スキッドステアローダー
2022/07/20
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スキッドステアローダーとホイールローダーの違いについて解説
スキッドステアローダーとホイールローダーは似て非なるもの
「ローダー」とは英語の「Load(ロード)」、訳すと「積み込む」という言葉からきておりホイールローダーやスキッドステアローダーは同じ「積み込み装置」です。まさに積み込みを得意とする機械ですが、構造、操向方式や旋回半径の違いなどからホイールローダーとは別の機械として区分されています。
今回は、同じ積込機であるホイールローダーとスキッドステアローダーの違いを、用途、構造の観点から解説します。
ホイールローダーの用途
ホイールローダーの用途は、主に土砂や砕石などの粉体または流体物といった運搬物を、大量にすくって持ち上げる機械です。建設機械のなかでもダンプカーへの積み込みや、構内等においては、バケットに運搬物を入れたまま短距離運搬する作業でも用いられ、油圧ショベルより一度に大量の土砂を積み込むことができます。
四輪で駆動し、ゴムタイヤで走行するため、ブルドーザーやトラクターショベルといったクローラー軌道をおこなう機械と比べて推進力には劣りますが、路面を掘り下げる能力を有し、不整地や軟弱路面、急傾斜地を走行することが可能です。比較的軟質な地質であれば前進しながらの掘削をする作業も可能で、整地作業や除雪作業にも活躍します。
主に土木現場や建設現場を中心に活躍していますが、農作業での荷役や、廃棄物の整理、原木の積み込み、採石場での積み込み作業、道路や駐車場の除雪、災害時の瓦礫撤去作業などでも活用される場所は多いです。
特に雪国などの積雪地では、夏場は現場で積み込みなどの作業を行い、冬場は除雪車として活躍している光景を見たことある方も多いと思います。
ホイールローダーは標準装備のバケット以外にも別売りのアタッチメントが販売されており、前面のバケットを付け替えることで除雪作業にも使いやすくなりますし、パレットフォークに変更することで、大きめの荷物を運ぶことも可能です。ロールやドラム缶など重量物の運搬作業が多く発生する畜産業や農業などでも重宝されています。
小型特殊自動車で登録可能なホイールローダーの走行最高速度は小型のタイプで15キロ、中型から大型のもので30キロから50キロ程度までスピードが出ます。
スキッドステアローダーの用途
大きな重機が入れない場所や建物内など、狭い場所で運用され、小型で低価格、簡潔な構造といったメリットを武器に、通常のホイールローダーとは棲み分けされています。
スキッドステアローダーのもうひとつの特徴として、着脱可能で種類の豊富なアタッチメントが挙げられます。本場であるボブキャット・カンパニーでは、土木整地、園芸・造園、酪農・農業、除雪、その他産業などあらゆる作業に対応した60種類以上のワークツールを取り揃えています。アタッチメントがあれば一台でほぼ全ての作業を行えるので汎用性の高い建設機械としても、海外では年間40,000台強もの需要を誇ります。
そして、あらゆる作業に最適な車両にカスタマイズできるオプションもあり、ガラス製、もしくはポリカーボネート製のフロントドアおよびサイドガラスウィンドウのキャブやエアコンまたはヒーターの装着、コールドプレーナーやブラッシュカッタといった交流量油圧を必要とするアタッチメントを使用する場合はハイフロー仕様にすることもできます。
各種アタッチメントの着脱を頻繁におこなうことが想定されるユーザーには、運転席にいながらにしてアタッチメントの着脱が可能な、油圧式カプラ(標準装備は機械式カプラ)のオプションが用意されています。乗り降りの手間を削減し、作業効率向上に大きく貢献することでしょう。
スキッドステアローダーとホイールローダーの構造
ホイールローダーの構造
車両前面に大型のバケットが装着されていて、操縦は前輪と後輪の間(車体中央)に備わったヒンジ機構のヒンジを折り曲げることで、左右へ曲がります。前輪と後輪が合わせて動き、同じ軌道を通るため内輪差や外輪差が発生することはありません。油圧駆動で操舵することはできますが、ハンドルと実際の舵の切れ角は必ずしも一致しません。
小型車から大型車までほとんどのホイールローダーはアキュティレート方式になっていて、回転半径の小さいこと、軟弱地の走破性に優れています。
スキッドステアローダーの構造
4輪油圧駆動・無断変速ですが、フロント、リアの左右タイヤ2輪はチェーンで繋がれていて、デフは存在しません。そのため、旋回時の操作と車両の動きは油圧ショベルやドーザーショベルなどで見られるクローラー走行に近いです。装輪式ですが操舵機構は無く、左右の回転方向を互いに逆回転させれば、タイヤをスキッドさせながらスキッドステアリングという超信地旋回(その場回転)をさせることができる点が、ホイールローダには存在しない機能です。
運転、操作に関してもホイールローダーとは大きく異なり、基本的に2本の装甲レバーで前進・後進を行い、バケットとブームの操作は足元にある2つのペダルで行います。左ペダルがブーム、右ペダルがバケットでバケットの上下操作が行えますが、手足すべてを使って作業しなければいけないので、作業にはある程度の練度や慣れが必要です。