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フォークリフトの種類と特徴を解説!リフトの運転資格についても紹介

フォークリフト

2023/02/28

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フォークリフトの種類と特徴を解説!リフトの運転資格についても紹介

フォークリフトは、物の運搬を必要とするあらゆる業種で活躍しています。ただ倉庫や工場、建設現場など限られた空間で使用することが多いので、公道を走る自動車ほど一般的ではないかもしれません。

フォークリフトの運転には資格が必要です。自動車の運転免許とは違い、管轄は国土交通省ではなく厚生労働省で、一度取得すれば更新の必要はなく年齢制限もありません。

運転する資格の一つである「フォークリフト運転技能講習修了証」は国家資格ですが、他の国家資格の試験に比較すると合格しやすいとされています。

その他、実際にフォークリフトを運転する際も自動車との違いがあります。後輪操舵であり、荷物の積み付けや取り降ろしにはパレットという器材を必要とします。

この記事ではフォークリフトの運転資格の取得を検討している方向けに、フォークリフトが活躍している業種、フォークリフトの種類とその特徴について詳しく紹介しています。

また運転資格についても説明していますので、ぜひ参考にしてください。

フォークリフトが活躍している業種の情報

フォークリフトが活躍している業種は多いため、その運転資格を取得すれば就業の選択肢を大きく増やすことができます。ここではフォークリフトが活躍している業種について紹介します。

物流倉庫(物流センター)

物流とは、商品が消費者に届くまでの流れのことです。商品の運搬だけでなく、保管や包装なども物流に含まれます。

現在では、消費者が店に商品を買いに行くだけでなく、ネットなどを利用して商品が直接消費者に配送されるシステムが発達しました。

この配送の拠点となる物流倉庫でも、フォークリフトは作業の効率化と省力化に大きく貢献しています。

製造工場

製造工場では、仕入れ先から届いた材料の受入、製造現場への運搬、完成品の保管場所への移送、商品の発送などでフォークリフトはなくてはならないものです。

フォークリフトオペレーターとしてだけ働くのか、フォークリフトから降りて作業も手伝うのかは工場によって違いがあります。

いずれにしろ、製造工場は限られた空間であることが多く、商品や作業者との接触が起きやすいので安全が第一になります。また当然のことですが、正確性とスピーディーさも要求される現場です。

この配送の拠点となる物流倉庫でも、フォークリフトは作業の効率化と省力化に大きく貢献しています。

建設現場

フォークリフトは、建設業関連の現場でも仕事をしています。建設資材の受入と保管、現場への運搬です。建設現場で使用されるフォークリフトは、公道を走ることもあるため、大型特殊や小型特殊の免許が必要になるでしょう。

産廃物収集運搬業者もフォークリフトを使います。

産廃処理物や解体後にクズとなった金属やプラスチックなどの積込作業です。この場合は比較的大きなフォークリフトを使う場合が多いです。

この配送の拠点となる物流倉庫でも、フォークリフトは作業の効率化と省力化に大きく貢献しています。

その他の業種

フォークリフトを使うその他の業種としては、空港や港湾、鉄道などのターミナルです。時にはイベントの設営や撤去にも使われます。

空港や港湾、鉄道のターミナルでは、荷物の入出庫にフォークリフトが欠かせません。また一定の時間内に大量の荷物を捌く必要があるため、手順通りの正確さが必要です。

この配送の拠点となる物流倉庫でも、フォークリフトは作業の効率化と省力化に大きく貢献しています。

フォークリフトの種類と特徴を詳しく解説

フォークリフトの種類をカテゴリー別に大きく分けると、外観形状と動力源になります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

外観形状別の種類

フォークリフトは、荷物を積み込むフォーク(ツメ)、ラムなどと、それを昇降させるマスト機構を備えた動力付き荷役・運搬用機械と定義されています。

ラムとは、フォークに代わるアタッチメントで、形状は棒状で金属製です。円筒状、コイル状、ロール状の長尺荷物の中心にラムを挿入して運搬します。

フォークリフトの外観形状別の種類は、カウンターバランス、リーチ、その他の3つです。


カウンターバランスフォークリフト
カウンターバランスフォークリフトは、車体の前方にフォーク、マストなどの荷役装置を備え、後方に積載荷重とバランスをとるための重り(ウエイト)を装備しています。

カウンターバランスフォークリフトのカウンターとは、反対、逆という意味です。バランスとは釣り合いや均衡などを表しています。

座席に座って、自動車の運転のようにハンドルを操作して運転するのが特徴です。違いは後輪操舵であり、動力機構が座席の真下にあることです。

最大荷重は、0.5t~42tまで幅広く、パワーと安全性に優れています。屋内でも屋外でも使用でき、さまざまな業種の倉庫や工場で使用されています。

ただリーチフォークリフトに比べると小回りはききにくいです。

毎年、新車販売台数で7割程度を占めており、リーチフォークリフトや他のフォークリフトに比較すると、現場での稼働率は圧倒的です。


リーチフォークリフト
リーチフォークリフトは、立ったまま操作・運転を行います。

リーチフォークリフトのリーチとは、手を伸ばす、到達するという意味です。フォークやマストが前後に動くリーチリフトの特徴をよく表しています。

リーチリフトの運転には、ハンドルとレバーを使います。ハンドルはノブ付きで、中立位置から片側2回転半ずつ回ります。

慣れるまで、ハンドルの回し加減と後輪の角度を目視で確認しながら調整するようにしましょう。

床面の左にブレーキペダルがあり、これを踏むとブレーキが解除されます。右側にプレゼンススイッチというペダルがあるタイプでは、左右両方のペダルを踏むことでブレーキが解除される仕組みです。

タイヤをほぼ90度回転させることができるため、回転半径は小さく小回りがききます。狭い場所での作業に適しており、屋内専用です。

また動力源は、屋内での環境負荷を考慮して、排気ガスを出さないバッテリー式です。


その他の外観形状
カウンターバランス、リーチ以外のフォークリフトで代表的な種類を以下にまとめました。

・サイドフォークリフト
車体の真横にフォークがついていて、フォーク・マストの左右に積載部分があり、木材やパイプなど長尺物の運搬に使用される。

・ウォーキーフォークリフト
オペレーターが歩いて操縦するタイプで、他のフォークリフトが入れない狭い場所での荷物の運搬に適している。細い通路やエレベーターでの移動も可能。

・オーダーピッキングトラック
運転席とフォークが同時に昇降できるため、倉庫内に高く積んだ荷物の移動や整理が可能となっている。オペレーターが目的の荷物をピックアップする際にも使われる。

・マルチディレクショナルフォークリフト
前後進の他、左右に走行ができる汎用性の高さが特徴。

動力源別の種類

フォークリフトの動力源別の種類は、エンジン式、バッテリー式、ハイブリッド式の3つに大別できます。それぞれ見ていきましょう。

エンジン式
エンジン式は、さらにディーゼル、ガソリン、LPG(液化石油ガス)、CNG(圧縮天然ガス)の4つに分けることができます。

・ディーゼルエンジン
ディーゼルは軽油が燃料です。シリンダ内で空気を圧縮して高温(600℃程度)にし、シリンダ内に軽油をミスト状にして噴射して着火し、燃焼エネルギーを回転エネルギーに返還して動かします。

