中古建設機械情報・ニュース【トクワールド】のSF感溢れる重機「カニクレーン」とは

中古重機買取 新車建機販売 建設機械 ユンボ ホイールローダー ブルドーザー トラック ラフタークレーン フォークリフト 環境機械 新品中古アタッチメント・パーツ 修理・輸出・リース 東海地区No.1

  1. TOP
  2. BLOG
  3. クレーン
  4. SF感溢れる重機「カニクレーン」とは
SF感溢れる重機「カニクレーン」とは

クレーン

2022/09/21

6,807

SF感溢れる重機「カニクレーン」とは

カニクレーンとは?

カニクレーンは、開発元である前田製作所にて、「かにクレーン」の商品名で登録されている製品です。4本のアウトリガーを展開させ車体を支えている姿がカニのように見えることから「カニクレーン」の名称で呼ばれています。

まるで4足歩行メカのようにも思えるフォルムですが、脚部にでも見えるアウトリガーは、クレーン作業中に車体を支えるもので、カニクレーン自体の移動方式は歩行ではなく、足回りのクローラーで行います。

カニクレーンは、主に工場や屋内といった狭所でのクレーン作業で活用されるミニクローラークレーンです。ゴムクローラーで移動する小型移動式クレーンの一種なので、運転および作業には「小型移動式クレーンの技能講習修了証」と「玉掛技能講習修了証」の資格が必要になります。この記事ではカニクレーンの特徴・用途・種類について紹介します。

カニクレーンの特徴

カニクレーンはカニの姿に似ていること以外にも、大きな特徴が3つあります。

特徴その1:あらゆる地形での作業が可能
ミニクローラクレーンであるカニクレーンは、走行装置にゴム製の履帯(ゴムクローラー)を用いています。履帯は接地面積が広く、接地圧が小さいという特性を持つことから、地盤が柔らかい場所や舗装されていない路盤上での作業に用いられる建設機械のほとんどに採用されています。また、ゴム製なので、舗装路面上でも移動ができるというメリットもあります。

しかし、クレーン関係法令によると、移動式クレーンの転倒を防止するため「地面が軟弱な場所等では、原則として移動式クレーンの使用は禁止」とされています。ただし、転倒を防止するために必要な広さ及び強度を有する鉄板等を敷いた場合は使用できるなどのルールが明記されています。

また、カニクレーンを使用する際は、製品に表示されている最大吊り上げ荷重を超えて利用すると転倒事故などに繋がってしまうので、法令を遵守し、メーカーの定める範囲内で利用してください。

特徴その2:コンパクトな設計・特殊なアウトリガー
カニクレーンは走行時の外型寸法がコンパクトに設計されており、一般的なもので走行姿勢では全幅が800mm程度です。走行姿勢では4本のアウトリガーは格納されていますが、クレーン作業時に展開します。

そのため、廊下や室内の移動も可能です。また、クレーン設置場所の広さに応じてアウトリガーの張り出し長さを選択できるほか、段差、障害物を避けて張り出しの角度も調整して設置することができます。

カニクレーンのアウトリガーは特殊な形状で、カニ足のようにアウトリガーを出します。アウトリガーの形状がクモにも似ているため、クモクレーンと呼ばれることもあるようで、英語ではSpider Craneと訳されます。

特徴その3:輸送性の高さとヘリコプターでの空輸性
コンパクトで輸送性の高いカニクレーンはトラックの荷台に省スペースで積載でき、1.2tクラスの小型カニクレーンの場合、標準キャブ2tロング車に横積み可能。荷台スペースを大きく活用できます。

また、大型のカニクレーンは「分割仕様」になっている製品が多く、搬入困難地である工事現場で重宝されます。分割仕様は、アウトリガーやブーム、足回りなど、部分ごとに分割できるカニクレーンのことで、索道やヘリコプターによる運搬が可能です。

特に、大型車両や機材が進入できない山岳地帯や鉄塔設置などの現場では、ヘリコプターで各パーツを懸吊して山頂まで運び、現地で組み立てて使用することもできます。

カニクレーンの用途

カニクレーンは当初、通路が狭い日本のお墓において、墓石を立てる機械として開発されました。現在では世界でも墓石、庭石、石碑の据付作業などに使われ、コンパクトなミニクローラーという特性から、建物内や狭所での作業にも多く利用されています。

