クレーン
2022/08/01
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【ラフタークレーンとトラッククレーンの違い】大人気のラフタークレーンとその他のクレーンを徹底比較
「ラフタークレーンの免許を取得したいけど、他のクレーンとは何が違うんだろう?」
「ラフタークレーンを購入したいけど、それがベストな選択なのかな?」
こういった悩みを解決します。
必要な資格や最大吊り能力、操作方法などクレーンによってさまざまにあります。
また、トラッククレーンなど他の移動式クレーンの特徴も紹介しますので、参考にしてください。
ラフタークレーンは、大変人気のある移動式クレーンです。
この記事のポイント
●ラフタークレーンが、なぜ人気なのか
●ラフタークレーンの用途や得意作業
●ラフタークレーンと、その他の移動式クレーンの違い
●必要な資格など、移動式クレーンの基本情報
ラフタークレーンのここがすごい!人気の理由3選
「ラフタークレーンのことは、バッチリ理解している」という方も、一度読んでいただくと復習になると思います。
ラフタークレーンが流行した理由として、以下の3点が挙げられます。
1.不整地や軟弱地盤に強い
2.市街地などの狭い場所が得意
3.公道を走行でき、作業性が高い
それでは、詳しく解説していきます。
大型タイヤを装備しており、不整地や軟弱な地盤を走行可能
そのため、不整地や軟弱な地盤の走行を、得意としています。
ラフタークレーンは、全輪駆動式です。つまり、4つのタイヤを全て動かせます。
これにより、他のクレーンでは入っていけない軟弱な地盤を、走行する機動力があります。
整備されていない山奥や凸凹した場所で作業することの多い土木工事で、その実力を発揮しています。
コンパクトなため、狭い場所や市街地で活躍
そのコンパクトな機体から、他のクレーンでは作業が困難な場所で、大いに活躍しています。
また、作業に幅をあまり必要としないので、市街地などスペースが十分に取れない場所でも重宝されている移動式クレーンです。
しかし、コンパクトなラフタークレーンは、最大吊り上げ能力が少ない、という特徴もあります。
次は、ラフタークレーンとその他クレーンでの、最大吊り上げ能力を比較します。
公道を走行できるため、作業性に優れている
現場内はもちろんのこと、公道も走行できます。
現場で、ブーム等を組み立てる必要もありません。
公道を自走して現場に入り、すぐに作業を開始できます。
この手間のかからない、作業性の高さが人気の理由といえます。
注意点として、ラフタークレーンは公道を走行する際、免許が必要になります。
免許についても、この後詳しく解説していきます。
ラフタークレーンの用途と得意な作業を知ろう
さまざまなクレーンが世の中にはあります。しかし、それぞれ適材適所があることを忘れてはいけません。
用途や得意な作業を知ることは、非常に大切です。
ラフタークレーンの主な用途は、吊り荷作業
そのため、以下のような作業に適しています。
●土木作業
●解体作業
●建築作業
先端にジブを装備することによって、さらに幅広い用途で活躍してくれます。
ラフタークレーンは、不整地や市街地での吊り荷作業が大得意
語源は、英語の「Rough Terrain Crane」になります。
その名前の通り、1番得意な作業は不整地での吊り荷作業です。
ラフタークレーンと比較する、主要な移動式クレーン3選
トラッククレーン
小型機種から大型機種まで幅広くあり、日本全国で活躍しています。
トラッククレーン専用のキャリアに、旋回サークルやアウトリガーを装備しています。
そして、その上にクレーン装置を架装したものがトラッククレーンです。
ユニック車
ユニック車は、トラックの荷台と運転席の間に、クレーン装置を装備したものです。
クレーン装置と荷台を装備していることから、現場では資材の搬入、搬出でその姿を多く目にすることができます。
便利な側面、最大吊り上げ荷重が少ないというデメリットがあります。
クローラークレーン
そのキャタピラの上に、クレーン装置を架装しています。
キャタピラによる安定感は抜群で、クローラークレーンも不整地や軟弱な地盤での作業を得意としています。
しかし、走行速度は極めて遅いので、適材適所が求められる移動式クレーンとなっています。
ラフタークレーンとの違いがよく分かる5つのポイント
今回紹介する5つのポイントは、以下の通りです。
1.資格の違い
2.最大吊り上げ能力の違い
3.操作場所の違い
4.移動速度の違い
5.生産台数の違い
必要になる資格の違い
また、公道を走行する場合も、クレーンに適した運転免許を取得していなければいけません。
それぞれの移動式クレーンで必要になる免許は、以下のようになります。