・ガソリンエンジン
ガソリンと空気の混合ガスを圧縮して点火し、その爆発力を回転エネルギーに変えて動かします。

・LPG(液化石油ガス
ガソリンエンジンを簡易的に改造した、LPGを燃料とするエンジンです。

・CNG(圧縮天然ガス)
CNGは、compressed natural gasの略で、圧縮天然ガスのことをいいます。圧縮天然ガスを燃焼させ、その熱エネルギーを回転エネルギーに変えるエンジンです。


バッテリー式
バッテリー式は、有害な排気ガスの発生はなく、換気が良くない場所でも使用できます。またエンジン式に比べると騒音が少なく、住宅街や夜間での作業に向いています。

またエンジン式に比べると、操作が簡単で保守点検箇所も少ないです。

ただバッテリー容量には限界があるので、長時間作業では充電設備や予備のバッテリー、バッテリー載せ替え設備などが必要になります。

環境負荷の少ないバッテリー式は、徐々にシェアを伸ばしています。

ただ現状のバッテリー寿命は4年~8年とされています。買い替え時に、100万円程度のコストがかかるため、さらなるシェア拡大には、コストの縮減が必要でしょう。


ハイブリッド式
ハイブリッド式とは、エンジンと電動モーターを組み合わせたり、バッテリーと蓄電器を組み合わせたりした動力源のことです。開発の目的は、燃料消費量や二酸化炭素排出量の低減です。

たとえばトヨタL&Fで開発された、3.5t積みディーゼルエンジン式ハイブリッドフォークリフトは、燃費消費量及びCO2排出量が50%低減されています。

また三菱重工業(現在は三菱ロジスティクス)では、独自のリチウムイオン電池、高効率モーター、小型ディーゼルエンジンを組み合わせたハイブリッドシステムにより燃費削減率39%を実現しています。

カーボンニュートラルに向けた取り組みが官民一体となって進んでいる今、ハイブリッド式の開発は今後も続けられていくでしょう。

リフトを運転するのに必要な資格の種類

フォークリフトを運転する資格は、積載する荷物の最大荷重が1t以上か1t未満で違います。この2つの資格の概要と、必要になる費用や時間について紹介します。

フォークリフト運転技能講習

最大荷重が1t以上のフォークリフトを運転するには、「フォークリフト運転技能講習修了証」が必要です。「フォークリフト運転技能講習修了証」は労働安全衛生法に基づく、厚生労働省管轄の国家資格>です。

受講資格というのは特になく、年齢制限もありません。しかし18歳以上でなければ働くことができないという就業制限(年少則第8条第7号)がありますので、実質的には18歳以上での受講ということになるでしょう。

運転技能講習は、受講後に学科と実技の試験があり、この両方で合格しないと修了証は交付されません。ただWeb上の情報を調査すると、合格率は90%以上となっているので比較的難易度は低いと考えられます。

学科教育では、フォークリフトの走行と荷役に関する装置の構造や取り扱い方、運転に必要な力学に関する知識と関係法令を学びます。

実技教育は、走行や荷役の操作について実践中心の学習です。

「フォークリフトの運転技能講習」は、各自治体の労働局長の登録認可を受けた教習機関で行われます。

資格取得にかかる費用と時間

「フォークリフトの運転技能講習」を修了することで、1t未満を含む、すべてのフォークリフトを運転することができます。ここでは「フォークリフトの運転技能講習修了証」の取得に必要な費用と時間について紹介します。

受講にあたって、まず、自分が住む地域に近い登録教習機関を調べる必要があります。以下のサイトで調べることが可能です。

厚生労働省|登録教習機関一覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei05.html


受講の流れは下記の通りです。

1.受講コースと日程を選び、予約・申込みを行う
2.受講票を確認し、受講費用の支払いをする
3.受講・修了・修了証交付

フォークリフト運転技能講習の受講時間は、現在保有している資格及び業務経験で違ってきます。関係する資格を保有していたり業経験があったりすると受講時間が短縮されます。

当然のことですが、受講時間が短いほど、費用は安くなります。

受講時間はコースで区分され、一般的なのは、35時間、31時間、11時間です。コースごとの費用をまとめました。

コース 日数 受講料(税込)テキスト代含む
11時間 2日 23,000円
31時間 4日 51,000円
35時間 5日 54,000円

コース区分、受講費用については、各地域、各登録教習機関で違いがあるようです。事前に確認することをおすすめします。

フォークリフトの種類と特徴|まとめ
就職や転職に有利になる資格として、フォークリフトの運転資格の取得を検討されている方のために、以下のことを紹介しました。
  • フォークリフトが活躍している業種
  • フォークリフトの種類と特徴
  • フォークリフト運転の資格の種類