ビル建設では、建物内部や屋上での鉄筋据え付け作業、鉄塔の基礎工事なども行い、美術館や中庭などでの美術品据付作業に使用されることもあるようです。

カニクレーンはゴムクローラーなので、舗装された場所や未舗装の地面でも利用できます。前田製作所のカニクレーン稼働事例によると、空港、駅構内、ダム建設現場など公共工事での建設資材や型枠の吊作業や、住宅建設など幅広い用途で活用されているようです。

カニクレーンの種類

カニクレーンは定格重量が5トン以下のミニクローラークレーンであり、2.9トン以下のものでは運転席を備えず、機械に合わせて歩行しながらレバーで運転するタイプが多いです。機械質量4.0トンクラスのカニクレーンになると吊り上げ能力などのほかに、組立・分解性とヘリコプターに懸吊して空輸できる輸送性に優れていることが要求されます。

現在国内で主流なカニクレーンメーカーは、前田製作所と古河ユニックの2社です。グリーン塗装が特徴のカニクレーンは前田製作所の製品です。低騒音な電動仕様のカニクレーンを展開しています。

一方、古川ユニックでは赤い塗装のカニクレーンが「ミニ・クローラークレーン」の製品名で開発・製造・販売されています。1.2tクラスの小型カニクレーンから、最大2.93t×3.9mの7段ブームを備えたものなど、豊富な種類の製品のラインナップが特徴です。

では、2社のカニクレーンをタイプ別に解説していきます。

通路、部屋内の移動におすすめの1.2〜1.7トンクラス
このクラスは格納幅がわずか60cn程なので、通常のドアからの搬入はもちろん、建設用のエレベーターへの積載も可能です。狭い直角通路も走行でき活躍の幅が広がります。

狭所で効率的なクレーン作業を実現できる2.0〜2.5tクラス
重機やトラックの通れない狭い道路や、現場内の細い通路、カーブの多い通路で使いやすく、このクラスでは5段ブームが主流です。張り出しパターンが増え、より効率の良いクレーン作業が行えます。

建設・土木のスタンダードである3.8~4.0トンクラス
このクラスのカニクレーンは乗車タイプで、長時間作業に向いています。また、分解仕様や自動分解仕様の製品が多く、索道・ヘリコプターでの運搬が可能です。油圧配管の接合や分解時も便利なワンタッチカプラーを採用しており、分解・組み立ての省力化が施されています。

広大な作業範囲を誇る5.0トンクラス
大型展示物や鉄骨、コンクリート製品などの重量物の吊り上げも可能なクラスです。安全機能などの装備も充実しており、クレーン容量やブーム範囲が大きいことから広い場所や屋上、屋外での作業が主流になります。

まとめ

カニクレーンとは?|まとめ
アウトリガーを広げた姿がカニに似ていることからカニクレーンと呼ばれている建設機械ですが、脚を畳むと非常にコンパクトになります。運輸性にも優れていることから、トラックや通常のクレーンが入れない狭い場所、建物内などの作業に非常に有効です。

分解可能なものやブームが長く伸縮するモデルなど作業用途により様々なタイプがあるため、利用の際は各製品をよく見比べて検討することをおすすめします。また、室内作業では低騒音で排ガスが出ない電動タイプのカニクレーンを探しましょう。
記事一覧へ

RECOMMENDおすすめ記事

  • クレーンは種類によって何が違うの? ラフターとは?トラックとは? 主要なクレーンを分かりやすく解説!
    クレーン

    クレーンは種類によって何が違うの? ラフターとは?トラックとは? 主要なクレーンを分かりやすく解説!