機種 | クレーン操作に必要な資格 | 公道の運転で必要な資格 |
ラフタークレーン | 移動式クレーン運転免許 | 大型特殊免許 |
トラッククレーン | 移動式クレーン運転免許 | 普通~大型自動車運転免許 |
ユニック車 | 移動式クレーン運転免許 | 普通~大型自動車運転免許 |
ラフタークレーン | 移動式クレーン運転免許 | 禁止 |
また、ラフタークレーンは公道を運転する場合、大型特殊免許を取得している必要があります。
トラッククレーンやユニック車の場合は、自分が運転するトラックのサイズに応じて、普通〜大型の自動車運転免許が必要になります。
前述したように、ラフタークレーンは、自走で現場に入り、すぐに作業を開始できるのが強みになります。
つまり、「クレーン操作に必要な資格」と「公道の運転で必要な資格」は、セットで考える必要があります。
最大吊り上げ能力の違い
最大吊り上げ能力は、クレーンの特徴が分かりやすい項目です。そのため確認が必要です。
この記事では、国内で一般的に流通しているものを対象にします。
それぞれの移動式クレーンでの最大吊り上げ能力は、以下のようになります。
機種 | 最大吊り上げ能力 |
ラフタークレーン | 100t |
トラッククレーン | 300t |
ユニック車 | 10t |
クローラークレーン | 500t |
しかし、100tのラフタークレーンは少なく、25t〜70tが多いです。
一般的な土木工事や建築工事では、70tの吊り上げ能力で対応できることがほとんどです。
ユニック車は、用途が資材の搬入、搬出なので、吊り上げ能力はそこまで求められていません。
反対に、クローラークレーンやトラッククレーンは、大規模な現場での使用が多く、吊り上げ能力が大きいほうが選ばれます。
操作場所の違い
運転席とクレーン操作室が一緒になっているタイプやリモコン式など、さまざまです。
それぞれの移動式クレーンの操作場所は、以下のようになっています。
機種 | 操作場所 |
ラフタークレーン | 運転席とクレーン操作室が同じ |
トラッククレーン | 運転席とクレーン操作室が別々 |
ユニック車 | リモコン式やラジコン式 |
クローラークレーン | クレーン操作室のみ |
そのため、クレーンを操作する際に、一度降車する必要がありません。この点も、ラフタークレーンの作業性向上の要因になっています。
トラッククレーンは、運転席とクレーン操作室が別々になっています。
そのため、クレーンを操作する際は、一度降車する必要があります。
しかし、その分クレーンの操作がしやすいというメリットがあります。
ユニック車は、運転席から降り、手元のリモコンで遠隔操作をするのが一般的です。
それぞれの移動式クレーンの移動速度は、以下のようになります。
機種 | 速度制限 |
ラフタークレーン | 最高速度50km未満 |
トラッククレーン(大型) | 最高速度90km(車両のサイズによる) |
ユニック車(大型) | 最高速度90km(車両のサイズによる) |
クローラークレーン | 非常に遅い |
そのため、高速道路を走行できず、長距離走行は向いていません。
トラッククレーンやユニック車は、車両のサイズによりますが、大型だと最高で90kmの速度を出すことができます。
高い機動力を持ち、長距離走行もお手の物です。
生産台数の違い
生産台数の多さは、需要に結びついています。
今、国内では、どのクレーンが流行しているのかを考えるときの、参考にしてください。
それぞれの移動式クレーンの生産台数は、以下のようになります。
機種 | 生産台数 |
ラフタークレーン | 1,843台(トラッククレーンも含む) |
トラッククレーン/td> | 1,843台(ラフタークレーンも含む) |
ユニック車 | 12,567台 |
クローラークレーン | 546台 |
参考:一般社団法人 日本クレーン協会 クレーン等機種別生産台数
ラフタークレーンとトラッククレーンは、合算された数字です。ほとんどがラフタークレーンになります。
トラッククレーンは、今ではあまり生産されていないためです。
ラフタークレーンとトラッククレーンが分けて記載されていた、平成24年のデータを見ても、ラフタークレーンが2,691台なのに対してトラッククレーンは、143台になっています。
ラフタークレーンは、移動式クレーンの中でトップの生産量を誇っています。
まとめ
- 不整地や狭い場所での活躍ができる
- 運転席とクレーン操作室が同じ、さらにブーム等を組み立てる必要もないため、作業性に優れている
- 生産台数は、移動式クレーンの中でトップクラスのため、中古も見つけやすい。
ラフタークレーンは、非常に扱いやすい移動式クレーンです。