ォークリフトが活躍している業種は幅広く、運転資格を取得すれば就業先の選択肢は大きく広がります。

フォークリフトの種類と特徴は、運転資格を取得し、業界への就職を目指すにあたって知っておくべき基礎知識の一つです。

また資格の種類や受講方法、費用・時間をあらかじめ確認しておけば、修了証取得までの取り組みを効率的に行うことができるでしょう。

あなたのフォークリフト運転資格の取得に、この記事が少しでも参考になっていれば幸いです。
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    目次 フォークリフトに関する基本情報 フォークリフト運転に必要な資格の取得方法を解説 フォークリフトのアタッチメントの種類と特徴 フォーク・アタッチメントの種類と特徴 クランプ・アタッチメントの種類と特徴 その他のアタッチメントの種類と特徴 まとめ フォークリフトは、動力付き荷役・運搬用機械です。荷物を積み込むフォークなどのパーツと、それを昇降させるマスト機構によって構成されています。 フォークリフトは、荷役・運搬作業の効率化と省力化に欠かせないものとなっており、さまざまな産業の現場に広く普及している重機です。 荷物を積み込むフォークなどのパーツをアタッチメントといいます。作業内容に適応したアタッチメントを装着することで作業効率は向上し、オペレーターの作業量を軽減することが可能です。 アタッチメントには、形状や用途の違いから数多くの種類があります。この記事では、大きくフォーク、クランプ、その他に分類して、個々のアタッチメントの特徴について紹介しています。 またアタッチメントというパーツを理解するためには、本体の概要についても知っておく必要があると考え、フォークリフトの基本情報を記載しました。 フォークリフトのアタッチメントについて分かりやすい記事となっていますので、ぜひ参考にしてください。 フォークリフトに関する基本情報 フォークリフトは、フォークやクランプなどの荷物を積載するアタッチメントと、これを昇降させるマスト機構を備えた動力付き荷役・運搬車両です。 フォークリフトは、物流倉庫や工場、貨物ターミナルなど、さまざま場所で用途に対応したアタッチメントを装着して使用されています。 荷役・運搬に欠かせないフォークリフトについて、覚えておいてほしい基本情報を紹介します。 フォークリフトの一般的特徴 フォークは地面(床面含む)から約2.5m~6mの高さまで昇降できて、最高速度は約10~20km/hとなっています。前輪駆動、後輪操向が一般的で、後部にカウンターウェイトを取り付けて安定性を高めています。 フォークリフトの車体は工場や倉庫など限られた空間で使用することが多いため小型化されており、小さな旋回半径で方向転換が可能です。 フォークの上昇限度まで任意の積取り・取降ろしができます。また小さなものや複雑な形状のものはパレットを使用して効率的に運搬することができます。 以下にフォークリフトを使用するにあたっての注意点をまとめました。 ・過積載や急旋回による車体の転倒 ・視界不良による物や歩行者との接触 ・荷の積み方や運転の未熟による積み荷の落下 このような災害を未然に防ぐため、労働安全衛生法などの関係法令やフォークリフトの構造規格、定期自主検査指針などが定められています。 フォークリフトの動力源 フォークリフトの動力源は、大きく3つに分類されます。エンジン式(内燃機関)、バッテリー式(蓄電池式)、ハイブリッド式の3つです。 ・エンジン式(内燃機関) エンジン式には、使用燃料の違いにより、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、LPG(液化石油ガス)エンジン、CNG(圧縮天然ガス)エンジンの4種類あります。 ・バッテリー式(蓄電池式) バッテリーを搭載し、そのバッテリーによって稼働する電動機を動力源とします。 ・ハイブリッド式 ハイブリッド式とは、エンジンと電動モーターを組み合わせたもの、バッテリーとキャバシタ(コンデンサ)を組み合わせたものなどの動力源のことです。燃料消費と二酸化炭素の排出の低減化がメリットとなっています。 最近特に増えているバッテリー式には以下のような特徴があります。 ・運転操作が簡単である ・有害な排気ガスを発生しない ・エンジン式に比べ騒音が少ない ・運転経費は安いが導入費用は高い ・長時間作業にはバッテリー載せ替えが必要 現場状況に適した動力源のフォークリフトの検討が大切です。 荷役装置の構造及び機能 荷役装置の荷を昇降させる動きや必要な角度に傾けるなどの動きは、すべて油圧シリンダーの動きに連動して行われます。油圧シリンダーとは液体の圧力エネルギーを機械的エネルギーに変換する油圧機器の一つです。 荷役装置の各部の働きについてまとめました。 ・フォーク(爪) フォークは、荷物を載せるL字型のアームで、2本1組で使用することが多いです。材質は上質な炭素鋼や特殊鋼で強度は高いです。 ・マスト マストは、厚板鋼板を主体とした門形の構造物です。フォークを上下させるガイドレールの働きをするアウターマストとフォークを支えるインナーマストがあります。 ・リフトシリンダー インナーマストを昇降させる油圧シリンダー。 ・リフトチェーン フォークを取り付けたリフトブラケットを昇降させるチェーン。 ・リフトブラケット フォークを取り付けるフィンガーバーが前面に、側面にはリフトローラーが取り付けられています。 ・バックレスト 積荷がマスト方向に荷崩れしないように設けた荷受け枠。 ・ティルトシリンダー マスト及びフォークを前後に傾けるための油圧シリンダー。 フォークリフトの走行操作 フォークリフトの標準的な走行操作について紹介しますが、実際の運転については、メーカーや機種によって違いがあるので使用説明書で確認してください。 ちなみにフォークリフトは、工場や倉庫などの狭い空間での走行を容易にするため後輪操向となっています。 1.フォークリフト運転技能講習を修了した有資格者のみが運転できる。 2.フォークリフトを運転する際はヘルメットや安全靴などの保護具を身につける。 3.