キャリアダンプ
2022/07/01
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農業でも便利な建設機械、キャリアダンプとは!
そして、非常に汎用性が高いということもありキャリアダンプは様々な場面で活躍しています。今回はそんなキャリアダンプについて解説していきます。
キャリアダンプは不整地での運搬作業で重宝される建設機械
不整地で荷物を運搬するための特殊自動車というカテゴリーに該当し、この機械を運転するには、最大積載量が1トン以上の場合「不整地運搬車運転者」の資格を取得することが必要です。1トン以下は「不整地運搬車の運転業務に関わる特別教育」という特別教育を修了していることが条件です。
キャリアダンプの別名は、不整地運搬車、キャリーダンプ等と呼ばれ、走行装置によってもやや呼び方が変わってきます(以降この記事ではキャリアダンプの呼称で統一して解説します)。
不整地走行能力と運搬性能が高いため、主に工事現場などで荷役作業に使われますが、それ以外に農業や林業、造園、災害復旧、軍事用途などあらゆる分野で活躍しています。
キャリアダンプの走行装置・種類・運搬能力
また、乗車式と歩行式がありますが、操縦席がない歩行式と呼ばれる小型のキャリアダンプは座席がないため特殊自動車にはなりません。そのため資格取得の必要はありません。歩行式キャリアダンプのほとんどはクローラータイプで、農作業用のモデルが多く、農作業用として販売されているものは農機具扱いになります。
クローラー方式
クローラー走行方式のキャリアダンプは、泥濘地や土などの軟弱地盤の他、傾斜地した場所でも土砂や重量物を積載して走行することができます。また、左右のクローラーが独立して駆動するため超信地旋回も可能で、狭い場所での作業にも便利な建設機械となっています。
以上のように不整地での荷役や走行性能が高いことから、クローラー走行方式がキャリアダンプの主流となっており、油圧装置を搭載したダンプ式荷台が標準的です。
クローラ走行方式をベースにクレーンや木材などを回収する集材機等を架装したタイプや、河川工事では水上航行も可能な水陸両用モデルも存在します。
ホイール方式
古くはクローラー式のクローラは鉄製でしたが、機動性が低く走行音も大きくて乗り心地が悪い、舗装路面を傷めるなどの理由で、過渡的に6輪や8輪を駆動するホイール式が多く活用されていました。しかし、昭和後期にゴム製クローラーが登場すると、ホイール式キャリアダンプを見かけることが少なくなりました。
機動性が高いため、道路工事や舗装面での作業で活躍することができ、果樹園や前後走行が多いビニールハウスなどでの需要があります。
キャリアダンプの荷箱は2種類
ベッセル
三方開
政府機関でも導入。陸上自衛隊や警視庁で配備されるキャリアダンプ
資材運搬車は主に施設科や特科、普通科などに装備され全国各地の駐屯地で目にすることができるでしょう。荷台には最大3トンの積載能力があり、土砂や築城資材の運搬などの局地輸送だけではなく、物資や砲弾、弾薬などの輸送にも使用されます。自衛隊仕様は荷台への積み込み用として、車体中央に吊り上げ能力約2トンのクレーンが装備されています。
耐久性にも優れている車体とゴムクローラーを有し、近年では被災地での災害復旧任務に従事している場面も多く見られます。災害派遣で遠く離れた被災地に移動する場合や演習場へ向かう際は、トラックへ積載して現地まで運搬することができることも利点の一つです。
災害派遣だけでなく、ボディを白く塗った同車が、PKO活動などの国際貢献任務でも活躍しています。
また、警視庁 特科車両隊では諸岡製キャリアダンプである「不整地運搬車 MST-800VD」をベースに赤色、黄色蛍光灯と作業灯、フロントガラス下部の金網が追加されたものが、災害用不整地運搬車として都費導入されています。
このようにキャリアダンプの高い能力や汎用性は確実に証明されています。
キャリアダンプを業務で使用するには資格が必要
ただし、不整地走行に使用する車両機械として、ハンドガイド式(歩行式)や農耕用運搬機、林内作業車等もありますが、これらは不整地運搬車に含まれません。
個人所有できる!農作業、家庭菜園に便利なヤンマーのMC(ミニクローラ)シリーズを解説!
