スキッドステアローダー
2022/07/27
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スキッドステアローダーの中古購入について解説!料金相場や注意点などは?
スキッドステアローダーの中古購入について
ボブキャットとも呼ばれるスキッドステアローダーですが、各メーカーから販売されており、アタッチメントを含め様々な製品が出回っています。今回はスキッドステアローダーを中古で購入・導入することを検討している方に向け、中古価格や購入時の注意点、車体・アタッチメントの種類などについてまとめました。
スキッドステアローダーはアメリカ生まれの建設機械
現在ではアメリカをはじめ各国の農機、建機、輸送機メーカーがスキッドステアローダーの製作を手がけており、日本では1974年(昭和49年)にヤンマーディーゼルから「ミニホイールローダーY30W」に初めて発売されました。現在の国内では主にヤンマー、トヨタL&F、三菱ロジネクストのメーカーが製品を開発・製造・販売を行なっています。
スキッドステアローダーは小型ホイールローダーの一種として分類されていますが、4輪駆動の装輪式でありながら無限軌道(クローラー)走行車両と同様に、左右輪の回転方向の変化で車両の進む方向を変えることが特徴です。また、左右の足回りを逆回転させることにより、その場旋回も可能です。
以上のような操向方式であるため構造上、トレッド(左右輪の接地中心距離)とホイールベース(前輪軸と後輪軸との距離)を大きくすることは出来ず、摩擦係数の高い路面での小回りは苦手ですが、足回りをホイールからクローラーへと変更したコンパクトトラックローダーという悪地盤走行向けの機械もあります。
ボブキャットとも呼ばれる理由
この小型で俊敏に動き回る機械は、アメリカの大地に自生する「bobcat(ヤマネコ)」と名付けられ、今では世界中の建設現場や建物内といった狭い場所での省力化に貢献しています。
中古購入の注意点
以下で紹介する注意点は重機全般に言えることですが、これらの要点を理解していることで中古購入時の失敗を軽減させることができます。
まず、中古重機を購入する際は目的を明確にしましょう。どれだけ評判の良い機械を安く購入できてもそれを十分に役立てるには、どのような作業、用途。場所で使用するのかを考慮したうえで購入することが大切です。
新車購入時に様々なオプションを取り付けることができるスキッドステアローダーは、キャブの種類やガードなどの有無、エアコンの取り付けなど状態が車体によって異なります。オプションの種類や有無によって用途、価格も変わることから、目的に合致した車体を選ぶ必要があります。
さらにいつ使用するのかということも大切です。特に夏場の作業において、スキッドステアローダーのキャブ(運転室)内は、極めて高温になりやすいので、エアコンが付いているものやオープンスタイルのキャブがオススメです。エアコンが付いているものは冬季などのオールシーズンで使用できるメリットもありますが、価格も比較的高くなります。
必要最低限の装備・オプションが備わっている車体を探して選ぶことによって、費用面を大幅に抑えることができます。
中古の重機を購入するうえで、納期が早いという点も大きなメリットです。新品で重機を購入すると、重機が納品されるまでに数週間から、長くて数ヶ月ほどの時間がかかりますが、中古重機の場合は在庫さえあれば、すぐに使用することができます。
機械の故障や仕事の工期が迫っているような突発的なトラブルが発生した場合には、中古重機を購入することで、工程に空白をあけることなく作業に取り掛かることも可能です。
ただし、中古で重機を購入するには当然ながら弊害やデメリットもあります。例えば、スキッドステアローダーをはじめとした重機には様々な安全対策が施されており、年々その性能は向上しています。しかし、年式の古いものになればなるほど、そういった安全対策が未実装、または老朽化、前時代的なものとなっている可能性があります。ある程度年式が新しい重機でしたら、そういった懸念もクリアできると思います。
また、中古重機の中にはあくまでも中古なので、保存状態や整備状態などが良くないものもあります。安価だからという理由で購入を急がず、油漏れや破損箇所がないかなどの状態確認をできるだけ現物を見たうえで行なってください。
スキッドステアローダーの価格は意外と安い?