フォークリフトの制限速度は一般的に10km/h以下とされている。 4.荷物で視界が悪いときは後進走行で作業を行うこと。 5.停車するときは適切な逸走防止措置を行うこと。 6.作業計画に基づいて運転すること。 7.複数で荷役作業を行う場合は作業指揮者を配置すること。 8.フォークリフトは用途以外には使用しない。 フォークリフトは屋内での作業が多く事故は少ないイメージがありますが、実際は意外と多いのです。事故内容で特に多いのは、「はさまれ・巻き込まれ」と「激突され」の2つです。 フォークリフトを運転する際は、基本操作に忠実に運転ルールを守りましょう。 フォークリフトの荷役作業に関する用語 フォークリフトの関連用語のうち、荷役作業に関する用語をまとめました。 すえ切り 停車した状態でハンドルを回し、かじ取り輪を動かすこと 上昇 フォークを上方へ上げること 下降 フォークを下方へ下げること 前傾 リーチ及びサイドフォークリフトで、フォーク又はマストを繰り込むこと 伸長 リーチ及びサイドフォークリフトで、フォーク又はマストを繰り出すこと ピックアップ フォークを下方へ下げること 下降 フォークで荷を取り上げる操作 積み取り 積み付けしてある荷をフォークでとる動作 取りおろし フォークを下方へ下げること 差込み パレットなどにフォークを差し込む操作 引抜き パレットなどに差し込んだフォークを引き抜く操作 インチング 所定の位置に合わせるために車両を微速走行させること ※リーチフォークリフトは立って操縦するフォークリフトで、サイドフォークリフトは車体の横にフォークが装備されているフォークリフトで、長尺物を運搬するのに適しています。 ※繰り出すとは、荷を載せたフォークやマストを積み付け位置までゆっくり出すことです。繰り込むとは、積み付け位置に荷を下ろしてフォークやマストを手前いっぱいに引くことをいいます。 フォークリフト運転に必要な資格の取得方法を解説 フォークリフト運転に必要な資格を取得する方法には、「フォークリフト運転技能講習」を修了するか、「フォークリフト運転特別教育」を修了するかの2種類あります。 フォークリフト運転技能講習を修了すると、最大積載荷重が1トン以上(1トン未満含む)のすべてのフォークリフトの運転ができます。運転技能講習受講後に、学科試験、実技試験に合格すると「フォークリフト運転技能講習修了証明書」が発行される国家資格です。 フォークリフト運転特別教育を修了すると、最大積載荷重量が1トン未満のフォークリフトの運転が可能となります。この特別教育は事業者が行うものとされていますが、実際的には各教習機関が代行しているのが現状です。 フォークリフト運転技能講習は、許認可を受けた各教習機関で受講できます。受講要件や講習時間は、すでに取得している資格の内容や実務経験で違ってきます。 フォークリフト運転特別教育に受講要件は特にありません。一般的に学科6時間、実技6時間の教育時間で修了可能です。 フォークリフトのアタッチメントの種類と特徴 フォークリフトのアタッチメントは大きく3つのタイプに分けることができます。 ・フォーク・アタッチメント|荷を載せたパレットにフォークを差し込むタイプ ・クランプ・アタッチメント|荷を挟むクランプを使うタイプ ・その他のアタッチメント 各タイプはさらに細かい種類に分けることができます。それぞれの種類と特徴について紹介しましょう。 フォーク・アタッチメントの種類と特徴 フォーク・アタッチメントは、フォークリフトのアタッチメントで一番多いタイプです。作業の効率や省力化をより高めるためにさまざまな工夫がなされ進化してしてきました。 サイドシフト 切り返しなしで、正確な位置決めが可能になるアタッチメントです。レバー操作だけでフォークがバックレストとともに左右に100ミリずつスライドできます。切り返しがいらないということは、荷役作業を大幅に効率化することになります。倉庫内の積み上げでフォークの微調整が必要なときや、トラックなどの荷台へ荷物を正確に積込むときにも便利です。 フォークポジショナー(フォークシフター) フォークの拡がり幅(間隔)をレバー操作だけで調整できるため、多様なパレットに対応でき最適なピッチで作業することができます。オペレーターが運転席から降りてフォークの幅を変える必要がないので大幅に労力軽減できます。荷やパレットのサイズが広範囲になる荷役作業に最適なアタッチメントです。 マルチロードハンドラー(ワンツーロードフォーク) 4本のスリムなフォークを左右にスライドさせることで、2本フォークと4本フォークの2通りでパレットにフォークを差し込むことができます。通常の2本フォークだけでなく、4本フォークにすることで二つの隣り合ったパレットを同時に荷捌きできるのです。一台二役で荷役できるため、作業の効率化に貢献します。 フォークスライダー 油圧シリンダーの働きでフォークを伸ばしたり、縮めたりできるアタッチメントです。長く伸ばせば、棚の奥の荷を取ったり置いたりできます。短く縮めれば、旋回性を損ねることなく狭い場所での作業が可能になります。これまではロングフォークやサヤフォークを必要の都度足したり外したりしていましたが、その面倒な手間が必要なくなりました。 パンタグラフ式リーチフォーク パンタグラフ式のリーチ機構によりフォークを前面に伸ばすことで、2列積込みや奥取り作業が簡単にできるようになります。貨車やトラックへの荷役作業は、作業場所が限定されるため片側荷役になりがちです。パンタグラフ式とは、マジックハンドのように前方に大きくリーチすることができる仕組みをいいます。 ヒンジドフォーク ヒンジ作業、バケット作業、パレット作業の3つの機能を持つアタッチメントです。フォークが上向きに35度、下向きに50度の角度まで傾斜するヒンジ機能で、木材や鋼管などの長尺物を確実にホールドし運搬や積み付けを正確に行うことができます。バケットを差し込めば、砂利やスクラップなどのバラ物の荷役作業も可能です。これに通常のパレット作業もできるため3つの機能を持つことになります。 回転フォーク 簡単なレバー操作でフォークが取り付け面を中心に左右どちらからでも360度回転します。