    クレーンは種類によって何が違うの? ラフターとは?トラックとは? 主要なクレーンを分かりやすく解説! クレーンとは、人力で運搬できないものを代わりに運んでくれる頼もしい建設機械です。 今までに多種多様なクレーンが開発されており、使用される場所や用途も様々。 だからこそ、適切なクレーンを用途に合わせて選び、存分に力を発揮させてあげたい! そこで、今回は ・クレーンの種類による違いを知りたい! ・自分の用途に合うクレーンがどれなのかよく分からない! という悩みを持つ方のために解説していきます。 また、クレーンを運転するためには資格や免許が必要になってきますので、この部分にも触れていきます。 1つずつ分かりやすく丁寧に解説していきますので、ぜひ参考にしてください。 目次 そもそもクレーンとは何か? クレーンの種類はどれくらいあるの? それぞれの用途とは? クレーンを運転するのに必要な資格とは? それぞれのクレーンの用途 そもそもクレーンとは何か?まずは、クレーンって何?という方のために、クレーンの定義について解説していきます。 クレーンとは以下の2つの条件を満たした機械装置のことを言います。 ・荷を人力ではなく、動力を用いて吊り上げるもの。 ・吊り上げた荷を人力も含め、水平に運搬することを目的とするもの。 よって ・荷を吊り上げるだけの機械装置。 ・荷を人力で吊り上げる機械装置。 これらは、クレーンに該当しません。 動力によって荷を吊り上げるというところがポイントなので、覚えておきましょう。 また、クレーンには移動式クレーンと呼ばれるものがあります。 移動式クレーンとは上記に記載した2つの条件にプラスして、エンジンを搭載しており、好きな場所へ移動が出来る構造を持つものとされています。 クレーンと移動式クレーンでは、運転に必要な資格も変わってくるので、注意してくださいね。 クレーンの種類はどれくらいあるの? それぞれの用途とは? では実際に主要なクレーンの種類と特徴、用途について解説していきます。 クレーンと移動式クレーンに分けて解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。 クレーンの種類と用途 この記事で扱う主要なクレーンは以下の4つです。 ・天井クレーン ・ジブクレーン ・橋形クレーン ・ケーブルクレーン 天井クレーン 天井クレーンとは、屋内で多く使用されるといった特徴があり、両側の壁に沿って設置されたランウェイと呼ばれる場所を走行するクレーンになります。 工場では、機械や部品などの運搬をする時に助けてもらうことがほとんどです。 ジブクレーン ジブクレーンとは、その場に固定されている状態の、アームを持つタイプのクレーンです。 低床や門形、塔型など多くの種類があることが特徴の1つです。 橋形クレーン 橋形クレーンとは、天井クレーンに脚を設けて、敷設されたレールの上を走行できるようにしたクレーンです。 天井クレーンとは違い、こちらは屋外で多く使用されることが特徴になります。 ケーブルクレーン ケーブルクレーンとは、2つの塔の間に張ったロープ上を走行することにより、荷を運搬するクレーンです。 ケーブルクレーンは、山と山の間であったり、ダムの両端であったりとスパンが非常に長い場合に使用されるといった特徴を持っています。 移動式クレーンの種類と用途 この記事で扱う主要な移動式クレーンは以下の4つです。 ・トラッククレーン ・ラフタークレーン ・クローラークレーン ・浮きクレーン トラッククレーン トラッククレーンとは、機動性や操作性が優れていることが特徴です。 その特徴から、非常に幅広く使用されている人気者。 構造としては、専用トラックの荷台に旋回用の台とクレーン装置を取り付けたものになります。 用途は土木や建築現場など多岐にわたり、様々な場所で活躍が期待できます。 ラフタークレーン ホイールクレーンの一種であり、大型タイヤを装備、尚且つ全輪駆動式、文句無しの大人気移動式クレーンです。 凹凸のある場所や軟弱な地盤を運転するのに適しているのも特徴の1つ。 機動性に非常に優れており、また公道も走行できることから様々な用途で活躍してくれること間違いなしです。 また、吊り上げ能力も4.9t以下の小型から70tの大型まで幅広く対応しています。 クローラークレーン クローラークレーンは、タイヤではなくキャタピラでの移動が特徴のクレーンです。 キャタピラを装備したことによる、他を寄せ付けないほどの安定性。 その安定性からラフタークレーンと同様に、非常に凹凸のある場所や軟弱な地盤での活躍が大いに期待できる移動式クレーンです。 浮きクレーン 浮きクレーンは、台船上に搭載されていることが特徴の移動式クレーンです。 河川や海上工事、サルベージ作業が一般的な用途になります。 クレーンには多くの種類や用途があることが分かりましたでしょうか。 適材適所で使用してあげることが、クレーンの力を最大限発揮するのに大切ということですね。 クレーンを運転するのに必要な資格とは? これまでに解説したクレーンを運転するには、資格や免許が必要になってきます。 最後にクレーンと移動式クレーンに分けて、必要な資格や免許を簡単に解説していきます。 クレーンを運転する際に必要な資格 吊り上げ荷重が5t以上→クレーン・デリック運転士免許 吊り上げ荷重が5t未満→クレーンの運転の業務特別教育 このように、クレーンの運転に必要な資格は、吊り上げ荷重によって変わります。 また、床上運転式や床上操作式など扱うクレーンによっても必要な免許が変わってきますので、注意してください。 移動式クレーンを運転する際に必要な資格 吊り上げ荷重が5t以上→移動式クレーン運転士免許 吊り上げ荷重が1t以上5t未満→小型移動式クレーン運転技能講習 吊り上げ荷重が1t未満→移動式クレーンの運転の業務特別教育 移動式クレーンも同様に、吊り上げ荷重によって変わります。 基本的に5t以上の場合には、扱うクレーンに適した免許を取得しなければいけないと覚えてくださいね。 適切な資格を取得し、自分が運転するクレーンの特徴をよく理解してあげることが、乗りこなす近道となります。 ←トクワールドでは高品質な【中古クレーン】を多数取り揃えております!