ヤンマーではMCシリーズとして歩行式の小型キャリアダンプの展開が充実しています。また、立ち乗り式の運搬車や3輪タイプの動力運搬車、ホイール式の乗用運搬車もあります。
また、クローラ方式のキャリアダンプにはガソリンエンジンを搭載しているものの他に、収穫物の運搬からタンクや散布機を積んでの防除作業、細い畝を通ることなどを想定し、車幅をコンパクトにした畦間作業車、スイカ専用運搬車、畝をまたいで作業ができる野菜作業車など、農家のための商品ラインナップが充実しています。
林業や個人で山などを所有している方は、強力なウインチ、ワイヤーが搭載された木材運搬車もあるのでチェックしてみてください。
家庭菜園・小規模農業向け
小規模農家の要求スペックを完璧にこなしたミニキャリアーです。収穫した野菜や肥料袋、土砂の運搬に便利で、クローラタイプなので畑や果樹園での走行も快適、木材やしいたけ原木の運搬にも最適です。積荷や用途にあわせて調節できるスライド式荷台も様々な用途で活用できます。
ダンプ・大箱仕様(MC96RD,J)は荷台長1050mm、荷台幅754mmのジャンボな荷台に加え、油圧パワーで荷台がスムーズにダンプします。他にも、トラックなどへの積み替えがラクに行えるリフトダンプ仕様や肥料などの運搬に適したサビにくいステンレス荷台仕様もあります。
MC86R、MC81R
不整地、あぜ道、ビニールハウス内などの狭いスペースで使いやすいのがMC86Rです。20kgコンテナを4個積載可能で、荷台はスライドが左右開閉します。
ガーデニングや家庭菜園などの用途でキャリアダンプをお探しでしたら、機能はそのままで価格がお手頃なMC81Rもオススメです。
MC95FT
立ち乗り式のキャリアダンプです。積荷といっしょに自分も運べることがコンセプトとなっており、前ミッションになっており乗っても降りても操作バランスが良く、ちょっとした移動時に立ち乗りができるため作業の疲労も軽減されます。
こちらも積荷や用途にあわせて荷台が選べます。荷台を長さ1110mm、幅900mmまで延長できるスライド式箱型荷台モデルはたっぷり積めて、コンパクトに収納することができます。
大量運搬には荷台長1050mm、荷台幅754mmの三方開きの大型荷台は、積荷にあわせて荷台形状が変えられます。
農家向け
プロの作物作りをサポートする性能は十分で20kgコンテナが8個積載可能、土砂や尺長の木材でも運搬可能な積載能力。前後進タイプなのでターンが不要で、狭い場所や中間山地にて、往復作業の多い運搬作業に最適です。
CG193S・CD193S
プロ向けの多目的大型運搬車として、湿田やぬかるんだ圃場での作業に威力を発揮します。1,200kgの積み込みが可能で520mm×365mmコンテナが10個も平積みできる積載能力を誇ります。
大量の収穫物や大きな荷物、土砂、堆肥などの重い荷物もスピーディーに運搬できるパワフルな大型多目的クローラーキャリアです。
畦間作業車NC39
うねを通って収穫物や防除作業などの資材を快適に運搬できる商品です。クローラ外幅が39cmのコンパクト設計なので、狭いうね間でも作物を傷めることなく走行でき、取り回しもラクに行えます。トンネルマルチ回収時の支柱やフィルム運びや防除機を荷台に載せて、高い地上高を生かした防除も可能です。広い荷台で苗箱の回収にも便利です。
また、かさ張るスイカを大量に運搬できる深いバケット型荷箱のスイカ仕様も用意されています。
野菜作業車には NC14・16A・17
大きなうねでもまたいで走行し、サイズや作物の高さにあわせてトレッドや荷台の幅、高さが変えられるので、ラクな姿勢で作業ができます。タイプにあわせて選べます。
レタス・ホウレン草などの軽量野菜用にはNC14,AHW:300kg積み、荷台長:1350mm、OHVガソリン3.0PS、20kgコンテナ積載可能数:通常7~拡張時12個