フォークを差し込める容器を使用すれば、土砂やガラ物、廃棄物などを回転させながら放出できます。フォークを水平にセットすれば通常のパレット作業も可能です。多機能アタッチメントの代表格といえます。 ウインチ付ヒンジドフォーク 木材や鋼管など長尺物の運搬に適したヒンジドフォークにウインチを装着することで、接近できない場所での荷の引き寄せや低い場所にある荷の引き揚げ作業が敏速に処理できます。林業の現場での原木の運搬に最適なだけでなく、ダンピング(すくい上げ)作業、パレット作業もできます。 クランプ・アタッチメントの種類と特徴  フォーク・アタッチメントにつきもののパレットを必要とせず、荷を挟んで荷役や運搬をするアタッチメントがクランプ・アタッチメントです。クランプには、「挟む」という意味があります。 ペーパーロールクランプ 新聞やカタログなどの原料になるロール紙を傷つけずにしっかり挟み込んで運搬できるアタッチメントです。製紙工場やダンボール工場、印刷工場などで活躍しています。ロール紙は非常にデリケートな荷であると同時に、荷扱いにはスピードも要求されるため、素材に合わせたさまざまな仕様設定が必要です。 ベールクランプ 原綿や古紙、パルプなどを挟んで作業しても荷が傷みません。また、ある程度弾力性のある梱包物や箱物などをパレットなしで両サイドから直接挟んでの運搬・荷役作業が可能です。ベールクランプにサイドシフト機能が付いたものもあり、フォークリフトを動かすことなく、隙間なくピッタリと荷を置くことができます。 フォーククランプ フォークとクランプのダブル機能を持つアタッチメントです。フォーククランプには、クランプの両サイドが上下にスライドして360度回転する全回転グラブフォーククランプや、フォークが左右に開いて荷を挟むことができるパレットフォーククランプなどがあります。全回転グラブはベニヤ・板紙・袋物、パレットフォークは原綿・布・袋詰穀物の作業に最適です。 ブロッククランプ 積み重ねたコンクリートブロックを挟んでそのまま運搬、さらに高積み作業も可能なクランプ・アタッチメントです。パレット不要で、スピーディーな移動に便利です。コンクリートブロックの種類やサイズに合わせてクランプ面をアレンジ可能とするメーカーも登場しています。住宅をコンクリートブロック積工法で建ててしまう海外でも活躍しています。 その他のアタッチメントの種類と特徴 産業全般で活躍するフォークリフトには、用途に応じたさまざまなアタッチメントが開発・製品化されています。フォークとクランプ以外のアタッチメントを紹介します。 ロードスタビライザー 軽い段ボール箱や高く積み上げた荷物を、上からプレッシャープレートで押さえつけて安定させるので、荷崩れしやすいものでも一度にまとめて運搬できます。プレッシャープレートは、運転席でレバーを操作することにより上下させて使用します。荷崩れを心配せずスピーディーな荷役・運搬作業が可能です。 プッシュプル プラスチック製や紙製の薄いシートパレットを使って荷役作業ができるアタッチメントです。荷を積んだシートパレットごとの押出しや引込みができます。シートパレットは、平パレットに比べて軽量で薄く、安価です。また省スペースな上に廃棄も容易です。米、麦、肥料、飼料、セメントなどの袋詰めや、食料品や飲料などのカートンボックスの荷役・運搬に適しています。 ワイドキャリッジ バックレストの幅が通常のものより広く、フォークの間隔を広くとることが可能です。フォークを4本にしてマルチカレット操作もできます。ワイドキャリッジは幅の広い荷物や長尺物の荷役・運搬に向いています。最近では仮設ハウスの移動・設置にも利用され人気となっているようです。 フルフリー3段マスト マストとは、フォークを上下させるために必要なレール状のパーツです。フルフリー3段マストは、スタンダードなマストよりも高い位置までフォークを上下させることができる上に、フルフリー機能を使って一定の高さまで車高を変えずに走行できます。ただ、マストの中央にフルフリー機能のシリンダーがくるので視界は悪くなります。 ドラムクリッパー ドラム缶専用のアタッチメントで、既存のフォークに装着するだけで使用できるのが特徴です。クリップ部がドラム缶の縁を引っ掛けるように持ち上げ、降ろすとクリップ部から外れるようになっています。ドラム缶を支える大きなナイロンパッドを装着しているため傷がつきにくいです。2本同時に運ぶことができる種類もあります。 簡易フック・クレーンアーム 荷を吊りたいがクレーン車を準備するほどではないという場合に使用するのが、フォークに装着する簡易フックと、クレーンアームというアタッチメントです。クレーンアームは、あくまでフォークリフトのアタッチメントなので運転するのにクレーン免許は必要ありません。簡易フックは簡単に取り外しできて、すぐに通常のフォークとして使用できるため人気となっています。 ラム ラムはラムフォークとも呼ばれる太めの棒のようなアタッチメントです。真ん中に穴が開いた円筒状の荷物に、このラムを差し込んで運搬します。ロール紙やコイル状ワイヤー、ケーブルなどが代表的な荷物です。1本式(ラム)の他、2本式(スプリットラム)もあります。フォーク同様に、リフトブラケットに装着して使用します。 まとめ フォークリフトのアタッチメント|まとめ フォークリフトは、物流に関わる業界はもちろん、さまざまな業種の工場や倉庫などで活躍しています。荷物の搬入や搬出から在庫管理まで、荷役や運搬には欠かせない存在です。 そのフォークリフトの作業の効率化や省力化、オペレーターの労力軽減に大きく貢献しているのがアタッチメントです。 この記事では、フォークリフトに関する基本情報と運転に必要な資格、アタッチメントの種類や特徴について紹介しました。 フォークリフトのアタッチメントの種類がこれほど多いのは、多種多様な現場で求められた機能が製品化されたためと考えられます。「こんな機能のあるフォークリフトがあれば便利なのに」をアタッチメントが現実のものにしたといえます。 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    フォークリフト

