ホイールローダー
2021/10/12
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除雪作業の心強い味方 ホイールローダー(タイヤショベル)とは?
寒さと共にやって来る、頼んでもいないのにやって来る
涼しくて快適な季節の訪れは大変喜ばしいものですが、それと共にある厄介ごとが近づいてきていることに、思わずため息をついてしまう方もいらっしゃるかも知れません。
お気づきの通り、冬の到来と共にやって来る雪についてです。
予防ができない訳ではないけれど
雪が積もって地面を覆ってしまっては人の往来すらできなくなってしまうので、降雪のたびに、人々は皆否が応でもその対処に追われることになってしまいます。
当然それに対しての予防策として、消雪パイプやロードヒーティングを設置して積雪を未然に防ぐ手段があります。
このような加工を施してある場所であれば安心かと思いきや、消雪パイプは厳冬期には凍結してしまう可能性が高く、ヒートパイプのよるロードヒーティングはコストがかかる上に、そのどちらも敷設された範囲でしか効果が望めないなど、あちらが立てばこちらが立たず、全てそれ任せとはいかないのが悩ましいものです。
やっぱり最後は人力で?
人力での作業ほど柔軟で即効性のある除雪方法はないのですが、それでは取り除ける雪の量にも限界がある上に、寒く足を滑らせやすい環境で体を動かすことは、常にケガなどのリスクと隣り合わせということでもあるので、極力遠ざけたいものでもあります。
そこで人に代わり問題を解決してくれるのがホイールローダーです。
除雪作業なら除雪車にお任せ
ホイールローダーは悪路でも難なく走る全輪駆動車であり、整地・不整地問わず除雪作業が可能です。また、車体が前後で分割されている構造ゆえに見かけ以上に小回りが利くので、狭いヤードや駐車場であっても活躍してくれます。
標準のアタッチメントではバケットが付いており、積込・排雪はもちろんエッジを使って圧雪を削ぐ・地面を均すといった一通りの作業が可能です。
更にナンバーを取得して公道を走行できるようにすれば、私有地外でも活躍が見込めるようになります。
どんな機械も一長一短?
しかしどちらも雪を押しのけることはできても掬い上げる動作はできないので、指定の場所に雪を積み込むことが苦手なのが難点です。
なんでもできる便利な重機
これらの点を踏まえると、ホイールローダーは場所や条件を問わず、どのような環境でも活躍できる万能選手だということがわかります。
スノータイヤやチェーンがあればその評価が更に盤石なものになるのは間違いないでしょう。
*スノーブレード(スノープラウ・除雪ブレード・除雪板・排雪板など)とは
アングリングプラウ
一見するとホイールローダーのアーム先に固定してあるように見えますが、裏側をのぞいてみると、アーム先辺りから板の端の間にシリンダーが取り付けてあるのがわかります。
これを伸び縮みさせて角度を付けることで、車両の右側・左側その時の状況に応じて雪を指定の方向に寄せ集めることができます。
もちろん角度を付けずに、進行方向に向かって雪を押し出すことも可能です。
サイドスライドアングリングプラウ
アングル角操作に加えて、板を左右にスライドさせる機能を持たせることで、進入が難しい位置にある雪の除去や、進路上にある障害物を避けながらの作業を可能にしています。
マルチプラウ(汎用プラウ)
真ん中を境に、左右に分かれたスノープラウです。
それぞれ個別に角度を変えることが出来るので、アングリングプラウ同様に片側に向けて雪を押し退けることは勿論のこと、V字型にして両側に排雪したり、U時型にして雪を寄せ集めたりと、色々な作業を一台の車両でこなせるようになります