中古ですと数十万円で入手可能という手頃さですが、新車価格自体も他の重機と比べて高価ではありません。それは、中古のホイールローダーが平均で約¥8.000.000〜¥10.000.000で販売されている点と比較しても明らかでしょう。
スキッドステアローダーが低価格な理由は、小型かつ簡素な構造にあります。整備性にも優れており、日常点検は後部のボンネットを開放するだけで可能で、油圧系の整備時もキャノピーを前傾させてアプローチがおこなえます。
少しでも状態の良い重機を購入するためには、「どうして売りに出されたのか」ということを確認することが非常に重要になってきます。例えば、その中古の重機が単なる会社の経営不振によって売却されなどの理由であれば、購入上問題はないでしょう。
しかし、重機自体が故障したりトラブルなどを起こしたことによって売り出された場合は、問題が生じている故障箇所といったマイナスな部分を業者がどのくらいメンテナンスできているのかという点に注意すしなければなりません。
故障箇所をしっかりと修理していれば良い状態に改善されているので、多少年式が古くても問題はさほどないでしょう。しかし、買取業者の質が低く、メンテナンスや修理が十分に行われていなければ、故障状態ということもあり得ます。その結果、修理費用を自腹で支払う結果になったり、使用するたびに不具合が生じるなど中古で購入したことが原因で必要以上にコストがかかってしまうこともあります。
そのため、できるだけ信頼できる業者で中古重機を購入すれば、中古の重機は極めてメリットが大きいです。インターネット上で取引されているものも少なくありませんが、そういった重機を購入する場合、ついつい現物の確認をしないことが多いです。一般的な自動車を購入するときと同様、決して安い買い物ではないので、現物を見た上で納得できたものを購入するようにしましょう。
スキッドステアローダーを導入するメリット
構造上、ホイールベースを大きくすることができ混ぜんが、逆に車体をコンパクトに収めておけるため、小回り性能が高い要因になっています。この性能を活かして、限られたスペースでの作業性が求められる産業廃棄物処理場や工場、倉庫内、畜産業における牛舎内などで活躍しています。遠方の作業現場や整備工場にステッドステアローラーを持って行きたい時には、トラックに積載できるというメリットも地味に大きいですね。
また、小柄な車体に長いアームを格納しており、アームを最大まで伸ばすと大型トラックの積み込みや大型コンテナへの荷入れも可能です。この長いアームは資材を一箇所に積み上げる時にも威力を発揮し、健在などの資材を扱う建設現場の他に農場、除雪作業でも大いに活躍します。走行時、長いアームは車体の側面にコンパクトに折り畳まれており、使用時のみに展張することができます。
走行性能ですが、スキッドステアローダーは舗装されていない路面での作業を想定した造りになっているため、舗装路面以外の地面でも強い設計になっています。4輪を駆動して走行し、片方の車輪だけでも独立して駆動できるため、悪路でも力強い走行性能を見せてくれるでしょう。さらにタイヤにクローラーを装着することが可能なモデルもあるので積雪や軟弱地盤などにおける悪路走行性がより一層強くなり、過酷な環境でも能力を発揮してくれます。
低コストで導入可能であり、これほどまで作業の省力化に貢献してくれるスキッドステアローダーですが、走行速度が遅いことや視野が狭いなどのデメリットはあります。適材適所という言葉があるように、能力を活かせる場所が限られているのでよく吟味して購入を検討してください。
あらゆるアプリケーションに対応可能で高い需要が見込まれそうだが
スキッドステアローダーのパイオニアであるボブキャット・カンパニーからは60種類を超えるアタッチメントが登場しており、汎用性の高い、標準装備のバケット以外にも、荷の積み下ろしから掴む作業まで多機能にこなす、マルチパーパスバケットや低比重材料用大容量ライトマテリアルバケットなど、バケットだけでも全部で8種類のラインナップがあります。
特に農業や畜産業関連で使用する特殊なアタッチメントが豊富で、正規代理店以外にもアタッチメントやパーツを専門に扱っている企業もあり、オーダーメイドすることもできます。
しかし、海外ではあらゆる産業で需要が高いスキッドステアローダーですが、日本の建設業ではほとんど使用されていないため、その流通量が多いとはいません。そのため、取り扱う代理連も限られており、少ないと言えるのが現状です。
スキッドステアローダーの本家であるボブキャット・カンパニーは代理店が少なく、建設機械大手企業のC A P(キャタピラー)もスキッドステアローダーの取り扱いが多いとは言えません。国内メーカーではヤンマーやトヨタL&Fなどがスキッドステアローダーの国内市場の第一線を担っていますが、やはり販売量自体は多くないようです。
代理店が少ないことは故障時の迅速な対応や、在庫不足によるアタッチメントの入手が困難ということがネックで、機械のコンデションを維持するためには日々のメンテナンス、予備のパーツやアタッチメントの保管などが重要になってきます。
スキッドステアローダーをはじめとした小型重機の需要は今後?
新型コロナ感染症拡大の問題で小型建設機市場が悪影響を受けるなか、農機の販売網でも販売市場を拡大し、住宅市場やインフラ投資が堅調な北米市場は依然として底堅い推移を見せています。そして、都市化や開発事業が進む中国など長期的な伸び代が大きい市場は新興市場として注目されています。
中国は現地メーカーが存在感を強めており、製品重量5トンや7トン級の小型ユンボやスキッドステアローダーで低価格製品を伸ばしており、海外向けにネット販売も行われているようです。今後は、重機の電動化が開発における必須要素となってき、トンネル工事などではより、一層電動化が求められるでしょう。
スキッドステアローダーはあらゆる場面で活躍する建設機械
また、単純で整備性に優れた構造のため、車体価格も通常のホイールローダーよりもはるかに低コストで導入費用も現実的な面からも個人で所有するオーナーも多いようです。林業や土地の開墾ではクローラータイプのコンパクトトラックローダーの人気もあり、伐採用のカッターやモア、掘削用バックホーなど専用アタッチメントも需要が高いです。
まとめ
以上の点を踏まえた上で、スキッドステアローダーの購入を検討していただければと思います。