フォークリフト
2023/02/28
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フォークリフトの種類と特徴を解説!リフトの運転資格についても紹介
フォークリフトの運転には資格が必要です。自動車の運転免許とは違い、管轄は国土交通省ではなく厚生労働省で、一度取得すれば更新の必要はなく年齢制限もありません。
運転する資格の一つである「フォークリフト運転技能講習修了証」は国家資格ですが、他の国家資格の試験に比較すると合格しやすいとされています。
その他、実際にフォークリフトを運転する際も自動車との違いがあります。後輪操舵であり、荷物の積み付けや取り降ろしにはパレットという器材を必要とします。
この記事ではフォークリフトの運転資格の取得を検討している方向けに、フォークリフトが活躍している業種、フォークリフトの種類とその特徴について詳しく紹介しています。
また運転資格についても説明していますので、ぜひ参考にしてください。
フォークリフトが活躍している業種の情報
物流倉庫(物流センター)
現在では、消費者が店に商品を買いに行くだけでなく、ネットなどを利用して商品が直接消費者に配送されるシステムが発達しました。
この配送の拠点となる物流倉庫でも、フォークリフトは作業の効率化と省力化に大きく貢献しています。
製造工場
フォークリフトオペレーターとしてだけ働くのか、フォークリフトから降りて作業も手伝うのかは工場によって違いがあります。
いずれにしろ、製造工場は限られた空間であることが多く、商品や作業者との接触が起きやすいので安全が第一になります。また当然のことですが、正確性とスピーディーさも要求される現場です。
この配送の拠点となる物流倉庫でも、フォークリフトは作業の効率化と省力化に大きく貢献しています。
建設現場
産廃物収集運搬業者もフォークリフトを使います。
産廃処理物や解体後にクズとなった金属やプラスチックなどの積込作業です。この場合は比較的大きなフォークリフトを使う場合が多いです。
この配送の拠点となる物流倉庫でも、フォークリフトは作業の効率化と省力化に大きく貢献しています。
その他の業種
空港や港湾、鉄道のターミナルでは、荷物の入出庫にフォークリフトが欠かせません。また一定の時間内に大量の荷物を捌く必要があるため、手順通りの正確さが必要です。
この配送の拠点となる物流倉庫でも、フォークリフトは作業の効率化と省力化に大きく貢献しています。
フォークリフトの種類と特徴を詳しく解説
外観形状別の種類
ラムとは、フォークに代わるアタッチメントで、形状は棒状で金属製です。円筒状、コイル状、ロール状の長尺荷物の中心にラムを挿入して運搬します。
フォークリフトの外観形状別の種類は、カウンターバランス、リーチ、その他の3つです。
カウンターバランスフォークリフト
カウンターバランスフォークリフトは、車体の前方にフォーク、マストなどの荷役装置を備え、後方に積載荷重とバランスをとるための重り(ウエイト)を装備しています。
カウンターバランスフォークリフトのカウンターとは、反対、逆という意味です。バランスとは釣り合いや均衡などを表しています。
座席に座って、自動車の運転のようにハンドルを操作して運転するのが特徴です。違いは後輪操舵であり、動力機構が座席の真下にあることです。
最大荷重は、0.5t~42tまで幅広く、パワーと安全性に優れています。屋内でも屋外でも使用でき、さまざまな業種の倉庫や工場で使用されています。
ただリーチフォークリフトに比べると小回りはききにくいです。
毎年、新車販売台数で7割程度を占めており、リーチフォークリフトや他のフォークリフトに比較すると、現場での稼働率は圧倒的です。
リーチフォークリフト
リーチフォークリフトは、立ったまま操作・運転を行います。
リーチフォークリフトのリーチとは、手を伸ばす、到達するという意味です。フォークやマストが前後に動くリーチリフトの特徴をよく表しています。
リーチリフトの運転には、ハンドルとレバーを使います。ハンドルはノブ付きで、中立位置から片側2回転半ずつ回ります。
慣れるまで、ハンドルの回し加減と後輪の角度を目視で確認しながら調整するようにしましょう。
床面の左にブレーキペダルがあり、これを踏むとブレーキが解除されます。右側にプレゼンススイッチというペダルがあるタイプでは、左右両方のペダルを踏むことでブレーキが解除される仕組みです。
タイヤをほぼ90度回転させることができるため、回転半径は小さく小回りがききます。狭い場所での作業に適しており、屋内専用です。
また動力源は、屋内での環境負荷を考慮して、排気ガスを出さないバッテリー式です。
その他の外観形状
カウンターバランス、リーチ以外のフォークリフトで代表的な種類を以下にまとめました。
・サイドフォークリフト
車体の真横にフォークがついていて、フォーク・マストの左右に積載部分があり、木材やパイプなど長尺物の運搬に使用される。
・ウォーキーフォークリフト
オペレーターが歩いて操縦するタイプで、他のフォークリフトが入れない狭い場所での荷物の運搬に適している。細い通路やエレベーターでの移動も可能。
・オーダーピッキングトラック