    2022/04/21

    4,543

  • 【ブームとジブの違いを紹介】ブームの構造とは? トラッククレーンなどに搭載されているブームの知識を身に付けよう
    クレーン

    【ブームとジブの違いを紹介】ブームの構造とは? トラッククレーンなどに搭載されているブームの知識を身に付けよう

    2022年08月02日→更新:2025年5月15日 目次 クレーンのブームとは、そもそも何か? ブームとは? ジブとは? ブームとジブの違いを紹介 クレーンのブームの構造は、どのようになっている? まとめ クレーンのブームがどのような構造になっているのかご存じですか? 構造以外にも、 ●「クレーンのブームってそもそも何のことを言っているんだろう」 ●「ブームとジブって言葉をよく聞くけど、何が違うの?」 など、さまざまな疑問があると思います。 そこで、この記事では、建設業界に欠かせない頼もしい味方であるクレーンのブームに関する疑問や悩みを、解説していきます。 クレーンのブームの構造は、1度正しく理解してしまえば、それほど難しいものではありません。 現場で「ブームの構造はどうなっているのか分かる?」と聞かれたときに、さっと答えられたらかっこいいですよね。 また、ブームとジブは現場によって呼び方が変わっているのが現状です。自分の働いている現場と違いはあるかもしれませんが一般的なものを紹介します。 クレーンの知識を身につけたい方やクレーンについて勉強が必要な方は、ぜひ最後まで読んでください。 この記事のポイント 1.ブームとは、そもそも何かが分かる! 2.ブームとジブの違いが分かる! 3.ブームの構造がどのようになっているのか分かる! クレーンのブームとは、そもそも何か? まずは、クレーンのブームとは、そもそも何を指している言葉なのかを紹介します。 すでに「ブームが何かなんて、分かっているよ!」という方も、ぜひ、ご一読ください。 結論、ブームとはクレーンそのものです。ブームが無いと、クレーンの仕事である荷を吊り上げて運搬するということができません。 ブームが無いクレーンは、バケットの無いユンボのようなものです。無くてはならない存在です。 ブームは、クレーンの腕の部分 クレーンの上部本体に取り付けられている、長い棒状のものをブームと呼びます。 クレーンの上部本体には、ブーム以外にも、 ●エンジン ●運転室 ●駆動装置 などが、設置されています。 これらの中でも、ひと際目立っているのがブームです。「クレーンの絵を書いてください」と言われたときに、ブームの部分を描かない人はいないでしょう。 それほど、クレーンの象徴的部分になります。 ブームは、上部旋回体の一端を支点として動いており、そのことから、ブームはクレーンの腕の部分と言われています。 クレーンのブームは、人間の腕と同じ役割を果たします クレーンのブームは、人間の腕と同じ役割があります。 たとえば、何か近くの物を取る場合をイメージしてください。 その場合、以下のような動きになると思います。 1.物を認識して、腕を伸ばす 2.物を手のひらで、掴む 3.腕を折り曲げて、自分の元に持ってくる イメージできましたか?今のイメージが、そのままクレーンのブームの役割です。 クレーンに置き換えて考えると、このようになります。 1.吊り荷を認識して、ブームを伸縮する 2.ブーム先端に付いているフックで、荷を吊る 3.ブームを操作し、自分の元や別の場所に移動する クレーンのブームは、「起伏」や「伸縮」と呼ばれる動きをすることにより、人間の腕のような動きを可能にしています。 ブームが無ければクレーンは本来の仕事ができません。それほど、大切な部分です。 ブームの役割は、「作業半径」と「高さ」の調整 画像引用元:GR-250N-1 性能表 クレーンにおいてブームは非常に重要な役割を果たします。 