クレーン
2022/06/10
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注意!クレーンの点検を適切に行っていますか?年次・月次の点検内容と費用を分かりやすく解説
「クレーンを点検するタイミングがわからない!」
「クレーンの点検は何をすればいいの?」
「年次・月次の定期自主検査にかかる費用はどのくらいなの?」
この記事では、このような悩みを分かりやすく解説します。
クレーンは頼もしい建設機械ですが、何かトラブルが発生すると重大事故に繋がる恐れが非常に高いです。
自分と周りを守るためにも、ぜひ、この記事を最後まで読んでください。
クレーンの点検・検査は「クレーン等安全規則」により義務付けられている
クレーンの点検・検査は、「労働安全衛生法」の規定に基づいた「クレーン等安全規則」で義務付けられています。点検・検査を行わなかった場合は法令違反となり罰則の対象になります。
「バレなければクレーンの点検をしなくてもいいだろう」という考えは絶対にやめてください。
実際に、クレーンの定期自主検査(年次点検・月次点検)を怠っていたとして、書類送検されたケースもあります。
そうならないためにも、クレーンの点検についての適切な知識が重要になります。
定期自主検査(年次点検・月次点検)をしなければならないクレーンは以下の通りです。
吊り上げ荷重0.5トン以上の全てのクレーン
吊り上げ荷重0.5トン以上の全ての移動式クレーン
この上記に該当するクレーンを運転している方は、点検の義務があることを忘れないでください。
クレーンを点検するタイミングは、全部で4回!
1.年次点検
2.月次点検
3.作業開始前の点検
4.暴風後等の点検
クレーンの定期自主検査(年次点検・月次点検)において、法定の資格は必要とされていません。
しかし、事業者は検査者に「定期自主検査者安全教育要領」に基づいた「定期自主検査安全教育」を受けることを推奨しています。
年次点検は、一般的に外注することがほとんどです。月次点検はクレーン運転手が行う場合もありますので、その際は「定期自主検査安全教育」を受けるようにしましょう。
それでは、各点検を詳しく解説します。
年次点検
1年に1回の重要な点検になります。そのため、クレーン点検業者に外注することが一般的です。
月次点検
月次点検も非常に重要な点検です。必ず行いましょう。
作業開始前の点検
毎日行う点検ですので、不備が無いかじっくりチェックしてください。
暴風後等の点検
点検をしなければいけない場合は、以下の通りです。
●瞬間風速が毎秒30メートルを超える風が吹いた時
●震度4以上の地震が発生した時
暴風後等の点検は屋外に設置されているクレーンのみに適用されます。
知っておくべき!各点検・検査の項目とは?
点検・検査後は必ず検査結果を保存するようにしてください。
理由は、クレーン等安全規則では「自主検査等の結果を記録し、これを3年間保存しなければならない」と義務付けているからです。
点検・検査をする際の項目について解説します。
作業開始前点検
●巻過防止装置・ブレーキ・クラッチ及びコントローラーの状態を点検
●ランウェイの上及びトロリが走るレールの状態とワイヤーロープが通っている箇所の状態を点検
クレーン等安全規則では、作業開始前点検のみ点検記録を残さなくてよいとされています。
年次点検
●構造・機械・電気部分に異常がないか
●ワイヤーロープ又は吊チェーンに異常がないか
●吊り具に異常がないか
●基礎に異常がないか
●荷重試験(定格荷重に相当する荷重の荷を吊って行う)
月次点検
●過巻防止措置その他の安全装置、過負荷警報装置その他の警報装置、ブレーキ及びクラッチに異常がないか
●ワイヤーロープ又は吊チェーンに異常がないか
●フック・クラブバケット等の吊り具に損傷がないか
●配線・集電装置・配電盤・開閉器及びコントローラーに異常がないか
●ケーブルクレーンはメインロープ、レールロープ及びガイロープを緊結している部分に異常がないか。また、ウインチの据え付けの状態はよいか。
暴風後等の点検
暴風後等の点検も、検査結果を3年間保管しなければいけません。忘れずに点検してください。
定期自主検査(年次点検・月次点検)にかかる費用を安くするコツ
定期自主検査(年次点検・月次点検)にかかる費用は約2万円〜20万円!
金額の幅が大きいのは、クレーンの種類や検査条件によって大幅に変わってくるためです。
検査の費用に関わってくる項目は、以下の通りです。
●クレーンの種類
●クレーンの吊り上げ荷重(t)
●1度に検査するクレーンの台数
●休日及び時間外での検査
●年末年次に行う検査
一番大幅に費用が変わるのが、吊り上げ荷重の項目です。
天井クレーンを例に挙げて、比較します。
5t未満 | 16,720円 |
5t以上10t未満 | 22,550円 |
10t以上20t未満 | 30,580円 |
20t以上50t未満 | 41,470円 |
50t以上100t未満 | 56,430円 |
100t以上200t未満 | 73,480円 |
200t以上500t未満 | 96,360円 |
500t以上 | 128,260円 |
吊り上げ荷重の階級が上がるごとに、値段が跳ね上がっていくのがわかると思います。
費用を安くするコツは、以下の2点です。
1.1度に複数のクレーンを点検に出す
2.平日の業務時間内に点検をしてもらう
もちろん、できるだけ費用を抑えたいですよね。この2つのコツはしっかり覚えておきましょう。
詳しく年次点検の料金を知りたい方は、下記のリンクを参考にしてください。
一般社団法人日本クレーン協会 検査料金・検定料金