ホイールローダー
2022/10/21
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除雪シーズン前に!ホイールローダーの操作方法や免許について解説
ホイールローダーの運転・操作方法は難しい?
油圧駆動により操作することができますが、ハンドルのキレ角と実際の舵の切れ角は一致しないので、最初は運転に戸惑う方が大半かと思いますが操作方法などを理解し、慣れてくれば非常に楽です。
この「中折れ式」の構造は、狭い場所での作業性に優れていますが、四輪駆動と丈夫なタイヤを履いているため、不整地や軟弱地盤、急斜面での走行能力も兼ね備えています。
そこでこの記事では、掘削や積み込み、除雪作業などで活躍するホイールローダーの操作方法やコツを紹介します。
ホイールローダーに必要な資格・免許についてまずはおさらい
機体質量3トン未満のホイールローダーで作業するには、「小型車両系建設機械(整地・運搬・積み込み用及び掘削用)の運転の業務に係る特別教育」を受講する必要があります。こちらは、学科と実技教習があり、計13時間(2日間)の講習を受けることで資格を取得できます。
機械質量が3トンを超えるホイールローダーで作業するには、「車両系建設機械(整地・運搬・積み込み用及び掘削用)運転技能講習」を受講する必要があります。特定の資格を保有していることで受講時間の免除がありますが、最大で38時間(6日間)の講習を受け、修了試験に合格することで資格を取得することができます。
公道をホイールローダーで走行するためには、小型特殊免許、または大型特殊免許が必要となります。運転するホイールローダーによって、細かく分類されていますので、自分が使用するホイールローダーのスペックなどに注意しましょう。
ホイールローダーを操作するコツは?
これらの機械性能をフルに発揮して仕事に役立てるためには、適切な運転・操作を含めたオペレーションを行うことが大切です。
まずは、ホイールローダーを適切に扱うために理解すべきポイントを3つに分けて紹介します。
ホイールローダーの特徴を理解する
しかし、牽引力を利用して行なっている掘削作業は、路面状況によって影響を受けやすいという側面があります。
自分が運転しやすいポジションを見つける
無理な運転姿勢では操作が難しくなり、疲労感が増す原因にもなります。生産性や安全性が低下してしまうので、操作ポジションもベストコンディションで運転するように心がけましょう。
硬く平坦な積み込みフロアを確保
例えば、障害物や凹凸、急坂など、機械の機動を制限したり操作を不利にする要素がある場合は、作業効率や安全性が低下してしまい作業進捗に影響してしまうこともあるでしょう。積み込みフロアが不安定な場合、通常は作業前に一度整地を行います。
ホイールローダーによる積み込み方法
ホイールローダーによる積み込み作業では、土やなどの積載物をすくったホイールローダーが、バケットを抱え上げ、その直下にダンプの荷台部分を入れてもらいます。ダンプの荷台がバケットの真下に入ったところで、ホイールローダはバケットをゆっくりと下向きにして、積載物を荷台に落とします。
タイヤショベルによる積み込み作業をより効率よくおこなうには、適したホイールーダーとダンプの組み合わせを選びましょう。目安としてホイールローダーとダンプは、通常は4回の積み込みでダンプが満杯になる組み合わせが適しているとされています。
また、積み込み作業時のホイールローダー、ダンプ、土砂の山の位置関係やタイヤショベルとダンプの基本となる動作パターンは代表的な例がいくつかあります。
Vシェイプローディング | ホイールローダーが、積載物である土砂・砂利・雪などの山とダンプトラックに対して「Vの字」の軌跡を描くように移動し、積み込み作業をおこなう方法です。 |
クロスドライブローディング | ホイールローダーの軌跡が横線、ダンプトラックの軌跡は縦線の「T字」になるように、それぞれの位置取りと移動を行う積み込み方法です。 |
クロスローディング | ホイールローダーが1杯積むごとにダンプトラックが前後に移動する積み込み方法です。積み込み杯数が少ない場合、ダンプトラックの出入りが容易な場合に有効です。 |