具体的に紹介するとブームは、 ●作業半径 ●高さ この2点の調節を行い、作業をしています。 作業半径とは、作業箇所までの距離のことです。 クレーンにとって、作業半径は「何tまでの荷を吊ることができるのか?」ということに関わってくるため、非常に大切です。 人間に例えると、肩から手のひらまでの距離とイメージして頂ければ分かりやすいと思います。 高さはそのままの意味であり、ブームの先端から荷までの高さを言います。 何か障害物があり、その障害物をかわして荷を吊りたいときや遠くの荷を吊りたい場合に、高さを調整します。 クレーン作業において、高さも非常に重要な役割です。 ブームとは?ジブとは? ブームとジブの違いを紹介 次に「ブーム」と「ジブ」の違いを紹介していきます。 建設現場で働いていると、ブームという言葉とジブという言葉をよく耳にすると思います。 この2つの違いが分からず、そのままにしている方も多いのではないでしょうか? 1つ注意点として、「ブーム」と「ジブ」の使い分けは、現場によってさまざまです。 この記事では、一般的な使い分けを紹介していきます。 ブームとジブは、基本的に同じものを指す言葉 結論、「ブーム」と「ジブ」という言葉に違いはありません。どちらも基本的には同じ部分を指す言葉になります。 一般的な違いを明確にするのであれば、以下のようになります。 ●ジブ:正式名称 ●ブーム:現場で使われる用語 しかし、現状では、職人の方によってジブと言ったりブームと言ったりさまざまです。 それでは納得できない方もいるかもしれません。メーカーが使用しているブームという言葉の具体例を詳しく紹介します。 ブームとは、主に箱型構造ジブのことを指します 基本的にメーカーでは、ジブの中に含まれる「箱型構造ジブ」をブームとしています。 ジブの種類には、以下のようなものがあります。 ●箱型構造ジブ ●トラス構造ジブ ●補助ジブ この中の、箱型構造ジブをブームと呼んでいるということです。 ブーム(箱型構造ジブ)が、流行している理由 ブーム(箱型構造ジブ)には、3段階ブームや4段型ブームなどさまざまな種類があります。 これらのブームは、以下の利点から、今では多くの現場で活躍しています。 ●組み立て不要で作業をすぐに始められる ●スペースをあまりとらずに作業できる ●ブームを任意の長さに変えることができ、臨機応変に対応できる 非常に使い勝手が良く、多くの現場で重宝されています。 ブーム(箱型構造ジブ)を搭載している主な2つのクレーン ブーム(箱型構造ジブ)は、どのクレーンにも搭載されているというわけではありません。 そこで、ブーム(箱型構造ジブ)を搭載している主なクレーンを構造に少し触れながら、2つ紹介します。 1.トラッククレーン 2.クローラークレーン トラッククレーン ブームを搭載しているクレーンの中で、代表的なのがトラッククレーンになります。 そんなトラッククレーンには、3段ブームや4段ブームといったブームが搭載されています。 トラッククレーンのブームは、油圧シリンダとワイヤーロープを用いて「起伏」や「伸縮」をするタイプのブームです。 ラフタークレーン ラフタークレーンも、ブームを搭載した代表的なクレーンの一種です。街中で見かけたことがあるのではないでしょうか? 70tほどの大型ラフタークレーンもあるため、ブームを「起伏」や「伸縮」する姿は、トラッククレーンには無い迫力があります。 ラフタークレーンは、ワイヤーロープを使わずに、油圧シリンダのみで「起伏」や「伸縮」をする方式が一般的になっています。 ラフタークレーンのブーム構造に関しても、この後詳しく解説していきます。 クレーンのブームの構造は、どのようになっている? ブームの構造を詳しく解説します。 どのようにして、ブームが「起伏」や「伸縮」をしているのかが分かるようになります。 