    フォークリフトのマストの役割・種類について徹底解説!中古販売・レンタルの価格、点検の費用についても紹介

    フォークリフト選びはマストにも注目!各種コスト(中古販売・レンタル・点検)についても解説 フォークリフトを選ぶときは「扱う荷物の大きさ・重さ」だけでなく、「作業する場所である倉庫の広さ」も考慮しなければなりません。 フォークリフトの選び方を間違えると、車高の問題で倉庫内に入れなかったり、高い場所の荷物を扱えないというトラブルが発生するかもしれません。 まずは、フォークリフト選びで重要なマストについて知っておきましょう。さらに、フォークリフトの導入を検討している方に向けて、フォークリフトの中古販売とレンタル価格、導入後の点検コストについてもご紹介します。 フォークリフトのマストとその役割 フォークリフトの車体前部にあり、荷物を持ち上げるフォーク、もしくは爪(ツメ)と呼ばれるパーツを支える支柱のことをマストと呼びます。 マストには、荷物を持ち上げるための油圧シリンダーやリフトチェーンなどが取り付けられており、フォークを上下させるレールとしての役割を持っています。 マストの主要構成は、フォークが固定されている部分の「インナーマスト」、レール部分の「アウターマスト」、フォークを昇降させる部分である「リフトシリンダー」の3つです。 また、マストの種類によってフォークを上げられる高さが異なるため、作業する場所や用途によって適切なマストが使用されます。 フォークリフトのマストは大きく分けて3種類スタンダード(SDT)マスト スタンダードマストは、標準仕様のフォークリフトに搭載されているもので、「SDTマスト」とも呼ばれています。 コストや視界の開け具合、メンテナンス性にも優れており、バランスがとれた使い勝手の良いタイプのマストと言えます。フォークリフトのメーカーや種類によって違いはありますが、揚高は約2,500〜3,000mm程度に設定されているものが多いです。 ハイマスト ハイマストはスタンダードマストよりも揚高が高く、名前のとおり高所向けのマストとなります。 倉庫内にある背の高い棚など高所にある荷物を扱うことに適しており、揚高は約3,000~4,000mmに設定されているものが一般的となっています。しかし、フォークリフトの種類によっては5,500mmの揚高に設定されているハイマストもあり、物流ニーズが高まった現在では需要が大きいです。 ハイマストは荷物を高く上げながら視界の開きを確保したい作業にも活躍します。ただし、ハイマストの場合、フォークを下げている状態でも、マストはヘッドガードよりも高いため、天井の低い場所や低い入口には入れないことに注意してください。 3段マスト スタンダード(SDT)マストとハイマストがマストの伸縮は2段階ですが、3段マストは、伸縮が3段階となっています。 ハイマストよりも高所で荷役作業可能で、天井の高い倉庫内や貨物の入ったコンテナなどを扱う荷役作業に最適です。 標準マストもハイマストも基本的には2段で、どちらも3段タイプがあります。 ハイマストよりも高所で荷役作業可能で、天井の高い倉庫内や貨物の入ったコンテナなどを扱う荷役作業に最適です。 フルフリー機能 一定の高さまでフォークを揚げても車高が変わらない機能を「フルフリー機能」と言います。通常マストの場合、フォークを揚げると同時にマストが上昇してしまい車高が高くなってしまいます。 しかし、フルフリー機能搭載のマストは、一定の高さまでは車高が変わりません。入口の低い場所を通過することが可能で、マストを上げれば高所に荷物を揚げることもできるのがフルフリー機能最大のメリットです。 ただし、フルフリー機能を担うシリンダーがマストの中央部分に位置しているため、通常のマストよりも視界の開きが低下してしまうというデメリットもあります。 フルフリー3段マストは3段仕様のマストとなっています。マストがスライド式の梯子のように伸縮する仕組みであるため、天井が低い場所への通過ができないハイマストのデメリットも解決できます。 フォークリフトの中古販売・レンタル価格は? 初期コストをおさえてフォークリフトの導入を検討したとき、中古車を購入するかレンタルを利用するかで迷ってしまうこともあるかと思います。 中古車は新車に比べ、低予算で購入できる点などが最大の魅力です。しかし、中古車は実機選びを間違えると、購入後に想定外の修理費が発生するリスクもあります。また、購入後の維持にかかる手間や費用のことも考慮しなければいけません。 一方、建設機械のレンタルサービスを利用してフォークリフトを導入した場合はどうでしょう?必要なときに必要な台数を使え、固定費にもならないため、中古車購入よりも経済的と言えます。 ただし、いつでも機械がレンタルできるという保障はなく、繁忙期の時期などは機械を確保しづらくなります。また、中長期のレンタルは逆に割高になってしまうというデメリットもあります。 そのため、フォークリフトを導入する際は、単純にランニングコストだけで決めてしまうと、結果的に余計なコストがかかってしまうかもしれません。 フォークリフトの中古相場は? フォークリフトの中古車相場は、機種やメーカー、年式、稼働時間や機械の状態によって異なるため一概には判断できません。当然、コマツやCatといった人気メーカーのフォークリフトは相場が高く、それ以外の機種とでは1.5倍以上の価格差がつくこともあります。 また、フォークリフトの場合、「エンジン式」と「バッテリー式」の大きく分けて2タイプの動力があり、それぞれで価格帯が異なります。新車の価格相場で言うと、バッテリー式の相場が高めですが、中古車の場合はエンジン式の方が割高になります。 これは、バッテリーは消耗品であるため使用年数が経過するにつれて摩耗していくためです。中古のバッテリー式フォークリフトを購入後は、バッテリーを新品に交換しなければならない分、販売価格はやや低めに設定されています。 バッテリー式フォークリフトのバッテリーは、¥300,000〜¥1,000,000と高額なので、バッテリー式の中古フォークリフトを購入する際は、バッテリーの購入費用も考慮して検討してください。 フォークリフトのレンタル価格は? フォークリフトのレンタル価格は、主に「機種」、「駆動方式」、「レンタル期間」などの要素で費用が大きく変化します。 フォークリフトには、小型の手動式やバッテリー式、ガソリン式などさまざまな種類があります。 ガソリン式フォークリフトは、重量のある荷物を扱う場合や屋外での作業に適しています。しかし、燃費がかかるためレンタル費用に追加でコストがかかります。倉庫内やトンネル内での作業に使用されるバッテリー式フォークリフトは、稼働コストが低く、ガソリン式フォークリフトと比べてレンタル料金は安くなります。 料金形態は、レンタル業者によって異なりますが、利用金は1日単位で設定されていることが一般的です。また、長期レンタルの場合は月単位で料金が安くなるプランを用意している業者もあります。 フォークリフトのレンタル料金相場は、小型のフォークリフトの場合、基本日額/¥7,000~¥22,000程でレンタルできます。 詳しい料金は自身が利用しようとしているレンタル業者のホームページで料金表を確認するか、電話で見積もりをとって確認しましょう。(2024年10月16日現在 トクワールド調べ) フォークリフトの法定点検と費用フォークリフトに必要な点検とその費用 フォークリフトは、労働安全衛生法により以下3つの定期自主点検が義務付けられています。(労働安全衛生規則 第151条の21) 始業前点検(作業開始前の点検) 月検査(定期検査) 年次検査(特定自主検査) 特に、月に1回で行う特定自主点検(月次点検)と、年に1回で行う特定自主点検(年次点検)は必ず実施することが法令で定められています。 ここからは、フォークリフトを購入する前に知っておきたい3つの定期点検についてご説明します。 始業前点検(作業開始前の点検) 始業前点検は、フォークリフトの作業開始前において日常的に行う点検のことです。 始業前点検は、労働安全衛生法第151条の25に規定されており、有資格者でなくとも検査を実施することができます。 始業前点検の項目は以下の4つです。 制御装置及び操縦装置の機能 荷役装置及び油圧装置の機能 車輪の異常有無 灯火装置(前照灯、後照灯、方向指示器)及び警報装置の機能 始業前点検を毎日の習慣とすることで、機械の故障や事故の発生リスクを大きく下げることができます。 2.月検査(定期検査) 月検査(定期検査)は、「1ヵ月に1回行う」ことが法令で定められています。 開始前点検と同じく、無資格者でも点検を行うことは問題ありませんが、「モーターの回転状態」「走行ヒューズのゆるみ」「サスペンションの亀裂」「油圧ポンプ・配管の油漏れ」「異音箇所の有無」など点検項目が細かくなっています。 そのため、専門知識がある有資格者が点検を実施することが推奨されます。月次点検での項目は以下の内容になります。 制動装置、クラッチ及び操縦装置の異常の有無 荷役装置及び油圧装置の異常の有無 ヘッドガード及びバックレストの異常の有無 月次点検は、定期自主検査の記録を3年間保管しておくことが義務付けられています。これを怠ると、50万円以下の罰則を受けることもあるのでご注意ください。 3.年次検査(特定自主検査) 年次検査は、労働安全衛生規則で「1年を超えない期間ごとに行う」ことが定められている点検です。 始業前点検や月次点検とは異なり、年次検査は「必ず有資格者」が行い、月次点検と同様、点検記録を3年間保管することが義務付けられています。記録の保管を怠った場合も同様に50万円以下の罰則を受けることになります。 こちらは、プロ(有資格者)が行う点検であり、整備工場やメーカーに検査を委託するのが一般的です。年次点検を委託した場合の費用相場は以下のとおりです。 動力 1t未満 1~2t未満 2~3t未満 3~5t未満 5t以上 エンジン式 ¥30,000 ¥35,000 ¥40,000 ¥60,000 ¥70,000 バッテリ-式 ¥25,000 ¥30,000 ¥35,000 ¥50,000 ¥50,000 年次検査にかかる費用の内訳は、「特定自主検査費用」+「使用部品」+「代車・引取納車費用(現地検査の場合は主張費)」+「特定自主検査証明書費用」というイメージです。(2024年10月16日現在 トクワールド調べ) まとめ 今回は、フォークリフトの導入をご検討中の方に向けて、フォークリフトを選ぶときに知っておきたいマストの役割や種類、中古車・レンタルの価格相場、導入後に必要な法定点検について解説しました。 中古フォークリフトは小型の機種でしたら価格帯を見ても購入しやすく、オークションサイトでもさまざまな機種を目にします。導入ご検討時は、使用する場所や用途に適した機種を選ぶこと、導入後の法定点検や維持コストも考慮しましょう。

    #フォークリフト#マスト#種類#役割

    2024/10/16

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  • フォークリフトのパレットは木製とプラスチック製のどっちがいい?
    フォークリフト

    フォークリフトのパレットは木製とプラスチック製のどっちがいい?