パスローディング | 2台以上のホイールローダーが交互に積み込みを行う(クロスローディング)方法です。ダンプトラックはバケットの前で一時停止するだけで、積み込みが完了次第通過します。時間当たり作業量が最も大きく、運搬量が多い現場に有効です。 |
一般的には、ホイールローダーとダンプトラックの合計燃料消費量が最も少ないVシフトローディングが推奨されています。状況や作業指示に応じてこれらの積み込み方法をうまく活用しましょう。
ホイールローダーでの掘削について
そして、抵抗を最小に抑えながら効率的に荷をすくうために、材料が突出している部分をつねに狙って進入するのがコツです。
掘削の進入時ですが、ホイールローダーの掘削には牽引力が必要なため1速に減速しておこなうことが大切です。また、加速したままの状態で材料に衝突していくと車両に大きな衝撃と負荷がかかり、機械寿命を短くする原因になります。
掘削時はエンジン出力を最大に活用して短時間でおこなうようにしましょう。オペレーターの熟練具合にもよるところですが、大型機による掘削時間は12秒以下が目安です。掘削は、牽引力と作業装置のリフト力を併用しており、機械にとって高負荷な作業です。掘削に時間をかけ過ぎるとトランスミッションオイルがオーバーヒートしてしまうこともあるので、機械の故障リスクを低減するためにも迅速な作業を心がけましょう。
ホイールロダーでの積み込みについて
積み込みをスームーズに行うポイントは、バケットの高さとダンプの荷台との距離を正確に掴むことです。そのためには、リフト上げの速度やローターの前進速度をうまく合わせなければなりません。
掘削から積み込みまでのアプローチが長いと、燃料を無駄に消費してしまうので注意しましょう。
ダンプトラックに土や砂利などを積載する時には、重量が片側に集中しないよう荷台の中心へ載せましょう。積荷が片荷の状態ですとサスペンションの故障やタイヤの摩耗を招くだけでなく、カーブ時の横転事故にも繋がります。
ホイールローダーでの除雪方法・注意点
除雪時のコツは、バケットを少し上向きにして、アームを一番下げた位置から、バケットをゆっくり上げて水平を保つことです。この状態であれば、凹凸を作らず除雪することが可能になります。アームを持ち上げて雪を削るようなイメージで除雪をしていく感覚を掴みましょう。
雪道での運転時は、急発進、急加速や急ブレーキ、急ハンドルは禁止です。スリップ事故を防ぐために一定のスピードを保ちながら運転してください。また、雪を押しながらハンドルを切ると、雪の抵抗に負けて車体が思わぬ方向に流されたり、スリップ事故などに繋がったりするので注意しましょう。
早朝や夜間は作業灯などの灯火設備を点灯させ、周囲の状況には一層気を配って作業することが大切になります。
排雪作業時は、地面に沿った形で除雪を行いながらゆるい坂を作るようにして、山にならないように排雪しましょう。どうしても山が高くなったら、山を崩していく必要があります。
また、排雪のときなどにアームを高く上げすぎたり、高い位置から雪を落とすことは避けましょう。トラックの荷台を傷めることや、事故の原因にも繋がりかねません。
ホイールローダーでの除雪時における注意点は、バケットのツメを立てすぎないことが最初に挙げられるかと思います。除雪時にバケットの爪を立て過ぎると、路面を削ってしまい賠償沙汰になる可能性もあります。また、前のめりになり前輪の動力が伝わらなくなってしまいます。
そして、除雪時は前輪を浮かせないように注意してください。前輪を浮かせた状態で除雪をおこなうと、ハンドルが効かなくなり事故が発生してしまう危険性や、アーム部分に負荷がかかってしまうので、車両の故障にもつながります。
除雪の手順
まとめ
また、ホイールローダーで材料をダンプトラックの荷台へ積み込む際には、ドライバー同士の連携も必要です。事故防止のためにも作業前にはダンプの運転手と打ち合わせをおこなうと良いでしょう。
大きな力を発揮するホイールローダですが、無理な使い方をするとローダーの各部やバケットも損傷するほか、路面の舗装も傷めてしまいます。無理せず効率良く作業しましょう。