高所作業車
2022/07/21
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高所作業車とは? 高所作業車の種類や安全面について理解しよう
高所作業車とは?
「名前は聞いたことあるけど、見たことないな」という方も、知らず知らずのうちに見かけていることがあるかもしれません。
高所作業車は、それほど多岐にわたって活躍している建設機械です。
今記事を読んでいるあなたが、不便なく電気や通信機器を使えているのは、高所作業車のおかげかもしれません。
この記事では、
「高所作業車ってどんな建設機械なの?」
「高所作業車の種類を知りたい!」
「高所作業車って安全なの?」
という疑問にお答えしていこうと思います。
初めに「高所作業車って何?」という疑問にお答えしていきます。
高所作業車とは、名前の通り高い場所での作業を可能にする建設機械です。
ブーム先端に作業床が付いており、その作業床に人が乗って作業をします。
高所作業車は、非常に便利で使用場所は多岐にわたります。
•建設現場
•街中の電気工事
•信号機などの保守点検
•空港内の整備
•ドラマや映画の撮影
このように、色々な場所で目にすることができます。
高所作業車を定義する3つの要素
しかし、それは高所作業車ではないかもしれません。
高所作業車と認められるには、労働安全衛生法で定められている3つの定義を満たす必要があります。
その、高所作業車の定義は以下の通りです。
•高さが2m以上になる作業床を装備しており、人を乗せた状態で上昇や走行ができる
•動力を使用して作業床の上昇や下降を行っている
•不特定の場所に移動することが可能である
1つ1つ詳しく見ていきます。
高さが2m以上になる作業床を装備しており、人を乗せた状態で上昇や走行ができる
つまり、高さが2m以上にならないものは高所作業車と言えません。
そして、人を乗せた状態で上昇や走行ができることも定義の1つになります。
高所作業車は、人間が高いところでの作業を可能にするための機械です。
上昇や走行が正しく行われないと、思わぬ事故に発展してしまう可能性もあります。
高所作業車は、高所作業を安全に行うための車ということです。
動力を使用して作業床の上昇や下降を行っている
高所作業車に装備されている動力は、主に3種類です。
•エンジン
•バッテリー
•バイエナジー
そのため、人力で昇降しているものや他から動力を確保して動くものは高所作業車ではありません。
不特定の場所に移動することが可能である
車という言葉がつく以上、自走できることが求められます。
高い所の細かい作業をしているのに、移動ができなければ不便です。
また、移動せずにその場で昇降を繰り返すタイプの機械もありますが、それは高所作業車ではなく高所作業台といいます。
高所作業車と高所作業台を区別するためにも、自らの動力を使い不特定の場所に移動することが高所作業車には求められます。
高所作業車には多くの種類がある。代表例3選!
高所作業車はその利便性と多くの需要から、たくさんの種類が開発されてきました。
高所作業車は走行方法、動力、ブームの構造に違いがあり、これらを組み合わせることで多くの種類の高所作業車が存在しています。
今回は走行方法に絞り、よく見る高所作業車の代表例を3つご紹介します。
自走式高所作業車
名前の通り、作業員自らがリモコンで作業床の上から操作し、運転できるため自走式と呼ばれています。
具体的には、空港やドラマの撮影などで使用されることがあります。
自走式高所作業車は、街中で多く使用されているので目にする機会が多いと思います。
トラック式高所作業車
トラックについているからトラック式高所作業車と呼ばれています。
トラック式高所作業車の一番の特徴は、公道を走行できる点です。
その特徴から機動力がものすごく高く、たくさんの現場で重宝されています。
こちらも各所インフラの点検で市街地を駆け回っていますので、目にする機会が多い高所作業車です。
スムーズな移動が可能であることを武器に、これからもたくさんの活躍が見込まれる。
それが、高所作業車になります。
クローラー式高所作業車
その理由はタイヤの代わりにキャタピラを装備しており、不整地や軟弱な地盤でも作業が可能です。
実際の土木現場では、よくクローラー式高所作業車が使われています。
一般的ではありませんが高所という危険作業を安全に行える、とても頼りになる高所作業車です。
高所作業車で絶対にやってはいけないこと3選!
現場にいる全員が、高所作業車は使い方を間違えれば危険という認識をもたなければ重大な事故が起きてしまいます。
無資格で運転する
高所作業車の資格は、2種類あります。
•技能講習
•特別教育
高所作業車における作業床の高さによって、取得する資格が変わります。
資格を持っていない人が、高所作業車の運転操作をしてはいけません。
当たり前のことですが、たまに無資格で操作してしまう人がいます。
1つ質問します。
「車を無免許で運転しますか?」
ほとんどの方は、しないと答えるはずです。
それと同じです。
高所作業車は、一歩間違えると人命を奪ってしまうこともある建設機械なので、必ず資格を取得するようにしてください。
墜落静止用器具を使用しない
つまり、高所作業車を用いた作業は必ず高所作業になるということです。
高所作業では、必ず墜落静止用器具(安全帯)を着用しなければいけません。
高所作業車では、操作を誤り転落してしまうという事故が、少なからず起きています。
自分の身を守るためにも必ず墜落静止用器具を着用・使用して高所作業車に乗り込むようにしてください。
作業場所に適した高所作業車を使用しない
適材適所で使用しないと危険な可能性があるからです。
不整地の現場で、クローラー式の高所作業車を使わずに自走式の高所作業車を使用してしまうと、最悪の場合は機械が倒れ大怪我する恐れがあります。
挟まれ事故も度々起きているので、必ず用途にあった高所作業車を選ぶようにしてください。
高所作業車は法定点検が必要
•点検資格を持った人間が点検しなければいけない
•点検結果を3年間は保管する必要がある
年次点検の際、以上のことに注意し、1年に1回は点検するように心がけてください。
まとめ
- 高所作業車は3つの定義を満たしている必要がある
- 高所作業車の種類は走行方法、動力、ブーム構造によって分かれる
- 高所作業車はルールを守らないと重大事故に繋がる恐れがある