み込まれており、ラジエーター内の圧力を調整します。ラジエータの内部に一定以上の圧力がかかると、クーラントをリザーバータンクへ逃がし、逆にエンジン停止後に温度が下がって負圧になると、リザーバータンクからラジエーターへクーラントが吸い戻され、循環量が常に一定に保たれます。 このように、ラジエーターは複数の部品が連携して成り立っており、どれか一つでも不具合が起きれば冷却性能が大きく低下してしまいます。そのため、各部品の役割を理解したうえで点検・メンテナンスを行うことが、ユンボの長寿命化につながります。 よくあるラジエータートラブルと原因 ラジエーターは過酷な環境下で稼働するため、重機を長く使用しているとさまざまなトラブルが生じやすいです。ここでは、代表的な症状と原因を見ていきましょう。 オーバーヒート オーバーヒートは、冷却水の不足やラジエーターフィンの目詰まりで発生しやすいトラブルであり、エンジンにとっては致命的です。また、冷却ファンの故障やサーモスタットの不具合もオーバーヒートの要因になります。特に油圧ショベルのように長時間アイドリングや重負荷作業を行う機械は、常にオーバーヒートのリスクにさらされています。 クーラント漏れ ラジエーターホースの劣化、キャップの不良、コアの亀裂などが原因でクーラント漏れが発生します。特に、ラジエーターホースはゴム製で柔軟性がある一方、熱や振動によって徐々に劣化し、ひび割れや硬化を起こします。 その結果、冷却液が徐々に外部へ漏れ出すことがあります。また、ホース接続部の緩みもクーラント漏れの原因になります。液漏れは初期段階では気づきにくく、放置すると一気に液量が不足してオーバーヒートを招くため、小さな漏れでも早期発見と修理が欠かせません。 冷却効果の低下 クーラントには「防錆剤」「消泡剤」などの添加剤が含まれており、ラジエーターやエンジン内部を錆や腐食から守る働きがあります。しかし、長期間交換せずに使用し続けるとこれらの成分が分解・消耗し、性能が低下します。その結果、ラジエーター内部に錆が発生したり、キャビテーションという現象が起こります。 キャビテーションとは、冷却水中で発生した気泡が金属表面に衝突し続けて微細な破壊を繰り返す現象であり、やがて金属に小さな穴が空くほどの損傷を与えます。冷却液の劣化を軽視すると、ラジエーターやエンジンの寿命を著しく縮めてしまうこともあるので注意しましょう。 ラジエーターキャップ不良 ラジエーターキャップは単なる蓋と思われがちです。ところが、実際には内部の圧力を調整する安全弁の役割を果たしています。通常の場合、キャップが正常に作動していれば、内部は加圧され、クーラントの沸点は100℃に上がり、高負荷でエンジンが熱を持っても蒸発せずに安定した冷却が行えます。 しかし、キャップのゴムパッキンが劣化すると圧力調整ができなくなり、冷却水が早く沸騰しやすくなります。その結果、冷却回路に気泡が発生して熱交換効率が低下し、オーバーヒートを繰り返す原因になってしまうのです。 【動画で説明】誰でもできる、重機のオーバーヒート対策! 「重機のオーバーヒート」の原因と、自分でもできる簡単な対策を紹介します! ラジエーターのメンテナンス方法 ラジエーターは消耗部品の集合体であり、適切なメンテナンスが寿命を大きく左右します。現場で実践できる基本的なメンテナンス方法をご紹介します。 冷却液(クーラント)の管理と定期交換 ラジエーターの管理でもっとも基本的で重要なのが冷却液の管理です。冷却水の液量は定期的に確認し、減っている場合はその都度補充する必要があります。 メーカーが指定する周期で交換することが重要です。水道水を補充すると内部にサビやスケールが発生するため、必ずメーカー規定のクーラントを使用しましょう。 ラジエーターコアの清掃 ラジエーターコアは冷却効率の要ですが、ユンボの稼働環境は粉じんや土埃が舞う現場がほとんどです。放置するとフィンに汚れが詰まり、空気の流れが阻害されることで放熱性能が一気に低下します。これは、オーバーヒートの要因となるので注意が必要です。 清掃にはエアブローや水洗いが有効ですが、フィンは繊細です。高圧で吹き付けると簡単に曲がり、逆に熱交換効率を落とすリスクがあります。そのため、弱めの圧力で外側から丁寧に掃除することがポイントです。定期的に清掃を行うことで、ラジエーター本来の性能を維持し、無用なトラブルを防げます。 