今回は、トラッククレーンとラフタークレーンの2パターンに分けて解説をしていきますが、その前に「油圧式」という言葉を聞いたことはありますか? ブームの構造を理解する前に、油圧式とはどのようなものなのかを解説します。 油圧式の解説と、3つの利点 ブームの構造を理解するうえで、油圧式とはどのようなものなのかを知る必要があります。今現在、ブームは油圧式がほとんどです。 油圧式とは、「油の圧力」と「油の流量」の油圧装置を用いることにより、任意の仕事に変換させること。この仕組みを、搭載したクレーンのことを油圧式クレーンと言います。 簡単に言うと、油に圧力を加えて、機械を動かしているということです。 油圧式のメリットを3つ紹介します。 ●単純構造で小型のクレーンにできる ●揺れが少なく、動作がスムーズにできる ●小さな力を大きな力に変換できる これらのメリットから、近年では油圧式のクレーンが多く見られます。 トラッククレーンに用いられるブームの構造を解説 トラッククレーンに用いられる基本的なブームの構造について解説します。 トラッククレーンに用いられるブームは主に「3段ブーム」や「4段ブーム」になります。 「3段ブーム」や「4段ブーム」の特徴は、油圧シリンダとワイヤーロープによってブームを操作するという所です。 それを踏まえて「起伏」や「伸縮」をしているときの、トラッククレーンのブーム構造を覗いていきましょう。 起伏は、ブーム起伏シリンダを使用する 起伏は、ブーム起伏シリンダに作動油が入ることで操作できます。 両サイドにあるブーム起伏シリンダのどちらに作動油が入るかによって、ブームの上下方向が変わってきます。 具体的には、以下のようになります。 【1】ブームを上昇させる クレーンのヘッド側に作動油が入る 【2】ブームを下降させる クレーンのロッド側に作動油が入る トラッククレーンは、これらの作業を1日に何度も行い、クレーンの高さを調整しています。 伸縮は、油圧シリンダとワイヤーロープを使用する 伸縮は、油圧シリンダとワイヤーロープを使用して行っています。 今回は、4段ブームを例にします。 【STEP1】 ブーム伸縮シリンダのヘッド側に作動油が入る 【STEP2】 2段ブーム伸縮シリンダが伸びて、2段ブームが伸びる 【STEP3】 3段ブーム伸縮シリンダが伸びて、3段ブームが伸びる 【STEP4】 3段ブームが伸びると、4段ブーム伸縮ワイヤーロープが引っ張られる 【STEP5】 4段ブームが引っ張り出されて伸びる ブーム伸縮シリンダが伸びる方で解説しました。ロッド側に作動油が入ると、ブームは逆の順序で縮んでいきます。 1番先端のブームのみ、1つ前のブームの伸縮力を用いて、ワイヤーロープで伸縮させます。 ラフタークレーンに用いられるブームの構造を解説 次に、ラフタークレーンに用いられている一般的なブームの構造を、解説します。 ラフタークレーンに用いられているブームは主に、1本の油圧シリンダのみで伸縮をするタイプのブームになります。 前述したトラッククレーンのブームとの違いは、ワイヤーロープを使用していない点です。 伸縮をしているときの、ラフタークレーンのブーム構造は以下のようになっています。 【STEP1】 油圧シリンダが伸びて、ブームが伸びる 【STEP2】 ブームが伸びきると、油圧シリンダは停止する。ブームは、ピンで固定される 【STEP3】 油圧シリンダのみが縮み、次のブームと固定される 【STEP4】 油圧シリンダが伸びて、次のブームが伸びる この流れを繰り返すことによって、必要なブームの長さに調整しています。 まとめ クレーンのブームに関する疑問【まとめ】 クレーンのブームに関する疑問を解説していきました。 改めて要点をまとめると、以下のようになります。 クレーンのブームは、人間の腕と同じ役割を持った大切な部分 箱型構造ジブのことをブームと呼ぶ ブームは、油圧シリンダやワイヤーロープによって起伏や伸縮が行われている ←クレーンを中古重機買うならトクワールド!