ダイコン・ハクサイなどの重量野菜用にはNC16A,AHW/NC16A,AHWS:500kg積み、荷台長:1560mm、OHVガソリン4.2PS、20kgコンテナ積載可能数:通常12~拡張時18個
ダイコン・キャベツなどの重量野菜にはNC17,AAW:500kg積み、荷台長:1690mm、OHVガソリン4,2PS、20kgコンテナ積載可能数: 20kgコンテナ積載可能数:通常9~拡張時15個
野菜作業車NC20S
いろいろな作物、栽培、作業に対応しており、鉄コンテナが積載可能。うねをまたいで、重量野菜の収穫から運搬、1,000kg積載可能。20kgコンテナの積載可能数は通常11〜拡張時は22個です。
NC20S,WTは安全装置のバーに何かが当たると一時的にクラッチが切れ、離れるとクラッチが入る構造の、追突や挟まれ防止機能を表中搭載しているので、より安全に作業が行えます。
タマネギ栽培に使用するタマネギピッカーなど、他の機械との併用作業や苗箱並べ、苗出しになどの作業にオススメです。タマネギの鉄コンテナや広い荷台で苗箱用鉄枠も余裕で搭載できます。
木材運搬車CD202ST
悪路・林道走破性、ワイドな荷台と1,100kgの積載能力、強力ウインチを装備し、林内作業を大きくサポート。クリーン&高出力の新型横水ディーゼルエンジンを搭載で、9.5馬力とパワフルながら、排ガス自主規制に対応しています。また、前ミッション効果に加え、ロングローラーと広いトレッド幅により、傾斜地の上り下りや作業も安定した走行性があります。
1軸2動式ウインチは、巻取り・引き出しとも2段変速で集材、引き出しが効率よく行え、ウインチドラムには押付けローラーを採用、ワイヤの巻き取りや引出しがスムーズです。
キャリアダンプはレンタルできるのか
中古購入は新品購入より初期費用を抑えることができますが、状態が悪いものも多く出回っているので、念入りなリサーチや知識、購入後の調整などが必要です。
キャリアダンプを使用したい際は、レンタルという選択肢もあります。
キャリアダンプは重機リース業者やコマツなどのメーカーからもレンタルサービスがあります。どのリース会社と契約するかにもよりますが、小型のものでしたら数万円から借りることができます。
レンタルのメリットは、初期費用や維持費、保管場所が不要な点です。また、積載するものに応じて必要なサイズや機能を持ったキャリアダンプを選択できるのも大きなメリットでしょう。
しかし、常用や長期間に渡りレンタルする場合は購入よりもコストがかかる点です。使用頻度や目的に応じてレンタルのメリットが享受できるか判断してください。
キャリアダンプや大きさや装備している作業機によって必要となる資格が異なりますので、保有している資格に合わせた大きさやモデルのキャリアダンプを選択しましょう。
キャリアダンプとは
クローラー式のキャリアダンプは、左右のクローラーを互いに逆回転させることもできるので超信地旋回が可能なことから、ダンプよりも使い勝手が良く、河川工事や道路工事をはじめとした工事現場から、圃場整備工事などの農業土木でも多く使用されています。
キャリアダンプの汎用性や不整地走破性は防衛省も目をつけており、民生品のキャリアダンプが陸上自衛隊にも採用されていたり、警視庁では災害用車両として配備されている観点からも信頼性が高い完成された機械ということがわかります。
また、キャリアダンプを私有地以外で運転したり、工事現場で使用するには車体重量によって資格が必要です。正しい操作、使用を行わないと横転や車体からの転落などの事故にもなるためしっかりと必要な講習を修了しましょう。
まとめ
災害復旧活動にも使用されていることからいざという時にも役立ってくれます。
農業用などで個人所有を考えている方は、ラインナップが豊富なヤンマーなどのメーカーがオススメです。軽トラに積載できる重量、大きさで資格が必要ない歩行式が手軽で、価格などの費用も低く済むでしょう。