フィルターや補助装置の活用 一部のメーカーでは、ラジエーターの吸気側に清掃可能なフィルターが装備されている場合があります。代表的なのはコベルコ建機の「iNDrフィルタ」で、簡単に取り外して清掃できる設計になっています。 フィルターを定期的に清掃しておけば、コア本体が目詰まりするのを防ぎ、作業効率を落とさずに済みます。ユンボは現場で長時間使われる機械であるからこそ、こうした補助装置を活用することでメンテナンス負担を大きく減らせます。結果的に、稼働率の向上や機械寿命の延長に直結します。 ラジエーターホース ラジエーターホースは劣化しやすいという弱点があります。重機を長期使用している、または中古ユンボの場合は、硬化や亀裂、キャップのシール不良などの不具合が生じている可能性があるので注意が必要です。表面のひび割れや硬化が進むと、クーラント漏れの原因となるため、定期的に確認し早めに交換することをおすすめします。 特に注意したいのはホースの接続部です。金属との境目は負担がかかりやすく、劣化や締め付け不良によって滲みが発生するケースが少なくありません。外観チェックの際には、ホース全体だけでなく接続部の湿り気や変色も点検時のチェックポイントになります。 ラジエーターキャップ ラジエーターキャップの点検・交換は、現場でも軽視されがちですが、実は冷却系統の圧力をコントロールする安全弁としての重要な役割があります。しかし、キャップ内部のゴムパッキンは熱や経年劣化に弱いです。 ひび割れや硬化が進むと圧力を保てなくなり、冷却水が沸点に達しやすくなってしまいます。その結果、オーバーヒートのリスクは一気に高くなります。キャップ自体は決して高価な部品ではなく、交換作業も難しくありません。 だからこそ、劣化に気づいたときに交換するのではなく、定期点検で積極的に状態を確認し、少しでも異常に気づいたら早めに交換することをおすすめします。 冷却ファンの作動確認 冷却ファンはクーラントの冷却を維持するために重要な部品です。ベルト駆動式のファンの場合、まずはベルトの張り具合や摩耗を注視するべきです。張りが緩むとファンの回転数が落ち、冷却不足に直結します。 最近は電動式や油圧駆動式のファンも増えていますが、これらもモーターや油圧ラインに不具合があれば、十分な風を生み出せなくなる可能性があります。作業中の異音や回転不良は、早期のサインと捉えるべきです。 特に、見落としがちなのがファンブレードそのものです。泥や粉じんが付着するとバランスが崩れ、異音や振動の原因になります。放置せず、定期的に清掃して常にスムーズな風を送り込める状態を保つことが、ユンボのオーバーヒートを未然に防ぐための基本予防になります。 各消耗パーツの交換目安は? ラジエーターまわりの部品は、見た目に大きな変化がなくても確実に劣化が進んでいる場合があります。そのため、定期的な交換をすることで寿命を延ばすことができます。 クーラント(冷却水) まず、基本となるのがクーラントです。防錆や消泡といった添加剤の効果は時間とともに薄れていくため、おおよそ2年に1回の交換が理想です。ただし、粉じんの多い現場や高負荷の作業環境では、それより短いサイクルで交換するのが安心でしょう。 ラジエーターホース・ラジエーターキャップ ラジエーターホースやラジエーターキャップの内部はゴム製品であるが故に、経年劣化が少しずつ進みます。目安としては3〜5年での交換が推奨されますが、早めの点検で異常を見つけておくことが大切です。 ラジエーターコア本体 ラジエーターコアは、定期的なメンテナンスをしっかり行っていても、10年以上使用すると内部の腐食や詰まりが目立ち始めます。放熱性能の低下を感じたら、思い切って交換を検討するのが賢明です。まだ動いているから大丈夫だと過信せず、故障する前に手を打つ予防的な整備こそが、ユンボの冷却系統を長持ちさせる最大のポイントと言えるでしょう。 まとめ.ラジエーター管理でユンボの寿命が変わる ラジエーターはユンボの冷却系統を担当する重要な存在です。冷却液管理や清掃、部品点検を怠らなければ、寿命は大きく延び、現場の稼働率も安定します。 ←トクワールドでは高品質な【ユンボのパーツ】を多数取り揃えております!

    #バックホー#ユンボ

    2025/10/07

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