    #クレーン#トラッククレーン

    2025/05/15

    78,265

  • カニクレーンの中古販売価格の比較・一覧
    クレーン

    カニクレーンの中古販売価格の比較・一覧

    目次 中古カニクレーンの導入について カニクレーンのレンタルを検討した場合 カニクレーンの中古販売価格・レンタル価格の一覧 カニクレーンは中古購入がオススメ まとめ 中古カニクレーンの導入について カニクレーンとは数あるクレーンの種類の中で、移動式クレーンに分類される建設機械です。カニクレーンは前田製作所の商品名で、クレーン作業時に、格納している4本のアウトリガーを展開した姿がカニに似ていることからそう名付けられました。 主に建物内や工場内など作業スペースに限りがある環境下で活用され、コンパクト性やクローラー走行をおこなうことからミニクローラークレーンとも呼ばれます。 しかし、カニクレーンは他の建設機械とは異なり特殊な機械であるため、使用用途や作業環境などをよく見極める必要があります。 今回は、中古のカニクレーンを探して導入しようとした際、失敗するリスクや宝の持ち腐れにならないように知っておきたいポイントと価格について解説します。 カニクレーンの目的と用途を明確にする 前述した通り、カニクレーンは他のクレーンとは異なる特徴を持つ機械です。そのためどのような作業を行うのか、どういった場所で使用するのかを考慮した上で購入する必要があります。 例えば、カニクレーンを屋内で運用する場合は、特に車体サイズや排ガスが発生しない電動仕様のモデルを選ぶなどの要点に注意しましょう。格納時幅、クレーン容量、ブーム作業半径はメーカーによって様々なモデルがあるので、購入後に後悔しないためにも目的と用途を明確にしてクレーンの種類を定めることが大切です。 中古カニクレーンを購入するメリット・デメリット 中古重機のメリットは、低価格さや種類の豊富さです。中でも、「納期が早い」という点は大きなメリットです。重機を新品購入した場合、商品が納品されるまでにある程度の期間がかかります。しかし、中古の場合は在庫さえあればすぐに購入し使用することができます。 現場の納期が迫っているなど、今すぐに重機が必要な状況には、中古を購入することで早い段階で作業に取り掛かることが可能です。 ただし、重機を中古で購入するには数々なデメリットもあります。年式の古い重機などは同然、価格が安くなりますが、機械が古いものになるほど老朽化や安全対策の性能に差が出てきます。 中古カニクレーン導入前に確認したい注意点 中古重機購入の全てに言えることですが、なるべく質の良い状態の中古重機を購入するには、その機械が売り出された経緯を確認することが重要です。 単なる会社の経営不振などによって売り出されたのであれば、購入しても問題はありませんが、重機自体が故障するトラブルなどを起こしたことによって売りに出された場合は、注意が必要です。 業者がトラブルや故障箇所をどのくらいメンテナンスできているかを見極めることができれば、ハズレの機械を掴むリスクはそれだけ軽減できます。 特にカニクレーンは、オイル周りや足回りの他にアウトリガー各稼働箇所の作動状況など、他の機械よりも確認する部分が多いこともあり、より整備状況が良好なものを選ぶ必要があります。 それを確認するためにもオークションなどで中古購入する際は、商品の詳細や表示内容をしっかり読んだ上で、実際に足を運び現物を確認することが必須です。 きちんと故障箇所を修理していれば良い状態に改善されているので、年式が多少古くても作動に問題はないでしょう。 また、カニクレーンを購入後や現場に移動させるにはトラックなどの車両、輸送手段が必要です。手段がない場合は、プラスαで輸送にかかる費用も計算に入れることも忘れないように注意してください。 カニクレーンのレンタルを検討した場合 小さな会社などで現場用の重機を揃えようとする場合、たとえ中古だとしても、本体価格以外に、修理やメンテナンスにかかる維持費など予算がいくらあっても足りないくらい、重機は高額な買い物です。 また、現場が忙しく人員や時間の関係上、重機の管理に手が周らないということもあるでしょう。 そのため、重機はリースであることが一般的ですが、購入とは違いどのような利点があるのでしょうか? レンタルは突発的な事態・短期使用向け リースとは必要な機械を一定期間だけ借りるシステムのことです。重機は中古でも1台につき100万円以上するほど高価な上に、現場で使用する重機はすべてが同じものとは限りません。