キャリアダンプ
2022/06/16
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中古建機|キャリアダンプの技能講習や教習所について解説
キャリアダンプの運転に必要な技能講習について
では、キャリアダンプを知らない方にもご説明すると、今あげた職業の共通点は、それは悪路での作業が想定される点です。
キャリアダンプは中でも、ダンプカーなどの車両が入れない軟弱地盤での走行が可能であることから不整地での重要な荷役を務めています。
悪条件での運搬作業に大変重宝される存在のキャリアダンプですが、他の重機と同様に運転には資格が必要です。
今回はキャリアダンプを運転するために必要な資格について解説していきます。
主に運搬車として使用されるキャリアダンプ
ホイール式(タイヤ走行)のキャリアダンプは舗装路における機動性に優れていますが、悪路走行に対応したクローラー式走行が一般的です。
クローラ式(キャタピラ走行)は、接地圧が低く、軟弱地盤や傾斜がある地面でも、荷台に積載物があるまま走行が可能です。
正式には不整地運搬車という呼ばれ方もしますが、油圧装置を搭載しているものが多く、ダンプ式荷台が標準的なためキャリアダンプと呼ばれます。
クローラ(キャタピラ)走行のものはクローラダンプ、ホイール式はホイルキャリアとも言います。
ゴム製クローラーの誕生以降、ホイールキャリアは衰退し、その数は少ないですが機動性があるため倉庫や農園など狭い場所で使われている事が多いです。
現在ではゴム製のクローラを備えたキャリアダンプが主流になっており、以前は大型のものには鉄製クローラが使われていました。
現在は技術の進歩もあり10トンを超えるキャリアダンプでもゴム製クローラが使われるようになっています。
使用用途の一例としては、山間部での運搬、河川工事や法面工事での土砂運搬、農業土木などで役立つことが多いです。
米国ではゴミ処理場や森林開発で大型のキャリアダンプが活躍しています。
土木現場をはじめとした、悪条件の地盤や自然環境を相手にする仕事では幅広く使われており、農業、林業、スキー場管理などの職業で目にする機会が多い重機です。
農業では、圃場内において土や堆肥、収穫した作物の運搬に用いられ、車両が侵入できない住宅の庭の造園作業には小型のキャリアダンプが活用されています。
また、警察車両としてキャリアダンプが災害用として配備されている例もあり、災害救助や復旧作業での活動を行います。
土砂崩れや陥没などにより、道路が寸断されるような災害現場ではその不整地走破性能が発揮され、瓦礫や土砂の撤去から物資輸送など多岐にわたる運用が期待できるでしょう。
キャリアダンプをベースにクレーンや集材機器を架装したものもあり、座席を反転させてバック走行も考慮され、前後進の変則段数は同じになっています。
助手席や乗客用の席はなく、原動機はディーゼルエンジンのものが多いです。
乗車式とは別に操縦席のない歩行式もあり、ダンプ機構などは手動によるものが多く、座席がないため特殊自動車にはなりません。
キャリアダンプには荷台が半旋回(180度旋回)や全旋回(360度旋回)するモデルもあり、ダンプカーよりも積み込み、排土の作業効率がいいものや、荷台にはベッセルと呼ばれる船底形状のもので砕石や土砂の運搬、排土に適した箱型や、三方開という一般的な荷台のタイプがあります。
キャリアダンプには資格が必要
小さなものでも980キロくらいのものもあります。
キャリアダンプは普通のダンプトラックと比べるとやや小型なものが多い印象です。
そして、最大積載量1トン以上のキャリアダンプを運転するには「不整地運搬運転者」という資格が必要で、不整地運搬車の運転作業に従事する者は、労働安全衛生法に基づく運転技能講習を修了しなければならないことが義務付けられています。
最大積載量1トン以上規模の大きさですと重量は16トンくらいになります。
最大積載量1トン以上のキャリアダンプは技能講習が必要ですが、1ン未満の機械であれば特別講習だけで運転ができます。
不整地運搬運転者とはどういった資格なのか?
普通の自動車運転免許とは違い、取得後は更新手続きの必要はないので、合格後は一生ものの資格となりますが、不整地運搬運転者の資格のみを取得しても、自動車運転免許がないと公道を走ることはできないので注意してください。
そのため、整地運搬運転者の資格は他の資格や車両系建設機械と組み合わせて取得されることが多いです。
資格取得のメリットは?