    フォークリフトのパレットとは? パレットとは、貨物を置くための平面を持つ荷役台ことです。パレットには差込口があり、フォークリフトなどの荷役機器を使って貨物の上げ下げや移動を簡単に行うことが可能です。パレットを利用することで、物流作業の効率が大幅に向上します。 パレットを利用する目的と効果 パレットの導入は、業務の効率を向上させ、作業負担を軽減させることを目的としています。貨物をパレットに載せることで、荷役や保管、輸送にかかる時間を削減し、作業の効率化が可能です。 パレットを使用することで、手作業の荷役と比べて荷役時間が約1/3から1/4に短縮され、大幅な時間節約が期待できます。 一般社団法人日本パレット協会の調査によれば、手作業での荷役に平均90〜120分かかるところ、パレットを利用することでおよそ30分程度で完了するとされています。 さらに、2024年4月からは、働き方改革関連法によってトラックドライバーの時間外労働に対する罰則規定が導入されるため、荷役時間の短縮はその対策としても有効です。 【適切なパレットを選ぶことで得られるメリット】 荷役作業の効率化 作業時間短縮 貨物の損傷減 コスト削減 パレットの主な材質 パレットに使われる材質は、以下の4つが主流となっています。 パレットは用途や環境に応じて材質が選択されます。 木製パレット 木製パレットは、「木パレ」とも呼ばれ、充分な強度や耐荷重量をもつにもかかわらず、生産や廃棄にかかるコストが低いことが特徴です。主に、資材等の流通や保管に使用されているほか、物流用途だけななくDIYやインテリア等にも幅広く利用されています。 木製の特性として部分的に破損しても簡単に修理できる点もメリットです。一方で木材は、割れや削れ、反りなどの損傷が起きやすく、耐久性に難点があります。加えて、湿度の高い環境では変形しやすく、害虫の侵入や菌の発生リスクがあることもデメリットです。 そのため、食品などの物流現場には適していないとされています。 また、木製パレットは防腐剤が使用されていることもあり、定期的な管理と処分が必要です。木製パレットを廃棄する際、日本では産業廃棄物として扱う必要があるため、解体して一般ゴミとして処分することはできません。 プラスチックパレット 「合成樹脂パレット」「プラパレ」とも呼ばれ、木製パレットと比べて強度や耐荷重量に優れていることがメリットです。頑丈で破損が少なく、耐用年数が長いという長所から、工場や倉庫、トラック、コンテナなどで荷物を輸送や保管する際に多く使用されています。 湿気にも強いため、腐食やカビに強く、破損のリスクも少ないです。そのため、湿度の高い環境でも使用することができます。 しかし、プラスチックパレットは、木製パレットよりも単価が高いことがデメリットです。そのため、パレットを大量に必要とする現場では木製パレットが好まれる傾向にあります。 プラスチックパレットは、破損した場合、廃プラスチックとして分類されるため、産業廃棄物としての処分が必要です。 金属製パレット 金属製パレットまたはスチールパレットは、鉄やアルミニウムで作られたパレットです。強度・耐荷重量面では他のパレットよりもっとも優れています。ただし、コストの高さやパレット自体の重量による問題がネックです。 運用の難しさから、一般的にはあまり使用されないパレットですが、頑丈で重い荷物の運搬に適していることから、工業製品や機械部品の多くに使用されています。また、衛生が求められる食品産業や医療品産業などでも利用されています。 紙製パレット(ファイバーボード製、ダンボール製) 紙製パレットは、特殊なクラフト紙を材質にしたパレットです。ウッドショックによる木製パレットへの依存に対する懸念から近年登場しました。 強度の面では他の材質に及ばない部分もありますが、軽量の品物であればしっかり保護しながら運搬できます。しかし、近年では開発技術の進歩により約5トンの重量に耐えられる紙製パレットも開発されています。 また、軽量な紙製パレットは、造形が容易かつ短期納品が可能な点もメリットです。リサイクル面でも優れており、環境負荷が少ないという観点からも、今後ますますの普及が見込まれます。 パレットには材質以外にも「差し込み口」や「形状」の違いにより種類が分類されます。 差し込み口の違い パレットの差し込み口には、「二方差し」と「四方差し」の2種類があります。 二方差しパレット…2つの側面に差し込み口があり、フォークリフトの向きに合わせて動かす必要があります。木製パレットでは、特に二方パレットがよく使われます。 四方差しパレット…すべての側面に差し込み口があり、フォークリフトの方向を変えることなく積み込むことが可能です。四方パレットは軽くて手で運びやすいですが、重量のある物品の運搬には適していません。 パレットの種類の違い形状の違い パレットの形状にもいくつかのバリエーションがあります。標準的な平パレットはフラットな形状で、木製や樹脂製のパレットがこれに該当します。パレットの形状は以下の7種類です。 ボックスパレットなどは立体的な箱型をしており、物品を積み上げる際に便利です。こうした箱型のパレットには折りたたみ可能なものも多く、使用していないときにはコンパクトに収納でき、スペースの節約につながります。 扱う積荷や用途にあったパレットの形状を選択してください。 平パレット 平パレットは、フォークリフトの差し込み口があり、上部に構造物がないパレットです。木材、プラスチック、ダンボール、金属など多様な材質で作られています。ケース単位の貨物、例えばダンボールなどを載せる際に使用されます。 ボックスパレット ボックスパレットは、3面または4面に側板が付いたパレットのことです。これ自体がケースとして機能し、蓋が付いたタイプも存在します。袋入り野菜や金属線、金属片などの貨物に適しています。積み上げが難しい貨物には、ボックスパレットが適しています。 ロールボックスパレット ロールボックスパレットは、車輪が付いているボックスパレットで、現場では「カゴ車」や「カゴ台車」とも呼ばれます。フォークリフトを使わずに荷物を入れて移動させることができるため、配送センターやスーパーマーケットの納品現場でよく使用されます。 ポストパレット ポストパレットは、支柱付きのパレットです。これに似たものとして「ネステナー」があり、主に倉庫での商品保管に使われます。ポストパレットは、貨物を直接積載したり、トラックにそのまま積み込むことができる点が、ネステナーとは異なります。 シートパレット シートパレットは、ダンボールや紙、樹脂などの薄いシートで作られたパレットです。使用するには、フォークリフトに「プッシュプル」と呼ばれる専用のアタッチメントを装着する必要があります。 サイロパレット サイロパレットは、粉状の貨物を輸送するために使われるパレットです。下部に開閉装置があり、上から貨物を入れて、取り出す際は下部の開閉装置を開けます。 タンクパレット タンクパレットは、液体輸送用のパレットで、上部または下部に液体の出し入れ口が設けられています。 パレットの規格は? パレットには規格が定められており、国内と海外ではその規格も大きく異なります。 日本国内で定められているJIS規格のサイズと、世界主要国で定められている規格があります。 日本のパレット パレットの規格は、JIS規格に基づき、「1100×1100×144mm」が標準サイズです。このサイズは「T11型パレット」や「イチイチパレット」とも呼ばれ、国内でもっとも多く使用されています。 その他、以下のような寸法が規格として定められています。 【国内で使用されるパレットの規格】 1,100mm×800mm 1,100mm×900mm 1,100mm×1,100mm 13,00mm×1,100mm 1,400mm×1,100mm 1,200mm×1,100mm 12,00mm×800mm 12,00mm×1,000mm 1,400mm×1,130mm また、オーダーメイドで新しくパレットを注文することもあります。各業界で使用されているパレットサイズです。 【各業界ごとのパレットサイズ・特徴】 業界 パレットサイズ 特徴 酒類業界 1,100mm×900mm 「ビールパレット」として知られ、6箱のビールケースを載せることができる。 食品業界 1,100mm×1,100mm 洗浄が可能なプラスチック製のパレットが多く使用されている。 