クレーンにしても、小さいものから大きいもの、クローラータイプのもの、燃費の良いものなど、会社の事業幅が広いほど現場で要求される機種は多岐にわたります。 これらの重機を一台一台揃えていては莫大な費用がかかる上、保管する場所や管理に要する所要が増えてしまい、人員に余裕のない企業では業務に支障が出てしまう可能性があるのが現状です。また、リースは長期的に利用すればするほど費用が高額になってしまいます。 そのため、1年を通じて連続的に使うことがない重機は、必要な都度リースに頼るという選択をとる企業は多いです。しかし、リースの利点と不便な部分をしっかり押さえた上で利用することが大切です。 レンタルのメリット・デメリット 重機をリースすると購入資金が不要なので、銀行の借入枠や自己資金を他に転用できるとともに、担保も不要なので担保枠がなくても利用できます。さらにリースした費用は損金として計上処理することが可能です。 実際に重機を購入することとは異なり、固定資産にならない上に償却資産税など保有にかかる費用のコスト削減にもつながるため、節税効果があります。また、資産管理事務も発生しないので事務にかかる手間を省くこともできます。さらに、リースにかかる料金はリース期間中一定となり、全部経費で処理が可能です。 一方、リースのデメリットは冬などの繁忙期になると、希望の機械がレンタルできない点と期間が長くなると思った以上に費用が掛かることです。 カニクレーンのレンタル前に確認すべき点 事故や作業中のトラブルなどによって、レンタルしている重機を傷つけてしまった、故障してしまった時にどの程度補償がついているのかを確認しておいてください。 業者によっては、故障などの修理費用を全てリースした人が負担するということもあるようですので注意が必要です。 カニクレーンの中古販売価格・レンタル価格の一覧 カニクレーンの価格相場ですが、オークションとレンタルの比較を一覧にしてみました。カニクレーンは特殊な重機ということもあり、オークションでもあまり多くの数や種類は出回っていないようです。 ヤフオクでは主流である機械質量2.3トンや2.5トンのカニクレーンが最も多く出品されており、古河ユニック株式会社が販売しているような3.0トン以上の出品は現段階では確認できませんでした。 カニクレーンのオークションとレンタル相場 機械質量 オークション相場 レンタル相場(日極) 1.0~1.9トンクラス ¥380.000~700.000 ¥15.000~20.000 2.0~3.0トンクラス ¥1.000.000~2.800.000 ¥19.000~42.000 1.0トンクラスのカニクレーンは入手しやすい 屋内や弊所での作業に向いているサイズである1.0~1.9トンクラスのカニクレーンであれば中古相場が¥1.000.000以下なので、低予算で仕入れることができるでしょう。しかし、価格が¥300.000以下になるとかなり古いモデルになってしまうので、安すぎる機械を選ぶことは避けたいです。 カニクレーンは中古購入がオススメ 建物内や狭い場所で運用できる小型のカニクレーンをお求めの場合は、中古購入も一つの選択肢に入れて良いでしょう。特に前田製作所の製品であるM Cシリーズは低騒音性や排ガス規制など環境に配慮したラインナップです。オプションで電動モーターを装備したモデルはフロアクレーンとしても最適で、省エネで排気ガスがない電動走行、クレーン作業はディーゼル運転への切り替えも簡単に行えます。「カニクレーン 中古」などで検索するとオークションでも多くが出品されているのを目にします。 毎年カニクレーンを使う機械が多く、その都度リースしている状況でしたら、中古で購入がオススメです。長期的なコスト面で見ればリースよりも安上がりになります。自分の機械を持っていればリース時に在庫がなくレンタルできないという懸念もありません。 まとめ 今回はカニクレーンの中古購入をメインに解説しました。中古購入かレンタルが適切なのか、本記事で紹介した価格一覧やメリット、デメリットなどを参考にして検討してみてください。価格相場的にも整備されたものを数十万で手に入れることが可能なので、毎年必要になるものでしたら中古購入がおすすめです。

    2022/08/18

    4,518

他の記事をみる

OFFICIAL SNS公式SNS

youtube YouTubeトクワールドYoutubeチャンネル

愛知県春日井市の中古重機・建機専門店「株式会社トクワールド(TOKU WORLD)」のYouTubeチャンネルです! 主に自社在庫の機械やアタッチメントの動作確認の動画を中心に、多数アップしておりますので是非チャンネル登録をお願い致します!

ページの先頭へ