また、積雪地での需要も高く、時には特殊環境下での配達の必要性があることから、不整地の運転でもあまり縁のない運送業でも、資格を持っていると歓迎されることがあります。
しかし、ハンドガイド式のものや、林内走行車や農業運搬機については別の資格が必要となる場合があるので注意が必要です。
特に建設業界では、不整地運搬運転者の技能講習を修了すると、キャリアダンプの運転ができるだけでなく、建設キャリアアップシステムにおいての評価が上がるというメリットがあります。
評価が上がると「登録基幹技能者」になることが可能で、その種類のプロフェッショナルとして認められます。
登録基幹技能者になると、現場管理を任せられるだけでなく、給与アップなど収入面においても優位になるので是非チャレンジしてみてください。
特別講習と運転技能講習の2種類存在
最大積載量が1トン未満であれば、「特別教育」を受講すれば取得可能で、1トン以上であれば「技能講習」を修了することが取得条件です。
不整地運搬車運転技能講習 | 最大積載量1トン以上を含めた全ての不整地運搬車を運転できる事ができる資格です。 |
不整地運搬車運転特別教育 | 最大積載量1トン未満の不整地運搬車を運転できる資格です。 |
運転免許
キャリアダンプを公道で運転する場合には大型自動車免許も同時に所持しておく必要があるほか。キャリアダンプに対して車両登録をおこない、ナンバープレートの取り付けが必要です。
不整地運搬者技能講習内容と講習時間
学科 | 講習時間 |
走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識 | 4時間 |
荷の運搬に関する知識 | 4時間 |
荷の運転に必要な力学に関する知識 | 2時間 |
関係法令 | 1時間 |
実技 | 講習時間 |
走行の操作 | 20時間 |
荷の運搬 | 4時間 |
18歳以上であれば誰でも受講することができ、大型特殊自動車免許を保有している場合、講習時間は11時間とかなり短縮できますが、一方で、車両系資格を身保有、未経験で受講する場合は35時間のコースとなり、5日〜6日にわたる長丁場となります。
学科と実技で各6時間があり、技能講習の場合、経験や保有している資格によって11時間、15時間、31時間、35時間の4コースに分かれます。
講習免除を受ける場合は、特別教育修了証のコピーや。事業主経験証明証などが必要となるので忘れないようにしてください。
不整地運搬者特別教育内容と講習時間
学科 | 講習時間 |
走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識 | 2時間 |
荷の運搬に関する知識 | 2時間 |
荷の運転に必要な力学に関する知識 | 1時間 |
関係法令 | 1時間 |
実技 | 講習時間 |
走行の操作 | 4時間 |
荷の運搬 | 2時間 |
各事業所や企業、都道府県労働局長登録教習機関などで実施される特別教育を受講すれば、一般道路を除いて、最大積載量が1トン未満のキャリアダンプ(不整地運搬車)の運転を行うことができます。
また、大型免許保有者や建設機械施工技術検定の1級技術検定合格者、最大積載量1トン未満の不整地運搬者の運転業務を6ヶ月以上の従事者などには、学科や実技の講習が一部免除になります。
不整地運搬車運転者特別教育は、学科6時間、実技6時間の合計12時間の受講時間が必要です。
技能講習の受講時間について
下記の資格がひとつあれば、短縮した時間で受験可能です。
11時間 | |
大型特殊免許所有者 車両系建設機械(整地等)(解体用)運転技能講習修了者 普通、準中型、中型、大型運転免許を保有し小型車両系建設機械(整地等)(解体用)又は、小型不整地運搬車のいずれかの特別教育修了後、業務経験が3ヶ月以上ある方。 |
|
15時間 | |
小型車両系建設機械(整地等)(解体用)又は、小型不整地運搬車のいずれかの特別教育修了後、業務経験が6ヶ月以上ある方 | |
31時間 | |
車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習修了者 | 35時間 |
上記いずれも該当しない方 |
講習場所と資格取得の費用は?
代表的なもので「コマツ教習所」、「キャタピラー教習所」、「住友建機」、「コベルコ教習所」など各メーカーが行なっている教習などがあります。
しかし、教習所によっては業務経験や大型免許などの保有資格がないと対応していない場合もあるので、受けたい教習所で事前に確認が必要です。
なお、不整地運搬車運転特別教育や不整地運搬車運転技能講習は、建設事業主に対する助成金制度の対象となっています。
建設事業主等に対する助成金制度とは、建設業に携わる中小企業の事業主が従業員に技術向上のため、技能講習・特別教育・安全衛生教育を受講させた場合に、その一部が事業主に対して助成される制度です。
取得の際は職場に一度確認してみるてはいいでしょうか。
資格取得にかかる費用の相場は以下の通りとなっています。
料金は教習所や教習コースによって幅があります。
不意整地運搬車運転技能講習の費用相場
大型特殊免許保有者 車両系建設機械(基礎工事用・解体用)運転技能講習修了者 |
35.000円~40.000円 |
車両系建設機械(基礎工事用・解体用)運転技能講習修了者 | 100.000円~105.000円 |
上記以外 | 110.000円~120.000円 |
不整地運搬車運転者の試験難易度は?