冷凍食品業界 1,200mm×1,000mm 冷凍環境下ではポリプロピレンが脆くなるため、代わりにポリエチレン製のパレットを利用。 医薬品業界 1,100mm×1,100mm GMP(医薬品の製造と品質管理基準)に従い、プラスチック製パレットの利用が増加している。 化学業界 1,220mm×1,220mm 4本のドラム缶を効率よく積載できるサイズのパレットが使用されている。 海外のパレット 国外では以下のようなサイズのパレットが使用されています。 【世界各国で使用されているパレットの規格】 国/地域 規格名 寸法(mm)・種類数 韓国 KS 1100×1100, 800×1000, 1100×800, 1100×900, 1100×1300, 1200×800, 1200×1000(6) 台湾 CNS 1100×1100, 800×1000, 1100×800, 1100×900, 1200×800, 1200×1000, 1200×1400, 1000×1200(7) 中国 GB 1219×1981, 1219×1219, 1219×1067, 1219×1016, 1219×914, 1168×1168, 1118×1118, 1067×1067, 1016×1016, 914×914, 1194×889, 762×762(12) 米国 ANSI 1219×1219, 1067×1067, 1219×1067(3) ドイツ DIN 1100×1100, 600×800, 800×1200, 1000×1200, 1219×1016, 800×1200, 800×1600, 1000×1200, 1000×1600, 1000×2000(10) 英国 BS 800×1200, 1200×800, 1200×1000, 1140×1140(4) スウェーデン SIS 800×1200, 400×500, 600×800, 1200×800(4) オーストラリア AS 1165×1165, 1200×1800(2) 旧ソ連 GOST 1200×1600, 800×1200, 1000×1200, 1200×1200(4) スイス SNB 800×1200(1) 各国のパレット事情 各国でパレットの規格が異なると、多くの問題が生じます。まず、サイズが異なるパレットは積み重ねて保管することができず、共同での使用も難しくなります。また、同じ工場内にさまざまな形状のパレットが混在していると、保管効率が悪化し、限られたスペースや時間の無駄につながる恐れがあります。 このような背景から、2006年にアジア全域で規格を統一し、物流プラットフォームの構築を目指してアジアパレットシステム連盟(APSF)が設立されました。 日本、中国、韓国、インド、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、タイ、フィリピン、ベトナムの各国が加盟しています。この連盟は、アジア全域で11型(1100×1100mm)と12型(1000×1200mm)を標準規格とし、2025年から本格的な運用を開始する予定です。なお、EUでは既にEPALがパレット規格を統一し、運用しています。 パレットの相場 パレットは種類や材質によって価格が異なります。一般的に木製パレットやプラスチックパレット、紙製パレットは比較的安価です。紙製パレットは木製パレットやプラスチックパレットよりもさらに低コストで導入できます。 しかし、金属製パレットの相場はもっとも高価となっています。 木製パレットやプラスチックパレットは、¥1000〜¥4000前後から価格展開されており、相場の目安です。しかし、金属製パレットの値段は約¥10,000以上が相場となっており、木製、プラスチックパレットのおよそ2.5倍もコストがかかる傾向にあります。 ただし、安価とされる木製パレットでも使用している木材によって価格が変動します。一般的に安価で販売されている木製パレットは、材質が針葉樹で作られたものです。そして、南洋材をはじめとする広葉樹は、供給量が少なくそのぶん高価となります。 パレットはレンタルすることも可能 近年では、パレットを購入するのではなく、必要な時にレンタルするという選択肢が広がりを見せています。パレットをレンタルすることには、さまざまな利点があります。 パレット管理の負担軽減 レンタルの大きな利点として、パレットの管理が不要になる点が挙げられます。使用後のパレットは一般的に「デポ」(レンタル元)に返却するため、企業は自社で過剰な在庫を抱える必要がありません。さらに、レンタルサービスを利用することで、パレット管理や在庫の維持にかかるコストや手間を大幅に削減することができます。 回収されたパレットは、デポで洗浄や修理などのメンテナンスが行われるため、企業はその業務に時間を割く必要がありません。また、季節による需要の変動にも柔軟に対応できることが、レンタルのもう一つの強みです。 パレットの過剰在庫のリスク回避 パレットを自社で所有する場合、その数はレンタルの約3倍が必要とされています。物流業界ではパレット輸送が一般化していますが、拠点間の移動によりパレットが紛失するリスクが存在し、それが普及の妨げとなっていました。 しかし、レンタルサービスを活用することで、企業は余分なパレット在庫を保有する必要がなくなり、このリスクも大幅に軽減されます。 材質の特性を理解してパレットを選ぶ パレット選びにおいてコストは大切な要素ですが、材質の特性に適していることが最も重要です。運搬の目的を考慮すると、商品に影響を与えない形で輸送できるパレットを選ぶ必要があります。また、物流の観点から企業の姿勢を反映したパレット選びも求められます。 4つのケースを例に用途に合ったパレットをご紹介します。 パレットの材質はニーズに合わせて選ぶことがポイントです。 .環境に配慮したい場合 近年、SDGsの観点から環境への意識が重要視されています。リサイクルが可能なプラスチック製パレットや、ゼロエミッション対応でリサイクルが容易な紙製パレットを使うことで、企業の環境への配慮をアピールできます。 軽量で滑りにくいパレットが必要な場合 軽さと商品の保護を重視する場合、滑りにくい材質の木製パレットが有効です。しかし、湿度が高いと害虫やカビが発生しやすくなるため、乾燥状態を保つなどの取り扱いに注意が必要です。 不定形で頑丈さが求められる場合 様々な形状の商品に対応し、外部からの衝撃からしっかりと保護する必要がある場合には、金属製のパレットが適しています。高い耐荷重性を持ち、商品の形状に合わせて製作することも可能です。ただし、コストやパレット自体の重さに関しては検討が必要です。 食品、医療品、農産物を効率良く運びたい場合 比較的軽量な商品を効率的に輸送するためには、合成樹脂製などのシートパレットが適しています。これらは軽量で省スペースなだけでなく、紙や木製品に比べて耐水性・耐薬品性に優れており、衛生面でも雑菌が繁殖しにくいという利点があります。 パレットを利用する際の注意点 パレットを利用する際には、いくつかの注意点があります。 まず、パレットを使うことで積載効率が下がる場合があります。たとえば、プラスチック製の平パレット1枚の重量を20kgとすると、トラックに8枚積載する場合、合計160kg分の貨物を積むことができなくなります。この問題に対しては、より軽量なシートパレットを使用することで対処できます。 また、トラックでパレットを運搬する際、パレットの間に隙間が生じることがあり、その隙間を埋めるための緩衝材が必要です。さらに、倉庫でのパレットの管理には、棚卸しや保管スペースの確保が求められます。そのため、コスト削減の一環として、レンタルパレットを利用する方法も考えられます。 まとめ パレットにはさまざまな種類がありそれぞれが持つ特徴は異なります。そのため、積荷によって適切なパレットを選択することはもちろん、パレットごとのメリット・デメリットを考慮することが大切です。 適切なパレットを使用することによって、荷役作業の効率化やコスト削減に繋げることができるでしょう。

    #フォークリフト#パレット

    2024/09/13

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