運転席とフォークが同時に昇降できるため、倉庫内に高く積んだ荷物の移動や整理が可能となっている。オペレーターが目的の荷物をピックアップする際にも使われる。
・マルチディレクショナルフォークリフト
前後進の他、左右に走行ができる汎用性の高さが特徴。
動力源別の種類
エンジン式
エンジン式は、さらにディーゼル、ガソリン、LPG(液化石油ガス)、CNG(圧縮天然ガス)の4つに分けることができます。
・ディーゼルエンジン
ディーゼルは軽油が燃料です。シリンダ内で空気を圧縮して高温(600℃程度)にし、シリンダ内に軽油をミスト状にして噴射して着火し、燃焼エネルギーを回転エネルギーに返還して動かします。
・ガソリンエンジン
ガソリンと空気の混合ガスを圧縮して点火し、その爆発力を回転エネルギーに変えて動かします。
・LPG(液化石油ガス)
ガソリンエンジンを簡易的に改造した、LPGを燃料とするエンジンです。
・CNG(圧縮天然ガス)
CNGは、compressed natural gasの略で、圧縮天然ガスのことをいいます。圧縮天然ガスを燃焼させ、その熱エネルギーを回転エネルギーに変えるエンジンです。
バッテリー式
バッテリー式は、有害な排気ガスの発生はなく、換気が良くない場所でも使用できます。またエンジン式に比べると騒音が少なく、住宅街や夜間での作業に向いています。
またエンジン式に比べると、操作が簡単で保守点検箇所も少ないです。
ただバッテリー容量には限界があるので、長時間作業では充電設備や予備のバッテリー、バッテリー載せ替え設備などが必要になります。
環境負荷の少ないバッテリー式は、徐々にシェアを伸ばしています。
ただ現状のバッテリー寿命は4年~8年とされています。買い替え時に、100万円程度のコストがかかるため、さらなるシェア拡大には、コストの縮減が必要でしょう。
ハイブリッド式
ハイブリッド式とは、エンジンと電動モーターを組み合わせたり、バッテリーと蓄電器を組み合わせたりした動力源のことです。開発の目的は、燃料消費量や二酸化炭素排出量の低減です。
たとえばトヨタL&Fで開発された、3.5t積みディーゼルエンジン式ハイブリッドフォークリフトは、燃費消費量及びCO2排出量が50%低減されています。
また三菱重工業(現在は三菱ロジスティクス)では、独自のリチウムイオン電池、高効率モーター、小型ディーゼルエンジンを組み合わせたハイブリッドシステムにより燃費削減率39%を実現しています。
カーボンニュートラルに向けた取り組みが官民一体となって進んでいる今、ハイブリッド式の開発は今後も続けられていくでしょう。
リフトを運転するのに必要な資格の種類
フォークリフト運転技能講習
受講資格というのは特になく、年齢制限もありません。しかし18歳以上でなければ働くことができないという就業制限(年少則第8条第7号)がありますので、実質的には18歳以上での受講ということになるでしょう。
運転技能講習は、受講後に学科と実技の試験があり、この両方で合格しないと修了証は交付されません。ただWeb上の情報を調査すると、合格率は90%以上となっているので比較的難易度は低いと考えられます。
学科教育では、フォークリフトの走行と荷役に関する装置の構造や取り扱い方、運転に必要な力学に関する知識と関係法令を学びます。
実技教育は、走行や荷役の操作について実践中心の学習です。
「フォークリフトの運転技能講習」は、各自治体の労働局長の登録認可を受けた教習機関で行われます。
資格取得にかかる費用と時間
受講にあたって、まず、自分が住む地域に近い登録教習機関を調べる必要があります。以下のサイトで調べることが可能です。
厚生労働省|登録教習機関一覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei05.html
受講の流れは下記の通りです。
1.受講コースと日程を選び、予約・申込みを行う
2.受講票を確認し、受講費用の支払いをする
3.受講・修了・修了証交付
フォークリフト運転技能講習の受講時間は、現在保有している資格及び業務経験で違ってきます。関係する資格を保有していたり業経験があったりすると受講時間が短縮されます。
当然のことですが、受講時間が短いほど、費用は安くなります。
受講時間はコースで区分され、一般的なのは、35時間、31時間、11時間です。コースごとの費用をまとめました。
コース | 日数 | 受講料(税込)テキスト代含む |
11時間 | 2日 | 23,000円 |
31時間 | 4日 | 51,000円 |
35時間 | 5日 | 54,000円 |
コース区分、受講費用については、各地域、各登録教習機関で違いがあるようです。事前に確認することをおすすめします。
- フォークリフトが活躍している業種
- フォークリフトの種類と特徴
- フォークリフト運転の資格の種類
フォークリフトの種類と特徴は、運転資格を取得し、業界への就職を目指すにあたって知っておくべき基礎知識の一つです。
また資格の種類や受講方法、費用・時間をあらかじめ確認しておけば、修了証取得までの取り組みを効率的に行うことができるでしょう。
あなたのフォークリフト運転資格の取得に、この記事が少しでも参考になっていれば幸いです。