具体的な合格機銃や合格率は公表されていませんが、ほとんどの人が合格しているようです。
不整地運搬車技能講習を受講して運転できるトラック
アーティキユレート式
アーティキュレーターダンプトラックは、起伏の多い不整地や軟弱な地盤での走行性がよく、勾配にも強く小回りが利くというメリットがあります。
サイズは、積載量が23トン、運転質量23トンから積載量40トン、運転質量33トンクラスまであります。
主に、ダム工事、住宅地造成、ゴルフ場建設、トンネル工事、露天掘り鉱山や採石場などで活躍しています。
元々は、降水日数が多く、春先は雪解けで地盤が非常に不安定になる欧州にて開発された機械ですが、日本の起伏に富んだ地形と多彩な気象状況にも対応しています。
スキッドステア式
タイヤで走行するものを「スキッドステアローダー」、クローラ式のものを「コンパクトトラックローダー」と呼びます。
特に多種多様なアタッチメントがあり、汎用的かつ多用途に運用できるのもメリットです。
サイズですが、バケット容量は共に0.4m3程度、運転質量はスキッドステアローダーで2.7トン、コンパクトトラックローダーで4.2トンほどになります。
様々な現場で活躍しており、建設工事や土木工事以外にも、農林水産関係、造園業、畜産などの幅広い現場で、積み込み、除雪、運搬、清掃業務に使用されています。
オフロードダンプトラックはキャリアダンプと同じか?
装輪駆動ですが、一般の自動車と同じように丸ハンドルで前輪の向きを変えて走行し、大型特殊自動車の一種として定義されています。
積載能力や走行速度がどの運搬重機よりもはるかに高いことや、ダンプ以外の作業機を取り付けないことなど、上記二種の機械とは別格の存在となります。
フォワーダを運転するには
フォワーダとは林業などで運用される木材積み込み用機械のことで、これがキャリアダンプに搭載されている銃器を取り扱う場合は、大型免許や大型特殊免許を取得しただけでは行動を走れても操作することはできません。
また、今回紹介した不整地運搬車運転者の資格でも操縦することはできません。
フォワーダは「走行集材機械」(フォワーダ・集材車・集材用トラクターなど)という内容で規定されており、「走行集材機械特別教育」を受講しないといけません。
つまり、事業主はこの作業を行わせるときには特別教育を受講する必要があります。
フォワーダ運転の講習内容について
・走行集材機械に関する知識、走行集材機械の走行
・作業に関する装置の行動
・取り扱いの方法に関する知識
学科は以上の内容を合計6時間の講習時間で実施されます。
実技の受講内容
・走行集材機械の走行操作
・走行集材機械の作業のための装置操作
実技に関しても以上の内容を合計6時間実施されます。
この特別教育は車両系木材伐出機械等の運転経験6ヶ月以上ある方ある方を対象に実施されています。
講習場所と資格取得の費用は?
代表的なもので「コマツ教習所」、「キャタピラー教習所」、「住友建機」、「コベルコ教習所」など各メーカーが行なっている教習などがあります。
しかし、教習所によっては業務経験や大型免許などの保有資格がないと対応していない場合もあるので、受けたい教習所で事前に確認が必要です。
なお、不整地運搬車運転特別教育や不整地運搬車運転技能講習は、建設事業主に対する助成金制度の対象となっています。
建設事業主等に対する助成金制度とは、建設業に携わる中小企業の事業主が従業員に技術向上のため、技能講習・特別教育・安全衛生教育を受講させた場合に、その一部が事業主に対して助成される制度です。
取得の際は職場に一度確認してみるてはいいでしょうか。
資格取得にかかる費用の相場は以下の通りとなっています。
料金は教習所や教習コースによって幅があります。
不意整地運搬車運転技能講習の費用相場
大型特殊免許保有者 車両系建設機械(基礎工事用・解体用)運転技能講習修了者 |
35.000円~40.000円 |
車両系建設機械(基礎工事用・解体用)運転技能講習修了者 | 100.000円~105.000円 |
上記以外 | 110.000円~120.000円 |
不整地運搬車運転者の試験難易度は?
具体的な合格機銃や合格率は公表されていませんが、ほとんどの人が合格しているようです。
まとめ
ただし、ハンドガイド式、林内作業者、農耕用運搬機械などは不整地運搬車には含まれませんので注意してください。
解説した通り、キャリアダンプ(不整地運搬車)は労働安全衛生規則で「車両系荷役運転機械」に該当しているため、最大積載量が1トン以上の不整地運搬作業を行なう場合は、「不整地運搬車運転技能講習」を修了する必要があり、最大積載量1トン未満では「不整地運搬車運転特別教育」を修了したものであれば業務可能とすることが、労働安全衛生法で定められています。
そして、保有している資格によっては受講時間が一部免除になることもあるので、免除対象になる他の資格を保有してから受講するのがおすすめです。
不整地運搬車運転者技能講習や特別講習は全国各地で開催されているので、まずは最寄りの教育機関のサイトや予約状況、費用などを調べてみましょう。
また、クレーン機能やフォアダー架装をしているキャリアダンプを操作するには別途で、操作に必要な資格を受講する必要があります。
そのため、建設関係や造園関係、農林水産関係などの業種では需要が高く、これらの職業への転職や就職を検討している方は是非とも取得をオススメしたい資格でもあります。